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まるみのあっちこっち巡り

ー33,000枚を超える写真とともに綴るお出かけブログー

宇治市 源氏物語ミュージアム

2016-05-14 13:24:20 | ミュージアム



紫式部が書いた「源氏物語」五十四帖の中で、
最後の十帖の舞台となった宇治。
宇治には、国内唯一の源氏物語専門の
ミュージアムがあるのです。

エントランスや中庭は藤、桔梗、紅葉、寒椿などの
「源氏ゆかりの花」で彩られています。







復元模型やハイビジョン映像を通じて「源氏物語」や
王朝絵巻の華やかな平安文化を学べます。







光源氏の邸宅「六条院」の模型

光源氏を主人公に華やかで雅やかな平安貴族の暮らし、
数多くの女性との恋愛模様が繰り広げられる前半。

政界でも頭角を現し、異例の出世をする光源氏。
二町四方・計四町という広大な面積を誇る六条院は、
栄耀栄華の象徴なのです。

しかし、地位、名誉、富も関係なく苦悩に満ちた晩年。
光源氏は、過去に犯した己の罪と
宿世の恐ろしさを思い知ることになるのでした。







時は流れ、光源氏の死後、孫の匂宮と子の薫、
二人の貴公子と宇治の八の宮の姫君たちが
織り成す悲恋の物語が始まり、
主な舞台は宇治に移ります。

「源氏物語」には、四百人以上の人物が登場しますが、
官職名や愛称しか記されていないので、実名はわかりません。

光源氏も源の何がしかの名前だったのでしょうが、
「光」は名前ではなく、たぐいまれなる
気高さを形容する言葉なのです。







貴族の遊びや年中行事なども展示されています。
こちらは平安時代の双六ですが、
何やら高尚なもののように見えます。

平安時代の天皇や貴族にとって、
漢詩・和歌・管弦などの知識・才能は必須でした。
音楽の素養は出世に関わる必須条件だったようです。

映像展示室で「浮舟」「橋姫」の
上映時間2本で50分の映画を楽しむと
無料で楽しめる情報ゾーンへ行く時間もなく
午後5時の閉館時間となってしまいました。

京都府宇治市宇治東内45-26

2016.1.8
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佐藤美術館 岩田壮平日本画展 

2016-03-12 00:42:17 | ミュージアム



昨年5月、日経日本画大賞展で
「雪月花時最憶君ー花泥棒」の作品で大賞受賞の
岩田壮平氏の日本画展を鑑賞してきました。







美術館のエントランスにも花が飾られています。
ビルの2階が受付で、3~5階が展示室です。

赤を主調とした濃密な花の表現が印象に残ります。
これほどまでに鮮やかな赤を使った日本画を
見たことはないと思います。

そもそも日本画とは…
西洋から伝えられた油彩画と区別するため生まれたもの。
淡い色合いを思い浮かべてしまいます。

しかし、江戸時代の画家である伊藤若冲の絵を
思い浮かべてみますと濃厚な色合いの作品も多いのです。
濃厚で華美な色合いのものは、
毒々しさと紙一重でもあるかもしれません。

鋭い観察力で表現された絵は、観る者を圧倒します。

幼少期から花好きで、華道池坊に入門され、
日本画の道に進まれたという作者の絵は、
花を知り尽くしたような絵で、
館内に花の香りが漂ってくるのではと思うほどでした。

まるみも学生時代から華道を学び、
お稽古の日は、活けた作品をスケッチしました。
准師範までは進みましたが、
それ以上続けなかったのは花に対する愛情が
作者のようには持てなかったからだと思います。

佐藤美術館

東京都新宿区大京町31-10

2016.2.21
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損保ジャパン日本興亜美術館 旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行

2015-09-09 17:57:17 | ミュージアム


日本で2番目に好きな画家が安野光雅さんで、
サイン入りリトグラフを飾っています。
(トイレなのですが…

安野さんの作品は、柔らかな線に淡い水彩で仕上げられ、
優しく穏やかな気持ちになれるのです。
どの作品も好きなので図録も購入してきました。

この展覧会では私自身も訪れた場所が多いので、
思い出に浸りながら、ここは美術館のカフェから眺めた
風景によく似いているけれど近い場所かもしれないとなどと
ワクワクしながら丁寧に鑑賞していると
閉館20分前の放送が入り、慌てたほどです。

