栃木県立美術館で開催中のヒュー・スコット=ダグラス展に行ってきました。
村上隆さんのカイカイキキギャラリーで個展を行っていた作家さんだったので気になっていたのです。
というわけで栃木に訪れたついでに行ってきました。
久々の栃木県立美術館。
ミラーに映る青空を見てのとおりの気持ちいいお天気でした。
チケットを購入するとリストの他にこのような冊子を頂けます。
なんと16ページ。
中にはヒュー・スコットによるステイトメントも。
ただし、この文章の最後に下記のとおり書かれてました。
[編者註:このステイトメントは2016年1月末時点のもの]
そして、紙ペラ1枚のリストの裏面にはステイトメント2が掲載されています。
ただし、こちらにも以下の注意が記載されている。
[編者註:このテキストは4月初めに届いたものであり、実際の展示状況とはズレがある。よって[ ]内は編者による補足である]。
どうしてこういうことを書いたかというとブルーの冊子のステイトメントをちゃんと読んで作品と向き合うと実際の展示作品とうまく合わない説明があるのです。
どちらかというとステイトメント2のほうが実際に近いと思いました。
さて、前書きが長くなりましたが本編です。
今回は、展覧会場内でのスナップ写真撮が許可されており、撮影した画像をSNSなどで公開することが出来るとのこと。
(※ストロボ、三脚の使用は禁止。また動画の撮影もNG)
会場に脚を踏み入れるとプリント作品と何やら袋が連なるオブジェ。
全12点からなるプリントは「ボケ」というタイトル。
アルミニウムにマウントしたクロモジェニック・プリント。
近くに寄るとこんなふう。
ドット状の連続を撮影したもののよう。
ステイトメント2にその答えは書かれてて写真撮影用の照明パネルとのこと。
ぼかすことでこのドットが溶けて別のフォルムに変容する。そのシンプルな形のバリエーションが面白い。
袋はというと梱包材で使われる紙製のエアバッグ[ダネージバッグ]。
さらにその中に空気を入れる際に粉末にした油性顔料を加えたとのこと。
近付いた時に見えるこの汚れがそうではないかと思うのですが。。
これは中を開封して実際に顔料がどう広がってるかということがものすごく気になりました。
キャンバスの上に絵具を塗る絵画の裏返しにしたかのようなイメージ。
そしてスライドの作品。
このスライドプロジェクターの存在感がいい。
ガシャッと音がして画像が切り替わる。
物理的な装置がリアルタイムで生成する音はやっぱり気持いい。
投影されるスライドは映画の予告編のフィルムをコラージュしたもの。
パーフォレーションはもちろん、音声の波形データも入ってて妙な強度があるんですよね。
追加されたであろうこの矩形や市松模様などのラインが力強く迫力がありました。
声や音楽、台詞のない画像を連続して見る事でこちらの内側にあるイメージを呼び覚まされるよう。
全体を通して感じたのはシンプルな力強さ。
こういった現代美術の先端の作家の個展を開催しちゃう栃木県立美術館の思い切り、素敵です。
6/19まで。