ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

KAZ Teriyaki Grill

2016-10-22 18:52:07 | 食事
 カズ・テリヤキ・グリルはサンマテオ市にある弁当屋だ。独身日本式サラリーマン諸氏が日本に居たころは、ホットモット(旧ほっかほっか亭)や本家かまどやといった弁当屋に少なからず世話になっていたはずだ。ここアメリカにおいても日本料理屋などではBENTO-SETと銘打ったメニューがサーブされており、四角い器に数種のメニューが盛られた食事としての“BENTO”という言葉は広く知れ渡っているが、サンドウィッチやホットドッグ、ハワイのラウラウ等に替わるハンディーな食事としての“弁当”はなかなか認知されていない状態と言える。そんな中、カズ・テリヤキ・グリルは、サンマテオ市の繁華街で賑わう日本式弁当屋なのだ。


この店の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①立地
サンマテオの4番通りとサンマテオ通りの角に位置し、日式スーパーマーケットのスルキに隣接している。お店の名前の看板が出ていないので、“ここはするきの惣菜コーナーかな”と思わせるが、違うお店だ。お昼時は弁当を買い求める人々で賑わいを見せている。都合のいいことに、店の前の歩道の花壇にはL字型にベンチが据えられているため、そこに腰を掛けて購入した弁当を食べる人々を見かける。また駐車場はないが、都合のいいことに目の前の路上駐車場が25分制限エリアなので回転がよく、すぐに駐車できる。



②内装、買い方
入り口を入るとすぐ目の前にメニュー看板が掛けられており、そこにはからあげ弁当や、サバ塩焼き弁当などのメニューが並ぶ。店内の右奥に注文するコーナーがあり、そこから人々が並んでいるので自分の番がくるのを待つのだ。とはいえ、弁当はまるで予め作られているかのようにどんどん出されるため、4、5人の列はすぐになくなる。先客がどんどんとさばけ、注文コーナーに近づくと、入り口のメニューとは全く別のどんぶりものメニュー看板があるので、入り口で「よし、今日はからあげ」と心に誓っていても大抵ここで心変わりをしてしまう。



③店員さん
厨房には割と屈強な部類に入るヒスパニック系の男が2人おり、注文コーナーでは年増の日系女性が注文を受ける方式になっている。日系女性は英語で客とやりとりした後に、「カツカレー」や「カラアゲー」など日本語の発音で後ろの男たちに声掛けし、後ろの男たちはそれを理解し、ほぼ無言でひたすら弁当を作る。厨房にグリルされた鶏肉が山積みされており、このお店の繁盛ぶりをうかがい知ることができる。



④味
日本式独身サラリーマンの舌をそれなりに満足させる弁当で、平日や休日の昼食に最適だ。特にカツカレーが美味しい。



箸やスプーンなどの道具やナプキンは、注文コーナーの前の机に並べられているので必要な分だけ手にしてお店を後にする。アツアツの弁当は、店の前のベンチですぐに食べるのもいいし、セントラルパークまで出向いてベンチに腰かけ、優雅に散歩するキリンや、太極拳に勤しむ人々を見ながら食べるのもよいだろう。それともサンマテオの静かな裏通りに車を止め、中で一人でむしゃむしゃ食べて、張り込みごっこをしてみるのも面白い。好きにするといい。

コブ・サラダ

2016-10-21 23:17:40 | 食材
 コブ・サラダは、サラダだ。東京や大阪などの日本の都市においても、イタリアンレストラン等で、“シェフの気まぐれコブ・サラダ”や、“〇〇おばさんのコブ・サラダ”などという枕詞が付けられたメニューを目にしたことがある日本式独身サラリーマンも少なくないだろう。それはサラダと名が付けられているが、後述のようにタンパク質や炭水化物もふんだんに盛られたおかずサラダである。ここ、米国ではなかなか一般的なメニューのようで、全然洒落ていないレストランでも目にすることができる。


