読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

無頼の殺し屋に言い訳は聞かないぞ、「ノーカントリー」(アメリカ/2007年)

2008-10-07 05:22:18 | 映画;洋画
原題:No Country for Old Men
製作、監督、脚本:ジョエル&イーサン・コーエン
原作:コーマック・マッカーシー、「血と暴力の国」
音楽:カーター・バーウェル
撮影:ロジャー・ディーキンス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド

~狩りをしていたルウェリン(ジョシュ・ブローリン)は、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シュガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。事態を察知した保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)は、2人の行方を追い始めるが……。(シネマトゥデイ)~

本作の邦題タイトル「ノーカントリー」はいただけません。なんに示唆にもならず、芸がありません。どうせなら、原作の邦題「血と暴力の国」でよかったんではないでしょうか。著作権の問題でもあったのでしょうか。こんな思いをしている人は他にもいて、「老人の住む国にあらず」、「もはや善良な老人の住める国はない」と訳そうとしています。この場合の「老人」とはトミー・リー・ジョーンズ扮する保安官エド・トム・ベルに象徴されるのでしょう。

さて、2005年に本作を書いた原作者のコーマック・マッカーシーをチェックしておきます。

コーマック・マッカーシー(Cormac McCarthy、1933年7月20日 - )は、「アメリカ合衆国の小説家。ロード・アイランド州で裕福な弁護士の子として生まれ、テネシー大学中退後の1953年に空軍に入隊し4年間従軍した。その後は定職につかず貧困生活をおくりながら執筆を続け、1992年に発表した『すべての美しい馬』が、ベストセラーとなり全米批評家協会賞と全米図書賞を受賞。2006年に発表した『ザ・ロード』もピューリツァー賞を受賞してベストセラーになった。文芸批評家のハロルド・ブルームは現代を代表する米国人小説家としてドン・デリーロ、フィリップ・ロス、コーマック・マッカーシー、トマス・ピンチョンの4人を挙げている」。


次に監督のコーエン兄弟。私はこれまで彼らの作品をあまり観ていませんが、「ファーゴ」より、ビリー・ボブ・ソーントン主演の「バーバー」(2001年)に方が好きです。このブログを書くまで「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟と混同していた程の無知です。

コーエン兄弟(The Coen Brothers)は、「兄のジョエル・コーエン(Joel Coen、1954年11月29日-写真左)と弟イーサン・コーエン(Ethan Coen、1957年9月21日 - )の兄弟で、共同で映画製作に携わっている。作品のクレジットには、監督としてジョエル、脚本はイーサンとジョエルの二人が、制作にはイーサンの名前が掲載されている。また、二人はロデリック・ジェインズという名前で編集作業を行っている」。

「二人はカンヌ国際映画祭の常連であり、『バートン・フィンク』(1991年)で同映画祭初の主要3部門(作品賞、監督賞、主演男優賞)で受賞したのを皮切りに、『ファーゴ』、『バーバー』でも監督賞をそれぞれ受賞している(『ファーゴ』はアカデミー主演女優賞と脚本賞も受賞した)。2007年公開(日本公開は2008年3月15日より)の『ノーカントリー』ではアカデミー作品賞を始めとする計4部門を受賞。名実ともにアメリカ映画の巨匠である」。

<コーエン兄弟 – Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E5%85%84%E5%BC%9F


薄ら寒い、脱走した殺し屋アントン・シガーを演じ、本作でアカデミー賞助演男優賞に輝いたというハビエル・バルデム。なんという存在感なのでしょう。トム・クルーズ主演の「コラテラル」(2004)にも出演してたようですが、記憶になく、もう一度見て確かめたくなりました。

ハビエル・バルデム(Javier Bardem、本名:Javier Ángel Encinas Bardem、1969年3月1日 - )は、「スペインの俳優。カナリア諸島ラスパルマスにて、祖父母の代から俳優の芸能一家に生まれる。叔父は監督のフアン・アントニオ・バルデム。6歳でデビューし、テレビなどに出演するようになるが、一方でラグビーのナショナル・チームに参加するなど、スポーツ選手としても活躍」。

「1990年に『ルルの時代』で映画デビュー。1992年公開のビガス・ルナ監督の『ハモンハモン』で知られるようになる。近年はハリウッド作品にも出演している。これまでゴヤ賞を4度受賞、ヴェネツィア国際映画祭 男優賞を2度受賞している。2000年公開の『夜になるまえに』でスペイン人俳優として初めてアカデミー賞(主演男優賞)にノミネートされ、2007年公開の『ノーカントリー』でスペイン人俳優として初めてゴールデングローブ賞(助演男優賞)、アカデミー賞(助演男優賞)を受賞した」。

<ハビエル・バルデム-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%A0


プロングホーン(鹿とは違うようです)を撃ちに行ったばっかりに大変な運命に遭遇することになるルウェリン・モスを演じたジョシュ・ブローリン。どこかで見たことあるなとチェックしてみると、「ミミック」(1997)、「インビジブル」(2000)でした。一方「メリンダとメリンダ」(2004)、「アメリカン・ギャングスター」(2007)に出演してとは全く気づきませんでした。ダイアン・レインの旦那なんですね。なんとなく彼女の趣味がわかります。

