ファジータ・スペシャルとは、ストップショップで手に入る、調理用に切られた野菜がパックされた商品の名前で、プロレス技の名前ではない。さて、アメリカのレストランには必ずと言っていい程“肉なしメニュー”がある。中華、イタリアン・日本料理などの料理の種類に関わらずだ。それはこの国の様々な宗教を信じる人々への配慮であろうし、この肥満大国で健康上の理由から肉の摂取量に制限がある人々への対応とも想像できる。それに加え、昨今台頭してきた“ヴィーガン”と呼ばれる肉を食べない思想の人々の影響もあるに違いない。まぁ、そんなことはどうでもよいとして、深刻な30代独身日本式サラリーマンの慢性的な野菜不足対策にこのファジータ・スペシャルがおすすめだというのが今回の内容である。
この商品の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①カット野菜のプラスチック容器詰め
アメリカのスーパーはカット野菜をプラスチック容器に詰め込んだものが充実している。例えば表面に傷みがある、サイズが小さいなどといったそのまま売るとしては相応しくない野菜をこうしてカットしているものと想像するが、種類や組み合わせは様々で、包丁を使うのが面倒くさい人々にとっては人気の商品に違いない。30代独身日本式サラリーマンにとっても便利な代物だ。野菜炒めや野菜スープを作るのに、必要な野菜をそれぞれ購入していては買い過ぎで余らせることになる。プラスチック容器から必要な分だけを獲れば、余り野菜のラッピングの手間もない。主菜にちょっとだけ生野菜を添えたい場合などにも重宝できる。ファジータ・スペシャルはそんなカット野菜のプラスチック容器詰めの中でも、玉ねぎ・赤パプリカ・青パプリカのカットがぎっしり詰まったものを言う。
⓶ファジータ・スペシャル
玉ねぎ・赤パプリカ・青パプリカは“ファジータ”を作るのに必要な野菜なのだ。ファジータとは、テキサス発祥のメキシコ風料理で、簡単に言えば肉野菜炒めに他ならない。細切れの肉(牛肉を使う場合が多いと思うが、別に何でもよいようだ)をタマネギ・パプリカと共にメキシコ風調味料で炒めただけだと思われる。それをトルティーヤに包んだり、米と併せて食べたりするのだが、メキシコ独特の豆ペースト風調味料の味が薄く、あれが苦手な日本人でも食べやすいので初めてのメキシコ料理にはお勧めできる。だが筆者はこのファジータ・スペシャルを特別調理せずにサラダとしていただくのだ。
③ファジータ・スペシャルの玉ねぎ
たいていのサラダは酒の肴として相応しい刺激(塩み、脂っこさなど)を持ち合わせない。ゆえに調理の簡単さにも関わらず、サラダは30代独身日本式サラリーマンに敬遠されがちなのである。だがしかし、ファジータ・スぺシャルの玉ねぎとパプリカは違う。ファジータ・スペシャルの玉ねぎはやや厚めに切られており、そのまま食べればピリリと刺激のある味に仕上がっている。玉ねぎだけを選り分けて、かつお節を振ってポン酢などを垂らして和風のサラダにしてもなかなか豪華な野菜つまみになるというものだ。
④ファジータ・スペシャルのパプリカ
ところでアメリカにはピーマンがなく、代わりにあるのはパプリカだ。パプリカはピーマンに比べて苦み・辛みは少なく甘みが多い。そのため日本のように“子供の嫌いな野菜の代表格”としてのピーマンとはやや異なる扱いを受けているように思われる。ラズウェル細木先生の『酒のほそ道』で、ピーマンの細切りをからしマヨネーズで食べるというおつまみメニューが紹介されており、筆者はそれをパプリカで代用しているのだ。これは不味くはないのだが、やはりピーマンの持つ辛み苦みがないのでやや酒の肴としては物足りないと思っていた。しかしファジータスペシャルでパンチのある玉ねぎと共にいただけば、玉ねぎの刺激と上手にバランスし、さっぱりシャキシャキ、そしていい具合に青臭い良質なつまみになるのだ。
昨日ハートフォード地区は大雪になった。仕事帰りにガソリンを入れていると、小柄な黒人に声をかけられた。何でも大雪で家に帰れないのだそうだ。すぐ近くに住んでいるものと思い乗せて行ってやることにしたのだが、よくよく話を聴けば空港よりも北の、ほぼマサチューセッツの辺りに家があるとのことだった。『じゃどうやってここまで来たのか』『金もなく一日中何をしていたのか』いろいろな疑問が湧いたが深く追求するのは良くないと思い、彼の言うがままに車を運転した。彼はエンフィールドの安モーテルを指定して、そこで礼を言って降りて行った。悲しい境遇から抜け出す手段を見つけらず、それでもそれなりに生きていける所為でいつの間にか抜け出す気力をも失った人々。そんな人たちがパワーを、誇りを取り戻すようなファジータ・スペシャルはありませんか、お酒と戦争以外で。
