読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「シンドラーのリスト」(アメリカ/1993年)の名声と悩ましさ

2007-04-28 06:51:18 | 映画;洋画
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:トーマス・キニーリー
脚本:スティーブン・ザイリアン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
ヴァイオリン・ソロ:イツァーク・パールマン
出演:リーアム・ニーソン、、ベン・キングスレー、レイフ・ファインズ

「シンドラーが自工場のユダヤ人を“結果的に虐殺から救った”物語は事実ではない。この当時シンドラーは強制収容所長アーモン・ゲートへの贈賄容疑で投獄されており、関与は不可能だった。本映画は、原作の小説をベースにしているため、劇中のエピソードは創作であり、事実関係も改変されている」。

「一例を挙げると、映画ではシンドラーが1958年に『諸国民の中の正義の人』に名を連ねて顕彰されたとしているが、実際は1967年に顕彰された。イスラエルのヤド・ヴァシェム・ホロコースト記念館が実際にシンドラーの名を登録したのは本映画が発表された1993年であった(外部リンク『Biographer takes shine off Spielberg's Schindler』を参照のこと)」。

「また、製作会社ユニヴァーサル映画は宣伝文句に「真実の物語にもとづいた」と謳っているが、『ノンフィクション』であるとは言っていない。これらのことから『真実のジェノサイドは、国家問題も絡み映画化不可能なのではないか?』という疑惑も提出されるに至った」。(ウィキペディア)

スピルバーグ監督がオスカーを狙いにいった作品です。いい映画に違いがありません。例えノンフィクションでなくとも、作品としてはなんら問題ではありません。しかし、テッド・レオンシス氏が制作した「南京」がこの「シンドラーのリスト」にインスパイアされたと語るほど「英雄物語」があたかも真実のようについて回り、更なるフィクションを生むことには賛成できません。

ひいては杉原 千畝氏(1900年1月1日 - 1986年7月31日)が「日本のシンドラー」と呼ばれることに違和感を覚えます。第二次世界大戦中、トランジットビザ(Transit visa.通過査証、通過ビザ)を発給することでナチス・ドイツによる迫害から約6000人ものユダヤ人を救ったことは事実です。私に言わせればシンドラーこそ「ドイツのセンポ」と呼ばれなければいけない、と思うのです。


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