芳松とは、アリゾナ州ツーソンにある和食レストランである。ツーソンの宿で昼寝をし、やはり夕食時に空腹で目が覚めた。30代独身日本式サラリーマンが“生きていること”を感じるのは、空腹を感じるときではないだろうか。残りの時間は生きている演技を一生懸命してはいるものの、よくよく考えれば概して虚しい時間ばかりである。歯を磨きながら、ツーソングルメを楽しみたい気持ちと、おもしろ日本料理を試したい気持ちを闘争させた後、芳松へ行ってみることにした。ただしこのときはまだ芳松のことをただのYOSHIMATSUだと思っていた。2022年初夏、ウクライナとロシアの戦争は今も続いているようだが、ニュースは少なくなってきている。そしてガソリンの価格は2倍になってもう数ヵ月が経ち、だんだん昔の値段を忘れるほどだ。
この日本料理屋の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。
①立地・アクセス
芳松へは、ツーソン市のダウンタウンから北西に15分ほど郊外へ走る。グーグルマップでは商店が密集した賑やかな通りに見えたが、実際に行ってみるとカリフォルニアの町に比べて土地が大雑把に使われ、開放感がある通りだ。広い歩道に歩行者はいない。芳松はBBQ屋やインド料理屋などが連なる建屋に入っていて、建屋の前の駐車場は1列分しかなく、芳松とマッサージ屋の間から裏の駐車場へ入る。裏の駐車場に車を停め、正面まで歩くとき店舗裏手の小さな窓に、『芳松』と書かれた小さな看板を見つけて、“おや、日本人がやっているお店かな”という小さな期待を憶えた。
②内装や中の様子
内装は日本の昭和レトロを思わせる飾りつけが多くなされている。古い看板やレトロアニメのフィギュアなど飾られて楽しい。また、入口付近では日本のアニメキャラ風のキーホルダーやステッカーなどが販売されていて、アニメファンの来店を狙っているかのようだ。事実、案内されたテーブルの隣にはアニメ好き風のカップルが食事をしていた。この日は日本人風店員は見られず、店の奥のカウンターでは若い白人男性が寿司を握っていた。彼はこちらを『日本人客かな・・』という目で見ていたので、日本語話者なのかも知れない。
③メニュー
筆者がこの店を、“YOSHIMATSUではなく芳松である”と思い知ったのは、メニューを見てからだ。米国式ジャパニーズレストラン定番メニューに加え、焼きそば、カツカレー、唐揚げ、さらには冷やし中華にお好み焼き・モダン焼き、豊富な焼き鳥系メニュー、それに茶碗蒸しまである。飲み物メニューも日本居酒屋風にしてあり、チューハイ系が揃う。日本人が多いベイエリアでもなかなか見られないラインアップに、“売りたい”だけではなく、“日本食を広めたい”というメッセージを感じ、筆者の芳松リスペクトが沸き起こり始めたのだった。ただ、時間帯が早かったせいかホールの対応が追いついておらず、なかなか注文を聞きに来てくれない。
④ハッピー・アワー
ここは週末に関わらずハッピーアワー制をとっており、どれも格安だったので、筆者は“とりあえず感覚”、つまりメインは後から注文するつもりでイカゲソ唐揚げ、鶏唐揚げ、カリフォルニアロールと梅シソ巻を注文した。ところがどっこい、ホールの白人姉ちゃんが持ってきたハッピーアワーメニューがどれもボリューム満点で、30代独身日本式サラリーマンはこれだけで腹が膨れてしまった。味はどれもベイエリアと遜色なく、美味しくいただけた。生サッポロビールをゴクゴク飲んで、楽しい時間を過ごすことができました。
さて、芳松のホームページに行ってみたところ、やはりここは“ヨシミさん”という方がオーナーのようだ。ツーソンでは16年連続でベスト日本料理レストランに選ばれる老舗であり、さらには健康志向にこだわったメニューを心掛けているという。何でもヨシミさんはご自身が癌を患った原因が、東京でファッションデザイナーをしていた多忙な頃の食生活にあると思い立ち、“家庭料理のような体に優しい料理”をモットーとして芳松を運営しているのだという。ヨシミさんが何故東京のファッション業界からわざわざツーソンくんだりまでやってきたのかが不明なことや、筆者の期待した“日本文化へのこだわり”には全く触れられていなかった点などがやや消化不良な内容であったが、とにかく予想どおり日本人によるレストランであった。筆者はもっとたくさん食べたかったのだが、いかんせんハッピーアワーがハッピーすぎたせいで腹はパンパンになってしまい、仕方なく芳松を後にしたのだった。30代独身日本式サラリーマン読者諸氏がツーソンへ立ち寄った際には、是非ともこの芳松へ行ってみてもらい、レポートしてもらいたいものだ。個人的には芳松弁当を食べてみたい。
