先日、始まったばかりの北斎展に行ってきました。
ひとひとひと。なんかかなり混雑していました。
そう感じた理由は、まず最初に展示されているのがどれも小さなものばかりで、近づいてみないとかなり厳しいのです。
だから皆、並んで3重くらいになって人垣が出来ていました。
最初、この光景を見て出直してこようかどうか真剣に悩みました。
さすがに、お金払って見にきているのだから元はとらないと。
じっくり時間をかけてでも見て回ることに決めました。
今回、初めて知って驚いたのは北斎が89才まで生きたということ。
だから、80過ぎても作品を描いてたりしたわけなのです。
チケットのもぎりのところで2F全てのスペースで展示していて300点の作品があるとのことを聞きました。ええ?そんなに?
とにかく、作品点数とバラエティーに富んでいて見応え十分です。
だから、それなりに見る覚悟も必要になってきます。
見ていて感じるのは昔の絵ではあるけれど、なじみのある地名が多く出てくる事。
風景を描いたものが多いので、今の景色とはもちろん違うんですが何か親しみを感じるのです。特に江ノ島とか鎌倉とかは。
北斎というと北斎漫画と言われるものが有名です。今回も展示されていましたが、むしろそれよりも鳥羽絵集会というのがあるのですがマンガっぽいのです。
頭のかたちをぐにゃっとデフォルメしてたり、シンプルな線で描かれた顔のパーツ。マンガの原点がここにあります。
昔からこんなのを描いてたのだから、日本人はすごいなと思うのです。
と、北斎の描いた龍がどれもかっこいい!
黒い龍。威厳のある伝説上の生き物。実在しないものをそれっぽく描くのはやはり技量がないと出来ないのです。
中でも、日月龍図というのがよかったです。
3点の掛け軸のセットになっていて、「太陽」「龍」「月」が描かれています。
とてもマッチングがいいのです、この3点。というか、そうなるようにうまく構成されているのです。
気になったもの全てを活字で紹介するのは正直、無理なのでビジュアルのある絵はがきのものについて書いてみます。
写真の右上のは諸国瀧廻り「下野黒髪山きりふりの滝」。
北斎で特徴的なのは水の描写です。
青と白で描く水がダイナミックな線となって迫ってくる迫力があります。
写真の中の上、「新坂大道図彙 石町」。
この絵はきになる箇所が多いのです。北斎はこういった庶民の生活風景を描くおも得意です。左には天狗の面を背負った山伏が、そのよこにはシャボン玉屋さん?(彼が抱える箱に「玉や」と書かれている)
でも、じつは一番惹かれたのは犬です。中央の下のあたりに犬がいます。
まわりは騒々しいのに目を閉じて丸くなって寝ています。
この目の表情がたまりません。
北斎の描く動物はどうしても「軍鶏」に代表されるようなリアルな描写が多いのですが、犬と猫はときどきほんわかタッチで描かれています。
さて、中の列の2段目、「獅子図」。
これははがきではうまく出ていません。というのも金の地に黒というのはどうにも実物の感じを写し取るのは難しいです。
この色彩と構図に無駄がありません。ぎりぎりのもので成立しているように思えます。
中央の下は今回のチケットです。今回の北斎展のメインビジュアルがその右の『富岳三十六景「神奈川沖浪裏」』。
その名のとおり、富士山の入った美しい景色を厳選した36点ということだったのですが、解説の文章を読んでいると面白いことが書かれてある。
なんでも、あとで10追加されて46になるということ。
このシリーズ、富士山さえ入っていればどんな構図でもOKで、事実こんなふうに波間から見える富士山なんてのもアリなわけです。
なお、他にも鳥居の向こうに富士山の見える「登戸浦」というのもうまいです。
といくつか自分に気になってたもので書いてみるとこんな感じでしょう。
あと、最後に気になったのをもう一点。
「西瓜図」という絵。
これものすごく謎なのです。
半分に切られた西瓜の上には半紙が乗っていて、さらにその上には水平にはられた紐に西瓜の皮を長く切ったのがぶら下がってる。
皮はやたらと長いのです。
なんなんでしょう、この絵の意図するところは。
解説によると、類例がないと。
位置づけに困ってしまうのでしょうね。
そんな不思議な絵が気になりました。
グッズコーナーで写真の絵はがきを購入。
今回、図録は買ってません。
図録はボリュームあって3000円も妥当だと思うのですが、いかんせん重い。
あれを家まで持って帰るのはひと仕事です。
12/4まで上野の東京国立博物館にて。
月曜は休館。なお、金曜日は夜8時までやってますのでお勧め。入場は閉館30分前なので7時半までに入れば、いつもよりゆったりと見られると思います。
ひとひとひと。なんかかなり混雑していました。
そう感じた理由は、まず最初に展示されているのがどれも小さなものばかりで、近づいてみないとかなり厳しいのです。
だから皆、並んで3重くらいになって人垣が出来ていました。
最初、この光景を見て出直してこようかどうか真剣に悩みました。
さすがに、お金払って見にきているのだから元はとらないと。
じっくり時間をかけてでも見て回ることに決めました。
今回、初めて知って驚いたのは北斎が89才まで生きたということ。
だから、80過ぎても作品を描いてたりしたわけなのです。
チケットのもぎりのところで2F全てのスペースで展示していて300点の作品があるとのことを聞きました。ええ?そんなに?
