プログレッソの缶詰で雑炊とは、アメリカならどこでも売っているプログレッソ社製調理済み缶詰に白米を混ぜ、加熱したものを言う。30代独身日本式サラリーマンは職場では中堅社員と呼ばれ、経験と体力を備えた働き盛りと見なされているが、長屋では炊事洗濯もそつなくこなさなくてはならないので毎日たいへんだ。疲れた帰り路ではついつい外食や、出来合いの総菜を買って帰ることも多いが、毎日それでは出費が嵩む。それにアメリカの冷凍食品やインスタントフードはハズレも多く、疲れて帰ってハズレを引くと生きる気力が失せ、YOUTUBEでニッキューナナのコントをひたすら見る夜を迎えることになる。そこで30代独身日本式サラリーマンなら誰でも好きな雑炊を、お手軽なプログレッソの缶詰で作ってしまおうという企画です。
この雑炊の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①プログレッソ社の缶詰
アメリカのスーパーマーケットならどこでだって、青色のプログレッソ社の缶詰が棚の上から下までをずらりと占領しているのを見ることができる。その隣で同じく棚を占領しているのがもう一つの大手の缶詰会社、キャンベル社なのだが、個人的にはその赤色の不健康そうでアグレッシブなデザインの缶よりも、プログレッソ社の缶詰が手に取りやすい。さて、そのプログレッソ社はもともとニューオリーンズでトマトの輸入業で成功していたイタリア系アメリカ人のところに、小さな缶詰食品を経営していた男が話を持ち掛けてできた会社だそうで、設立は1925年。その後は複数の会社に買収されているようだ。雑炊の作り方はいたってシンプルで、缶詰の中身と冷えた米を鍋に入れてグツグツするだけであり、下記が筆者が複数の缶詰で実践した記録だ。
②ニューイングランド・クラムチャウダー缶詰雑炊
プログレッソの缶詰の中で日本人が安心して購入できるのがニューイングランド・クラムチャウダーだ。牛乳ベースのニューイングランド・クラムチャウダーに米を混ぜる行為は筆者にとっては勇気の要ることであったが、西洋にはオートミールと呼ばれるものもあるし、やってみた。結果は悪くない。わずかに、ほんのわずかにだけ香る貝の風味にまったりとしたクリームソースと米はよく合わさり、まぁリゾッドのような感じに仕上がる。ただやはり甘めの味付けが物足りず、それにミルキーな香りがしつこいので、筆者はあらびき胡椒を振りかけスパイシーに仕上げて平らげた。白ワインと一緒に食べられるクリームシーフード雑炊といったところだ。
③マンハッタン・クラムチャウダー
続いてトマトをベースにしたマンハッタン・クラムチャウダー雑炊に挑戦してみた。ニューイングランド・クラムチャウダーに比べると海の香りが比較的強く感じられ、それにクリームのこってりがないのでさらさらと本来の雑炊感覚で食べられるのでこれはおすすめだ。トマトの他にセロリやニンジンなどの30代独身日本式サラリーマンが摂取したい野菜が入っているのも魅力だ。しかしこれもやや甘めなので、筆者はやはりあらびき胡椒をふりかける。タバスコを使うのも良いらしい。
③チキン&ワイルドライス
この缶詰を見て筆者はすぐに、“これならアメリカ風鳥雑炊なので安心して食べられるに違いない。しかもすでに『ワイルドライス』が入っているのだから雑炊にはぴったりなはず”という安易な期待を抱いた。だが結果は可もなく不可もなくといった感じだ。上の二つは“雑炊”と言いながらもリゾットとして食べる感覚で楽しめたのだが、このチキン&ワイルドライスは“雑炊”を期待してしまう所為で評価が落ちるという悲しい結末だ。やっぱり玉ねぎパウダーや砂糖の甘さが筆者の癇に障るようだ。それにどうも日本の鳥出汁とアメリカのチキンスープは根本的に何かが違う気がする。
④チキン&ソーセージ ガンボ
これがまさに大当たりで、筆者は嬉しさのあまり長屋で一人、思わずデストラーデ選手なみのガッツポーズをしてしまったのだった。まぁガンボはそもそもがクレオールの人々にとっての雑炊なので旨いのは当たり前といえばそうなのだが、改めてルイジアナがフランス領であったことに感謝しなくてはいけないと思った。ルイジアナはアメリカの味覚の最後の希望といってもいいだろう。トマト、セロリ、オクラ、パプリカにコーンなど野菜のごった煮に鳥スープ、それに胡椒味の効いたソーセージがグチャグチャに混ぜ合わされた深みのある味は、ビールとよく合うホットな雑炊になる。雑炊のように米と混ぜ合わせず、カレーライスのように分離しておいてスプーンで少しずつ混ぜながら食べるのもお勧めただ。