絵本で見たり、何度か展覧会にも行っていますが、
原画の美しさに改めて感動しました。

NHK-FM放送のトーク番組「日曜喫茶室」の常連客の安野さん。
出演されないとガッカリなのです。

次にヨーロッパを旅行するのは安野さんが描いた場所を
探してみようかしらと図録を眺めながら思っています。

東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館

東京都新宿区西新宿1-26-1

2015.8.14
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100万冊の蔵書 本好きにはたまらない東洋文庫ミュージアム

2015-08-06 14:17:20 | ミュージアム


一生かかっても読めそうにない蔵書の数々、
モリソンン書庫の展示風景は壮観です。
本好きにはたまらない眺望に
喜びに浸るまるみでした。







アジア全域の歴史と文化、研究に関しては
日本最古にして最大級の図書館、東洋文庫が持つ
資料を鑑賞できるミュージアムです。





「大地図展」フェルメールも描いたブラウの世界地図
この企画は見逃せないとミュージアムへ。

本も好きですが、地図も大好きなのです。
実は、フェルメール全点踏破の旅もめざしています。







ミュージアムショップの先に展示室があり、
右側にロッカールームがあります。
写真撮影OKのとても寛大なミュージアムです。
カメラを持って入館しましょう。







オリエントホール

17世紀、オランダは黄金期を迎えます。
その繁栄を支えたのが歴史の教科書にも登場する東インド会社です。
日本を含むアジア諸国との交易を通じて巨万の富を獲得、
東インド会社公認地図作家・発行人ブラウは『大地図帳』を完成させます。







世界の地理情報の集大成、地図の一枚一枚が豊かな色彩と
豪華な装飾、同世代の芸術家にも影響を与えました。
フェルメールもその一人なのです。







フェルメール「窓辺でリュートを弾く女」
壁にかかっているのは、当時のヨーロッパ地図。
地図は恋人がどこかに旅をしていると暗示できるかもしれません。
絵の中の楽器は恋愛を暗示していると本で読みました。







日本初の全巻公開!!

しかし、渋めのミュージアム、
見学者はまばらでした。





回顧の路

通称「モリソン書庫」約2万4千点を1917年に
三菱第三代当主、岩崎久彌氏が一括で購入しました。
今や100万点以上もの保有資料を誇っています。







シーボルト・ガルデンを眺めたりしながら
こちらのPCで詳細を調べるのも良いでしょう。







ランチをした「オリエント・カフェ」が見えます。







何だこれはとお思いでしょう。
実は、これは…







ジョン万次郎救出の航海日誌でした。
昨年暮れからのにっぽん丸ニューイヤークルーズで見た鳥島、
こうして航海日誌も貴重な資料になっていくのですね。

これでまたクルーズで見た風景が色濃く記憶に残されるでしょう。
ミュージアム巡りもまた旅へとつながっていくのでした。

東洋文庫ミュージアム

東京都文京区駒込2-28-21

2015.6.27
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ミュージアムレストラン「オリエント・カフェ」

2015-08-05 14:13:16 | ミュージアム



アジア各地の名言が原語で刻まれたパネルが並ぶ
知恵の小径のその先に
ミュージアムレストランがあります。







高原のレストランにでも訪れたような
錯覚を起こしそうな風情ですが、
地元の方にも人気のある
六義園近くのレストランです。







小鳥にとってもここはオアシスなのかもしれませんね。







シェフおすすめの1日10食限定の文庫ランチ
「マリーアントワネット」は、まだあるかしら?







