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栄光の所在

2010年03月03日 21時39分25秒 | Weblog

 



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 バンクーバー五輪が終わってしまった。日本でのメダル獲得は、銀メダル3個、銅メダル2個の合計5個。前回のトリノ五輪では、女子フィギュアースケートの荒川の金メダル1個だけだった。今回は、5個のメダル獲得だが、金メダルは無かった。日本選手団が凱旋したが、いろんな声が聞こえてくる。韓国は、国家の強力なサポートにより、欧米並みのメダルを獲得したのに比べ、日本の冬季五輪の惨憺たる結果に、多くのマスコミから非難が続出している。何故、韓国のように国が支援しないのか、五輪選手が活躍できるように、設備を整備しないのか・・・、と。確かに、冬季五輪に向けた国のサポートについては、日本は非常に弱い。夏季五輪で、あれだけの活躍が出来るようになったのには、国立スポーツセンター等の設備の充実等国のサポートが挙げられる。しかし、冬季五輪では、選手の練習場でさえ、十分に確保できていない状況なのだ。こんな状況で、メダルを取れといっても、無理な話ではある。
 ここで、一つの疑問がある。メダルの帰属は、どこなのかということである。オリンピックは、国対抗なので、当然にして帰属は国であると言う主張も成り立つだろう。でも、本当にそうなのか?選手が頑張って獲得したメダルは、当然にして選手に帰属する。国ではないはずである。選手一人ひとりの努力で、メダルの獲得に繋がっているからである。最近の風潮なのだろうが、メダルを取ることが、国の威信であり、選手の使命であるように、マスコミに書きたてられる。確かに、メダルは多い方が良いし、この数が国の国力の発揚に繋がっているといえなくもない。そのため、メダル獲得が至上命題であるかのように称えられる。今回の女子フィギュアースケートでの韓国キム・ヨナと浅田真央の対決もそうだ。結果として、キム・ヨナが最高得点をたたき出し、金メダルを獲得した。浅田は銀メダルに甘んじてしまったのではあるが、インタビューを聞いてて腹がたった。キム・ヨナが、プロ転向を希望しているので、4年後のオリンピックは浅田の金メダルが有望ですとの話。全くバカな質問をするマスコミだと感じた。浅田は、「キム選手がプロに転向しても、キム選手の残した最高得点の記録は残ります。この得点を超えることが出来るように頑張りたいです。でも、キム選手には居て欲しいです。私の目標ですから」と話した。真の選手は、自分以下に失敗等で他の選手が落ちていくことを望まない。自分以上に輝く存在があってほしいのであり、それ以上に自分が成長することを目標に頑張るのである。これが、真のスポーツマンなのである。
 プロゴルファーの石川遼選手が、優勝をかけて外国選手と熱戦を繰り広げていた時、その外国選手がパターを僅かにはずした。周囲のギャラリーの中に、この時拍手をした奴がいたとのことで、石川が激怒したとの報道があった。紳士のスポーツでの理解も無い輩がいることに残念な気持ちになった。真の競技者は、相手の失敗を望まない。相手の成功以上に、自分が努力して勝ち取ることを目標にするのである。不倫騒動で渦中に居るタイガー・ウッズも、相手が勝利のパターを行なう時、決まって「入れ」と願うそうである。相手が最高の結果を出すことを歓迎しているのである。タイガーの強さの秘密は、最高の相手に自分がそれ以上の努力をして勝つところにある。これが、真の競技者である。真の選手は、最高の相手と戦うことを望む。くだらない邪見で、神聖なスポーツを見て欲しくないと心底感じる。