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詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

抜本の傷

2005年09月11日 | うたかた 2005 blue in blue
サッと入った一筋の赤い傷をカムフラージュにして
その奥を直角に潜り込む抜本の傷
どこまでも深く
どこにたどり着く
抜本の傷
心奥の底
底部の底部
本能の一番奥に鋭く突き刺さる
抜本の傷

そこから広がって
本能の全てを容易く染めてゆく
抜本の傷
本能は決して明るみに出ず
たゆたう山奥の深閑の湖面の僅かな波
寄せては返しながら止まることのないリフレインの微振動

少しの雨風で嵐のように荒れ狂う己を失った木の葉
全てを拒否可能にするクローズの盲目
太陽も月も星も我にあらず
あるのは
全てを吸着し全てを反発する
己を囲う見えない膜

誰にも見せないよ
本能なんて
誰も見たくないだろうし
見せて無意味の無用の無駄
だから

誰にも見せないよ
自分の心は
自分で守って
生きて行かなきゃなのだから。

05.9.7 pm2:33


わたしの後に

2005年08月08日 | うたかた 2005 blue in blue

閉じよう閉じようとして
閉じられないまま
箱に浮いている

降りよう降りようとして
着地できずに
白日夢に浮き出した

また消えるよ
時間

過ぎるよ
わたし

夜の海岸線なんて興味ないから
夜の山の上で流れながら見ていた美しい星空と一つの流星


冷たい

カンパリソーダよりも
冷たい水を頂戴

煙草
ふわり

薬を飲んで

わたしの後に
明日のわたしに。


抱っこ

2005年07月28日 | うたかた 2005 blue in blue
わたしはたまに猫に抱っこしてもらいます
幸か不幸かうちには4匹の猫が住んでいるので
誰かが気が向かなくても誰かが気が向いてくれます
というよりじっとがまん
でしょうか

どうにもならない時
どうしようもない時

やっぱり温かなものに触れたいと思ってしまいます
柔らかなものに触りたいと
幸か不幸かうちには4匹の猫が暮らしているので
温かく
柔らかい感触は想起しやすいのです

猫はわたしよりはるかに小さく
人間の子供よりずっと小さく
イヤ!
とも言わず
わたしの勝手な空無に
忍耐強く付き合ってくれます

猫はわたしを抱いてくれるのです
猫は
猫なのに
わたしを
抱っこしてくれるのです。

猫の存在さえ
思い出せない空無の強烈も
ありますが。


最愛なるもの親愛なるもの

2005年07月19日 | うたかた 2005 blue in blue
嗚呼負けてしまったの自分に
嗚呼苦しくて苦しくて何も手につかなくなってしまったの
最愛なるものよ
そこへ向かうためにわたしは
自らを切りました
わたしは向かわずにはいられない
いられない
どうしても向かわずにはいられない
親愛なるものよ
切ったわたしは今までのままのわたしです
何も変わらない
ただ針の穴ほどの小さな赤い点が
日を追うごとに肥大して自らを遥かに凌駕して
わたしはわたしに飲み込まれてしまいました
自らに潜り込んでしまった自らは
決して外れない知恵の輪の楼閣の一郭の閉鎖された地底に足を落とし
埋もれ落ちた泥土の沼にひたすら堕ちつづけ
堕ち続け
堕ち続け
自らの存続の確保のためにのみ
わたしはわたしを切りました
わたしは向かわずににはいられないから
向かわずにはいられないから
どうしても
行きたいから
自分を切りました
自分を
痛くって
辛くって
泥土の中に流した血は
いずれわたしの糧になるよう
わたしはわたしに向かいます
決して諦めない
どんな最後でも最後まで
行きます
わたしは
変わりません。


現実

2005年07月15日 | うたかた 2005 blue in blue
ああ
自らを切り離して
幻想?
馬鹿をいっちゃいけない
それこそが
現実
わたしの最大にして親愛なるもの
どれほどそこに埋もれ溢れ一辺倒に生きたいことか
18年それを殺してきた
18年
それをしてしまえるのがわたし
無性にロボスが弾きたいよ。





舞う言葉 2

2005年07月03日 | うたかた 2005 blue in blue
言葉を次々忘れていく
降りてきた言葉を
留めるチカラがない
聴こえてくるフレーズが
流れて舞う
舞う
舞う
ただ粉雪のように
白く美しく
舞う

伏し目がちに
わたしはただ眺めている

嗚呼
綺麗

人のもの
誰のもの

嗚呼
綺麗

言葉は舞う
わたしは
閉じる。



脳飛行

2005年06月25日 | うたかた 2005 blue in blue
画家の友人から買った絵を
毎日眺めている
一時の郷愁に沈む
幽かな微笑みと
遥かな子供心と
一瞬の安堵への想起をして

わたしは飛んでいるけど
わたしは沈みたい

完全なる箱のわたしは
一日中脳飛行
逃避行
シャレにならない

わたしは絵の中に入りたい
毎日毎日見る度入りたい
入りたい

脳飛行
入りたい

逃避行
それでも
入りたい

出てこられなくても
いい

その絵になりたい。

05.6.25 am3:36


中毒

2005年05月03日 | うたかた 2005 blue in blue
自家中毒なカラダは麻痺をして
自家に反応しない

自己中毒なココロは麻痺をして
自己に反応しない

大好きなわたしの煙草
Moreちゃんが輸入廃止に・・
悲しい

この中毒な脳をどうしてくれる
この中毒なわたしを

どうしよう。

05.5.3 am7:56


ご夫婦の写真

2005年04月25日 | うたかた 2005 blue in blue
パソコンデスクの前に張ってある
その
ご夫婦の
屈託のない柔らかな自然体の笑顔のツーショットの写真を見る度
わたしは

笑顔に。

素晴らしい現象だ
たった一回しか会ったことないのに
とても
嬉しい気持ちになる

素晴らしい現象だ。

貴重な
経験だ。

05.4.25 pm7:37




遺体の夢

2005年04月22日 | うたかた 2005 blue in blue
遺体の夢を見た
川に捨てられた幼い少女の遺体だ

繁華街の大通りのアスファルトが
亀裂をしてメリメリとめくれ上がる

追って来る
わたしは逃げる

誰かと二人で
走って逃げる

街中が引っくり返っている

こんなところまで来てしまった
どうやって帰ろう

遺体は川に捨てられたのを
わたしは知っている

今も川のどこかにあるはずだ
流れてどこかに
引っかかっているはずだ
わたしは頭の中でその光景を見ている

わたしは宙に浮いていた
下には架空のわたしの家族のような見知らぬ見知っている人たちが

わたしは旋回した
熱い

どこもかしこも暑くて嫌だ
あの遺体の少女は

見つかっただろうか。

05.4.22 am1:00