このサラダの特長は下記のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①名前の由来
コブ・サラダを米国で広く目にするのは、発祥が米国だからである。1930年代、レストランを経営していたコブさん(苗字)が、閉店後に余った材料を適当に混ぜて食べたなら、非常に美味であったことからお客にも出すことにした・・・ということだ。つまり、コブとは人名であって、バルバス・バウや隠し子を意味する瘤(こぶ)ではなかったのである。
そして日本で見かける“シェフの気まぐれコブ・サラダ”とは、元々コブさんが気まぐれに混ぜてできたサラダを、さらにその店のシェフが気まぐれで作るという、相当に気まぐれたサラダであるということを覚悟せねばなるまい。


②概要
店によって内容が若干異なるが、レタス・トマト・アボカドなどの野菜に、鶏胸肉やベーコン等の肉、それにブルーチーズ、ゆで卵、クルトンをも載せたもので、ドレッシングは大抵の場合イタリアンやフレンチなどのお店の持つドレッシングレパートリーから選択する形式となっている。見た目も華やかなサラダだ。


③効能
とかく野菜が不足する日本式独身サラリーマン諸氏が、独りでバーやレストランで“サラダ”を注文することは難しい。何故ならサラダ一皿でも相当のボリュームがあるうえに、味気ないサラダはつまみにならないし、やっぱり肉が食べたいからだ。そんなときにコブ・サラダが有効だ。たっぷりの野菜を適度な肉類と共に美味しく食することができ、ワイン等のつまみとしても十分役立ってくれる。
そして、最近流行の炭水化物抑制ダイエット食品としても活用できるだろう。出張時などで、どうしてもホテルのレストランで朝食を摂る必要がある場合にも、朝からバターたっぷりのオムレツや、ジャガイモをオイルで揚げたものではなく、コブ・サラダで健康的な食事ができる。コブ氏に感謝だ。

“『この味がいいね』と 君が言ったから七月六日はサラダ記念日” QUBE Bar and Grillでコブ・サラダを食べたとき、ふとこの歌が思い出された。 この短歌の意味はこの短歌を学習した小学生の頃には判らなかった。そして長らくこの歌を忘れていて、こうして30代独身日本式サラリーマンとなって改めてこの五七五七七を読んでみると、読み手の“君”に対する深い、淡い愛情があふれ出ているのを感じることができた。マチ氏に感謝だ。我々独身日本式サラリーマンは、誰かの記念日を作れているのだろうかと思いながら、一応メキシカンの女店員に、コブ・サラダを指さして『この味がいいね』と言っておいた。

Salsa Legends

2016-10-20 20:38:19 | 生活
 Salsa Legendsは、CDのタイトルだ。 中南米の音楽である“サルサ”の伝説的な歌い手達を、“レジェンズ”として各々の歌い手ごとにCDにまとめたものである。一口に中南米の音楽と言っても、そこにはサルサの他にもサンバやルンバ、はたまたボサノバやチャ・チャ・チャなどに加え、さらにはカリプソ、マンボ、そしてレゲエと無数の音楽のジャンルがあり、筆者にもその明確な分類はできておらず、米国のラジオでよく耳にする素敵な音楽を求めて週末にAmoeba Musicに通いつめた結果、ついに探していた音楽が“サルサ”であることが判明したのだ。


この音楽CDの特長は下記の通りだ。参考にしてもらいたい。


①サルサ音楽の歴史と概要
歴史について詳らかに記すには紙面が足りないため、ウィキペディアを参照してもらうといい。そうするとサルサは、ジャズやキューバ音楽などを起源とする比較的新しい音楽であることが見て取れる。独特なリズムを南米らしいパーカッションで刻み、それに合わせて鳴らされる伴奏のピアノの音は弾むように走り、踊りだしたくなる。トランペットやサクソフォーンなどの管楽器は、過剰なまでに情熱的なボーカリストの歌声と共に“生きる喜び”を奏で、叫ぶようなバックコーラスは、音に厚みを加える。歌詞はスペイン語だ。



