読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

殺しても残したい香りがある、「パフューム ある人殺しの物語」(独、仏、スペイン/2006年)

2008-01-31 16:53:58 | 映画;洋画
原題:PERFUME: THE STORY OF A MURDERER
監督:トム・ティクヴァ
原作:パトリック・ジュースキント
脚本:トム・ティクヴァ 、アンドリュー・バーキン 、ベルント・アイヒンガー
音楽:トム・ティクヴァ 、ジョニー・クリメック 、ラインホルト・ハイル
撮影:フランク・グリーベ
出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、レイチェル・ハード、アラン・リックマン

「18世紀のパリ、悪臭のたちこめる魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに、奇怪な青年として周囲に疎まれている彼は、ある晩、芳しい香りの少女に夢中になり、誤って殺してしまう。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭するが……。(シネマトゥデイ)」

本作のクライマックスの750人もの全裸の男女のラブシーンが話題になりましたが、実際の映像も凄いです。日本では絶対出来ない映像でしょうね。映像を見ながら、この撮影シーンにかけた時間がどのくらいだったのか、ハプニングはなかったのかなどストーリーとは関係ないところに興味が行ってしまいました。

一万個のバラの花から一オンスのエキスしかできないといいます。1オンスは16六分の1ポンドで、約28・35グラム。実にわずかな量です。エキスの取り出し方に蒸留法と冷浸法があることも知りました。本作では香りを保存する方法として、主人公が冷浸法を学ぶ事によって起こるサスペンスがスートーリとなっています。

香水は三つの和音からなる。一つは「頭(ヘッド)」で香水の第一印象、次に「心(ハート)」でその香水の主題、最後に「土台(ベース)」で仄かに漂う残り香。この三つにそれぞれ四つの香料の音符がハーモニーを奏でる。こんな話を聞くと、普段香りに無粋な私でさえ、首元に一滴忍ばせたくなる、そんな誘惑に駆られます。

本作の後半の舞台はグラース(Grasse)とう土地。ここは、フランスの南東部に位置する都市で、人口4万4千人のアルプ=マリティーム県にある都市。香水のメッカとしてよく知られているそうです。18世紀終わりから香水産業が盛んで、現在ではフランスの香水・香料の2/3がグラースで作られ、年間600億ユーロの売上があるといいます。カンヌ(Cannes)から電車で25分。ニース(Nice)から電車で1時間。フランス映画「Dans un grand vent de fleurs」の舞台ともなっているそうです。


パトリック・ジュースキント(Patrick Süskind, 1949年3月26日-)は、「ドイツのアムバッハ生まれの小説家、ファンタジー作家、劇作家、脚本家。ズュースキントの表記もある。1985年に発表された長編小説『香水 - ある人殺しの物語』は大ヒット作となり、日本語を含む23カ国語に翻訳された。また、2006年に『パフューム ある人殺しの物語』という題で映画化もされている」。

「映画『悦楽晩餐会 または誰と寝るかという重要な問題』(監督:ヘルムート・ディトール、1996年、ドイツ)の脚本も担当している。2006年には随筆『Über Liebe und Tod(原題)』をドイツで出版した。現在はミュンヘン在住。メディアの取材を避けるきらいがある」。


トム・ティクヴァ(Tom Tykwer, 1965年5月23日-)は、「ドイツ出身の映画監督・脚本家である。子供の頃から映画に興味を持ち、11歳から8mmで映画製作を始める。高校を卒業後に多くのフィルム・スクールに申し込んだが受理されず、ベルリンの映画館で8年間、映写技師として働いたという。ベルリンでローザ・フォン・ブラウンハイムに出会い、自身の体験を元に映画を作ることを勧められ、短編映画制作に乗り出す。1993年に初の長編映画を監督」。

「1994年にヴォルフガング・ベッカー、プロデューサーのシュテファン・アーント、俳優・映画監督のダニ・レヴィらと共に制作会社 X Filme Creative Pool を設立。1997年に2作目の『ウィンタースリーパー』を監督し、いくらかの注目を集めるが、興行的に成功したとは言えなかった。1998年、3作目となる『ラン・ローラ・ラン』がその年に最も成功したドイツ映画となり、またアメリカでもにヒットして知られるようになる。プライベートでは『ラン・ローラ・ラン』に主演したフランカ・ポテンテと交際していたが、2002年に別れている」。

さて、キャスト陣。今回も独特なキャラを演じているダスティン・ホフマンについてはこのブログでも随分登場していますが、特に昨年5/18付けの記事「『ダスティン・ホフマンになれなかったよ』を生んだ『卒業』と『ジョンとメリー』」でスポットを当てていますので割愛します。


「ヴェニスの商人」(2004年)、「Jの悲劇」(2004年)、「レイヤー・ケーキ」(2004年)は観ていますが、本作の主役ベン・ウィショーが出演していたことは知りませんでした。

ベン・ウィショー(Ben Whishaw、1980年10月14日 - )は、「イギリス・ベッドフォードシャー州出身の俳優。英国王立演劇アカデミーを卒業。卒業後は舞台・映画・テレビ映画と様々な作品に出演。2005年公開の『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』でザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズを演じた」。

「トレヴァー・ナン演出の舞台『ハムレット』で批評家から絶賛され、この舞台を見た監督のトム・ティクヴァ、プロデューサーのベルント・アイヒンガーの目に留まり、『パフューム ある人殺しの物語』の主演に抜擢された」。

<ベン・ウィショー- Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC


「ダイ・ハード」(1988)、「ハリー・ポッター」シリーズ(2001~)でお馴染みのアラン・リックマン。いかにも英国の俳優という品格があります。随分、お年を召しました。

アラン・シドニー・パトリック・リックマン(Alan Sidney Patrick Rickman、1946年2月21日 - )は、「イギリスの舞台および映画俳優。4人兄妹の次男としてロンドンのハマースミスに生まれた。兄弟には上から兄・弟・妹がいる。父はアイルランド系でアランが8歳の時に亡くなっている。子供の時に極度の言語障害を患い、現在も軽度ではあるものの症状は残っている」。

「リックマンはグラフィックデザイナーだったが、ロンドンの王立演劇学校に入り、英国の舞台演劇で活躍していた。1985年のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによるLes Liaisons Dangereusesでは男性のリード役として印象を残し、またテレビではBBCの『バーチェスター・タワーズ』においてスロープ氏役を演じた。日本の演出家蜷川幸雄が手がけたTango at the End of Winterでは主役を演じた」。

「イギリス映画において多く活躍しているものの、アメリカ映画にも悪役を当たり役として登場している(例:『ダイ・ハード』『ロビン・フッド』など)。『ロビン・フッド』では英国アカデミー賞助演男優賞を受賞。学生時代からの付き合いであるパートナーで元保守党のリマ・ホートン (Rima Horton) と、現在もロンドン市内(ウエストボーン・グローブ)で同棲中である。独特の甘い声も彼の持つ魅力のひとつであり、『ミルクチョコレート・ヴォイス』、『ベルベット・ヴォイス』などと形容される」。(ウィキペディア)


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