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にーにー(兄)の思いが伝わる『涙そうそう』

2007年07月16日 19時31分31秒 | Weblog

 にーにー(兄)の優しい気持ちが強烈に伝わってくる映画『涙そうそう』
これ程の感涙は、映画「手紙」を観て以来かもしれない。兄の妹を思う気持ち、その純真な愛情と、妹の兄を慕う純真さに、本当に泣けました。こんな二人の相手を思いやる優しい気持ちのはてが、なんでこの結末なのか?本当に辛いものです。
 歌手の森山良子が他界した兄を想い作詞した、「涙(なだ)そうそう」の世界観をモチーフに映画化した愛の物語。『いま、会いにゆきます』の土井裕泰監督が『春の雪』の妻夫木聡と『ラフ ROUGH』の長澤まさみをダブル主演に迎え、幼くして親を亡くした兄と血の繋がらない妹が、沖縄を舞台におりなす、切なくも美しい愛を映し出す。流れる普遍的な愛のテーマと心に響く主題歌、主演ふたりのさわやかな演技に思わず涙がこぼれ落ちる感動作。
 那覇で自分の店を持つことを夢見て働く兄の洋太郎(妻夫木聡)のところへ、高校に合格した妹のカオル(長澤まさみ)がやって来て同居することになった。やがて資金が貯まり店が開店を迎えようとしたとき、洋太郎は詐欺に遭って莫大な借金を背負ってしまう。それでも洋太郎はカオルを大学に進学させるために必死に働くが……。
 洋太郎は必死に働いてためたお金で、店をだそうとする。そのお店の名前は、「なんくる(なんとかなるさーの意味)」。しかし、この店は、全く他人の所有であったのに、見事にだまされてしまう。多額の借金を背負う事になった洋太郎。高校生のカオルもアルバイトしたり、自分への仕送りを貯めていたお金を使ってもらいたいと進言するが、兄は受け入れない。妹のお金は使えないし、働かすことで勉強が出来なくなる事を恐れての苦渋の意思表示だった。洋太郎は、昼に、夜に必死に働いた。恋人の父親が、ある日突然やってきて、3百万円の金を渡す。「君とは生きている世界が違うんだよ、うちの娘とは」との言葉。医者の両親で、これから医者になろうとしている娘は、住む世界が違うとのことから、手切れ金の意味なのだ。「ばかにするなー!!」激しく憤る洋太郎。このことで、恋人とも別れることに。なんと辛い仕打ちなのか?弱り目に祟り目とは、このことか?やがて、カオルは、琉球大学に進学することになるが、これ以上兄に迷惑をかけまいと、自立のため、兄の家を出る決心をするのだった。別れの朝、カオルは、振り向き、「にーにー、長い間お世話になりました。」と深々とお辞儀をして、振り返ると、目には大粒の涙が・・。必死にこらえるため、鼻をつまむ。(鼻をつまむと、涙がとまるとの言い伝えから) 一方、見送っていた兄も、カオルの後姿を見ていることができず、振り向くや鼻をつまむのだった。おまじないも効果なく、止め処も無く、涙が流れ落ちるのだった。 <本当に切ない。お互いを思いやっている兄妹なのに、なんでこんな別れをしなければならないのか?観ている側も、止め処も無く、涙が流れる。おまじないの鼻つまみは、全く効果なかった!!>二人が分かれて、1年半が経つ。カオルは、20歳を迎えることになる。成人式は、生まれ故郷の島で行うことに。その決意で、別れて、初めて兄に手紙を書くカオル。「成人式は、島で迎えます。にーにーもその時は是非、島にきてください。いっぱい話したい事があります。」
 ある嵐の夜(大型の台風28号が沖縄を直撃した)、カオルの住むボロアパートの窓を突き破り、大きな大木が、突き刺さってきた。突風によるものだった。泣き叫ぶカオル。そこに、にーにーが助けに来た。「お前が呼んでいる気がしてな・・。」<愛情のある二人は、強い力で結びついているのかも・・。>このときに、雨に打たれたため、兄は高熱を出し、倒れてしまう。救急車に乗って病院へ向かう。その病院は、別れた恋人の勤務する病院だった。とっさのことで、カオルは、彼女に連絡したためだった。過労から、心臓に菌が入り、絶体絶命の重体に。やがて、にーにーは他界してしまう。島での葬儀が終わり、息をついていたカオルの元に荷物が届く。にーにーが、生前、成人式のために発注しといた振袖だった。その中には手紙が入っていた。生前のにーにーからだった。内容は、これからの夢が語られていた。手紙と振袖を握り締め、涙するカオルだった。
 二人のさわやかな兄妹の愛情が、たまらなく伝わってくる映画です。清々しい二人に訪れる過酷な運命。出会い、そして、死。なんともやるせない気持ちになります。ここまで辛い人生でなくとも・・・。おばあ(平良とみ)が、海辺でカオルに言います。「にーにーは、28年という短い人生を、精一杯生きるために生まれてきたんだよ。」と。


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