明るい日差しがふりそそぐ「オリエント・カフェ」からは、
シーボルトゆかりの植物が植えられた
シーボルト・ガルデンが見渡せます。





ランチには、サラダとスープがついています。
やはり、「マリー・アントワネット」はsold-out。
店内に置いてあった雑誌によれば、行列ができるほどとか。
12時過ぎに来たのではいただくことはできないようです。





マルコポーロセット 税込1680円
 小岩井農場たまごのふわとろオムライス

岩手の小岩井農場にも行ったことはありますが、
その味を東京でも食べられるのです。
こちらは美味しかったです。

オリエント・カフェを運営するのは小岩井農場です。
1891年に開設した小岩井農場は、共同創始者である小野義眞氏、
岩崎彌之助氏、井上勝氏の三名の
頭文字をとって「小岩井」と命名されました。

その後、岩崎久彌氏(三菱第三代社長) が
小岩井農場を継承し場主となりました。

このミュージアムは岩崎久彌氏と深い関係にあるのです。





オイレンブルグセット 税込1840円
 小岩井農場産牛のハンバーグ

ふっくら焼き上げたハンバーグにまろやかデミグラソース仕立てです。
ライスは大盛り(110円増し)
ツレにはハンバーグの量が少なすぎたようでした。





セットにはどちらにもドリンクがつきます。
「オリエント・カフェ」のみの利用もできますが、
ミュージアム利用後にゆったりと
利用するのが良さそうです。





夜の利用も良さそうな雰囲気もありますね。
でも、ちょっと残念なのはスタッフ。
手をあげても気づかないし、気働きもできていません。
頭数だけはそろっていたようなのに。






アジアの名言を読みながらミュージアムを
鑑賞することにしましょう。

東京都文京区駒込2-28-21

2015.6.27
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ブリヂストン美術館 ウィレム・デ・クーニング展

2014-12-26 15:24:06 | ミュージアム
オランダ人のウィレム・デ・クーニングは、第二次世界大戦後に
アメリカで開花した抽象表現主義を先導した画家の一人で、
その激しい筆触を特色としているようです。

抽象画は、理解に苦しむので好みではないのですが、
彼の描く強烈な色彩に魅かれてしまいました。

1904年生まれの彼の絵が明るい色彩へと変化したのは
1960年頃からのようです。

看板書きなどもしていた彼が、女性像の連作を発表し、
一躍脚光を浴び、女性像は彼の代表する主題となっていくのです。

日本初公開27作品を含む約35点で構成されています。

彼のことは知りませんでしたが、
作品を見ているとオシャレでダンディで女性にもてるタイプ。

そんなにふうに想像しながら鑑賞し、第2室へ入ると
「キャメルのコート、ピンクのYシャツ、黒縞のネクタイの姿の彼、
カプセルの薬をコーラで飲み下した」という記事を目にしました。
1970年1月23日に来日した時の記事で、
その時以来の展覧会だそうです。

本当にハンサムで映画俳優のようなウィレム・デ・クーニング。
やはり女性におモテになったようです。
こんな風に絵画鑑賞を楽しむのはどうでしょう?
(展覧会は2015年1月12日まで)

ブリヂストン美術館
東京都中央区京橋1-10-1

2014.12.4
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閑静な住宅街にある五島美術館と紅葉

2014-12-14 10:38:29 | ミュージアム


武蔵野の面影の残る閑静な住宅街にある五島美術館は、
国宝「源氏物語絵巻」を所蔵する美術館として知られています。





日本と東洋の古美術品をもとに構成されたコレクションは、
東京急行電鉄株式会社の元会長、五島慶太氏が
半生をかけて収集したものです。





約5千坪の敷地の一部の見事な庭園も
この美術館の魅力の一つです。





残念ながら茶室は非公開となっています。





チラリと見える東急電鉄の車両、東急大井町線です。





この庭園まで楽しめるので、ゆとりを持って
訪れることをオススメします。





この日は特別展「存星ー漆芸の彩り」を見学しました。
日本の歴史に華やかな彩りを添えた唐物。
なかでも「存星」は「稀なるもの」とされた漆器の一種です。





中国宋・元時代の彫彩漆をはじめとする名品を
堪能させていただきました。





茶人たち羨望の品「存星」は、茶人千利休も
生涯に三点ほどしか目にすることはできなかったというのに
約70点もの名品が展示されていたのですから驚きました。





東京都指定天然記念物
「上野毛のコブシ」などもあります。





都内でもお寺や神社、公園はもちろんのこと
こうして美術館でも紅葉を楽しめるところがあるのです。

五島美術館
東京都世田谷区上野毛3-9-25

2014.11.24
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文化学園服飾博物館 雛人形・雛道具に映し出された雅の世界

