ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

Coyote Hills Regional Park

2016-08-28 10:05:42 | 生活
Coyote Hills Regional Parkは、ユニオンシティにある公園だ。ベイエリア方面から行くには、ベイと本土を繋ぐ4本の橋のうち、最もマイナーな橋といってもいいDumbarton Bridgeを渡ることになる。その橋は海面に非常に近く、日本のように潮位差の激しい湾内では見られないデザインだろう。本土に近づくと海水が腐ったような臭気がただよう、それはおそらく、海水を人工的に閉じ込めた塩田内で微生物が増殖していることが原因だろうと勝手に推測する。Coyote Hills Regional Parkはそんな磯臭い岸辺に制定された公園だ。
この公園の特長は下記のとおりだから、参考にしてもらいたい。

①公園へ
車での入場に5ドル必要となる。入り口の手前にも駐車場があり、5ドルを節約するためにそこから歩く家族も居るが、お金に苦労していない独身日本式サラリーマンは公園維持のための基金の意味も込めて、5ドル支払おう。入り口を抜けてしばらく進むと駐車場が左手に見えてくる。ここで駐車するのもいいし、奥のビジターセンター周辺にも駐車できる。いずれにせよ、まずはビジターセンターを訪ねてみよう。


②ビジターセンター
ビジターセンターでまずは公園の地図を入手することだ。この公園はトレッキング公園と言っていい。広大な園内に入り組んだ遊歩道が整備されているので、地図なしではトレッキングしていても不安になる。また、センター内にはこの公園の歴史や、生息する生物に関する展示がされている。日本の博物館の様相で面白い。トレッキンングをスタートする前に、これから出会う生物について予習をしよう。

③ビジターセンターの隣のガーデニングエリア
隣接するガーデニングエリアは回遊式の庭園で、小まめな手入れはされていないが、鳥たちが集まっていて、そのさえずりに癒される。3分で回れるので立ち寄ろう。


④トレッキング
公園の湾側には草食動物の背のような丘陵地が広がり、それによって湾から遮られるように、内側は広大な湿地帯となっていて、淡水系の生態系が形成されているようだ。かつてはその生態系から受ける豊富な食料を求め、ネイティブアメリカンの部族が住んでいた場所であったとのことだ。
遊歩道は丘陵地にも湿地帯にも整備されている。丘を登り尾根を歩くコースは高い樹木がないため、見渡しがいい。湿地帯側やベイ側の全景を見渡すことができ、風に吹かれて気持ちがよく、ところどころに風化した岩が遺っていて、それに腰を掛けて休憩できる。湿地帯のコースは、大小様々な池を縫うように進み、エリア毎に植生が若干異なっていて面白い。また、湿地は鳥たちの楽園になっていて、様々な種類の鳥が暮らしているため、バードウォッチングに興じている人も散見される。じっくり回ると半日は歩ける。コースを選べば1時間かからないで回れるコースもある。


そして水鳥たちは我々のことなど目もくれず、家族や親族で集まって眠ったり、獲物を探したりしている。生物は水辺に集まる。かつてニンゲンもそうであったが、今は都会に集まるようになった。こうしてたまに水辺に戻ると、ニンゲンの居場所はもうなくなってしまっていて、疎外感を感じる。帰宅すると、土左衛門が上がって水が抜かれていたアパートメントのプールに再び水が入り、ニンゲンが集まっていた。

五木のインスタントラーメン

2016-08-20 12:37:30 | 食材
 五木のインスタントラーメンは熊本県に本社を置くインスタントラーメンだ。創業140年を超え、九州地方ではマルタイや、サンポー食品といったインスタントラーメンブランドと共に愛されている。それがこのカリフォルニアの中華系スーパーで売られているのだが、日本で売られているものとはまるで違う。でも乳飲み子を背負った若妻が暖簾の前に立つ五木のロゴが確かにパッケージの左上に付いており、“五木”と書いてある。だたし五木の下に“Wu-Mu"とルビがふられていて、左下には“興罧食品有限公司”との名もある。


この食材の特長は下記の通りだ。 参考にしてもらいたい。

①外見
我々に馴染みの深い、ちょうど一斤の食パンのような寸法で5袋入りで売られているインスタントラーメンではなく、箱ティッシュを二回り小さくしたような細長いサイズのパッケージで売られている。袋を開けると、中身は小袋で小分けにされてはおらず、4食分の乾麺が白いプラスチックの箱にポンポンと置かれている。一つの乾麺のサイズは男性の手のひらで収まる程度で、我々の知っているサッポロ一番などよりすこぶる小さい。しかし密度が濃く、ずっしりしている。

②調理法
調理法はいたって普通だから、料理の苦手な独身日本式サラリーマンン諸氏にも簡単にできるだろう。ただし、以下の点には要注意だ。

“麺のサイズが小さいからといって侮るな”
既に述べたが、この乾麺は密度が濃いので、調理後にはそこそこのボリュームになる。“二玉くらい軽くいけるな”と思っても作ってみると案外しんどい。

“よく茹でよ”
カタ麺好き、もしくはせっかちな独身日本式サラリーマンは、だいたい熱湯3分と書かれていたら2分、5分と書かれていれば4分と、少し短めな茹で時間を設定しがちだが、この五木に関しては必ず3分以上は茹でよう。そうしないと痛い目にあう。

“水の量”
パッケージの出来上がりの写真を見ても判るが、油そば的なスープ少なめな仕上がりで楽しむラーメンのようだ。麺が大量に水を吸い、スープはなくなってしまう。スープを楽しみたい独身日本式サラリーマンは気持ち多めに水を入れることだ!

