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アートネタなど日々のあれこれ

バンクシーって誰?

2021-10-16 00:25:22 | 美術
寺田倉庫G1ビルで「バンクシーって誰?」展を見てきました。

バンクシーの活動には興味がありますし、彼の映画も見ているのですが、展覧会に行くのは今回が初めて。今まで何回か開かれていた展覧会も何となくスルーしてしまっていました…が、今回は会場の作り込みがけっこう凄いらしい、という評判なので、行ってまいりました。

さて、例によって鑑賞前に腹ごしらえ…ということで、天王洲アイルにあるT.Y.HARBORへ。T.Y. バーガーをいただきました。肉肉しいパテとてんこ盛りのフライドポテトで、すっかりお腹いっぱいに…。その後、腹ごなしをかねてしばらく辺りをうろうろ…ひさびさに訪れた天王洲がすっかりアートの街に変貌していたことに驚きました。

「バンクシーって誰?」展では、世界中に散在するバンクシーのアートの代表的なものをテレビ局の舞台美術チームが再現しています。会場に足を踏み入れると、映画のセットのような空間が広がっています。いきなり驚きの「Aachoo‼」が。思いっきり傾いてます…22度の傾斜がある坂道をみごとに再現していますが、見ていると頭がくらくら…。会場にはストリートの雰囲気が満ちています。大きなマスクをかけたフェルメールの少女も。スパイ・ブースの再現も怪しげ…。「THE WALLED OFF HOTEL(世界一眺めの悪いホテル)」の再現には感動すら覚えました…バンクシーが出資したイスラエルの分離壁の真ん前にあるというホテルです。怖いけど、いつか泊まってみたい気も…。メインビジュアルにもなっている、パレスチナで石の代わりに花束を投げる男の絵も原寸大で再現されています。バンクシーはこの巨大な絵を実際に現地で危険に身をさらしながら描いたのですね…。「Giant Kitten」は一見、愛らしいネコの絵ですが、バンクシーがこの絵に込めた意味を知ってしまうと、もふもふ動画好きの不肖わたくし、耳が痛い…。防弾チョッキを着けた大きなハトの絵、かの有名な風船を飛ばす少女の絵も。彼の作品に一貫して感じるのは平和への願い…。そして、今回、再現展示のおかげでバンクシーのアートはやはり土地の文脈で見るものだということを思い知りました。というか、もはや描かれたものが作品というより、時には危険に身をさらしながら描くという行為そのものが作品だったりするのかも…。

この日はWHAT MUSEUMの大林コレクション展も見てきました。大林剛郎氏が長年かけて収集したコレクションを3つのテーマに沿って展示しています。「安藤忠雄 描く」は氏の平面作品の展示ですが、スケッチを見ていると頭の中を覗き込んでいるよう。「都市と私のあいだ」はアーティストの都市を捉えた写真の展示です。ひさびさに野口里佳さんの写真が見られて嬉しかったな…。「Self-History」は大林氏のコレクションの紹介です。コンセプチュアルな作品が多めですが、ドイツの現代写真や人体表現を扱った作品も。ペーター・フェルドマンの0歳から101歳までの101人のポートレイト写真とか、ライアン・ガンダーの壊れたネオンとか刺激的な作品も…。大林氏は自分のコレクションを絶えず変化していく動的なものとしてとらえているのだそうです。ゆく川の流れは絶えずして…というフレーズがふと頭に浮かんでは消えていきました…。


コメント
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