2014-11-28 12:25:55 | ミュージアム

日本人は古来より小さなものに慈しみを感じ、
盆栽や箱庭、雛人形・雛道具など縮小されたものに
世界観を表してきました。

現代のフィギュア文化にも通じる日本人の
ミニチュア文化に対する美意識の一端を探るのにも適した展覧会です。

私も子どもの頃は、雛人形を飾ってもらうのを楽しみにし、
それをおままごとにして遊ぶことが秘かな楽しみでした。
(りかちゃんハウスとは違い、高貴な感じを味わえたような…)

ガチャガチャを買うのも楽しみでした。
ただ、好みのものが出るとは限らないし、
しかも、母には無駄遣いと叱られるのも難でした。

日本の人形やおもちゃは精巧にできていて
ガチャガチャなどの「カプセルトイ」の中味でさえも
魅力的で精巧にできているので夢中にもなります。

小さなものに慈しみを感じるその世界観は、
日本人のDNAにしっかりと組み込まれているように思います。

人形、道具、その一つ一つの仕事に手抜かりはありません。
それが子どもの使うものであってもです。

豪華な雛人形ばかりではありません。
銀杏雛やひょうたん雛も展示されていましたが、
健やかに育って欲しいとの願いが込められているようで、
なんとも微笑ましい気持にさせてくれます。

秩父宮妃勢津子様の雛飾りには驚きました。
雛人形の布団やタンスの引き出しに納められたお着物まで
豪華な刺繍がほどこされていました。
お道具の一つ一つが立派な工芸品です。

今までもたくさんの雛人形を見てきたつもりでしたが、
本当にうっとりするようなもので、
目の保養もできました。

東京都渋谷区代々木3-22-7
文化学園服飾博物館

2014.11.18
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ジブリの立体建造物展(江戸東京たてもの園)

2014-11-22 15:01:59 | ミュージアム
ジブリ映画のファンなら絶対に楽しめるジブリの立体建造物展。
子どもたちなど若年層に混じり、目を輝かせて見学したまるみでした。
どの映画も観ているので、興味津々、長蛇の列にも並びました。

精巧にできている立体建造物は、「千と千尋の神隠し」の油屋。
「となりのトトロ」の草壁家には、まっくろくろすけことススワタリも。
(スタッフに言われるまでもなく見つけたまるみでした)

スタジオジブリ作品に登場する様々な建物に
スポットを当てた展覧会とは考えましたね。

立体作品をはじめ、映画に登場する建物の設定資料、
背景画といった美術資料などを一堂に展示されています。
映画のシーンを振り返り、懐かしく思い出されることでしょう。





この建物が会場になっていますが、こちらの建物は、
1940年に皇居前広場で行われた紀元2600年記念式典のために
建設された式殿で、翌年現在の小金井公園に移築され、
光華殿と命名、ビジターセンターとして改修されています。

東京都小金井市桜町3-7-1
(都立小金井公園内)

2014.10.19
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上野の森美術館 80分待ちのボストン美術館 浮世絵名品展 北斎

2014-10-26 01:22:33 | ミュージアム
18日の土曜日は70分待ちで諦めましたが、24日は80分待ちでした。
金曜日は午後8時まで開館していますから時間は十分あります。

早めにランチをとり、12時を狙ったのですが、
同じことを考えた方が多かったのか最後尾は遠かったです。
80分立って待っているのですから元気な方が多いように思います。

久しぶりのお天気、暖かく気持の良い日、
木陰で並んでいますし、オシャベリをしていたので、
苦痛にはなりませんでした。

入場しても混雑はしていましたが、入場制限しているだけあって
作品が全く見えないということはありません。

葛飾北斎(1760~1849)は江戸後期に浮世絵師として登場。

アメリカの雑誌『ライフ』の企画では、
「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、
日本人として唯一86位にランクインした北斎。
ゴッホにも影響を与えた日本で最も有名な絵師。

