歌わない時間

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『3人家族』

2013年05月16日 | 演ずる人びと
BS11で『3人家族』の再放送をしています。「テレビドラマデータベース」によれば1968年10月から69年4月にかけて放送されたもの。きょう見た第13回・第14回だけでもいろいろなことが分かりました。竹脇無我は、東横線の妙蓮寺に、父(三島雅夫)と、浪人生の弟(あおい輝彦)と三人暮らし。いっぽう栗原小巻は、母(賀原夏子)と、浪人生の妹(沢田雅美)と、やはり三人暮らし。女三人は(場所はわからないが)マンションの六階に住んでいる。そのマンションは、十三年前に父が失踪した後、母が働いて買ったもの。その母の勤め先のレストランは(横浜の)関内にある。そして栗原小巻は霞が関ビルで働いている。二十三歳である。

とにかく竹脇無我と栗原小巻の美男美女っぷりがすごい。竹脇無我は、「甘いマスク」って言葉がこれほど似合う俳優さんもいない。しかし「甘いマスク」なんて言葉自体、もはやレトロだ。

栗原小巻の言葉遣いがきれい。小津安二郎の晩年のカラー映画群(『彼岸花』『秋日和』『秋刀魚の味』)の女優たちの日本語もきれいだったけどあれは昭和30年代で、栗原小巻のは昭和40年代のきれいなことば。

昭和40年代前半、母と姉とが生計を支えている状況で、浪人させてもらっている沢田雅美はたいへんしあわせな娘であったのではないでしょうか。

栗原小巻に恋している中年?の写真家を、中谷一郎(風車の弥七)が演じている。三島、中谷、栗原は俳優座。

恐ろしいことですが、このドラマをわたしはリアルタイムで見た憶えがうっすらとあるんだよね。おなじ竹脇&栗原コンビの『二人の世界』とか、『おやじ太鼓』とかも見た、ような気がする。この辺のドラマにおける昭和の空気感は、虚構ではあっても、じつに懐かしい。

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