③味
麺がしっかりしている。スープには片栗粉が入れられているようで、ややとろみがかかっている。ベーシックな豚肉味や海鮮味と共に、スパイシートマト味、マスタードフレーバー味などの変わりラーメンも発売されているので、日ごろ刺激のない食生活を送っている独身日本式サラリーマン諸氏は朝鮮してみるといい。大失敗にはならない。

今、五木食品をウィキペディアで調べると、
“台湾では、南投市の興霖食品股份有限公司という会社が「五木(Wumu)」のロゴと乳児を背負った女性の酷似する商標で乾麺やゼリーなどのインスタント食品を販売しているが、五木食品とは無関係である。創業は、五木食品が100年以上早い”とのことであった。さっそく騙された。
恐るべし中華民国。

Amoeba Music

2016-08-17 22:02:09 | 生活
 Amoeba Musicは、サンフランシスコ市にあるミュージックストアだ。かの70年代ヒッピー文化発祥の地として名高い、Height 通りのほぼ西端Golden Gate Parkの東端付近にある。サンマテオ方面から行く場合には、説明が面倒なのでナビでAmoeba Musicを調べていくとよい。この場所の他にもロサンゼルスやバークレーにも店を出しているが、最寄りはここになるはずだ。Height 通りは観光客も多く、人通りが賑やかだから路上に駐車することはかなり難しい。縦列駐車に慣れない、日本式独身サラリーマン諸氏には、スタニャン通りの駐車場を勧める。Height 通りを慎重に西に進むと
Golden Gate Parkに突き当たるから、そこを左折して少し行くと上り坂になる手前で右側に、全く看板がない駐車場がある。ここはプライベートパーキングで、一時間3ドルほどだ。

このお店の特長は以下の通りだから、参考にしてもらいたい。

①Height 通り
駐車場から歩いてHeight 通りへ入るとすぐにAmoeba Musicに着くが、その数十メートルだけでHeight 通りのその独特な雰囲気を楽しめる。Golden Gate Parkの芝生で犬と寝転がるヒッピー、バス停で座ったまま動かないホームレス、マリファナを売りつけようとしてくるヒッピー、犬の小便の臭いが漂う歩道。あらゆる多様性を受け入れる大きな皿に自分が乗り始めていることに気が付くだろう。

②店内の様子
あらゆるジャンルの音楽ソフトと映像ソフトが、新譜中古ごったまぜにして売られている。品揃えは国際都市サンフランシスコならではの国境を感じない充実度で、世界中の好事家が垂涎することは請け合いだ。店員も自由な服装で、その自由さが流行を超越したお洒落さを醸し出している。

③価格
日本のようにソフトが不必要に高くないので、独身日本式サラリーマンは大人買いすることができる。よって、自分の興味のないジャンルに思い切って手を出してみたりするのもいいし、ジャケットに心を惹かれたりしたらば即座にカートに入れるといい。


Amoeba Musicは、私にソニー千葉の偉大さや、スウェーデン映画の素晴らしさ、アメリカB級映画の奥深さ、ショーコズギのショーマンシップ、70年代アフロビート、フランクザッパを理解できないこと、ウディアレン監督の再評価など、たった1年で沢山のことを教えてくれた。ダウンロード時代の情報過多に負けることなく、前情報を調べずにAmoeba Musicへ行けば、新しい自分と出会えるし、それを受け入れる土壌がそこにある。そして自分自身もアメーバのように柔軟に多様性を受け入れられる心持ちになるだろう。

Sign Hill Park

2016-08-14 23:30:02 | 生活
 Sign Hill Parkは、サンスサンフランシスコ市の公園だ。101号線をサンフランシスコに向かってを北上していると、国際空港を通り過ぎた辺りから “South San Francisco Industrial City"と 大きく白い文字が、左手にある丘の上に描かれているのに気が付くだろう。その丘がSign Hillだ。注意して欲しいのだが、Gougle Map にこの公園の名前を入力してナビに従って現地へ向かっても、公園に一番近いフランクリンアベニューという路地まで連れていかれ、“ここからは徒歩だ”と言われてしまい、公園入口に案内されない場合がある。公園入口は、丘の南側のロッカアベニューにあり、“South San Francisco Industrial City"の文字の真下の辺りにある。

この公園の特長は下記のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①公園概要と入り口
公園の入り口周辺(ロッカアベニュー)は住宅地であり、大きな一軒家が連なる静かなエリアだ。公園の入り口はロッカアベニューと交差するポプラアベニューの行き止まりで、大きな一軒家の裏にを通るかたちになる。駐車場もなく、人の家の裏をこそこそと入る感じに不安を憶えるが、公園の看板があるので確かにこれが入り口なのだ。
人の家の裏に小さな碑があって、公園の概要が記されているが、1996年に公園になったという。新しい公園だ。

