詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

昼の夜

2004年10月22日 | 90.1.8~95.7.17
昼の11時は夜の続き
太陽もほぼ真上にあろうとするのも
行きかう人々の生活の顔も
活発で楽しげな話し声も
車の激しい往来も
陽を浴びて美しく咲く鮮やかな花の色も
絶え間のないスーパーマーケットのざわめきも
額に汗する労働の堅実も
さわやかな鳥のさえずりも
わたしの心には跳ね返るだけの異次元の光りだ
聞こえてはきても意味の通じない見知らぬ国の外国語となって
わたしの心には届かない
窓からの距離を昼から遠ざかり
ドアに鍵をかけて昼を遠ざけて
脳は眠りを恋う
意識は夜の眠りに休息を欲し
体は14の頃から昼夜逆転に完成し
思いはまさに夜の続き
この時間がわたしにとっては身も心も夜の中
脅える子供のように昼から身を隠す
人を恐れるノラ猫のように自分の気配を消す
注意深く
ただこのマンションの一室にひとりいる
声を出さず
沈黙の猫を抱いて
蛍光灯の孤独の光りに神経を保護し
隠れ家を求めて昼から逃げる
昼からは
逃げるしかない
眠るしかない
昼間の夜に抱かれて
わたしは眠りにつく
外を知らない
飼い猫のように

94.12.20 pm12:00


2004年10月22日 | 90.1.8~95.7.17
心を守る術を知らない人は
昼間に生きることが出来ないので
その思考はやはり夜に
溶け込んでゆく

夜の静けさや冷たさや暗闇が
どんなに気持ちをホッとさせるかあなた方には解からない
生活は眠っている
我家の生活も世間の生活も
太陽は見えず空は黒く鳥は鳴かず
家々の窓は明かりを消し昼の一切の音は消え
夜の森閑としたpure toneのように濁りのない音が
脳に沁みる

だから意識は脅えずに目を開けて
何も着ることの出来ない神経はヒリヒリしない
人々の昼の生活を何一つ感じることなく
人々の昼の意識に何一つ萎縮することなく
昼間に何も出来ない心は
せめて夜に憩う

営みに夜があることは神の慈悲だ
(私は宗教をしておりません)
夜がなければ魂は再起不能の異常の果てに
とっくの昔に自滅している

人々の活動する明るすぎる昼の声の中では
わたしは疲れて萎んで歩けないので
その声を聞かずにすむ真夜中の僅かな時間に
少しだけ歩く
明るい色の何もない夜の
誰にも会うことのないふわりと浮き上がった空中の
ちょうどテラス程の僅かばかりの星空を
少しだけ歩く
あまりに健康な太陽のもとでは消耗してしまう心を
見えないくらいの小さな星の輝きに少しだけ心を許して
ひんやりと冷たい空気に脳は心地良く軽くなって
pure tone の純粋な音に神経は同調して
少しだけ歩く
病人の足のように注意深く
決して夜を起こさぬようにそっと静かに
少しだけ歩いてみる
親に内緒の秘め事を見つかったら叱られると心配しながら
それでもどうしてもしてしまうおさなごのはずむ目をして
少しだけドキドキして
病んだ重い心はいっぱいに抱えこんだまま
少しだけ歩いてみる
初めて見る雪の上を一歩一歩噛み締めながら歩くように
息を凝らして
そおっと そっと

94.12.20 am5:00





抵抗する

2004年10月22日 | 90.1.8~95.7.17
ああも言いたいこうも言いたい
素直を出したい本音を言いたい

会うと
心はガードする
消失の妄想的恐怖に脅え
冷たくなって硬くなる

やっぱりそこから出たくない
もう5年ですあなたと話し始めて
あなたは立ち上がらせようと努力する
わたしは立ち上がることなど考えることも拒否をして
追い出されたくない子供の思いで
必死にしがみ付いて
抵抗する

わたしは抵抗する
幼い時
力まかせにドアの外にわたしを出そうとした
父の強い力と迫力と冷たい顔と冷たい声に
言い知れぬ恐怖捨てられる恐怖を覚え
柱にしがみ付いて泣き叫びながら
柱に爪が食い込む程抵抗した時のように

