goo blog サービス終了のお知らせ 

ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

風に立つライオン

2014年05月19日 | 中学受験 行雲流水録

「風に立つライオン」。この曲は、数あるさだまさしの曲の中でも珠玉の1曲だと私は思います。特に、オーケストラをバックに朗々と歌う部分は、いつ聴いても鳥肌が立ちます。「最後の一食」という特集がよくメディアでありますが、仮に「最後の一曲」というものがあるならば、私は間違いなくこの曲を聴きながら死を迎えたいというでしょう。

日本を遠く離れたアフリカの地で医療活動に勤しむ男性が、日本にいる女性から届いた結婚を知らせる手紙に返信を綴る内容となっています。ある意味、彼の友人をモチーフにしたセミ・ドキュメントとのこと。そこに示される崇高な志がヒシヒシと伝わります。ここで、歌詞を転記してみましょう。

突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう

ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ヶ渕で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷(ふるさと)ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です

三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました

ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ

この偉大な自然の中で病と向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど何か
大切な処で道を間違えたようですね

去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます
去年は僕でした
闇の中ではじける彼等の祈りと激しいリズム
南十字星 満天の星 そして天の川

診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在(いま)」を生きることに思い上がりたくないのです

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命(いのち)を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい

くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福を
心から遠くから いつも祈っています
おめでとう さよなら

いかがですか。人は生きなければならない。しかし、ただ単にその生を喰(は)むだけでは生きていることにはならない。何を求め何を目指し生きるのか、そのことを私たちは問われています。いつも何かに迷うとき、安易な道を選択し生きてきた自責の念と共に、この歌詞が蘇ります。お前は今、風に向かっているのかと問われます。

昔、ショーン・コネリー&キャディス・バーゲン主演で「風とライオン」という映画がありました。舞台は、アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトの棍棒外交の時代。その映画のラストに、ルーズベルトのもとに、敵対するショーン・コネリー演ずるモロッコの族長ライズリから一通の手紙が届きます。それは、「あなたは風のごとく、私はライオンのごとし。あなたは嵐をまきおこし、砂塵は私の眼を刺し、大地は乾ききっている。私はライオンのごとくおのれの場所にとどまるしかないが、あなたは風のごとくおのれの場所にとどまることを知らない」、というものです。

風とライオンの関係がよく表れている一節です。もう一度、私も忘れかけている、ライオンの踏みとどまる気高さと立ち向かう勇気を思い出したいと思います。

何はともあれ、「風に立つライオン」一度機会があれば是非お聴きください。


最新の画像もっと見る