ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

萬家香の陳年醤油とチョルラのグリーンペッパーサルサで作る焼き肉のタレ

2023-03-27 07:49:32 | 食材
萬家香の陳年醤油とチョルラのグリーンペッパーサルサで作る焼き肉のタレとは、筆者が発明した最高の焼き肉のタレミックスである。30代独身日本式サラリーマンが下宿で一人焼肉を試みるとき、肉を焼く直前になって『あ、タレがない』と狼狽することがある。単純に買うのを忘れりていたり、『冷蔵庫にまだある』と勘違いしていたりだ。しかしそのピンチを長い独身生活で得た知恵でもってして乗り切る。宅にある材料(ポン酢や酢,醤油、ごま油など)で代替タレを考案するのだ。筆者は今回、思いがけず市販のタレを凌駕する至高の逸品を編み出したので、読者諸氏にのみこっそり紹介する。実は最近大枚をはたいて象印の焼き肉電気グリルを購入し、一人焼肉にはまっているのだ。

このタレの詳細は以下の通りだ、参考にしてもらいたい。

①萬家香の陳年醤油
萬家香の陳年醤油は、筆者が“油麺”で醤油ラーメンを作る際に使っている台湾製の醤油である。ウェブサイトを見てみると最初の工場の設立は1945年で、ポン酢やさしみ醤油などの日式商品もあるので、日帝統治時代の影響が少なからずあるように思える。と思ってさらに読み進めれば、やはり“在日本釀造權威梅田博士技術指導下開始釀造醬油的事業”とあり、梅田博士という人が製造技術の指導を行っている。今は遺伝子組み換え大豆の不使用を謳っていたりとなかなか意識の高い醤油メーカーで、この“陳年醤油”は長期に寝かせたコクととろみ、そしてほのかな甘みがあるお醤油だ。




②チョルラのグリーンホットサルサ
チョルラのグリーンホットサルサは筆者がサボテンサラダやクエリトスを食べるときに使うメキシコ製のソースである。米国のヒスパニックスーパーならどこにでも売っている、穏やかな顔の女性が描かれたラベルが特徴的なソースだ。木製のキャップが可愛らしい。グリーンとレッドの二種類があるが、グリーンの方が複数のペッパーが含まれており味の深さが違う。一口目には酢酸の酸味、それからほのかなペッパーの青臭さがやってきて、その後にパンチの効いた辛味とニンニク風味がやってくる。原材料はハラペーニョ・ペッパー、酢酸、砂糖、ポブラノ・ペッパー、ニンニクパウダーに各種食品添加物だ。



③この二つをミックスすれば、
1:1の割合で上記二つをミックスすると、ちょうど焼き肉のタレのようなトロミが生まれる。ここで一般的な焼き肉のタレのレシピを見れば、それはたいてい①醤油、②甘味と酸味(砂糖や果汁)、③香味(ニンニク・ゴマ・生姜など)で構成されている。筆者の特性ミックスは、醤油は萬家香の陳年醤油が担当し、甘味と酸味は萬家香の陳年醤油の甘味とサルサの砂糖に酢酸、そして香味をサルサのペッパーとニンニクがカバーしている状態といえる。加えてグリーンサルサのパンチの効いた辛味があり、大人の辛口焼き肉タレだ。これが最高に美味く、思わず長屋で一人、デストラーデ選手ばりのガッツポーズを決め込んでしまった。ミツワマーケットのスジ肉のような安肉でも、これを付けて食べると嬉しい味に早変わりである。『今後焼き肉のタレを買うことはない』と胸を張り表明できるほどだ。



ワールドベースボールクラシックという野球の世界一を競うイベントが開催され、久方ぶりに日本が世界一を獲得したようだ。ゆとりだ少子化だと騒いでいるが、野球の大谷選手やボクシングの井上選手、それにサッカーでも世界を魅了する日本人選手が昔より多く出てきている。そして皆さん昭和のスポーツ選手とは異なり優等生的風貌気質で、弱者男性の筆者は好感が持てる。だが、『現代スポーツは洗練された理論を頭を使って真面目に実行することが求められてきているため、不良や落ちこぼれが才能とハングリーだけで立ち向かう世界ではなくなってきているのだ』という意見をツイッターで目にして、不良や落ちこぼれにとってはまた生きにくい世界になってきているのだと感じながら、焼き肉をつついていた。