母は黙っていた
わたしは救われたい思いで母を見たけど
母は目を逸らしわたしは諦めた
それから
あっという間にあまりに無力な小さな手を
父の威力に無理矢理剥がされ蹴飛ばされ
廊下を転げて玄関に落ちた
泣いていた
ひとりだった
虚しかった

時間はそれから25年は流れただろうか
会うことのない父も変わっているでしょう
母も年をとった
わたしは親になって
来年子供は15才
変わらないのは
失う恐怖と愛情の飢餓
幼い時の心のまま
何も変わることなく
年齢が安定するに比例して
心の餓えは定着する

わたしは抵抗する
あなたはわたしを見離すなんて思ったことは無いに違いないと
この世に生きてるわたしは考えてみるけど
こみ上げる幼子の恐怖心は止められない
理性も冷静も何の力も持たない
生理的に根の生えた
本能のようになってしまった感情の前では
人間性も年齢も親である事実も
関係ない
失いたくない
捨てられたくない
それだけが
声の無い魂の叫びになって
胸の奥からこみ上げる
遥か地底の奥底から湧き上がる
わたしは
冷たい石の面でガードして
カムフラージュの虚しい言葉を吐いて
あなたに抵抗する
あなたにしがみつく
捨てられる恐怖に脅える
必死にあがく
捨てられたくない
失いたくない
異常な程に
そう思い込む

94.12.8 am4:40



月を見ていた

2004年10月21日 | 90.1.8~95.7.17
その窓に月があった
薄く細く糸のように消え入りそうな
乳飲み子の切ったあとの爪のように
淡く、白く、透き通った月があった

その人は言った
月ぐらい見る余裕を持たなきゃね

そうじゃない
余裕を持つ人は
月に飲み込まれたいとは思わないでしょう?
月は愛でるもの
でしょう?
余裕を持たない人は
月に同化したいと思う
その引力に引っ張られて
明日には見えなくなりそうなあの月のように
自分も無くなりたいと思う
でもすでに始まっている月
だから刹那な幻影の中に自分も埋没したいと
ひび割れた心は虚無的幻想を月に馳せる

それでもいっしょに
月を見ていた
その人の健康な日常の心と
わたしの病める声にならない思いとで
同じ月を
見ていた

94.12.5 am4:45


思いが割れていく

2004年10月21日 | 90.1.8~95.7.17
思いが割れていく
考えは虚ろに消える
感情は火を噴いて
焼け付く脳は口を卑しめ
心の飢餓は過食する

体重オーバーハルカ
おぞましい脂肪の塊
醜い体
壊れる体

アイデンティティーのかけらもない
自己の何所にも統一性などはなく
何所にも同一性などはない
すでに
潜在意識のレベルで崩れているとしか言いようがなく、だから
思いは次々割れていく
輪に成り得ない
何一つ繋がらない
関連しない
ピリオドが打てない
始まりもない

どういうわけで此処にいるのか
これから何所へ向かうのか
意識は何を見たいのか
この生の存在そのものまでも

不信が充満している
存在に対する恐れが不信を呼ぶ
歩く不安は何一つ受け入れようとはしない
思いが割れていく
いつまで経っても点の軌跡の見え隠れ
一時煙のような影を作っては
またも分散する

思いが割れていく
実線は結べない
わたしの思考は
四次元の歪みの中
刹那に虚ろう白いゴースト
見えない異次元の枠

94.12.4 am3:00


不信の空のしゃぼん玉

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
盲目なのは
抑圧された孤独
壊れたオモチャといっしょに
時間の中に飛翔した愛情の枯渇

無くしたものは
三つのその子が愛していた薄汚れたお人形
その頭を
母という人の大きなては掴んで捨てた
何も言えない小さな心

悲しみは
受容されたことのないあまりに小さな握り拳と悔しい瞳
涙は
いつしか冷たい石になって
噛み締める奥歯が痛い
自分でつねった腕の爪痕

子供は悲しい時
泣きたい
潤んだ眼に最大限の表面張力
子供はあまりにやるせない思いを沢山味わう時でさえ
言葉を知らない
決して表出されることなく潜在意識は刻み込む
塞がらない傷を残して時間は進む
飢餓は飢餓に終わることなく
進むにつれて広がる腐食

