ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ファイブ・ファーム・アイリッシュクリーム

2020-08-16 05:22:18 | 生活
 ファイブ・ファーム・アイリッシュクリームとは、筆者が酒屋で新たに見つけてきた美味しいお酒のことだ。先日ニューイングランド地方に嵐が通過したせいで、仕事は休みになっていた。昼下がり、長屋とフォードのディーラー店との境に植えられた背の高い木々が強風に揺らされ始めるのを筆者は窓から見ていた。木々は少しでも風の力を削ごうとしてか、小さくて新しい枝葉を落下傘のようにたくさん落とし始めたが、それでも風の力は強く、ついには幹から延びる腕のような枝が折られ、新鮮な材木の色がむき出しになるものもあり、筆者はそれを見ながらファイブ・ファーム・アイリッシュクリームをオン・ザ・ロックで飲んでいた。



このお酒の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。



①ファイブ・ファーム・アイリッシュクリームとの出会い
筆者の長屋から二番目に近い酒屋にはプロレスラーのような大柄な白人店員が居て、店内ではたいてい彼の好みのクラシックなロックが流れている。ファイブ・ファーム・アイリッシュクリームはある日突然この酒屋のレジ脇に数本置かれはじめ、その瓶のあまりの可愛らしさに筆者はすぐに惹かれた。毎度この酒屋を訪れる度にファイブ・ファーム・アイリッシュクリームの瓶は減っていき、残り3本になっていたところでついに筆者は1本手に取ったのだ。『これは甘いのかな?』とプロレスラーに聞けば、『いやそうでもないぜ』と言うので購入してみることにした。



②ファイブ・ファーム・アイリッシュクリーム
まるで“ヨーロッパの片田舎で配達される牛乳”のような可愛らしいビンの装丁と形状が何ともいえず、またフリップトップ式のキャップが漂わせるレトロな手作り感が嬉しい。750mⅼ入りが29ドルと、なかなかの高級酒だがついつい買ってしまう。さて、“アイリッシュクリーム”とはお酒のジャンルで、アイリッシュウイスキーとクリームを混ぜたものを呼ぶそうで、比較的新しいお酒とのこと。そして“ファイブ・ファーム”はアイルランドの南部の町の醸造所で、なんでもいくつか賞も勝ち取った優秀なお酒なのだそう。



③味・飲み方
筆者の『これは甘いのかな?』に対する、プロレスラーの『いやそうでもないぜ』の意味は、“他のアイリッシュクリームと比べて甘くない”ということだったのだろう。このお酒は砂糖とキャラメル風味の入った十分に甘いお酒だ。しかし濃厚なアイリッシュウイスキーと混ざり合うことで、まさに大人のコーヒー牛乳に変貌する。甘みがしつこくなく、すいすいと口の中におさまっていく。甘い物が苦手の筆者が言うのだから間違いない。寝る前にYOUTUBEで昔の“ゆくとし、くるとし”を見ながらオン・ザ・ロックで少しづつ少しづつ口に含み、口中で転がして楽しむのもよし、風呂上がりには牛乳で割ってジョッキでゴクゴク飲み干すのも幸福だ。水割りで甘さを控えめにさせればすっきり飲めるし、濃い目でも不思議と肴を邪魔しない。また見つけてしまった、いい酒を。


 
 嵐が過ぎ去ってから数日間、ハートフォード地区の多くのエリアでは電気の供給が遮断された。どうやら強風で倒された樹木が電線を損傷してしまった所為のようで、あたりを車で走っていてもいたるところで倒れた街路樹を片付ける作業が行われていた。ニューイングランドの木が風に弱いのは、緯度が高く、強い嵐の到来が多くないこともあるだろうが、そもそも彼らは集団で森を形成し、それにより強風に抵抗していたのかも知れないと、孤立した街路樹に比べて損傷が少なく見える深い森の木々を見ながら思った。電気の止まった酒屋では冷えたビールが期待できないので、筆者はまたファイブ・ファーム・アイリッシュクリームとジェイムソンを手に取った。