ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

能量99 棒

2024-05-16 13:19:35 | 食材

能量99 とは、台湾製のスナック菓子である。古来の仏教では、僧侶は裁縫・農耕・建築などの衣食住に関わる能動的行為の一切を禁じられ、全てのものはヒトから恵んでもらわなくてはならなかったそうだ。ヒトから恵んでもらえるもの、つまりヒトが“不要だと思うもの”で生活していくことにより、欲と争いに塗れる外界と距離を置き、自身を律していくという崇高な考えに基づく。しかしやがてヒトの良いヒトたちが、“自分の要らないもの”ではなく“お坊さんが欲しいもの”を恵むようになってしまい、世の中は生臭坊主が溢れかえる状態になってしまった。そして現代版初期仏教僧と呼んでもよいホームレスや引きこもりニートが蔑まされるといった、あべこべな状態にある。世直しが求められる。今回は能量99の紹介である。

 

この棒の特長は以下のとおりである。参考にしてほしい。

 

 

①能量99 の見た目

いつものようにアジアスーパーのお菓子コーナーで、ランチ用のスナック菓子を物色していると、袋麺の5食入りプラスチックパックをやや小さくした直方体の袋が並んでいるのが発見できる。その袋の正面にはデカデカと、“能量99 ”と書いてある。様々な豆や穀物の写真がラベルの背景になっていて、ヘルシー志向の商品であることが見て取れる。やおら手に取り、袋の上部の透明の部分から袋の中を覗きみればかすがなる、そこには“やおきんのうまい棒”より二まわり小さい棒状の袋が、縦に並んでぎっしりと詰まっているのが見える。このように小分けにされた商品はランチ用としてはありがたい。筆者は購入に踏み切った。ちなみにチョコ味、カボチャ味、たまご味、やむ芋味の4種類がある。

 

 

 

②能量99

この能量99 、内容成分を見てみると、何と12種類もの穀物豆類が入っている(玄米、蓮の種、大麦、ソバ、オートミール(燕麦)、エンドウ、小豆、緑豆、インゲン豆、黒大豆、黒もち米、そしてコーン)。あながちラベルの写真は誇大広告ではないようだ。因みに筆者はオートミールがエンバクという穀物の名前であることをこの時に知った。この能量99 棒の製造元は北田食品という、1988年設立の台湾桃園市に本社を置く企業である。鏡餅のような形状のロゴからは、日系由来の会社ではないかと予想されたが、そのような情報は見つからなかった(日本にもかつて兵庫県加古川市に同名の会社があったようだが、今はないようだ)。

 

 

 

③能量99棒を取り出す

小分けにされた棒状の袋にも穀物豆類の写真が載せられているが、この小袋の方は“棒”の文字が他の文字と同サイズである。この包装は余白が少なく、縦方向にしか切れないため、斜めに少しだけ切り、角に作った穴を指で広げて能量99棒を剥きだしにしなくてはならない。包皮を指で剥いてやっとこさ顔を出した小ぶりの能量99棒の先っぽは、優しい麦色をしている。

 

 

 

④能量99棒を食べる

外側のスナックは、軽さと存在感が共に感じられて食感がよい。12種の豆雑穀がバランスよく交じり合っているからか、味には主張が全くなく、素朴そのものだ。その分、中央部分のチョコの味(筆者はチョコ味が好き)のうま味が引き立ち、小分けの袋が不要なほどにムシャムシャと食べてしまい、みるみるうちにデスクの上に小袋のゴミ山ができ、女子社員から奇異な目線を向けられることだろう。

 

 

 

商品名にある“99”は、商品と直接関係のある数字ではなさそうだ。しかし九十九という数字は日本でも“ツクモ”という特別な読み方をする数であるし、九十九里浜などといった地名にも用いられる。“数えきれない”“永遠”を思わせるとともに、“百からたった1だけ足りない”という儚さも兼ねた深みのある数字に思われる。そういえば似非30代独身日本式サラリーマンが幼少の頃には1999年には地球が滅びるといった予言が面白おかしく語られていた。2024年の五月には世界では太陽の爆発(核運動?)が活発化したため日本でオーロラを見ることができたらしく、それがまたもやいろいろな不安を呼んでいるようだが、ノストラダムスさんの予言からはもう25年も余計に生き延びているのだから、我らはそろそろ心静かに最後を迎えようではないか、どうせ一人だし。

 


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