②サルサ・レジェンズの紹介
日本式独身サラリーマン諸氏も、メキシコ酒場やラジオや祭りなどで、サルサ音楽を聴いたり、踊る人々を見かけて、サルサ音楽に興味を持った人もいるに違いない。でも、なかなか何を聴いていいのかわからなくて、そこで終いになっていはしないだろうか。無暗にジャケットだけを信じてCDを購入するとひどい目に遭う。そんなときにお勧めするのが、このサルサ・レジェンズだ。サルサ音楽の入門編、いろはのイと言っていい。




③サルサ・レジェンズの内容
早速、アマゾンでサルサ・レジェンズを検索してもらいたい。そうすれば十数人のサルサのレジェンズたちのCDがずらりとヒットする。どれを購入しても、それはレジェンドなので間違いはない。ジャケットに大きく映るレジェンズの顔から好みのものを選ぶといい。
それでも、間違うことを恐れる慎重な日本式独身サラリーマンは、予めYouTubeで試聴してから好みのレジェンドを選定するか、もしくは数人のレジェンズを集めたコンピレーションアルバムを購入するといい。バラードサルサから、激しいサルサまでベーシックで楽しい安心のサルサがここに在る。

筆者は、レジェンドを2人選定して購入し、次にプエルト・リコのややハワイアンの混じったサルサへと傾倒し始めている。サルサが流れると街の景色は変わり、犬や猫は走り出し、老婆は少女になる。残念なことに、日本ではサルサ音楽を耳にすることは非常に少なく、有名なところではオルケスタ・デラ・ルソやユースケ・サンタマリア氏などしか居ない状態だ(パラダイス山元氏は、マンボに分類される)。日本式独身サラリーマン諸氏は、いつの日にか上司や仲間を集めるであろう自身のウェディングパーティーにて、豪快に軽快にサルサを流して、サルサの普及に努めて欲しい。

Ben Frank's

2016-10-16 18:07:49 | 食事
 Ben Frank'sは、レッドウッドシティにあるホットドッグ屋だ。 エルカミノ通りとブロードウェイ通りの一つ北側の通りであるウィプルアヴェミューとの角に位置し、エルカミノ通りの北向きに面しているので、北からアクセスした場合はUターンが必要だ。お店はドライブスルー形式にもなっている。入り口を入ると左右に道が枝分かれしており、駐車する場合は左へ進む。ここに標識がないので誤ってドライブスルー方向へ行ってしまわないように注意しよう。ただし万一そのような場合にも、店員にしっかりと「誤ってドライブスルー側へ入った」という旨を伝え、ドライブスルーをそのままスルーすると、駐車場へたどり着くのでそこまで神経質になる必要はない。


このお店の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。

①外観、雰囲気
お店はレストランというよりは、“ホットドッグスタンド”とでも呼ぶ方が適切かも知れない。
建屋はあくまで調理場のみで、客席などのスペースはなく、建屋の外に並べられた数台の卓で食べる形式だ。白く塗られた木造の方流れ屋根の建屋は小ぢんまりとしており、屋根の縁はネイビーに塗られて可愛らしい。鮮やかな色のパラソルが建てられた卓や、周囲の植樹とも合わさって、レゴブロックで作られたハンバーガーショップのようだ。そしてよく見ると、片流れ屋根の上に、フクロウがじっと佇んでいる。


②Ben Frank
この店の創業者なのだろうか。ベン・フランク氏と思われる初老の、生え際の後退が進行した、それでも後ろ髪を豊かに伸ばした丸眼鏡の男性のポートレイトが随所に飾られている。その衣装からは南北戦争時代のような歴史を感じさせる。こちらに向かって優しく微笑んでおり、ホットドッグを食べる前の緊張感を和らげてくれる。


③メニュー、味
看板に、自ら「オールドファッッション、クラシックアメリカンホットドッグ」と謳っているように、何の飾り気もないホットドッグだ。でも晴れた日に太陽を浴びつつ、ケチャップやマスタードで口を汚しながらパクつくホットドッグはどうしたって不味くはない。他にもハンバーガーやコーンドッグ(日本ではアメリカンドッグ)やシェイクなども売られており、客足が絶えないところを見ると、地元民たちにも愛されていることが見てとれる。


