みんな苦笑い

　今日もボートに乗ることになりました。
　今週３回目で、続くと不安は軽減されていました。
　今日はミーシャが先にマストに登る役で、下で見ることができないので、自分で登るよう言われました。
　自分でスムースに登れ、混乱のシーンの中、マストの上にいたミーシャに、思わずにこっとしてしまいました。
　２回目も、スムースに登れ、ついついにこっとしてしまいました。
　
　ビッグウェーブが、縦揺れにならず、本来ボートの回転は止まっている状態のはずが、回りながら斜めに揺れ、更に大きく揺れていました。
　スライドする前に、これは危ないと思い、周りの様子を見ると、ジェニファーとゲイルが、“スライドしちゃダメ・・・ここにいて・・・”と私を抑えながら叫んでくれました。
　他のアーティストも演技でうまく対処するだけでなく、いつもになく神経を使っている様子で、どうにかボートを止めていました。
　ボートがいつもの角度より周り、ステージに降りるスペースがあまりなく、ネットももう引いた後なので、気をつけてボートから下りました。
　さすがに緊張感が走っていて、ボートが沈んだ後、みんな苦笑いでした。
　結局、マニューがジャンプせず、ボートに残ったことで、重さやボートの動きがずれたためだったようですが、私以外のみなさんも少々怖さを感じていたようです。
　
　ボートから先にジャンプする役で、状況を知らなかったミシェルに話しながら、スペアスローに向かい、矢を背負ってスタンバイしようと思うと、なんか軽い気がし、マスクをしていない自分に気が付きました。
　“間に合わなかったら、僕が出とくよ”と、２回目のスペアスローにしか出ないミシェルが言ってくれ、とにかく私は急いでドレッシングルームにマスクを取りに行き、ダッシュで戻りましたが間に合わず、すでに彼が代わりに出てくれていました。
　時々みんなやってしまうことですが、ミシェルが早めにスタンバイしてくれていて助かりました。

　ショーが終わり、ドレッシングルームで、ジェニファーとボートの話をしました。
　ちょっとでも危ないと思った時は、決まった動き通りでなくても、安全を優先した方が良いと、その方法なども教えてくれました。