この商品の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①カット野菜のプラスチック容器詰め
アメリカのスーパーはカット野菜をプラスチック容器に詰め込んだものが充実している。例えば表面に傷みがある、サイズが小さいなどといったそのまま売るとしては相応しくない野菜をこうしてカットしているものと想像するが、種類や組み合わせは様々で、包丁を使うのが面倒くさい人々にとっては人気の商品に違いない。30代独身日本式サラリーマンにとっても便利な代物だ。野菜炒めや野菜スープを作るのに、必要な野菜をそれぞれ購入していては買い過ぎで余らせることになる。プラスチック容器から必要な分だけを獲れば、余り野菜のラッピングの手間もない。主菜にちょっとだけ生野菜を添えたい場合などにも重宝できる。ファジータ・スペシャルはそんなカット野菜のプラスチック容器詰めの中でも、玉ねぎ・赤パプリカ・青パプリカのカットがぎっしり詰まったものを言う。
⓶ファジータ・スペシャル
玉ねぎ・赤パプリカ・青パプリカは“ファジータ”を作るのに必要な野菜なのだ。ファジータとは、テキサス発祥のメキシコ風料理で、簡単に言えば肉野菜炒めに他ならない。細切れの肉(牛肉を使う場合が多いと思うが、別に何でもよいようだ)をタマネギ・パプリカと共にメキシコ風調味料で炒めただけだと思われる。それをトルティーヤに包んだり、米と併せて食べたりするのだが、メキシコ独特の豆ペースト風調味料の味が薄く、あれが苦手な日本人でも食べやすいので初めてのメキシコ料理にはお勧めできる。だが筆者はこのファジータ・スペシャルを特別調理せずにサラダとしていただくのだ。
③ファジータ・スペシャルの玉ねぎ
たいていのサラダは酒の肴として相応しい刺激(塩み、脂っこさなど)を持ち合わせない。ゆえに調理の簡単さにも関わらず、サラダは30代独身日本式サラリーマンに敬遠されがちなのである。だがしかし、ファジータ・スぺシャルの玉ねぎとパプリカは違う。ファジータ・スペシャルの玉ねぎはやや厚めに切られており、そのまま食べればピリリと刺激のある味に仕上がっている。玉ねぎだけを選り分けて、かつお節を振ってポン酢などを垂らして和風のサラダにしてもなかなか豪華な野菜つまみになるというものだ。
④ファジータ・スペシャルのパプリカ
ところでアメリカにはピーマンがなく、代わりにあるのはパプリカだ。パプリカはピーマンに比べて苦み・辛みは少なく甘みが多い。そのため日本のように“子供の嫌いな野菜の代表格”としてのピーマンとはやや異なる扱いを受けているように思われる。ラズウェル細木先生の『酒のほそ道』で、ピーマンの細切りをからしマヨネーズで食べるというおつまみメニューが紹介されており、筆者はそれをパプリカで代用しているのだ。これは不味くはないのだが、やはりピーマンの持つ辛み苦みがないのでやや酒の肴としては物足りないと思っていた。しかしファジータスペシャルでパンチのある玉ねぎと共にいただけば、玉ねぎの刺激と上手にバランスし、さっぱりシャキシャキ、そしていい具合に青臭い良質なつまみになるのだ。
昨日ハートフォード地区は大雪になった。仕事帰りにガソリンを入れていると、小柄な黒人に声をかけられた。何でも大雪で家に帰れないのだそうだ。すぐ近くに住んでいるものと思い乗せて行ってやることにしたのだが、よくよく話を聴けば空港よりも北の、ほぼマサチューセッツの辺りに家があるとのことだった。『じゃどうやってここまで来たのか』『金もなく一日中何をしていたのか』いろいろな疑問が湧いたが深く追求するのは良くないと思い、彼の言うがままに車を運転した。彼はエンフィールドの安モーテルを指定して、そこで礼を言って降りて行った。悲しい境遇から抜け出す手段を見つけらず、それでもそれなりに生きていける所為でいつの間にか抜け出す気力をも失った人々。そんな人たちがパワーを、誇りを取り戻すようなファジータ・スペシャルはありませんか、お酒と戦争以外で。