超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

スピノザ哲学のキホン

2022-08-07 05:28:29 | 無題
晃洋書房の河合徳治著、スピノザ「エチカ」読む。
まず、神は万物の根本原因である。存在するのに自分以外を必要としないのは神だけである。
そのような神は、唯一の実体である。人間も自然も、神という実体の様態である。

人は神の属性である、思惟と延長(幅を占めること)を持っている。
感情には、喜び、悲しみ、欲望がある。感情の根本には、自存力がある。
感情は悪いものではないが、感情よりも理性や直観知が優れている。
理性と直観知によって、個物のなかに神の働きを見る事こそ、人の至福である。

善悪は人間にとって有益かどうかで人間が判断するものであり、自然のなかには絶対的な善悪はない。
個々の物は、それ自体、神の様態としては、精巧にできている。
神の様態にも多様な段階があり、人にとって有益に働かないものもある。

暴君の横暴は、理性に制御されていない感情から来る。
自然災害は、自然が人間の利益と一致しない場合に起こる。

人間には神の様態である自存力があり、生存の展開のために自己を守るのは理にかなっている。
受動的な精神を積極的な精神に変え、神の様態として十分に自分を発揮する者は自由であり、
個物に神の働きを見る者は幸せである。

自らを十分発揮する者は自由に生きる神の展開

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