出勤前、家で色々していると、ステージマネージメントから、撮影でヒトデに入ってほしいと連絡がありました。
詳しいことも分らないまま、とりあえず大急ぎで準備して向かいました。
『KA』の裏側の取材があり、トレーニングルームでアーティストがインタビューを受けている後ろで、カメとヒトデに遊んでいてほしいということで、踊ったり、くにゃくにゃしたり、ひたすら動き続けました。
どう見えていたかは不明ですが、ショー中にはしない動きを思いつくままにするのも、なかなか楽しいものでした。
全く予想していなかった、ヒトデを脱いでからのインタビューもあり、英語での受け答えには抵抗がありましたが、どうにか話しました。
今日はダイアナ役の日で、ショーの後エレベーターに乗ると、隅に小さく盛られたものがありました。
暖かくなると増えてくる蛾のために作られたお墓で、コルク、森のシーンの花びら、その前には小さなお花も飾られていました。
テクニシャンの一人が作ったという話は聞いて知っていましたが、リアルなハロウィンに苦笑いしてしまいました。
今日は、“Shelter in place”という、銃撃に備えた避難訓練がカンパニー全体で行われました。
全員がシアターに集合し、説明を受けた後、ショーの最中に起きた場合を想定した訓練をしました。
今回は、シアター内は安全だという設定で行われ、シアターの出入り口をすべて施錠、アーティストはすぐに自分のドレッシングルームに避難し、点呼、施錠など、万が一に備えた訓練ではありますが、２０１７年に実際にラスベガスで発生して以来、絶対にない訳ではないと感じてしまいます。
１回目のショーの客席から矢を打つ役で、私は上手の３番目でしたが、なぜか同じ上手側の１番前だと主張するアーティストが二人いました。
私は、アンドリアンの名前を貼り出された表で観た記憶がありましたが、もう一人そこにいたのがアンドレス・・・、アルファべット表記でも最後の数文字だけが違う二人で、私も見間違いかもしれず自信はなくなってしまいました。
結局、冷静なアンドリアンが譲り、反対側まで猛ダッシュでいきましたが、正しかったのは私も記憶していたアンドリアンでした。
バックステージに戻り、名前が似すぎ！とアンドリアンと笑ってしまいました。
エピローグでトランペットをかつぐ役に入る際は、“タタミ”と呼ばれるステージで待機しますが、いつものようにスタンバイしていると、乳母役のジーナが話しかけてきました。
エピローグが始まる前に閉まっているカーテンに映る影が映画『タイタニック』の名シーンのように見えるとのことでした。
そのタイミングを気にしながら見ていると、“タタミ”の横のレイルと私の森の妖精役の帽子の影が重なり、先端に女性が立っている船が前進しているように見えました。
その少し前のタイミングでは、大きな蜘蛛が迫ってくるように見えたり、照明とステージやカーテンの動きで、ひと時の巨大影絵を楽しみました。
今日は嵐のシーンのボートに入っていました。
シーンの終わりのボートが沈む際、いつものようにアーティストが片側に集まってぶら下がり、みんなの体重でボートを傾けていましたが、ふと気が付くとステージが下がらず、客席が見えていました。
慌ててみんなでしゃがんで隠れましたが、私たちのぶら下がっている姿が見えていたかもしれず、苦笑いしてしまいました。
ステージ上にいる私たちからすると、すぐ前のパスレールと呼ばれる花道との間に十分な距離があり、いつも通りステージは下がると思っていましたが、ボートがステージの前方で終わってしまうと、パスレールに接触する可能性があり、ステージを下げることができないため、ステージを確認のために一旦停止させたようです。
ショーの1週間のお休みの間に、色々なメンテナンスがされました。
ムービングライトはLEDに取り換えられたそうです。
森のシーンの蔓には、お花がつけられました。
今日は、ロングペンデュラムに入ったので、お花を後ろから見ることになり、暗い人影のようにしか見えませんでしたが、照明の当たった正面から見るのが楽しみです。
