歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ファゾリス『モンテベルディ_聖母マリアの夕べの祈り』

2008年12月29日 | CD モンテベルディ
Monteverdi
Vespro Della Beata Virgine 1610
Pennicchi, Simboli, Schofrin, Balconi, Beasley, Dordolo, Naglia, Maletto, Carnovich, Grandini, Zanasi
Coro Della Radio Svizzera, Lugano
Ensemble More Antiquo
Concerto Palatino
I Barocchisti
Diego Fasolis
47594-2

1998または99年ライブ録音。72分06秒/25分11秒。ARTS。録音日は99年6月24日とも98年6月18日とも表記してあるんですが、2回のコンサートからのピックアップとは考えにくく、どちらかの日の一発録音だと思われます。ディエゴ・ファゾリスと彼が率いるグループの実力をうかがうに足るすぐれた演奏です。ソロの一部に不満が残るのがなんとも惜しい。合唱は8・6・8・6で、ソリストも合唱に参加。指揮者も歌い手もイタリア系の名前ですよね。っていうかアレッサンドリーニやカビーナのところのアンサンブルで歌ってる人がいるし。

『晩課』はパロットとかヤーコプスとかで聴いていて、南欧の演奏を聴きたいとはずっと思っていたんですが、アレッサンドリーニのはOVPPでしょ。この曲をOVPPで聴くのはシュミに合わないのでほかのを、と思っていたところに、ファゾリスという指揮者のことを知って(この人のヘンデルやカリッシミを聴いて感心したので)、それで聴くことにしました。

たんにソツのない演奏、という以上の個性をこの演奏は備えていると思いました。合唱の仕上がりがすばらしく、イタリア語圏のスイス、って微妙な感じをよく表現している。歌ごころがあって、なおかつ澄明である。

ルガノは地図で見るとスイスの南端の(ということはイタリア国境に近い)ちいさな街で、人口2万5千くらいだそうですよ。そんな小都市にこれだけの力のある合唱団があって、これだけ充実したコンサートを聴かせるっていうのはすごいね。そういえばコルボの本拠地のローザンヌもスイスですが、やっぱりフランス語圏とイタリア語圏では気質の違いもあるんでしょうね。

テナーのMarco Beasleyという人が第1テナーらしいんですが、この人が力んだのかなんなのかやたら調子悪くて。声も美声とは言えないし。ほかのソリストには特に文句はありません。

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