ジョシュ・ブローリン(Josh Brolin、本名:Josh J. Brolin、1968年2月12日-)は、「アメリカ合衆国の俳優。カリフォルニア州ロサンゼルス出身。父親は俳優のジェームズ・ブローリン。1985年に『グーニーズ』で映画デビュー。1987年からはテレビシリーズ『Private Eye』に出演」。

「その後テレビシリーズやテレビ映画への出演、大作映画の脇役等が多がったが、2007年に入りコーエン兄弟の『ノーカントリー』やロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー in グラインドハウス』、リドリー・スコットの『アメリカン・ギャングスター』などに続けて出演し、高い評価を得ている。2008年にはガス・ヴァン・サントが手がけるハーヴェイ・ミルクの伝記映画に出演する予定である」。

「プライベートでは1988年に女優のアリス・アデアと結婚。二児を儲けるが1992年に離婚。1999年から2001年まで女優のミニー・ドライヴァーと交際し、婚約までしたが破局。2004年8月14日に女優のダイアン・レインと再婚している」。


これまで取り上げたことがあったと思っていたのですが、そうではなかったのが、ウディ・ハレルソン。「幸福の条件」(1993)は措くとして、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994)、「マネー・トレイン」(1995)、「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」(1997)などちょっと危ないヤツ、随分危ない男を演じさせたら40代で右に出るもの無しの俳優でしょう。「スタンドアップ」(2005)ではどういう役だったか記憶にありません。

ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson,本名;Woodrow Tracy Harrelson 1961年7月23日 - )は、「アメリカ合衆国テキサス州ミッドランド生まれの俳優。悪役やスキャンダラスな役を得意とする。マフィアの雇われ殺し屋の父と、弁護士秘書の母の間に生まれる。父チャールズは1968年と1978年に殺人を犯し(1978年の事件は連邦判事を銃殺)、終身刑となり、現在も刑務所に服役中である。兄弟は兄と弟。弟のブレット・ハレルソンは俳優である」。

「ハノーヴァー大学卒業後、ニューヨークへ渡り、演技を学ぶ。ニール・サイモンの舞台でデビューし、テレビ・シリーズ「チアーズ」でお茶の間の人気を獲得した。1992年から本格的に映画界に活動の場を移し、1994年、オリバー・ストーン監督の話題作「ナチュラル・ボーン・キラーズ]で頭角を現す。翌々年には、ミロシュ・フォアマン監督の「ラリー・フリント」で実在のポルノ雑誌編集者を演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされた。危険な男だけでなく間抜けな男も演じられるのが強み」。

「演技の実力はあるものの、数々の問題行動を起こすことでも有名。1983年、道路で踊り狂い交通渋滞を引き起こした上に警官を殴って逮捕されたのを皮切りに、1996年にマリファナを栽培して逮捕、同じ年には環境保護を訴えてゴールデンゲートブリッジに登り逮捕、2002年にはタクシーの後部座席を破壊して逮捕されている」。

「また、環境保護運動家、反戦活動家、ヨガのインストラクターと様々な顔を持っているが、とりわけ大麻合法化活動家として有名である。以前は奥さんと酸素バーを経営していたが、俳優仲間が始終ただで酸素を吸いに来るので経営が成り立たなくなってしまったらしい。私生活では、1985年にニール・サイモンの娘で歌手のナンシー・サイモンと結婚したが入籍翌日に離婚を申請。10ヶ月後に正式に離婚した。1998年に元アシスタントの女性と再婚、娘が2人おり、2006年夏には第三子が生まれる予定。一家揃ってコスタリカで原始的な暮らしをしている」。

<ウディ・ハレルソン - Wikipedia>
http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%A6%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3&search.x=1&fr=top_ga1_sa&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=&oq=


デヴュー作が「トレインスポッティング」(1996)で、ルウェリン・モスの妻?カーラ・ジーンを演じたのはケリー・マクドナルド。

ケリー・マクドナルド(Kelly MacDonald、1976年2月23日 - )は、「イギリス・女優。スコットランド・グラスゴー出身。世界中で大ヒットしたダニー・ボイル監督作『トレインスポッティング』のダイアン役で映画デビュー。2001年のロバート・アルトマン監督作『ゴスフォード・パーク』では英国のエンパイア・アワードの主演女優賞候補になった。2006年放送のテレビ映画『The Girl in the Café』でエミー賞助演女優賞を受賞。2004年、トラヴィスのベーシストのダギー・ペインと結婚」。(以上、ウィキペディア)

主演のトミー・リー・ジョーンズについては<3度観たい、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(米、仏/2005年)>(07年11/2付記事)で取り上げたので、割愛します。


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「ロシアの驚くほど美しい女スパイ」魅惑の動画像が米国中を席巻【動画】 (「ロシアの驚くほど美しい女スパイ」魅惑の動画像が米国中を席巻【動画】)
2010-07-14 16:37:59
「ロシアの驚くほど美しい女スパイ」魅惑の動画像が米国中を席巻【動画】
米司法省が29日までに訴追した11人のロシアスパイ団のうちの1人、アンナ・チャップマン容疑者の写真や動画が米国中を席巻している。


http://plaza.rakuten.co.jp/annacap/

米ワシントンポストは、「アンナ・チャプマン容疑者はインターネットでセンセーションを起こしている」として、「誘惑的なポーズが好きなおかげで、彼女は国際的なスターになった」と指摘。


http://plaza.rakuten.co.jp/annacap/
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