ボンベイ・オリーブのローメン

2023-03-18 13:03:22 | 食事
ボンベイ・オリーブのローメンとは、コネチカット州ハートフォードのインド料理屋“ボンベイ・オリーブ”のローメンのことである。インド料理は東南アジア料理と同様に、駐米30代独身日本式サラリーマンの食生活を支えている。ティッカやタンドリーやカレーなどのメニューは日本で食べるインド料理とほぼ同じなので食べやすく、それにどこのレストランでも味に大差がないため安心して注文できる。だが今回は“ローメン”を紹介したい。今世紀には人口が世界一になると推計されるインドは、既に米国でも大きな力を持っており、“UCLAの数学教師は全員インド人”“会社のIT部門は全員インド人”などの噂を耳にすることが多い。


このメニューの特長は以下の通りだ、参考にしてもらいたい。


①ローメン
ローメンとはいわゆる焼きそばのことで、実はインド料理ではない。主にアメリカ式中華料理店に必ずあるメニューだ。そして概してこれが美味くない。しなびて細切れになった太麺に、まったりとした単調な砂糖醤油ベースのソースがぐっちょリとついていて味がしつこく、二口三口程度で倦怠感に襲われるため、日本の焼きそばを期待して注文すると大きく落胆をする。そのため筆者はずいぶん長くローメンという名のメニューを注文していなかったのだが、ボンベイ・オリーブのメニューでそれを見つけた時に、再度挑戦する気になったのだ。



②ボンベイ・オリーブ
ハートフォード市のニューブリテン通りを西進すれば、亜東超級市場(アドン・スーパーマーケット)を越えたあたりから丘を上りはじめる。丘の頂上は北はウエスト・ハートフォードの繁華街や84号線、西は大型ショッピングモールへと繋がる忙しい交差点になっていて、その交差点の一角にボンベイ・オリーブがある。三角屋根の外観やロマネスク調の内装からは、かつては欧風料理の店だったのではないかと推察される。メニューを見ればタンドリーやビリヤニ、カレーといったインド料理がずらりと並び、加えてネパールメニューやケバブ系のペルシャ料理まであって、何だか節操のない感じがある。しかし店内に飾られた絵画や置物を見るにヒマラヤ仏教色が強く、店員にもアジア人的風貌の人が多いようだ。そのため“ここではインド中華を頼むのが正解かも知れない・・・”とふと思ったのだった。米国のインド料理やネパール料理レストランでは、中華料理の影響を受けたメニューを見かけることがあるのだ。そこでお持ち帰りでチキン・ローメンを注文してみた。


③味
これが筆者の予想通り非常に美味であり、思わず部屋で一人、デストラーデ選手級のガッツポーズをしてしまった。まずソースにしつこい甘さがなくて量が適切なため、味が軽くて麺がベトベトしていない。そのため具材のパプリカや玉ねぎの味がよく生かされていて風味が豊かだ。さらにインドスパイスと生姜の香りがほどよく加えられているので、食べるほどに食欲が増してくる。鶏肉もよく炒められていて食べやすく香ばしい。太麺のもちもち度も悪くない。インドスパイスと中華のフュージョン成功例と言える太鼓判のメニューで、日本の焼きそばに負けてない。



これまでインド料理へ行けばいつも決まったメニューを頼んでいたが、特にネパールやチベット色のあるインド料理屋では、“インド中華”に挑戦してみる価値がありそうだ。数十年後には世界の覇権を争うことになるであろう両国、現在は国境紛争区域への武器持ち込みを禁止する合意が守られており、もっぱら石や徒手空拳での小競り合いをしているそうだ。一見『素晴らしい合意で、世界各国も見習うべきだ』と思ってしまうが、たぶん実力が拮抗している国どうしでしかそんな合意は形成できないのではとも思ってしまう。最近は第三次世界大戦を予感させるようなニュースが続き、嫌な気持ちだ。子孫(こまご)を作れずに老いていくことを、死ぬまで後悔していたい。

