石のように硬く岩のように重い心は
動かない
明るいことに、健康なことに、前向きなことに
反応しない
あなたは何をしようとしているの
わたしは何も信じられない
たとえあなたにさえも
期待は持てない
たった半日山へ行って
それが何だって言うの
そんなことで
このわたしの
石交じりのコールタールのような
どす黒く重く硬い石の心が動くとはとても思えない
わたしの内の良いものも可能性ももう二度と
明るみに表出することはなく
わたしはこのまま
駄目になっていくのかもしれない
94.3.9
わたしは自分の過去の滞った柵のその感情の全てを
彼の人に転移する
あらゆる感情を抱(だ)く、愛憎を
彼に愛情を感じる時
彼はとてもこの世のものとは思えない程の
すばらしく慈愛に満ちたやさしく暖かな揺り籠
身も心もとろりとろけるような母のぬくもり
彼に憎悪を感じる時
彼はひどく間抜けな鈍感な脳天気で頓馬で呑気な子供染みた只のはしゃいだ中年
わたしは彼の心が解からないし
彼はわたしの心が解からない
どちらも真正面からぶつからない為だろう
彼は意識的にそれを避け
わたしはしたくてもそれが出来ない
三週間前
彼はこの世の中の只一人の愛の象徴
信頼のまったき源泉
だったが今は
他者と同様
あんなヤツはキライだ!
あんなヤツはキライだ!
これは転移だ
どれもこれもみんな転移だ
彼の人、言いたいことがあったらハッキリ言えばいいじゃないか
あなたのその
もったいぶった含みのある煮え切らない表情も態度も言葉も仕草も
わたしはキライだ!
言う気がないのなら態度にも出すな
今はわたしを疲弊させるだけだって何回書けば諦めるのか
わたしの粘着性にあなたは勝てるの?
それとも
逆転移しちゃった?
94.3.4
シューベルトの未完成は全き完成
音楽の森
どんどんどんどん豊かな緑が生い茂る広がる
湖も木々も葉も空気もいっしょになって時空を満たしてゆく
その真ん中でわたしは驚異と歓喜の鼓舞の大きな息をする
緑の空気が体中入って来て
やがてどうしようもなく溢れてしまう
感動が
自分のキャバを超え次から次へと湧き上がる
産み続ける森のパノラマ
成長する森の成分は激しい風を巻き起こし
いつしかわたしも空中を泳いでいる
湖と木々と葉と空気の中に加わっている
産み続ける森の成分になるわたし
なんとうれしいことだろう
94.1.18 am5:20
mayakusさんの、リズムの「リ」 に TB!
わたしは海の嵐が好きだ
それを聞いている数分間
心が躍っている
子供のようにピョンピョン飛び跳ねて
冒険のようにドキドキして
宝物見つけた時みたいにワクワクして
わたしはその中にどんどん入っていって
音楽とわたしが溶け合って
ひとつになる
自身が音符になったみたいな気がして
流れに乗って
体が動く
その数分間
自分が生きてる気がする
全身
神経がパッとクリアになって
世界の一員
人としての自分
活動と躍動のわたしが
一瞬蘇る
音が消えて
流れが止まると
わたしも止まる
わたしは
音楽に巻かれるゼンマイじかけのブルー
心は音楽に呼応するゼンマイじかけのトケイ
まだ
音楽に反応するセンサーが
残ってはいる
94.1.17
カザルスのチェロを静かに聴いたことがありますか
カザルスのチェロには愛と祈りがある
カザルスのチェロは温かい
カザルスのチェロは抱擁する
なんだか涙が出てきます
カザルスのチェロは心です
心そのもの
温かく柔らかな土の匂いがする
カザルスのチェロは母であり父であり天の子供です
何もない
見栄も体裁もエゴも奇麗事も欺瞞も押し付けがましさも高慢さも
カザルスのチェロは謙虚が貫いており
真実が貫いている
何も要求しない
ただ受容する
ただ愛する
地球の内部をその懐に全て包み込み
地球上の全ての生きるものに微笑みかける
ただ愛がある
愛が流れている
真摯に
謙虚に
カザルスの心はうたっている
病に疲れた心が
撫でられてゆく
93.12.22