タピルージュの後、ウィッグ・フィッティングやウィッグを作るために必要なバブルと呼ばれる頭の型をラップで作ってもらいました。
久しぶりにウィッグを装着する髪を少しずつ丸めてピンでとめるピンカールもしました。
トレーニングルームの隅でストレッチやフルートを少し回したりし、ボートのトレーニングまでかなり時間があったので、2~3週間以内で良いと言われていましたが、ドレッシングルームのロッカーの中の荷物を隣に移動させることにしました。
衣装類はすでにワードローブで移動してくださっていて、ロッカーや引き出しの私物だけでしたが、10年以上の間にすっかり忘れていたものがロッカーの奥から出てきたり、必要のないものもあったので、ついでに保管していたものの整理もしました。
すべて移動させ、今まで使っていたロッカーや引き出しも手の届くところは除菌ペーパーで拭き、気持ちもすっきりしました。
今まで使っていたロッカーと引き出しの鍵をワードローブに返すと、なんだか一区切りした気持ちになりました。
ドレッシングルームに入ると、私の机に木製のバトンケースが置いてありました。
アーティストのアイヴンが、パンデミックになる前から作ってくれていたバトンケースで、思わず「お~!!!」と声を上げてしまいました。
お礼を言うと、「2年越しになってしまったね・・・」と笑っていました。
嵐のシーンのトレーニングで、シアターに入ると、ちょうどボートがセットされたステージが上がってくるところでした。
ステージや装置が動いているのを見る度に、長い眠りから・めたような気持ちになります。
客席から、アーティストがボートを動かしている姿を観ると、乗っている時にはそこまで気にならなくなっていた揺れの大きさを改めて感じました。
トレーニングの後、ワードローブのトップに呼ばれ、ドレッシングルームの席を一つ移動してもらえないかときかれました。
感染予防の決まり事で、ワクチン未接種のキャストとの間はスペースを作るそうで、私の使っていた席を一つ空けなければならなくなるとのことでした。
10年以上使っていた席で、多少の愛着もありますが、気分を新たに始められる良い機会だと捉え、ポジティブに考えることにしました。
帰宅後、アイヴンにもらったバトンケースに、バトンを入れてみるとサイズもぴったり、2本収納することができました。
改めてゆっくりと細かい部分まで見せてもらい、手作りの温かさを感じる素敵なバトンケースでした。
表と横にはダイアナ、レディオフィサー、ヒトデ、そしてスティックバグまで、私が『KA』で演じるキャラクターを・・・、裏側には、バトンをしている姿を・・・、全てが私の写真を元に掘られていました。
KAの象徴的な矢とバトンを組み合わせたマークもデザインされていました。
世界に一つしかないバトンケース・・・、本当に嬉しい特別なギフトを頂きました。
今日は森のペンデュラムのトレーニングがありました。
数日前にハーネスのフィッティングがあり、今日は実際にステージのレールからスイングをしてみる日でした。
まずはステージの端から端の距離をフライングするロングペンデュラムをすることになりました。
ハーネスにケーブルを繋いでもらい、レールに立つまでの手順を先に頭で思い出そうとすると曖昧でしたが、その場で実際に動いてみると、自然と流れも思い出しました。
レールに立った時、どんな気持ちになるのか、地下2階まで見える高さに怖さを感じるのではないかと不安でしたが、立つとすぐに感覚を思い出し、躊躇なくスイングすることができました。
今日は思い出すためのトレーニングだったので、数回スイングし、ロングペンデュラムは終了しました。
その後は、前方の客席の上をフライングするペンデュラムをしました。
先にロングペンデュラムをしたので、高さを感じることもなくスタートすることができました。
身体が覚えていて、問題なくスイングすることができ、最後にパートナーとのキャッチも復習しました。
相手のどこをつかむかなど、細かい部分を復習・確認しながら何度か練習することができました。
フルートは18か月間触ることができなかったとはいえ、自分のレギュラー・バトンを多少回すことができていましたが、他のアクトは現場でなければできないもの・・・、レールに立ってスイングするまで、怖さを感じるのではないか、また一から練習になるのではないかと少し不安でした。
実際にやってみると、不安は吹き飛び、風を切る感覚が爽快で心地よく、そう感じる自分にびっくりしてしまいました。
そして、自分の専門ではなくても、ショーの中で10年以上続けていたことで身体が覚えてくれていて、こちらもまたびっくりでした。
今日からステージを使ってのトレーニングが始まりました。
シアター内に入ると、メインのステージであるクリフデッキが動いていました。
ようやくステージ自体も稼働です。
ステージでのトレーニングに先駆け、通らなければならないのがエアバッグ・トレーニング・・・。
客席を奥に向かって歩いていくと、エアバッグが目に入ってきました。
出勤前から憂鬱でしたが、思わず重いため息が出てしまいました。
まずは2階のレールを跨ぎ、床から飛び、2回目は、入団当初20~30分コーチを待たせたレールの上からでしたが、今日は10秒以内に飛ぶことができました。
もう一度飛びたい人はするよう言われましたが、私は1回でやりきったつもりで、終わりにしました。
その後、ステージ前のパスレールからステージの下にセットされたエアバッグに飛ぶ時間になりました。
コーチに、しなければならないのか、したい人だけなのか確認すると、どちらかと言えば飛んでほしそうに言われました。
みんなが順にパスレールから飛び降りて行き、私は最後まで残ってしまいました。
飛ぶ決心はついたつもりでしたが、いざ飛ぼうと思うと、足が動かず・・・、結局しばらくそれを繰り返し、コーチに飛ばなくて良いよと言われました。
周りにいたアーティストがずっと応援してくれていたので、少し申し訳なく感じましたが、無理な時は無理だからと慰めてくれました。
とりあえず、2階のレールの上から10秒以内に飛べただけでも成長したのかなとは思いつつも、飛べなかった自分に少しすっきりしませんでした。
今日は朝から暴風で、夜、寒いと思い、携帯電話を見ると、気温が12度になっていました。
ラスベガスの真冬の気温で、寒いはずでした。