Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ハーブ

2017年08月29日 | レモンバーム

レモンバーム 5


http://www.botanical.com/botanical/mgmh/b/balm--02.html#his から

1931年に第一刷が世に出たMrs. M. Grieveの手になるハーブ書は、いつも参考にさせてもらっている本の一つです。もう10数年も前に書かれたけれど、これ以上のものを知らない。ここからレモンバームの歴史について書いた一節を引用しましょう。 

歴史--- バーム ( balm ) はバルサム ( balsam ) の省略で、甘く香るオイルの主成分である。パラケルススが人をよみがえらせる力があると重要視した蜂蜜の甘さに由来する。神経の不調によって起こる病に対して大いに効果がある。The London Dispensary  ( 1696 ) で、「バームのエッセンスをキャナリーワインに入れて毎朝飲めば若返る、脳を活性化する、萎えた気持ちを追い払う、禿になるのを防ぐ」とジョン・イーヴリン John Evelyn, 10/31/1620-2/27-1706、イングランドの作家、造園家、日記作者)が書いています。また、「バームは脳の特効薬である、記憶力を高め、鬱と悲しみを追い払う。」と述べています。かつてはバームのスピリットをレモンピール、ナツメグ、アンジェリカルートを一緒にして神経性の頭痛、神経痛性病に対して効果があるとカーメライトウオーターの名でもてはやしたことがあります。

                                         ジョン・イーヴリン by Sir Godfrey Kneller 1687

1600年後半から1700年にかけてのレモンバームに関する知識ですが、現在のそれと比較してそれほど的外れではないようです。レモンバームの主な効能はロズマリン酸によるもので、パーキンソン病は、脳神経細胞内のタンパク質が線維化することが原因のひとつではないかと言われています。ロズマリン酸や他のポリフェノール(クルクミン、ミリセチンなど)が、この線維構造を分解する働きをもつことが確認されました。また、アルツハイマー型認知症では、脳内でアミロイドβと呼ばれるタンパク質が凝集・蓄積して線維化し、神経細胞を死滅させることで発症するのですが,ロズマリン酸などのポリフェノールは、このアミロイドβの凝集・蓄積・線維化を抑制し、神経細胞の死滅を防ぐ作用があることが、試験管内実験や動物実験で明らかとなっています。

神経性の病が何に起因するのかジョン・イーヴリン述べていませんが、全く根も葉もない内容ではありません。またバームに含まれているハルミンは, 2010年、Journal of Photochemistry and Photobiology B 誌で、ハルミンなどのβ-カルボリン類(MAO阻害剤)がDNAに結合し、抗腫瘍活性を示すことが示されていますし、プロトカテク酸は腫瘍の成長を減退もしくは増進させることが今でははっきりとわかっています。


つづく。


 



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