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遺伝子操作の古典的作品『ドクター・モローの島』

2011年08月10日 15時32分39秒 | Weblog

         
 現代の科学に警鐘を鳴らす作品として、『ドクター・モローの島』(原題:The Island of Dr. Moreau、1977年アメリカ制作)がある。スターチャンネルでの放映作品の鑑賞。この作品のテーマは、天才的な生物学者ドクター・モローは、あまりの恐ろしい研究のため、学会から追放されて、南国の無人島で、自身の研究に没頭する。動物と人間は、受精卵から胚ができる過程は一緒であるが、ある線から、まったく違う生物にそれぞれ分岐してしまう。その一線である何かをついに探求する。生命の進化を分離する粒子があることを突き止めたのである。恐ろしいことに、この実証を行うため、島に生息する動物を人間化する研究・実験を始めてしまうのである。現代でも、人口胚を活用し、クローンを製造したりしているが、このような科学の゜神の領域への侵略゜に警鐘を鳴らすものである。
 ある熱帯の孤島にくりひろげられる、マッド・サイエンティストの世界を描くSF。製作総指揮はサミュエル・Z・アーコフとサンディー・ハワード、製作はジョン・テンプル・スミスとスキップ・ステロフ、監督は「新猿の惑星」のドン・テイラー、脚本はジョン・ハーマン・シェイナーとアル・ラムラス、原作はH・G・ウェルズの「モロー博士の島」(早川書房刊)、撮影はゲーリー・フィッシャー、音楽はローレンス・ローゼンタールが各々担当。出演はバート・ランカスター、マイケル・ヨーク、バーバラ・カレラ、ナイジェル・ダベンポート、リチャード・ベースハートなど。
 1911年。赤道に近い太平洋上に漂う1艘の救命用ボート。やがてそれはある孤島に流れ着く。乗っていたのは、ブラドック(マイケル・ヨーク)。密林の中、不安げに進む彼は、おとし穴に落ちて気を失った。やがて、彼は今自分のいる所がある建物の1室と気づく。彼を救ったのはモンゴメリー(ナイジェル・ダベンポート)。そして、ここはドクター・モロー(バート・ランカスター)の島だった。モローは60歳に近い老人だが、威圧感のある男であり、醜い召使と2人の女中がいる。そして、もう1人の住人、マリア(バーバラ・カレラ)は可憐な女だった。ブラドックは、モローに彼女の素性をたずねたが、「11年前にパナマで卵1ダースと交換した」としか言わない。この島には船は近づいて来ないのだ。ブラドックは呆然とする。一方、モローは生物の遺伝に関係する染色体を研究しており、密林にも、彼の研究室にも近づくなと、ブラドックに言う。日は流れた--。ブラドックはマリアと親しくなっていき、彼はある日、召使が密林で獣のようなかっこうをしているのを目撃した。そして、彼はついにモローの研究室へ忍び込み、モローが何をしているかを知る。つまり、モローは特殊な液により獣の人間化をこころみていたのだ。しかも密林には彼の作った未完成の半獣人達が棲んでいる。さらに、ここにいる半獣人達はモローのいいなりになっていた。ある日、ブラドックはボードで島からの脱出をこころみるが失敗し、モローに獣に退化する実験のモルモットにされてしまう。日、1日ごとに獣化するブラドック。体中に毛がはえ、言語能力は退化し……、しかし、この実験に反対したためモローによって殺されたモンゴメリーの死体を、獣人間が見た時、彼らはモローを殺した。やがてマリアの助けによりボートで脱出するブラドック。モローの邸は今は炎の中だ。2人のボートは大洋に出た。人間が神のさだめた自然の運命を変えることなど、しょせん無茶な話なのだ。だが、今、マリアの顔があの獣に変わろうとしていた--。


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