牛筋丸

2023-03-06 12:15:48 | 食材
牛筋丸とはアジア系スーパーで購入できる肉団子(丸)のうち、牛筋肉を主材にしたものである。戦国大名の幼少期の名前ではない。コネチカット州長期出張中の筆者は、厳寒の安宿で鍋料理を愉しむべく、タイガー社の電気鍋を長屋から持ち込んでいた。これはホットプレートも兼ねるため炒め物や焼き肉も可能だが、米国の感度の高い火災報知器が危ないため、安宿での使用は100度を超えない鍋料理が安全だ。安宿の簡易なキッチン設備で簡単に一人鍋料理をするときのたんぱく源として“丸”と呼ばれる肉団子は重宝される。今回はこれを紹介したい。タモリ倶楽部が40年の歴史を終えようとしており、筆者のツイッターには空耳作品ばかり出てきて迷惑している。『田んぼに行って捨ててこいや、えー田んぼ田んぼ!』


この食材の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①牛筋丸を見つける
お馴染みハートフォードのアドン・スーパーマーケットには、一口大の肉団子を10個程度真空パックしたものが山積みにされている。牛肉・鶏肉・豚肉・エビや魚と団子のタネも様々で、香草やキノコなどを練り込んだものも売られている。どれも『牛肉丸・鶏肉丸・猪肉丸・蝦丸・魚丸』と、“丸”がついて表記されているので、きっとここでの丸は団子の意味だろう。筆者の好みはこれまでは“鶏香草丸”であった。それは香草入りで臭みが少なく食べやすいのが理由だ。筆者のイエには鍋に牛肉を使う文化ははなく、牛の文字が見えるだけで購入を避けていたので、この牛肉丸とは別に牛筋丸があることに長い間気が付かなかったのだ。



②牛筋食
英語でTENDONと呼ばれる牛筋肉は、アメリカ人スーパーで見かけることはまずない。筆者の好きなメキシカンスーパーでも不思議とあまり見かけない。試しに“beef tendon”とグーグルで調べてみると、北米では主に乾燥したものが犬のおやつとして売られているようなので、おそらく多くの牛筋肉はドッグ・フード工場へ輸送されてしまうのだろう。しかしアジア系施設なら手に入る場合が多い。ベトナム料理のフォーには牛筋入りメニューは一般的で、北米のフォーの店ならどこでも食べることができる。ちなみにフォーは歴史の浅い料理で、フランスによる統治の影響が大きいのだという。日本でも最近まで牛筋は西南地方でしか食べられていなかったということなので、調べると面白いことが分かりそうではある。が、調査はここで打ち切る。



③外見と味
真空パックを開いて丸を外に出してみる。使い古された睾丸のようなくすんだ肉色の表面に、小指の爪ほどの透き通る軟骨肉の欠片がこびりついて、見た目が気持ち良くない。包丁で半分にしてみると筋肉らしい粘りのある弾力が感じられ、中身にも透明な軟骨が練り込まれている。とにかくこいつをタイガー電気鍋に放り込んでぐつぐつしてみた。最も心配したのが牛臭さだが、あまり出汁は出ないようで気にならない。もしかしたら出汁を取り終えた残りカスを使用しているのかも知れない。薄い塩味しかついていないあっさり味なので安心してポン酢につけて食べられる。ムチムチの感触が心地よい肉団子で、嬉しい発見であった。


タモリ倶楽部の功績は大きい。タモリ鉄道クラブの面々、ビル・昭和歌謡マニアイケメン俳優、パラダイス山元氏、アリ飼育の専門家の島田さんや、片手袋収集家の石井公二さんなどの素晴らしい人たちや、芸能人の知られざるマニア気質を見て救われた30代独身日本式サラリーマンは多いと思う。得に井上陽水とのビッグ放談シリーズは30代独身日本式サラリーマン用人生訓であふれており、必見である。ま、タモリも陽水も既婚者なんだけど・・今週もまたがんばりましょう。