読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「座右のゲーテ」(齋藤孝著/光文社新書)

2006-01-14 20:08:39 | 本;ノンフィクション一般
副題/壁に突き当たったとき開く本。

「ゲーテはけっして抽象的な議論で終わらない。具体的に行動したいという目標がありながら、その方法に悩んでいた私に語りかけてくれているようだっ。・・・・本書では『ゲーテとの対話』を軸に、現在を生きるわれわれにも有益と思われるゲーテの言葉を選び、それを『発想の技法』といった観点から編んだ」という一冊。

(Ⅰ)集中する。
1)小さな対象だけを扱う、2)自分を限定する、3)実際に応用したものしか残らない、4)日付を書いておく、5)完成まで胸にしまっておく、6)実際的に考える

(Ⅱ)吸収する。
7)最高を知る、8)独創性などない、9)独学は非難すべきもの、10)自分だけの師匠を持つ、11)「素材探し」を習慣化する、12)使い尽くせない資本をつくる

(Ⅲ)出合う
13)愛するものからだけ学ぶ、14)豊かなものとの距離、15)同時代、同業の人から学ぶ必要はなし、16)性に合わない人ともつきあう、17)読書は新しい知人を得るに等しい、18)癖を尊重せよ

Ⅳ)持続させる
19)先立つものは金、20)儀式の効用、21)当たったら続ける、22)他人の評価を気にしない、23)異質なものを呑み込む、24)邪魔の効用

Ⅴ)燃焼する
25)現在というものに一切を賭ける、26)計り知れないものが面白い、27)感情を生き生きと羽ばたかせよ、28)詩的に考える、29)過去に執着しない、30)青春のあやまちを老年に持ち込むな、31)年を取ったら、より多くのことをする

「ポストモダンの源流は、60年代のカウンターカルチャーにある。全時代のものを全否定するところに新しい自由や創造があるんだという洗脳があまりに強烈すぎたため、先人たちの遺産を学ぶという姿勢はほとんど消滅している。つまりゲーテが抱えていた課題意識の背景にあったもの、つまり当時のドイツの危機的状況は、もっと悲惨な状態になっていまの日本を襲っているのである。『生まれてからずっと、世界は自分に影響を与え続けている。だから独創性ということに対する一種の幻想はやめたまえ』というゲーテの言葉は、まさにそんな現代において重要なメッセージになると私は考えている」。


ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe, 1749年8月28日 - 1832年3月22日)はドイツを代表する詩人であり、劇作家、小説家、科学者、哲学者、政治家でもある。また、当時の学者層の人物と幅広い交流を持ち、1800年前後(ゲーテ時代とも言う)の名立たる人物と親交が深かった。当時のドイツで最も影響力のあった学者であり、詩人であった。(フリー百科事典)


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