ニューイングランドの夏はきちんと暑いのに異常に過ごしやすく、物足りないほどだ。原因はエロスの不足にある。熱気の中涙で夏を終える高校球児にそれを見つめるネット裏の女学生、数年の地下暮らしを経てただただ交尾のために地上へ這い出て果てた後に路上で死を迎えるセミ、死者を迎える盆祭りで浴衣姿で汗ばむ女、遊泳禁止区域に呼ばれるように惹き込まれて溺れ死ぬ男、夕立ちが湿らせたアスファルトから漂う甘美な匂い、そしてカルピス。エロスの纏う日本の夏に慣れ親しんだ30代独身日本式サラリーマンにとって、ニューイングランドの夏は刺激が薄すぎて、ついついニッキューナナのコントをひたすら見る夜を迎えることになる。
この雑炊の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①プログレッソ社の缶詰
アメリカのスーパーマーケットならどこでだって、青色のプログレッソ社の缶詰が棚の上から下までをずらりと占領しているのを見ることができる。その隣で同じく棚を占領しているのがもう一つの大手の缶詰会社、キャンベル社なのだが、個人的にはその赤色の不健康そうでアグレッシブなデザインの缶よりも、プログレッソ社の缶詰が手に取りやすい。さて、そのプログレッソ社はもともとニューオリーンズでトマトの輸入業で成功していたイタリア系アメリカ人のところに、小さな缶詰食品を経営していた男が話を持ち掛けてできた会社だそうで、設立は1925年。その後は複数の会社に買収されているようだ。雑炊の作り方はいたってシンプルで、缶詰の中身と冷えた米を鍋に入れてグツグツするだけであり、下記が筆者が複数の缶詰で実践した記録だ。
②ニューイングランド・クラムチャウダー缶詰雑炊
プログレッソの缶詰の中で日本人が安心して購入できるのがニューイングランド・クラムチャウダーだ。牛乳ベースのニューイングランド・クラムチャウダーに米を混ぜる行為は筆者にとっては勇気の要ることであったが、西洋にはオートミールと呼ばれるものもあるし、やってみた。結果は悪くない。わずかに、ほんのわずかにだけ香る貝の風味にまったりとしたクリームソースと米はよく合わさり、まぁリゾッドのような感じに仕上がる。ただやはり甘めの味付けが物足りず、それにミルキーな香りがしつこいので、筆者はあらびき胡椒を振りかけスパイシーに仕上げて平らげた。白ワインと一緒に食べられるクリームシーフード雑炊といったところだ。
③マンハッタン・クラムチャウダー
続いてトマトをベースにしたマンハッタン・クラムチャウダー雑炊に挑戦してみた。ニューイングランド・クラムチャウダーに比べると海の香りが比較的強く感じられ、それにクリームのこってりがないのでさらさらと本来の雑炊感覚で食べられるのでこれはおすすめだ。トマトの他にセロリやニンジンなどの30代独身日本式サラリーマンが摂取したい野菜が入っているのも魅力だ。しかしこれもやや甘めなので、筆者はやはりあらびき胡椒をふりかける。タバスコを使うのも良いらしい。
③チキン&ワイルドライス
この缶詰を見て筆者はすぐに、“これならアメリカ風鳥雑炊なので安心して食べられるに違いない。しかもすでに『ワイルドライス』が入っているのだから雑炊にはぴったりなはず”という安易な期待を抱いた。だが結果は可もなく不可もなくといった感じだ。上の二つは“雑炊”と言いながらもリゾットとして食べる感覚で楽しめたのだが、このチキン&ワイルドライスは“雑炊”を期待してしまう所為で評価が落ちるという悲しい結末だ。やっぱり玉ねぎパウダーや砂糖の甘さが筆者の癇に障るようだ。それにどうも日本の鳥出汁とアメリカのチキンスープは根本的に何かが違う気がする。
④チキン&ソーセージ ガンボ
これがまさに大当たりで、筆者は嬉しさのあまり長屋で一人、思わずデストラーデ選手なみのガッツポーズをしてしまったのだった。まぁガンボはそもそもがクレオールの人々にとっての雑炊なので旨いのは当たり前といえばそうなのだが、改めてルイジアナがフランス領であったことに感謝しなくてはいけないと思った。ルイジアナはアメリカの味覚の最後の希望といってもいいだろう。トマト、セロリ、オクラ、パプリカにコーンなど野菜のごった煮に鳥スープ、それに胡椒味の効いたソーセージがグチャグチャに混ぜ合わされた深みのある味は、ビールとよく合うホットな雑炊になる。雑炊のように米と混ぜ合わせず、カレーライスのように分離しておいてスプーンで少しずつ混ぜながら食べるのもお勧めただ。
ニューイングランドの夏はきちんと暑いのに異常に過ごしやすく、物足りないほどだ。原因はエロスの不足にある。熱気の中涙で夏を終える高校球児にそれを見つめるネット裏の女学生、数年の地下暮らしを経てただただ交尾のために地上へ這い出て果てた後に路上で死を迎えるセミ、死者を迎える盆祭りで浴衣姿で汗ばむ女、遊泳禁止区域に呼ばれるように惹き込まれて溺れ死ぬ男、夕立ちが湿らせたアスファルトから漂う甘美な匂い、そしてカルピス。エロスの纏う日本の夏に慣れ親しんだ30代独身日本式サラリーマンにとって、ニューイングランドの夏は刺激が薄すぎて、ついついニッキューナナのコントをひたすら見る夜を迎えることになる。