盲目なのは
抑圧されたままのわたしの失意
受け付けず
受け入れられない
不信の空のしゃぼん玉

94.11.29


儚いもの

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
やめて
わたしに触らないで
やめて
わたしに話すのは
お願い
わたしを見ないで

存在はそれだけで武器
わたしを圧殺する
存在はそれだけで罪
わたしは抑圧する
誕生はそれだけで罠
遠い昔の消失

飢餓は埋められない
シャボンの泡のように
頭の上で
壊れて消える

94.11.28


ああ

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
この一週間は
うつろ
その心は
倦怠
何回も何回も何回も
うつうつ
一体何
ここはどこ
誰かわたしを抱いてって
誰かが唄っていたけど
わたしは誰にも触れられたくない
ああまた
また
食事の仕度
三時間後の朝
胸が
胸が
痛いよ
苦しい
わたしはいったい誰ですか
どこの星からやってきたの
わたしの返る場所はありますか
お墓なんかヤダ
バカバカしい
体は魚たちにあげる
ああもうやめて
お願い
お願い
誰かわたしを殺して
みんな殺して
全て消して
跡形もなく亡きものにして

悪魔がわたしを生かしている

94.11.27


青い光り

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
座敷童が笑ってる
気がつくと童女の想いになっている
それは戻ることでもあり
変化することでもある
内奥の炎は海蛍のかすかな青
青いままいつまでも消えない
昼の色ではない
夜の想い
一番フィットするのは昼の音の無い夜
陽の介入のない夜の冷たさ
わたしは遥か昔へ戻る
戻って歩いて二~三歩進むとつまづく
誰に逢いたいのだろう
遥か昔のその現実は
何もいらないもう二度と再現したくはない
わたしがするのは時間的移動
空間的変化は望まない
それはわたしの想いの中にある
それは幻かもしれない
想いは現象となって実態化する
わたしは一つの関係を実現させた
想いは実態化する
わたしの前でそれはわたしの色に染まる
沈鬱
下へ
沈降
またも地下へのエレベーターに乗る
一年、二年、三年、五年、十年、十五年、それとも二十年、三十年?
どのくらい下がっただろうか
暗い部屋
沈み込む
流動体の黒い水のプールに泳ぐ
黒い水が口の中に入っても体中に飲み込む
黒い水の中に体が潜ってゆく
何も見えはしない
わたしは悪魔のような眼を光らせて
やがて黒い水の海へ出る
生きたままの魚をガブリと噛む
真っ赤な血を滴らせた口は生きた獲物をくわえこんだまま決して放さない
噛んで骨が折れる
予感するのは死
わたしはspiritual ecstasyを伴って獲物を陵辱する
死ぬのなら死ねばいい
揺りかごにまどろんで白いカーテンの部屋で素に返る
そのわたしが24時間後
醜悪な禽獣の魔女の顔へ同化している
死にたくないのなら自分の力で逃げて
わたしと一緒に
海蛍の青にさらわれてしまわない間に
陽の届き得ない
流れの無い
時間も歪む海の底に拉致されて
退化した盲目の魚に
なってしまわないうちに

青い月の光りに照らされた
透明な空に
汚れを知らない天使たちは
完全な正しさと良心の翼を広げて
飛んでいるだろうか

ここからは見えない
届かない
月の光り

94.11.27 am0:53


抑圧のうた

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
何を苦しんでいるのかは解からないけど苦しんでいるのは解かります
とその人が言った

自分のことですからわたしには解かってますよもちろん
あなたがそれをストレートに聞かないだけ
その人はその人の
彼は彼の
その物差しでわたしを計り
その範囲内に一所懸命入れようとする
無理にでもギュウギュウ押し込めようとする
それが叶わないと知ると
解からない
お手上げ

