Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室ではお伝えできなかった”お話し,コツ,それに海外のレシピ”を合わせてご紹介していこうと思っています。

ビスコッティ

2019年04月29日 | 今月のお菓子

ビスコッティ 1

ビスコッティと言えば、「甘い、固い、保存食のような、旨味のない」という印象があって、作ろうと思ったことのないお菓子だったのですが。下にあるビスコッティを食べて、気持ちが変わりました。知人が、最近(ペンシルベニア州、ピッツバーグに住む)が買ってきてくれたものですが、特にこの下のものは、牛乳に浸して食べた後の後味が良いんです。正確に表現すると、牛乳と一緒に食べた結果「チョコレートヘーゼルナッツビスコッティ」が本来の味を発揮したということでしょうか。

ビスコッティというものは、「牛乳と食べると美味しいよ。」あるいは、「ヴィンサントと一緒に食べると美味しい。」といったものではなく、一緒に食べて初めて「ビスコッティ」という作品になる、という印象を深く受けました。

   

 

上の絵はBiscotti Brothersのホームページ;https://biscottibrothers.com/ から引用させていただいたものです。

 

のラベルはお土産に貼ってあったもので、左上にカロリーが明記してあります。上の写真では、ヘーゼルナッツが白い粒として見えていますが、お土産は、ヘーゼルナッツが細かい粒状に加工されてその姿はみえなくなっていました。見た目ではなく、味を重視して改良している点がいいですね。

 

ビスコッティについて少し調べてみることにしました。

古代ローマ時代にその起源があることに驚きました。

あのガイウス・プリニウス・セクンドゥス( Pliny the ElderGaius Plinius Secundus, AD 23–79 ) が「この食べ物は数世紀の間食べられることになるだろう」と自慢していたという程の、ローマ軍団の主食であったということなのだが。彼の著述のどこにその記載があるのか?見つからないのです。おそらく探し方が悪いのでしょうが。

アピキウスにそれに関連するであろう内容が見つかりましたので、そのまま引用しておきます。

 

[125] BOILED DINNER SALACATTABIA [2]

PEPPER, FRESH MINT, CELERY, DRY PENNYROYAL, CHEESE [3], PIGNOLIA NUTS, HONEY, VINEGAR, BROTH, YOLKS OF EGG, FRESH WATER,  SOAKED BREAD AND THE LIQUID PRESSED OUT, COW’S CHEESE AND CUCUMBERS ARE ARRANGED IN A DISH, ALTERNATELY, WITH THE NUTS; [also add] FINELY CHOPPED CAPERS [4], CHICKEN LIVERS [5]; COVER COMPLETELY WITH [a lukewarm, congealing] BROTH, PLACE ON ICE [and when congealed unmould and] SERVE UP [6].

 

[1] Read: Pandectes—embracing the whole science.

[2] Read: Salacaccabia—from salsa and caccabus—salt meat boiled in the pot. Sch. Sala cottabia; G.-V. cattabia.

[3] Sch. casiam instead of caseum.

[4] Sch. Copadiis porcinis—small bits of pork; List. cepas aridas puto—“shallots, I believe”; Lan. capparis; Vat., G.-V. id.

 

「絞った飲み物と漬したパン」というフレーズ (青色の箇所) が見つかりました。しかし考えてみると、それほど考えなくても分かることなのでしょうが、この頃のパンは、少なくとも1800年後半までは、パンには小麦の粒が、粉になり切れずに小麦粉の中に混じっていたのが普通ですから、何かに浸して食べるのが普通なんでしょうが。


つづく




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