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謝ることの難しさと面白さ 『謝罪の王様』

2013年10月12日 19時45分27秒 | Weblog

 久しぶりにお笑い的な映画を見た。『謝罪の王様』(2013年東宝制作)である。NHKドラマで「あまちゃん」が大人気となったが、この脚本が宮藤官九郎なのである。この人の作品は、面白くテンポがある。見ている側をグイグイと自分の世界に引き込んでいく。それほど世界をしっかりと持った作品が多いのである。京都の舞妓さんをテーマにした作品も実に面白かった。確かに、くだらないと言えばそれまでだが、宮藤官九郎の作品には、ほっとする、安らぐといった重要な効果も強いのである。だから、彼の作品には多くの人が自分自身の殻から出て、大いに彼の世界に埋没できるのである。
  『舞妓 Haaaan!!!』『なくもんか』に続いて、水田伸生、宮藤官九郎、阿部サダヲの監督・脚本・主演トリオが放つ異色のコメディーがこの作品。あらゆる相手、いかなる状況であろうとも依頼者の代わりに謝って事態を収束する謝罪師が巻き起こす騒動の数々を描く。井上真央、竹野内豊、尾野真千子、松雪泰子など、豪華な面々が集結してクセのあるキャラクターを快演。全編を貫くにぎやかなタッチもさることながら、社会風刺の利いたブラックな笑いも楽しめる。
  依頼者たちに代わって謝ることで、彼らが抱える多種多彩なトラブルを収束する東京謝罪センター所長、黒島譲(阿部サダヲ)。ヤクザの車と追突事故を起こし、法外な賠償金の支払いを迫られていた帰国子女・典子(井上真央)は、彼に助けられたのがきっかけでセンターのアシスタントとなる。二人は、セクハラで窮地に陥った下着メーカー社員の沼田(岡田将生)、あるエキストラの起用で外交問題を起こしてしまった映画プロデューサー・和田(荒川良々)など、さまざまな顧客に降り掛かる問題を謝罪で解決していくのである。
 全編を通じて、謝罪することの意味が色々違う。しかし、土下座が最高の日本における謝罪であるが、これは日本にしか通じず、他国ではかえって侮辱の意味を含んだしぐさと言うことになる。土下座以上の謝罪は何かを求める。それが、「ワキゲ ボーボー ジユウノ メガミ」なのだ。これを振付して唱えることで、土下座以上の謝罪の効果が発揮される。何とも奇妙なものであるが、実にコミカルに描かれるところが、宮藤官九郎の脚本らしさなのであろう。この映画作品は、見ている側に安ど感と活力を与えてくれるのである。


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