彼は
型通りのことが出来ればいいの
''わたし'' じゃ無くても型通りになってくれて普通をやっていければ
誰でもいいの
僕と、僕の型に入ってくれる人、の世界

わたしは
わたしとあなた、の世界なの
''わたし'' じゃなきゃ意味ない
''あなた'' じゃなきゃ意味ない

それはここには無いどこにも無い
でもやってかなきゃならない
だから抑圧する
それが苦しい

このままでしょう
ずっと
後戻りは出来ない
抑圧のままが延々と続くの
抑圧のまま目が覚めて
抑圧のまま眠って
その繰り返し
生きることをわたしを先へ運ぶため
それしかない
抑圧
自分を抑えるんじゃない殺すこと
心を殺して日常に顔を出すやっと
他にやりようがない
どんなに笑っても
旅行へ行っても
美味しいもの食べても
嬉しいことがあっても
根底には抑圧したものがトグロを巻いている
生きていたくないって思うのも無理はない
よく未だに生きてるよわたし
それと同じぐらい抑圧してみりゃ解かるよ
出来っこないくせに
気が変になっちゃうよそこまで行って来なさいよ
出来っこないくせに

だから解かんないのよ

94.11.13 am 3:47



根っこの土が腐ってる

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
根っこの土が腐ってる
だから変えなきゃいけない
土は買ってある大きな鉢も沢山ある
来年の春まで持ちそうにないこの冬駄目になるかもしれない

わたしは葉を愛していたその色の美しさを愛していた
様々な形の模様の妙に感嘆していた
大事にしていた
その成長に感動しこの上なくいとおしく思い
思わずそっと抱きしめた涙さえ滲んでいた

わたしの根っこが腐ってる
「錆び付いている」と言った人がある
鉢の土が変えられない
作業的にではない勿論心理的にだ
わたしの心の調子が悪いと
夏でも水やりせずに枯らしてしまう
それを聞いたその人は言った
「可哀そうに」

この手で殺してあげるよどうせなら
あんなに愛したものたちが死んでゆく様を
見ててあげるよ最後にゴミとして処理するところまで
「自分で水が欲しいとは言えないから」と言ってその人は眉間にしわを寄せる

もの言えぬ人間は
心を知ってはもらえない人のことで
ハンディキャップの人ではない
もの言えぬ人間は
どんなに多くを会話しても付き合っても心を知ってはもらえない人間のこと
家族も友人も知人も医者にさえ解からないと言わせてしまう人のこと

孤独は一人だからじゃない
どんなに大勢いても居ながらの孤独
家族も友人も知人も医者にさえ理解はおろか知ってももらえないこと
誰もわたしを孤独だとは思わないむしろしあわせと言うはず
本当に孤独な人はそういうところに居る人
誰も心が見えない
言ったって駄目だ彼等には解からない
外国語より数学より政治よりどんな科学より難しいらしい

根っこの土が腐ってる
知っている
だが変えられない
それは健康なことそんなことに心は向かわない

植物は可哀そうでいいね
猫は可哀そうでいいね
人々は、可哀そうでモットいいね

腐った土なんか、燃やしてしまえ!