常に新しい表現に挑み続けた画人の業績に注目し、
120年前に本格的な回顧展を開いたのがボストン美術館。

世界屈指のコレクションから選りすぐった
約140点の多彩な作品が展示されているのです。

その中には世界中でボストン美術館だけに所蔵が知られる
珍しい錦絵や版本、肉筆画、日本初公開の作品もあり、
200年前の作品とは思えない刷り上ったばかりのような
鮮やかな色彩で私達の目を喜ばせてくれます。
(近年までほとんど公開されなかったので保存状態が良好)

北斎とその娘応為も堪能することができました。
美人画は応為のほうが上手だったという話もありすが、
こちらも目を奪われました。

今年4月、三越劇場で観た「夏の盛りの蝉のように」の
舞台が蘇ってくるような北斎展でしたが、
応為の絵も見たかったというのが実現できてうれしかったです。

印刷された絵とホンモノは色合いも違ってしまいます。
80分待っても見たかった北斎展でした。
(実際は80分は待っていなかったと思いますが…)

音声ガイドのナビゲーター市川猿之助さんも良かったです。





上野の森美術館
東京都台東区上野公園1-2

2014.10.24
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三鷹市美術ギャラリー 大正ロマンの恋と文

2014-10-24 01:07:40 | ミュージアム
大正ロマンを代表する画家といえば竹久夢二。
敷居の高かった絵画を大衆に発信し、身近なものにしたのです。

雑誌の口絵や挿絵、セノオ楽譜や文学作品の装丁、
「宵待草」は流行歌にもなりました。

多忙な創作活動の中にあって、心のよりどころにした
女性たちにしたためた想いが、数多く残されていました。

妻・たまき、「宵待草」のモデルとされるおしま、
夢二が最も愛した彦乃、モデルから恋人となったお葉、
編集者として訪れていた秀子、
その書簡が公開されていました。

大正時代のものですからわかりにくい文字だったりしますが、
このようなお手紙をいただいたらうれしいでしょう。

彼女達に共通するのは、夢二の絵そのものような女性。
好みの女性像がはっきりしておりますね。

竹久夢二美術館なども訪れたことはありますが、
恋と文に絞った展示を見てみますと
彼のロマンは作品に昇華させていることがよくわかりました。

女性遍歴といっても官能的ではなく純粋、
だからこその絵なのだと思うと、もっと絵も見たくなります。
竹久夢二美術館にもまた足を延ばそうと思いました。





三鷹市美術ギャラリー
東京都三鷹市下連雀3-35-1

2014.10.16
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三井記念美術館 特別展 東山御物の美-足利将軍家の至宝ー

2014-10-08 13:56:22 | ミュージアム
大陸から到来した唐物が崇拝された室町文化において、
その頂点に君臨したのが義満らによって収集された
将軍家のコレクション「東山御物」でした。


この展覧会では、当時から高い評価を受けてきたもの
足利将軍家が確実に所有していたものを
中心に構成されていてます。

作品の中心は、12~13世紀の絵画と工芸品、
収集から500年以上も経ち、その後の美の規範となった
古典中の古典ともいえる作品で、国宝や重要文化財がズラリ。

その中でも特に目をひいたのは国宝の宮女図(伝銭選筆)
男装した宮廷の女官ですが、物思いにふける表情に、
指先に、立ち姿に、紅色の服を着た彼女はあまりに妖艶。
背景もない縦長の画面から離れがたくなりました。

南宋時代の「油滴天目」という国宝の茶碗も
この時代にこれだけの茶碗を作り、
保存されてきたことにも驚きました。

日本の水墨画に多大な影響を与えた南宋の禅僧の絵も一部屋に。

室町殿が憧憬した唐物文化は、
日本の空間を飾り、美意識の古典となった。







写真は、旅先で撮った金閣寺と銀閣寺ですが、
足利将軍と言って真っ先に思い浮ぶのが、
世界遺産にもなっているこのお寺です。

床の間や棚にこれらの作品を飾ったりもしたのかしら?
そう思い浮かべながら見学していました。

唐物の収集は足利将軍の権力に直結、
日本の美の成り立ちに大きな影響を与えたことを実感する
見応えのある展覧会となっていました。

この特別展は11月24日まで、期間中展示替えがあります。

三井記念美術館

東京都中央区日本橋室町2-1-1
三井本館7階

2014.10.7
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ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

