歌わない時間

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コルボ『モンテベルディ_聖母マリアの夕べの祈り』

2008年12月22日 | CD モンテベルディ
Monteverdi
Vespro della Beata Vergine
Smith, Michael, Evans, Elwes, Huttenlocher, Brodard
Schola des Petits Chanteurs de Notre-Dame de Sion
English Bach Festival Baroque Orchestra
Les Saqueboutiers de Toulouse
Ensemble Vocal & Instrumental de Lausanne
Michel Corboz
WPCS-5681/2

1982,66,64年録音。73分58秒/65分56秒。コルボの『晩課』新録音(1982年)を中心としたアルバムの国内盤。1982年録音の『晩課』に、おそらく1966年の『晩課』旧録音から「6声と通奏低音のためのマニフィカト」を併せ、さらに1964年の「無伴奏合唱による4声のミサ曲」を足して2CDにしています。国内盤で歌詞対訳もついて2000円、場合によっては割引きで1000円台で買える、ってことで、お買い得ではありますわなあ。

82年の『晩課』再録は、真正面から正攻法で押してくる。そのこと自体は悪くない。一晩のコンサートだったらこれでいい。ただCDで聴くと、なんか、もう一味足りない感じがするんだよなあ。天下のコルボが指揮するあのローザンヌの合唱団、てオーラは感じられない。ただしソロはすばらしいです。テナーソロの"Nigra sum"をウィンフォード・エバンズが歌っていますが、これは繊細でニュアンスに満ちていている。わたしがよく聴いてるナイジェル・ロジャーズよりも、エバンズのほうが巧いと思う。エバンズともうひとりのテナーであるジョン・エルウィズの重唱もいい感じ。

66年の「6声のマニフィカト」は、演奏スタイルの古さは否めないものの意外と聴かせます。ひたむきな良さがあります。64年録音のミサは…、今となっては別のを聴いたほうがいいでしょう。念を押しときますがこれは『ミサ・イン・イッロ・テンポレ』ではなくて『倫理的・宗教的な森』に入っている4声の無伴奏のミサですよ。

表記には問題多し。CDケース裏に録音年が「1982年、1996年&1964年」とありますが、このうち「1996年」はおそらく「1966年」の誤り。また、歌手の表記がカタカナのみでもとの綴りが不明なのは仕方ないとしても、演奏団体は「ローザンヌ声楽器楽アンサンブル」としか書いてありません。これでは、グレゴリオ聖歌を歌っているボーイソプラノがどこの団体なのか分からない。調べてみたら、"Schola des Petits Chanteurs de Notre-Dame de Sion"ていうのがそれらしく、ほかにも"English Bach Festival Baroque Orchestra"と"Les Saqueboutiers de Toulouse"という団体が参加しているもよう。"Les Saqueboutiers de Toulouse"というのが金管アンサンブルだというのは臆測つきますが、"English Bach Festival Baroque Orchestra"ってのはどういうんでしょうね。なお"English Bach Festival"ってのは現在も活動を続けているようでサイトもあるんですが、詳細は知りません。

レ・サクブティエ・ドゥ・トゥールーズ"Les Sacqueboutiers De Toulouse"という古楽の金管アンサンブルは、それとはっきり認識していなかったんですが、ア・セイ・ボーチの『ジョスカン/ミサ・エルクレス』に加わっていて、それはそれは華やかでみごとなアンサンブルを聴かせていたのでした。このグループはあちこちの指揮者に呼ばれて演奏に加わっているようで、『晩課』だけでも、クリスティ、ヘレベッヘ、ガリード、コルボ(当盤)と4種類もあります。

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