②ハイキングと景色
公園といっても、丘の上に登る遊歩道が数本整備されているだけだ。入ってすぐに数本の遊歩道に枝分かれしているが、登山は右側のルートがよい。急な傾斜を数分登ると、すぐにあの“South San Francisco Industrial City"に着く。コンククリートで描かれたその一文字の大きさを見ることができるだろう。ここに腰をかけて見える景色はなかなかに素晴らしい。眼下にはサウスサンフランシスコの住宅地が広がり、太平洋側には海から来る強風によって丘を上昇する湿った空気が一気に冷えて雲になり、霧になっている様子を見ることができる。左手前方にあるサンフランシスコ国際空港から飛び立つ飛行機が間近に、その本当の速度を想像させない、ゆっくりとした速度で目の前を横切る。

③頂上、下山
“South San Francisco Industrial City"の文字を通過すると水タンク場があり、そこからは尾根を一気に頂上まで上がっていく。風が強い。頂上に近づくと、建屋のコンクリートの基礎の跡を見る。砲台か何かが昔ここに建てられていたのだろうか。今は腰をかけるのにちょうどいい。頂上からの景色は、“South San Francisco Industrial City"とさほど変わらず、特段の感動はない。電波用のアンテナが設置された建屋が、厳重な有刺鉄線で防護されている。下山は別のルートを通るが、ここは階段が急で、足が疲れた。
1時間程度のハイキングだ。

④公園で会う人
トレーニングをするために登山道を駆け上がる白人や、ハイキングを楽しむインド人家族らとすれ違ったが、基本的には静かな公園だから、独りで歩いていても寂しくはないだろう。

 日本式独身サラリーマン諸氏も、あまりにすることのない休日の夕方などに、ここを訪れているのもいいだろう。そうすれば、誰かと101号線を北上しているときに、この“South San Francisco Industrial City"を指さして、「俺、あそこ行ったことあるぜ」と言え、車内の会話が弾むに違いない。さらに一人で101を北上している際にも、“South San Francisco Industrial City"の文字を「あそこに誰か見えるかな」と思って今までよりも若干注視してしまうに違いない。

Chavez Supermarket

2016-08-14 11:33:21 | 生活
Chavez Supermarketはサンマテオ市にあるスーパーマーケットだ。101号線より1本ベイ側に走るノーフォークストリート沿いにある。この通りはサンマテオの3番通りから枝分かれして始まっているので、101を3番通りで下りて、ベイ側へ少し走ると見えてくる。それを数ブロック南下すると、商店が集まるエリアが現れる。Chavez Supermarketはそのエリアの集客の中心的な役割を果たしていると言っていいだろう。


このスーパーマーケットの特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。



①お店の雰囲気
お店周辺の住宅地の雰囲気や、お店自体の外観からは少し中の様子に不安を憶えるだろうが、中は清潔感溢れるスーパーだ。ヒスパニック系の人々のスペイン語が飛び交う。そう、ここはメキシカンスーパーマーケットで、ヒスパニック系の人々のための食材が取り揃えてある。普段目にすることのない調味料や、様々な種類のトルティーヤチップスが売られているので、見ていて楽しい。精肉コーナーに近づくと、屈強なメキシコ人店員たちが「どの肉が欲しい?」と積極的に話しかけてくるので面白い。牛のモツも売られているのでモツ煮込みやモツ鍋なども楽しめるだろう。


②エビのセビーチェ
惣菜コーナーにもいろいろなものが売られているが、我々日本人の舌に合うのは何といってもエビのセビーチェだ。細かく刻んだエビをトマト、パセリ、玉ねぎなどと一緒にマリネにされているもので、トルティーヤチップスに付けて食べると美味で洒落たつまみになる。大中小の容器を選んで詰めてもらう。独身日本式サラリーマンは小か中でちょうどいいだろう。気のいいメキシカンおばさんが詰めてくれる。


③パイナップルアイス
店に入って右側には、果物をスムージーにしてくれるコーナーがあって、これも美味しそうだ。そしてその傍にあるアイスを入れた冷蔵庫の中にはいくつか棒アイスが売られている。パイナップルアイスもそこにあって、これが爽やかでおいしいのでお勧めだ。パイナップルの繊維まで入った丸ごとシャーベットのようなアイスで、中に少しだけ練乳の味がする。甘すぎない。ポカポカに晴れたスーパーの駐車場で、爽やかな日差しと飛び交うスペイン語を浴びながら食べるアイスはなかなかにいいものだ。

先日、私の住むアパートメントのプールで土左衛門が上がり、プールの水が抜かれ、黄色いテープで立入禁止された状態になっている。それでもそんなことはお構いなしと、隣接するジャグジーで陽気に騒ぐアミーゴたちのパワーは、このChavez Supermarketで売られている豊富な食材と、テキーラから来るものだろう。
独身日本式サラリーマンも、Chavez Supermarketでパワーをつけよう。