とにかく、作品点数とバラエティーに富んでいて見応え十分です。
だから、それなりに見る覚悟も必要になってきます。
見ていて感じるのは昔の絵ではあるけれど、なじみのある地名が多く出てくる事。
風景を描いたものが多いので、今の景色とはもちろん違うんですが何か親しみを感じるのです。特に江ノ島とか鎌倉とかは。
北斎というと北斎漫画と言われるものが有名です。今回も展示されていましたが、むしろそれよりも鳥羽絵集会というのがあるのですがマンガっぽいのです。
頭のかたちをぐにゃっとデフォルメしてたり、シンプルな線で描かれた顔のパーツ。マンガの原点がここにあります。
昔からこんなのを描いてたのだから、日本人はすごいなと思うのです。
と、北斎の描いた龍がどれもかっこいい!
黒い龍。威厳のある伝説上の生き物。実在しないものをそれっぽく描くのはやはり技量がないと出来ないのです。
中でも、日月龍図というのがよかったです。
3点の掛け軸のセットになっていて、「太陽」「龍」「月」が描かれています。
とてもマッチングがいいのです、この3点。というか、そうなるようにうまく構成されているのです。
気になったもの全てを活字で紹介するのは正直、無理なのでビジュアルのある絵はがきのものについて書いてみます。
写真の右上のは諸国瀧廻り「下野黒髪山きりふりの滝」。
北斎で特徴的なのは水の描写です。
青と白で描く水がダイナミックな線となって迫ってくる迫力があります。
写真の中の上、「新坂大道図彙 石町」。
この絵はきになる箇所が多いのです。北斎はこういった庶民の生活風景を描くおも得意です。左には天狗の面を背負った山伏が、そのよこにはシャボン玉屋さん?(彼が抱える箱に「玉や」と書かれている)
でも、じつは一番惹かれたのは犬です。中央の下のあたりに犬がいます。
まわりは騒々しいのに目を閉じて丸くなって寝ています。
この目の表情がたまりません。
北斎の描く動物はどうしても「軍鶏」に代表されるようなリアルな描写が多いのですが、犬と猫はときどきほんわかタッチで描かれています。
さて、中の列の2段目、「獅子図」。
これははがきではうまく出ていません。というのも金の地に黒というのはどうにも実物の感じを写し取るのは難しいです。
この色彩と構図に無駄がありません。ぎりぎりのもので成立しているように思えます。
中央の下は今回のチケットです。今回の北斎展のメインビジュアルがその右の『富岳三十六景「神奈川沖浪裏」』。
その名のとおり、富士山の入った美しい景色を厳選した36点ということだったのですが、解説の文章を読んでいると面白いことが書かれてある。
なんでも、あとで10追加されて46になるということ。
このシリーズ、富士山さえ入っていればどんな構図でもOKで、事実こんなふうに波間から見える富士山なんてのもアリなわけです。
なお、他にも鳥居の向こうに富士山の見える「登戸浦」というのもうまいです。
といくつか自分に気になってたもので書いてみるとこんな感じでしょう。
あと、最後に気になったのをもう一点。
「西瓜図」という絵。
これものすごく謎なのです。
半分に切られた西瓜の上には半紙が乗っていて、さらにその上には水平にはられた紐に西瓜の皮を長く切ったのがぶら下がってる。
皮はやたらと長いのです。
なんなんでしょう、この絵の意図するところは。
解説によると、類例がないと。
位置づけに困ってしまうのでしょうね。
そんな不思議な絵が気になりました。
グッズコーナーで写真の絵はがきを購入。
今回、図録は買ってません。
図録はボリュームあって3000円も妥当だと思うのですが、いかんせん重い。
あれを家まで持って帰るのはひと仕事です。
12/4まで上野の東京国立博物館にて。
月曜は休館。なお、金曜日は夜8時までやってますのでお勧め。入場は閉館30分前なので7時半までに入れば、いつもよりゆったりと見られると思います。
平日行けるのであれば、絶対にそのほうがいいと思いますよ。
評価っていうのはそういうものなんでしょうね。
時代だったりタイミングだったり。ひとがどうであれいいものをいいと判断出来る目を持ちたいなと思うのです。
日曜美術館で撮影にせよ、じっくりと貸し切りで鑑賞している、はなさんが羨ましい!