ケイスマウンテン・トレイルとは、マンチェスター市にあるケイスマウンテン周辺のトレイルのことだ。この山周辺のトレイルは、気軽にハイキングやマウンテンバイクを楽しめ、それに頂上から市街を見渡す景色が気持ちいいことなどから地域の人にとても親しまれている。そのためマンチェスター市側にある登山口駐車場はたいてい混雑しているのだ。しかしグーグル地図などをバーーチャル散策していると、このトレイルは遠くヘブロン市のゲイ・シティ州立公園まで繋がっていて、南側からもアクセスできるようだ。南側からであれば筆者の長屋から簡単に行けることが判明したので、休日の朝方のちょっとしたウォーキングに出掛けてみることにしたのだった。
このトレイルの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①アクセス
ゲイ・シティ州立公園とケイス・マウンテンを結ぶトレイルは、バーチマウンテンロードという94号線から入る小路で分断されていて、そこを起点にハイキングができるようだった。秋が深まり始めたヘブロンアヴェニューは紅葉が美しいが、バーチマウンテン通りを見逃さないように慎重に運転しなくてはならない。バーチマウンテン通りに入ってしばらく走れば、森の木々をことごとく伐採して設置された東西に走る高圧線の直下に遊歩道らしきものがあり、そこには駐車スペースもあったので車を停め、“これがトレイルかな”と思ってその遊歩道を歩き始めるも、明らかに電気工事用の作業通路に思えたので引き返した。再びバーチマウンテンロードに戻り、少し北方向に歩けば、今度は山道風のトレイルが見られたので、こちらを進んでみることを決意した。
⓶シェ二プシット トレイル
トレイルを進むとすぐに分岐が現れて、立て看板に地図がある。『入り口にも看板必要だろうが!』と突っ込みたくなるが、アメリカではよくあることだ。さて地図を見ると青色の線で、“シェ二プシット トレイル”という名の長大なトレイルが南北に延びている。そして筆者が立つ分岐から出る道は、どちらへ行ってもその“シェ二プシット トレイル”に繋がり、便宜上“シェ二プシット ゲイ・シティ コネクター”という長たらしい名前が付けられている。この長たらしい名前のトレイルは地図では青白の縞模様で描かれていて、縮尺を指で測ると北方面から回ればおおよそ1マイルで“シェ二プシット トレイル”に繋がって、“シェ二プシット トレイル”を半マイルいけば再度ナガタラシイトレイルまで戻ってくるようであった。さらに半マイルでこの分岐に戻る。一時間ほどの簡単なトレッキングになりそうだったので、ここを往くことにした。
③シェ二プシット ゲイ・シティ コネクター
地図の写真を撮り(アメリカのトレイルではとても重要)、分岐を右に進む。辺りは高い木が無数に生えていて下草が全くなく、地面はぎっしりと落ち葉で覆われている。樹木の間隔が広いこともあって、樹木の幹に塗られたトレイルの方向を示す青白紋様のペイントがなければどこがトレイルかわからない。秋の朝の森の中は風がよく通り、どんぐりが地面に落ちる。『ボツ!』と意外に大きな音を立てるので、わかっていても「ビクッ」としてしまうものだ。トレイルは緩やかなアップダウンを繰り返しつつ少しずつ谷に近づき、ついには小川に辿りつく。この辺りは水気が多いためか下草が繁茂しており、ときおりリスがガサガサと音を立てている。谷を過ぎ、緩い登りに入るとすぐに、シェ二プシット トレイルと交わって、ここから樹木のペイントは青単色になる。南下する周回コースは急こう配の登り路になっていたので、「引き返したいな」と思ったが、ここは行くしかあるまい。
④シェ二プシット トレイル
だが急こう配な登り道はすぐに終わり、この勾配の頂上からは、尾根の木々の隙間に遠くハートフォード市街が一望できる。また、この周辺からトレイル沿いに苔むし、おそらく雨水によって少しずつ浸食されたであろう灰色のさざれ石がゴロゴロと並んでいて、日本庭園のような造形美がある。特に10月初旬は落ち葉が岩の上にしんなりとかぶさっていて尚のこと趣深く、ハイカーを楽しませる。さて、シェ二プシット トレイルをこうして南下していれば、半マイルほどでもういちどナガタラシイトレイルと交わって分岐へ戻れるはずなのだが、ときおり標識のない名もないトレイルと交わるものの、それらは青白模様の標識がないのでナガタラシイトレイルではない。だんだんと筆者の心に不安が芽生え、景色を楽しめなくなってくる。
ついにトレイルはナガタラシイトレイルと交わることなく、最初に筆者が誤って侵入した、高圧線の電気作業用通路と思しき道へと繋がったのだった。アメリカではよくあることだ。木々がことごとく取り払われ、大きく分断された森の中を走る高圧線の下の作業通路は森と違って朝日がまぶしい。道路の両側は下草が鬱蒼としていて、森の中よりも虫や鳥の声が明らかに大きく、生命の活動が活発だ。奇しくもニンゲンによって破壊された自然のあとに、低木や雑草、そして小動物の豊かな生活圏が出来上がったようだ。歩くニンゲンにとってもうす暗い森の中はやはり怖い。それはニンゲンがちょっと前まで森の中で外敵におびえながら暮らしていた頃の記憶だろうか。
