歌わない時間

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『小早川家の秋』の遠藤辰雄

2014年05月20日 | 演ずる人びと
俳優の遠藤太津朗という人が2012年の7月に亡くなりました。この人は大川橋蔵版の『銭形平次』に出て(三ノ輪の万七親分)、さらにその後、藤田まこととも一緒にテレビに出ていたようでした。けれどわたしはこの人のことを、小津安二郎が宝塚で撮った『小早川家の秋』で親戚の叔父さんを演じた「遠藤辰雄」、として記憶しています。『小早川家の秋』のとき、すでにおじさんだったのに、その後、昭和を通りすぎて平成にいたるまで、この人はテレビに出つづけていた。なんて息の長い俳優さんだろう──というか、歳の計算が合わないなあ、この人いくつなんだろう──となんとなく思っていたのね。

『小早川家の秋』は1961年の映画ですが、遠藤辰雄さんは1928年生まれだったそうで、ということは、『小早川家』を撮っていたとき、まだ三十代の前半だったってことですよね。ちょっとこれは衝撃よ。まあ映画では若い俳優が老け役をやるのはままあることだろうし、まして昔の映画だから驚くほうがおかしいのかもしれませんが、あの『小早川家の秋』の遠藤辰雄は、そうさなあ、五十代なかばには達しているように見えた。

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