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「テセウスの船」最終回の回想。

2020年03月25日 21時42分37秒 | Weblog

 東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の開催延期が決定された。新型コロナ・ウィルスの世界的大流行(パンデミック)のこの状況では、やむなしの判断だろうと思われる。開催すると、全世界は選手の派遣ができないし、その前に、オリンピック選手選考も大会が開催されない今では、世界で実施できていない。中止となれば、とんでもない損失が計上される。1年程度の延期で、ロゴは「2020オリンピック・パラリンピック」のまま使用することになるようで、これまた歓迎である。まあ、2021年に開催するオリンピック・パラリンピックが、2020で良いのかという問題は残るのであるが・・・。
 色んな事が、この時期虚無感に苛まれてしまう。花見はできず、入学・卒業式も中止や簡易開催となり、歓迎会、送別会も挙行できず、色んなコンサートやイベントも中止され、大型娯楽施設も休園されてしまっている現状。非常に、孤独感や閉塞感が万延している状況となっている。こんな時は、抑圧された多くの人が暴動を起こす可能性が高いということも言われている。非常に危険な状況であり、世界全体が、かなり危ない情勢になってきている。こんな時は、楽しんで見れる映画やドラマで、気持ちを和ませる事が大事なのであろうと思う。

 先週の日曜日に、ついに「テセウスの船」の最終話(第十話)が放映された。実に素晴らしいドラマである。家族の絆や信じることの尊さ、家族愛を大きくクローズアップさせながら、しかも推理・サスペンスドラマの様式を持った、最後まで真犯人がわからないドギマギ感を持たせてくれた、近年希に見る素晴らしいドラマだったと思う。かなり前に、堂本剛、光一が主演だった「人間失格」というドラマがあったが、この作品以来の感銘を受けた作品である。

 「テセウスの船」。「戦に勝利した英雄、テセウスの船を後世に残すため、朽ちた木材は次々と交換され、やがて全ての部品が新しい物に取り換えられた。さて、ここで矛盾が生じる。この船は最初の船と同じと言えるのだろうか……」というナレーションと共に、心が由紀(上野樹里さん)のおなかに子供がいることを文吾と和子らに報告。文吾が「未来(みく)」と名付けたいと提案するというシーンだった。心は存在するが、“過去にタイムスリップした心”ではないという矛盾。ギリシャ神話がモチーフとなった逆説(パラドックス)を示すタイトルの意味が回収された。

 また、最終回の平均視聴率は19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。第8話の15.3%(同)を大きく上回り、番組最高の数字で有終の美を飾った。心が由紀のおなかに子供がいることを文吾ら家族に報告したシーンが瞬間最高の21.5%(同)をマークした。

 最近のドラマで、これほどの視聴率を叩き出した作品は皆無であろう。それほど、多くの人を引きつけたドラマ構成であり、素晴らしい俳優・女優陣によって築かれた作品だったと言えるのである。

 ただ、私的には納得の行かないことがある。田村心は、30年前からタイムリープして事件当時の時代に行くのであるが、その時代の母は、その田村心を胎児として身ごもっているのである。時間や次元が異なったとしても、唯一無二の田村心自身が、成人と胎児という複数で存在することは、理屈的におかしい。時間・空間を超えたとしても、同一時間には同一人物が二人存在していることは、おかしな事なのである。この点だけは、納得がいかないのである。


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