ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

ランドセル

2014年04月14日 | 中学受験 行雲流水録

ランドセルを背負っているのか、ランドセルに背負われているのか、小さな体でオタオタと帰宅途中の子どもたちを見かける。あれは新入生なのだろう。近頃は、ランドセルも男子は黒、女子は赤という定番イメージが様変わりしているとのこと。素材が天然皮革から人工に変わり、多彩な色が出せるようになったため、女子にはピンク系、男子には青系が人気ということだ。

考えてみれば、ランドセルは小学校の6年間、運動会や遠足といった行事の日を除き、登下校時はいつも一緒だった。ジャンケンで負ければ友達の分も運ぶ、という遊びも覚えた。そのまま背負って友達の家の近くの川まで行き、夕方まで遊び、ずぶぬれで帰って怒られたこともある。運動場の片隅で下校時間までほこりまみれになりながら黙って待っていたランドセル。ピカピカだった表面は次第にくたびれ、背負いひもが切れたとき、祖父が銅板を巻いて補強したのを1年間使った。チョット窮屈に感じ始めた頃に卒業式が間近に迫っていたことを思い出す。

あれから四〇余年の月日が流れたのに、今も鮮明に思い出すことのできる日々。最近のことがナカナカ思い出せないのに、輝くように些細なことまで蘇る。それはあの季節が一番輝いていたからなのかも知れない。背負ったランドセルで隠れてしまいそうな小さな背中を見て、これからランドセルと過ごすであろう光溢れる彼らの6年間に思いを馳せていた。



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