この日本料理屋の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。
①立地・アクセス
芳松へは、ツーソン市のダウンタウンから北西に15分ほど郊外へ走る。グーグルマップでは商店が密集した賑やかな通りに見えたが、実際に行ってみるとカリフォルニアの町に比べて土地が大雑把に使われ、開放感がある通りだ。広い歩道に歩行者はいない。芳松はBBQ屋やインド料理屋などが連なる建屋に入っていて、建屋の前の駐車場は1列分しかなく、芳松とマッサージ屋の間から裏の駐車場へ入る。裏の駐車場に車を停め、正面まで歩くとき店舗裏手の小さな窓に、『芳松』と書かれた小さな看板を見つけて、“おや、日本人がやっているお店かな”という小さな期待を憶えた。
②内装や中の様子
内装は日本の昭和レトロを思わせる飾りつけが多くなされている。古い看板やレトロアニメのフィギュアなど飾られて楽しい。また、入口付近では日本のアニメキャラ風のキーホルダーやステッカーなどが販売されていて、アニメファンの来店を狙っているかのようだ。事実、案内されたテーブルの隣にはアニメ好き風のカップルが食事をしていた。この日は日本人風店員は見られず、店の奥のカウンターでは若い白人男性が寿司を握っていた。彼はこちらを『日本人客かな・・』という目で見ていたので、日本語話者なのかも知れない。
③メニュー
筆者がこの店を、“YOSHIMATSUではなく芳松である”と思い知ったのは、メニューを見てからだ。米国式ジャパニーズレストラン定番メニューに加え、焼きそば、カツカレー、唐揚げ、さらには冷やし中華にお好み焼き・モダン焼き、豊富な焼き鳥系メニュー、それに茶碗蒸しまである。飲み物メニューも日本居酒屋風にしてあり、チューハイ系が揃う。日本人が多いベイエリアでもなかなか見られないラインアップに、“売りたい”だけではなく、“日本食を広めたい”というメッセージを感じ、筆者の芳松リスペクトが沸き起こり始めたのだった。ただ、時間帯が早かったせいかホールの対応が追いついておらず、なかなか注文を聞きに来てくれない。
④ハッピー・アワー
ここは週末に関わらずハッピーアワー制をとっており、どれも格安だったので、筆者は“とりあえず感覚”、つまりメインは後から注文するつもりでイカゲソ唐揚げ、鶏唐揚げ、カリフォルニアロールと梅シソ巻を注文した。ところがどっこい、ホールの白人姉ちゃんが持ってきたハッピーアワーメニューがどれもボリューム満点で、30代独身日本式サラリーマンはこれだけで腹が膨れてしまった。味はどれもベイエリアと遜色なく、美味しくいただけた。生サッポロビールをゴクゴク飲んで、楽しい時間を過ごすことができました。
さて、芳松のホームページに行ってみたところ、やはりここは“ヨシミさん”という方がオーナーのようだ。ツーソンでは16年連続でベスト日本料理レストランに選ばれる老舗であり、さらには健康志向にこだわったメニューを心掛けているという。何でもヨシミさんはご自身が癌を患った原因が、東京でファッションデザイナーをしていた多忙な頃の食生活にあると思い立ち、“家庭料理のような体に優しい料理”をモットーとして芳松を運営しているのだという。ヨシミさんが何故東京のファッション業界からわざわざツーソンくんだりまでやってきたのかが不明なことや、筆者の期待した“日本文化へのこだわり”には全く触れられていなかった点などがやや消化不良な内容であったが、とにかく予想どおり日本人によるレストランであった。筆者はもっとたくさん食べたかったのだが、いかんせんハッピーアワーがハッピーすぎたせいで腹はパンパンになってしまい、仕方なく芳松を後にしたのだった。30代独身日本式サラリーマン読者諸氏がツーソンへ立ち寄った際には、是非ともこの芳松へ行ってみてもらい、レポートしてもらいたいものだ。個人的には芳松弁当を食べてみたい。