家と人、自分や仕事について

仕事で訪れる各地のこと、家のこと、自分の考え方など、出来る限り発信して行くつもりです。

住宅の価値について

2008年03月01日 | その他
 日本で中古住宅を売買する際、土地の価値が大きなウエイトを占めています。建物自体の価値は、建築年数・外壁、屋根の仕様・設備機器のグレードや状態によって変動するのですが、築20年を超えると土地の価値から解体費を引いた価格でなければ売れない、と言った場合も出てきます。イギリスなどの国は、「築50年の家ではまだまだ若い」という文化で、100年を超える家が沢山流通していると聞きます。日本でも昔の茅葺屋根などの家屋は、代々住み継がれてきました。戦後の高度成長で大量に家が建築され、古き良き住宅文化は消えてしまいました。とは言え、今の日本で茅葺屋根の家は防火や様々な問題で建てられる場所は限られますし、メンテナンスや温熱環境を考えると建築は難しいでしょう。しかし、長い間その価値が継続する家は今でも建築可能なのです。そのような住宅をよりたくさん生み出していくには、住宅を建築する正しい知識はもちろん、住宅をしっかりと評価し、流通させる仕組み作りが重要になります。

「日本の住宅が再び世界に評価されるように導いていく」私が所属する会社のビジョンです。様々な方のご協力を頂きながら、この思いを実現させて行きます。

 写真の家は平成元年に建てられた「ファースの家」です。親戚の家なので時々遊びに行くのですが、性能劣化は皆無に等しく、良い温熱環境に保たれています。当時地元で建築していた「ファースの家」にはお手製の風見鶏が取り付けられており、ちょっとしたブランドになっていたのですが、風見鶏自体のメンテナンスが必要になるとのことで最近は取り付けられていません。良い方法を考えてまた復活させたいものですね。