赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

中露経済圏とドルの未来

2023-05-16 00:00:00 | 政治見解



中露経済圏とドルの未来 :230516情報


昨日の続きです。


■人民元が国際通貨になる日

さて、そうしてチャイナ経済がうまくいくかは分かりません。しかし、チャイナはロシアと一体になり、イランやシリア、北朝鮮などと1つの経済圏を作るでしょう。

すると、そこで通用する通貨として、人口の多いチャイナの人民元が最も大きな役割を果たしていくと考えられます。

また、イランにも注目したいのですがイランとロシアを結ぶ3,000キロに及ぶ鉄道の建設計画があります。今、ロシアは穀物や燃料の輸出で一番使っていたウクライナの港が使えません。しかし、この鉄道ができるとロシアはイランの港から輸出が可能になります。

ロシアの穀物や燃料を輸入したい国は、チャイナやインド、アフリカ諸国、アラブ諸国など、たくさんあるわけです。

アラブの国は石油は豊富ですが、食料はロシアに頼っていますし、アフリカやチャイナにとっては、食料もエネルギーも買いたいですね。

そうすると、ユーラシア大陸の真ん中にロシア・チャイナ・イランといった国が結びついた経済圏ができるでしょう。それはドルではなく、人民元を国際通貨として使う経済圏になっていくと思います。


■中露経済圏による日本への影響は?

この経済圏が繁栄しようが衰退しようが、外側に出てこなければ我々にとっては良いことですが、外側に膨張してくると問題です。つまり、日本や台湾に対して侵略の魔の手を伸ばしてくるということ。

この3000キロの鉄道計画がうまくいくかは分かりませんが、うまくいってしまうと日本にとっては非常に大きな脅威になってくると考えられます。

そして、そういった経済圏ではドルを使わなくて良いので、世界のドル離れを一段と加速させるでしょう。そういう意味で、これはかなりのインパクトがあると思います。



中露経済圏の発展で懸念されることはドル体制の弱体化という問題です。米ドルに支配されている資本主義国家にとってはとても信じがたいことではあるのですが、上記の解説をみていて、長年親交のあるロシア事情に詳しい物理学者からのメールを思い出しました。

・ロシアーインド、ロシアー中国では、それぞれ通貨は交えても、実質的には物々交換が進んでいるようです。ドル体制は、確実に部分的な世界になります。

・対ロシア制裁のはずが、西側の金融はぼろぼろ、経済的には人口と一次生産物が圧倒的なSCO【※1】側(オブザーバーを含めて)の圧勝になりつつあります。

【※1】上海協力機構(SCO:Shanghai Cooperation Organization)は、中国、ロシア、中央アジア4カ国の正式加盟国6カ国により、政治、経済、安全保障、文化等の広範な問題について協議を行う地域協力機構。

・ドル体制の崩壊です。

・オイル・ガス本位制、鉱物資源本位、大豆本位制・・・・で、ルーブルでも、元でも、ルピーでも何でもありの多元制となります。グローバル・ドルのもとで紙けれだった通貨も、地下に資源(物)でもあれば、生き返ります。「ロシアはルーブルで払え」と言っていますが、ドルが無くてもルーブルが無くても、例えばペソで払えば銀行が勝手にルーブルに変換するだけで簡単です。ドルを買う必要が無いので、手数料も半減です。これは、80%の貧乏国が望んでいた体制です。



ドルが通用しなくなる時代が来るかもしれないということを頭の片隅に入れておく必要がありそうです。




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