歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

リュリとパーセル

2008年01月01日 | 音楽について
■旧年中に買っておいて、けっきょく封も開けなかったCDがけっこう溜まっている。その中からまづクリスティ指揮のリュリ«Les Divertissements de Versailles»(WPCS-11357)を開封。

■トリニティ・クワイヤの『ダイオクリージャン』や『アーサー王』を聴いてすっかりパーセルにはまったわけですが、去年の秋のある日、サバール指揮の«Les Grandes Eaux Musicales de Versailles»(AV9842)ってCDをたまたま聴いてびっくりしたんですね。これはサバールのフランス・バロックのCD何枚かから再編集したサンプラー盤で、わたしはフランス・バロックはシャルパンティエ以外はほとんど興味がなかったもんですから、このへんの音楽はこういうつまみ食いみたいなCDを一枚聴いときゃいいかなあと思って購入したんですが、リュリとパーセルって何だかよく似てるんですよ。こんなに似てると思ってなかったのね。調べてみたら、リュリってひとは1632年生まれで1687年に死んでます。パーセルの同時代、かつ、リュリはパーセルよりも17歳年上で、ちょうど手本にするに手ごろな年の差。パーセルにとっては、隣の国の、一番ボスの作曲家だったわけでしょう。影響を受けてないわけがないですよ。それで、こりゃあリュリの音楽もちょっとは聴いておきたいなあと思って、何枚か買ったわけです。

■で、このクリスティのリュリですが、ちょっと衝撃を受けましたよ。トラック10の『イジス』「寒さの場」ってのは、『アーサー王』の凍える神のシーンのネタ元に間違いないし、トラック14『アルミード』の音楽(の後半、パッサカーユ)は、やはり『アーサー王』でわたしが最近気に入っているPassacaglia"How happy the lover"とほんとに雰囲気がよく似ています。パーセルは、リュリをほんとによく研究していたみたいですよ。