 アメリカ合衆国では1人当たり年間60本のホットドッグを消費していると言われ、国民食の代表として位置づけられているそうだ。「え、たった60本で国民食!?」と訝しがってしまうかも知れないが、統計学を嗜んだ日本式独身式サラリーマンは、この60本の意味するところを知り、ホットドッグの持つ経済インパクトを認識したことだろう。それに比べて日本でなかなかどうしてホットドッグ食が浸透しないのかと考えるのだが、筆者には“そんなに美味しくないから”というのが最も正解に近い気がしている。ただし、サンカルロスのホームデポ前で売られているホットドッグは別格だ。日本式独身サラリーマン諸氏も、機会があればサンカルロスのホームデポへ足を運んでみてもらいたい。

イベリア レストラン

2016-10-09 08:57:34 | 食事
 イベリアレストランは、ベルモント市にあるスペイン料理のお店だ。最近、どこかから移転して新装開店したという話で、今はエルカミノ通りの南方面行き沿いにあり、ベルモント駅よりもやや北側にある。そのブロックは商業エリアではなく、お店と同じような建屋の住宅が並んでおり、目立った看板も建てられていないので判別しにくいが、よく見るとベージュに塗装された建屋に、ネイビーに縁どられた四角い窓が可愛らしい小洒落た外装のお店を見つけることができるだろう。駐車場はない。


このお店の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。


①内装、雰囲気
中は二つの部屋に分かれており、両方ともレザーであつらえた椅子と2~4人掛け用の木製の小さな卓が並んでいる。また、入り口側の部屋にはカウンター席や、7~8脚のレザーのソファーの席も用意されている。南欧風な絵画や彫刻が適度に並べられ、高級感の中にも家庭的な温もりを感じる空間になっている。そしてここはスペイン風の小皿料理(タパス)と共にワインを楽しむお店のようで、昼も夜もワインを飲みながら談笑する人々でそこそこの賑わいを見せ、カウンター席ではジャイアンツの試合をTV観戦しながら飲酒を楽しんでいる。


②メニュー、店員
小皿料理はイモ料理や、エビやマッシュルームをグリルしたものなど様々で、どれも美味しい。決して踊りだしたくなるほどの美味ではないが、普通に美味しい。ワインはカリフォルニア産から、スペイン産、南米産のものが揃えてある。
店員は、いかにも“給仕”という恰好に身を包んだメキシコ系の人々で、お店の雰囲気に合う穏やかな人々だ。


③独身日本式サラリーマンとして その1
小皿料理はおつまみ程度の分量なので、一人で来店しても3~4皿のタパスを楽しむことができる。テーブルは2人掛けのものがメインだから独りで座っていても違和感がない。カリフォルニアにやってきたにわかワイン好きの日本式独身サラリーマンにとってはちょうどいいお店であるといえる。ただし、筆者は現在まで、このお店で独りでワインを楽しんでいる人を自分以外には見たことがない。ワインとは、2人以上で愉しむものなのかも知れない。

③独身日本式サラリーマンとして その2
傍から見ても明らかに悲しい、孤独な独身日本式サラリーマン諸氏は、ときおり家族を持つ同僚などのホームパーティーに招待されることもあるに違いない。そんなときにはこのイベリアレストランで、パエリアをテイクアウトして持って行くことをお勧めする。このお店はパエリアがメイン料理としてサーブされ、黄色いサフランライスと、豊富な魚介と野菜で彩られたその見た目は非常に食欲をそそる。2~4名用と、4~6名用があり、どちらもテイクアウトすることが可能だ。また、専用のフライパンのままテイクアウトできるので、これもまた見た目に食欲をそそり、何より奥様受けがいい。


さぁ、これまでは「○○君はお酒だけ持ってきてくれればいいから」などと暗に何の期待もされていないことを仄めかされて、惨めな思いをして枕を濡らした独身日本式サラリーマン諸氏も、明日からは胸を張ってこう言おう。

「あ、それなら僕はパエリアを持って行きますよ」

そして専用のフライパンはよく洗って返そう。