アッくんの長岡京新聞社

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アッくんの『乙訓寺の空海』第一話 『神護寺』

2012年01月10日 | □ 長岡京市の伝説(ベイツガァーさん)
平成24年1月10日(火)

今から1200年も前の平安時代
811年11月9日のことであった・・・

高雄山神護寺に住んでいる僧空海に
嵯峨天皇から人事異動の命令が届いた
それは
山城国乙訓寺への転住の命令であった・・・


「はあ?拙僧は聞いておらぬ
 今も奈良東大寺の長官を兼務しているではないか
 今度は さらに乙訓寺の長官も兼務せよと申すか?」

 空海は弟子に不満を言った

「住まいも乙訓寺へ引っ越せと・・・
 拙僧は嵯峨天皇さまに神護寺に住みますと
 6年はココに住みますと
 邪魔をしないでくださいと
 申し出て うなずいておられたではないか!」
 
 弟子は命令の理由を空海に伝えた・・・

「神護寺は不便だから」

 神護寺は確かに山中の寺
 嵯峨天皇に呼ばれても
 すぐには出向くことはできない
 だからと言って・・・

 つづく

(この物語は司馬遼太郎著『空海の風景』中公文庫 他を参考にしています。)