のんきに介護 より
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孫崎享氏 / 「何故安倍首相が米国で不人気か」
「今一度何故安倍首相が米国で不人気か整理しよう」
という記事を1月16日朝、孫崎享氏がニコニコチャンネルで呟いておられます。
その点、自民党の思惑は、外れています。
しかし、アメリカが協力しそうにありません。現に、訪米の話も宙に浮いたままです。
日本政府側では、「一月訪米って言ったはずなのに…」という不満が燻ってます。
でも、無視でしょ?アメリカに相手にされていません。
それどころか、日増しに安倍表見首相に対して、アメリカのメディアは、どうも嫌悪感をむき出しにしているようです。
まずは、ニューヨーク・タイムズ。
1月2日付の社説では、
「日本の歴史を否定する今一つの試み(Another Attempt toDeny Japan’s History)」
と題して、
「日韓関係を悪化させる恐れがある」危険な人物として安倍表見首相を非難しています。
次に、発行部数は約160万部、その約半分を北米、主としてアメリカが占める英国エコノミストは、1月5日付で、
「新内閣は、アジアが必要とする最後のものとすべきほど危険な国家主義者達の集まり(The country’s dangerously nationalistic new cabinet is the last thing Asia needs)」
という論評を掲げました。
また、13日にはNYTにおいて、著名な経済学者クルーグマンは、「Japan Steps up」の標題で論評を書いています。
「自民党勝利は、何十年にもわたり日本を間違った方向に導いた“(絶滅)恐竜”の復活につながります。日本通は、安倍氏を良い人間 (good guy)とみるな、彼の外交政策はすごく悪い(very bad)、景気刺激策は、ばらまきそのものだと理解してます」と。
どうしてこんな風に評価が低いのか。
実は、自民党は、オバマ大統領を誤解しているとのことです。
日本は、アメリカの原発・兵器商人を中心とするグループに好きなように任せています。
このグループは、中国の脅威を売り込み、自衛隊の米軍隷属化、軍備費の増大を目指しています。
その勢力の持ち駒として石原某が動き、尖閣諸島に緊張が走ったのは記憶に新しいです。
オバマ大統領は、基本的にそのような軍拡商人とは別の方向を目指しています。
イラク戦争の撤退を実現し、今また、国防費の削減を意図しています。
そのため、ヘーゲル国防長官を指名し、議会と戦う姿勢を見せています。
安倍表見首相は、それと正反対な主張を行っています。
ジャパンハンドラーを自民党は、アメリカと思ってました。
しかし、今日、アメリカにとって、中国は極めて微妙な位置にいます。
どう微妙か――。
対中政策については、軍事面で対決を主張する原発・兵器商人と、協力関係の構築を模索する金融・産業グループの均衡の上にあると言います。
そうだとすれば、日本ごときでこのバランスをこわされては適わないのは確かでしょうね。
更に、金融政策として円安傾向に向かうほどにアメリカと競り合う可能性を内蔵しているわけです。
どう対応すべきか、思案中ということでしょうか。
政権交替で、自民党はぺしゃんこに潰れたはずなのに蘇ってしまった、それに困惑している様子が伝わってきます。