1回目のショーのボートのシーンで、マストを登り、金製のプレートに片足を乗せた瞬間、足が滑り、落ちてしまいました。
すぐに起きて、ポジションに行こうとしましたが、じっとするようボートに乗っているアーティスト達に止められ、ボートの上に寝転んだ状態のままいました。
アーティスト達が、声をかけてくれていましたが、気が付くとアーティストはみんないなくなり、ステージ・マネイジメントのマンディが私に声をかけてきました。
“すぐにフィジオが来るから・・・”と言われ、うなずきながらふと視線を上げると、客席が目に・・・ステージはすでに下がっていると思っていましたが、そのままの状態でストップしていました。
その後場内アナウンスが耳に入りかけた時、フィジオのミランダが私の所に来て、“大丈夫?わかる?”と意識の確認、そしてフィジオのジャーミーもやってきて、その場で身体のチェックを受けました。
私が意識もあり、大きな問題ではないことが分かり、ようやくステージは下がり、救急車の手配もストップされたようでした。
なんだかよく分かりませんでしたが、大事になってしまったということだけは感じ、手伝ってもらいながら自分で起き上がり、フィジオに連れて行ってもらいました。
フィジオで改めて、全身のチェック、神経のチェックなどを受け、大きな問題はありませんでしたが、打った背中にのしかかる首が徐々に重たく感じ、背中の筋肉が固くなっていくのを感じました。
なんとなく頭はぼ~っとしていました。
それよりも何よりも、ショーを一旦停めてしまったこと、そして、みんなに心配をかけてしまったことが気になっていました。
フィジオからドレッシングルームに戻るまでの間に、私の歩いている姿を見てほっとしている様子のアーティストやテクニシャンの表情から、みんなの心境が身に沁みるように感じました。
本当に申し訳ないと思いました。
頭を打っているので、車の運転はしないよう言われ、ちょうど帰宅するところだったテクニシャンのトップのヤゴに、アパートまで送ってもらいました。
帰宅後、何がどうなったのか、ぼ~っとしながらも考えました。
最近お天気の悪い日が続き、ステージや装置、器具などが異常に高い湿度の影響で、ベタベタしたり、状態がかなり変わっていました。
ボートのマストもベタベタし、靴が吸い付くようだったので、最後に金製のプレートに右足を乗せた時に、左足がいつもよりマストにくっつき、離れにくく、体重のバランスが下がり、乗り切らなかったプレートの端で滑ってしまったのかな・・・と思います。
どちらにしても、自分の不注意・・・もう少し慎重に意識していれば起きなかったかもしれません。
ショー自体に影響を与え、更に、今のこの時期に、メンバーがどれだけ神経質になっているかを十分に分かっている中、メンバーをそんな気持ちにさせてしまったことを本当に申し訳なく思います。
帰宅後も、何人ものアーティストやテクニシャンから、メッセージをもらいました。
温かい皆さんに、本当に感謝しました。