このトレイルの特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。
①アクセス
ゲイ・シティ州立公園とケイス・マウンテンを結ぶトレイルは、バーチマウンテンロードという94号線から入る小路で分断されていて、そこを起点にハイキングができるようだった。秋が深まり始めたヘブロンアヴェニューは紅葉が美しいが、バーチマウンテン通りを見逃さないように慎重に運転しなくてはならない。バーチマウンテン通りに入ってしばらく走れば、森の木々をことごとく伐採して設置された東西に走る高圧線の直下に遊歩道らしきものがあり、そこには駐車スペースもあったので車を停め、“これがトレイルかな”と思ってその遊歩道を歩き始めるも、明らかに電気工事用の作業通路に思えたので引き返した。再びバーチマウンテンロードに戻り、少し北方向に歩けば、今度は山道風のトレイルが見られたので、こちらを進んでみることを決意した。
⓶シェ二プシット トレイル
トレイルを進むとすぐに分岐が現れて、立て看板に地図がある。『入り口にも看板必要だろうが!』と突っ込みたくなるが、アメリカではよくあることだ。さて地図を見ると青色の線で、“シェ二プシット トレイル”という名の長大なトレイルが南北に延びている。そして筆者が立つ分岐から出る道は、どちらへ行ってもその“シェ二プシット トレイル”に繋がり、便宜上“シェ二プシット ゲイ・シティ コネクター”という長たらしい名前が付けられている。この長たらしい名前のトレイルは地図では青白の縞模様で描かれていて、縮尺を指で測ると北方面から回ればおおよそ1マイルで“シェ二プシット トレイル”に繋がって、“シェ二プシット トレイル”を半マイルいけば再度ナガタラシイトレイルまで戻ってくるようであった。さらに半マイルでこの分岐に戻る。一時間ほどの簡単なトレッキングになりそうだったので、ここを往くことにした。
③シェ二プシット ゲイ・シティ コネクター
地図の写真を撮り(アメリカのトレイルではとても重要)、分岐を右に進む。辺りは高い木が無数に生えていて下草が全くなく、地面はぎっしりと落ち葉で覆われている。樹木の間隔が広いこともあって、樹木の幹に塗られたトレイルの方向を示す青白紋様のペイントがなければどこがトレイルかわからない。秋の朝の森の中は風がよく通り、どんぐりが地面に落ちる。『ボツ!』と意外に大きな音を立てるので、わかっていても「ビクッ」としてしまうものだ。トレイルは緩やかなアップダウンを繰り返しつつ少しずつ谷に近づき、ついには小川に辿りつく。この辺りは水気が多いためか下草が繁茂しており、ときおりリスがガサガサと音を立てている。谷を過ぎ、緩い登りに入るとすぐに、シェ二プシット トレイルと交わって、ここから樹木のペイントは青単色になる。南下する周回コースは急こう配の登り路になっていたので、「引き返したいな」と思ったが、ここは行くしかあるまい。
④シェ二プシット トレイル
だが急こう配な登り道はすぐに終わり、この勾配の頂上からは、尾根の木々の隙間に遠くハートフォード市街が一望できる。また、この周辺からトレイル沿いに苔むし、おそらく雨水によって少しずつ浸食されたであろう灰色のさざれ石がゴロゴロと並んでいて、日本庭園のような造形美がある。特に10月初旬は落ち葉が岩の上にしんなりとかぶさっていて尚のこと趣深く、ハイカーを楽しませる。さて、シェ二プシット トレイルをこうして南下していれば、半マイルほどでもういちどナガタラシイトレイルと交わって分岐へ戻れるはずなのだが、ときおり標識のない名もないトレイルと交わるものの、それらは青白模様の標識がないのでナガタラシイトレイルではない。だんだんと筆者の心に不安が芽生え、景色を楽しめなくなってくる。
ついにトレイルはナガタラシイトレイルと交わることなく、最初に筆者が誤って侵入した、高圧線の電気作業用通路と思しき道へと繋がったのだった。アメリカではよくあることだ。木々がことごとく取り払われ、大きく分断された森の中を走る高圧線の下の作業通路は森と違って朝日がまぶしい。道路の両側は下草が鬱蒼としていて、森の中よりも虫や鳥の声が明らかに大きく、生命の活動が活発だ。奇しくもニンゲンによって破壊された自然のあとに、低木や雑草、そして小動物の豊かな生活圏が出来上がったようだ。歩くニンゲンにとってもうす暗い森の中はやはり怖い。それはニンゲンがちょっと前まで森の中で外敵におびえながら暮らしていた頃の記憶だろうか。