超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

蓬莱山の天女に惑う

2021-11-30 20:38:35 | 無題
「長唄を読む」江戸後期・現代編来たので、とりあえず「蓬莱」という長唄の個所をめくる。
「蓬莱」江戸時代後期作
一、蓬莱山の天女は罪作りな美しさだなぁ。日の差す木の間の綾錦。
ゆるく結んだ帯がはらりと落ちるのは、仙境のそよ風のいたずらだろうか。
煙のように想い人への慕情は消えないが、束の間の枕を共にする。
浮名を立たせる者たちは、そこに安らぎを求めて集まる。

二、萩の露とは辛いもの。深く契りを交わしても、朝になれば
一人で取り残される。
招くすすきはいたずら者で、味な気になる、おみなえし。
一途な桔梗はかわいいな。
立派な造りの楼閣を下から眺めると、
欄干に行きかうその足は蓬莱山の鶴の舞いを思わせる。

かなり時代背景を考慮しないとすくい取れない歌詞ではあるけど、
天女の幻惑性と遊郭のはかない夢が歌われている。
「人の眺めの迷い草」という表現がよかった。

羽衣は人の眺めの迷い草 雲の晴れ間に浮かぶ蜻蛉

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