94.11.12 am5:50


さまようとき

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
どうしようもなくふと死にたくなります

夜は寝たくない
昼間の音のない時間
陽射しに畏縮しない時間
人々の居ない時間
その意識の届かない時間だから

昼の意識は疲れ過ぎる
おしゃべりで強すぎて無神経で
人々の意識に圧迫される
人々の意識は嫌

昼の意識にわたしは埋没する
生活の意識はわたしを攪拌し
わたしの意識は錯綜したあと
ひび割れる

そして現実から浮きあがって
わたしの意識は
幻想と澱みの間を
彷徨する

そんなときどうしようもなくふっと死にたくなるんです

94.11.7 am4:30



平行線

2004年10月20日 | 90.1.8~95.7.17
ドクターに何て言われても
心の飢餓は埋められない
自然の中で確かにわたしは息をつく
でもわたしの生きる場はそこじゃない
この身が
自然の中に居れば居るほど心の中に
此処へ帰る重圧が増えるだけ
自然の中でわたしは
生きている自分の姿を垣間見るけど
人間界へ戻ろうとするその瞬間から
緊張が胸に食い込む
愛された実感など子供のころから持ったことはない
受容される充足感など知らない
自分が愛に値するなどと思えたことはない
世の中や人々や人生を
好意的に受け入れる術など持ってない
ドクターはわたしは病気じゃないと数ヶ月前に言った
じゃ最初に言った不安神経症はどういうつもりで言ったの
気休めでものを言うのは意味がないわたしには
慰めるならもっとしっかり慰めて心を掴むほど
病気じゃないと言うのならじゃあ何なのかあきらかに示して
fuzzyなことは言わないで
現実は変えられない
ドクターの他に話す相手がいない
じゃ、ドクターのもとへ行って何か話したからってどうなるの今
どうにもならないよ
解かってるくせに
わたしが少しでも心の中のものを吐露したからといって
どうなるの今
どうにもならないよ
解かってるくせに
ドクターには一方通行で何も返ってはこない
ドクターはただわたしの言葉を自分の中へ入れてファイルの中へ閉じるか
じゃなかったら流してしまう
ファイルにしまわれても
ドクターの心は関係ない
そんな聞き手をわたしは必要とはしない
ドクターの形をしたマシーンに喋っているのと同じ
情の通えない人間関係を
わざわざ確認しに行くの
帰りには空虚をどっさり身に付けて
ドラム缶ほどの円い空洞が
心の中に出来る
ドクターは変わらない
わたしも変わらない
何も変わらない
いいも悪いも全てが同じその繰り返し
ドクターはわたしを内へ入れない
そこに情は通わない
拒否される自分を感じに行かなきゃいけないの
おそらくドクターの意図しているようには
わたしはならない
おそらくを絶対に変えてもいい
平行線の先は見えない
違う
違う!
素人だからって高をくくってはいけない
何にも知らない素人でも
このわたしには
わたしにしか解からないことは沢山あって有り過ぎるくらい
わたしの中の病的なものも
このわたしがプロフェッショナルなの
ドクターの知らないことの方が多いかもしれない
わたしは33年間
わたしへのキャリアがあります
わたしに感情移入できますか
自分の家族にものを言うように
わたしに話しができますか
家族の誰かが苦しみ倒れて動けない時
どういう風に対処するの
それと同じようにわたしに接しられますか
しないでしょ
だから嫌なの
そこに愛が見えないから
情のこもった言葉は出てこない
情の無い人へ話をしたって
心は動かない
情の通わない会話なんて
事務じゃない
心の見えない相手に
わたしは心を見せられない
ドクターにとってわたしは仕事の対象
わたしはわたしに対し仕事はしない
わたしの心の飢餓知ってるでしょ職業柄
そこに手をつけない医者なら
そこいらの通行人と変わらない
むしろそこいらの通行人の方がましよ
そこいらの通行人とは
関係を作らなくてすむから
今のドクターには
わたしは手の施しようがない
何時まで経っても同じ
何も変わらない
この世に終りが来たって
この生の終りまでも
伸び続ける二本の平行線です

94.11.1



違和

2004年10月19日 | 90.1.8~95.7.17
川の向こうにいます
あなたは川の向こうで朗らかに手を振っている
わたしにそれは見えるけど
わたしの声はそこには入らない
これまでわたしは
あなたに寄り頼み
わたしの心を
あなたに頼み
訴え続ければ必ず入れてもらえると信じ
あなたを信じ
信頼しきって
必死

あなたはあなた何も変わってはいないの
今までと同じ
それを見てしまった
わたしは
黙る

わたしへの方向付けが決まっているとしても
わたしへの期待はしても意味がありませんよ
わたしの心はすでに浮遊していて
浮遊したままどこへ降りると思いますか
あなたには教えません
否定をうけるので
あなたには言いません

わたしはただ
安堵の気持ちを経験してみたいだけ
気持ちの中の
こと

あなたから拒否を受けるのは
あなた自身が気付かないどんなささいなものでも
わたしには辛いことです

あなたに対する
これ以上の抑圧を
自分に強いることはもう嫌です
いつまで経っても人にはなれない
人による
許しと
受容が必要です
それを実感し享受して
獲得しそこねたアイデンテイティーを
感得したい
たとえばそれが一瞬の夢と終わってもいい

そこに愛はありますか
あの白い部屋、オリズルランの美しい
そこに
愛はありますか

94.10.27 am11:15