2014-04-23 12:25:09 | ミュージアム


カラーメゾチネントという独特の銅版画技法を開拓した
世界的版画家浜口陽三氏は、
ヤマサ醤油10代目の社長の三男。

夫人も有名な画家の南佳子氏で、
お二人の作品を鑑賞するべく時々訪れます。

カラーメゾチネントは、赤、青、黄、黒の
4枚の原版を作って刷る手間のかかる
高度な技法ですが、そこから生まれた「さくらんぼ」や
「西瓜」と言った作品に魅かれていました。





時代の淘汰を越えて、なおもイメージの強い鮮度を放つ名作の数々。
それらの作品には確かな技術に支えられたメチエの宿りと
マチエールの豊かな肌合いが見てとれるそうです。

表現するのは難しいのですが、何となく理解できるような…





楽しみはもう一つ、こちらにある小さなカフェ
カフェ・ミュゼ・アッシュでブレイク。
味わい深いコーヒーをいただきます。

美術館を鑑賞すると割引券をいただけます。

次回は、ヤマサ醤油株式会社の
黒蜜風醤油をバニラアイスに混ぜ込んだ
マーブル醤油アイスをいただきに行こうと思っています。

東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7

2014.3.12
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東京都現代美術館 「MOTコレクション」

2014-04-22 13:32:39 | ミュージアム


東京都現代美術館の常設展示「MOTコレクション」
約4500点の収蔵品を核として、
現代美術についての理解を深めるために
テーマを設けて紹介されています。

第1部は「私たちの90年 1923-2013」
1923年の関東大震災から現在、作家たちがどのように
時代状況と向き合い作品を作り上げたかに迫っています。

大正から昭和への激動の現実を描くことは困難だったと思われます。
制約があったり、従軍し苛烈な体験をしたり、
そこから作品へ昇華させ、伝えたいという思いと
人としての強さを感じました。

「食う為に生きる為に耕す」と記した絵には、
激動の時代を生き抜き、記憶は塗り替えられなくても
忘れることで新たな自分に向かって生きていく
希望を感じられる絵には勇気づけられます。

現在も活躍されている草間彌生氏の作品なども展示されています。

第2部は「クロニクル1966~|拡張する眼」

篠原有司男氏、小島信明氏、横尾忠則氏などの作品を展示。





現代美術専門の美術館である東京都現代美術館、
一度は行ってみたいと思っていました。

デザインは好みではありませんが、
座り心地の良い椅子の数々。





レストランやカフェ、図書室などの設備も充実。
木場公園の中にあります。

東京都江東区三好4-1-1

2014.3.12
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刀剣博物館 祈りのかたち展

2014-04-18 02:06:20 | ミュージアム




1000年前に武器として生まれた日本刀ではありますが、
武器としてて役目を終え、美術品として世界から高く評価され、
現代まで作り続けられている日本の伝統工芸品です。

日本人の美意識や精神性を表わしているといえる日本刀、
その日本刀文化の普及のために誕生した博物館に行ってみました。

予想はしていましたが、見学をしていたのは外国人とシニアの男性、
そして、何事にも興味津々の物好きなまるみでした。

しかし、すぐにその美しさには魅了されてしまいました。
重要美術品、重要刀剣として公開されているものの素晴らしさ、
その太刀に込めた祈りを感じられたように思います。

神仏の加護を求め、その祈りを太刀に刻み、
真剣勝負に臨んだ武士。

その銘には神々も描かれているのですが、
それを描いた風俗画を得意としていた江戸時代の画家、英一蝶。
日本画の作品はよく見かけますが、刀にも作品を遺していたのでした。

「折れず、曲がらず、よく切れる」日本刀。
1点1点作刀するため、まったく同じ刀がないことも魅力です。

そこから生まれた言葉が、「そりが合わない」です。
刀身の反りが違うため、違う刀の鞘に刀身を収めようとしても
反りが合わずに鞘に収まらないのです。
そこから気が合わない人同士を「そりが合わない」と言うのです。

そんな言葉にも納得した博物館見学でした。

刀剣博物館

開館時間 10:00~16:30 月曜休館
入館料 大人600円 中学生以下無料 

東京都渋谷区代々木4-25-10

2014.2.21
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