赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

Ⅱ.中国に媚びて失笑を買ったマクロン仏大統領

2023-05-09 00:00:00 | 政治見解



Ⅱ.中国に媚びて失笑を買ったマクロン仏大統領
:230509情報


(昨日の続き)


■動詞になるマクロン大統領

さらに、今回の発言をきっかけにネット上ではマクロン大統領を皮肉った単語ができました。それは「マクロンニンーグ(Macroning)」という言葉です。この意味は、
①ナイーブ
②裏切り
③中国寄り
という意味で使われています。


■マクロン大統領は欧州を代表しているのか?

4月11日に、欧州15カ国30名の議員が対中政策諸国議員連盟IPACで共同で声明を出しました。その内容は、
①マクロンは決してヨーロッパを代表していない。
②マクロンの発言は国際社会の努力を損なった。
また、マクロン大統領への批判はこれだけではありません。

4月10日に、ヘリテージ財団サッチャーセンターは「(マクロンは)北京にとって都合の良い馬鹿者」だと批判し、4月12日にはトランプ前大統領がマクロンは「kissing Xi's Ass」だと批判しました。

さらに、マクロン大統領への批判は国内からも噴出します。同じ政権内の大臣からも批判が上がり、フランス財務大臣は「余計な事をするな」と批判しました。

その状況を見て、フランス大統領府が異例の対応を行い、マクロン大統領の発言とは違う声明を発表しました。内容は、フランスは
①台湾に関する立ち位置不変
②現状維持を支持する
③民主的台湾と交流続行
というものでした。

実際に、フランス国内でマクロンの発言を擁立する声はありません。台湾の駐フランス代表(大使)によると、
フランスの世論は台湾支持一辺倒です。


■マクロン大統領を批判しない台湾政府

多くの批判がマクロンに集まりましたが、台湾政府外交部はマクロン大統領を批判していません。台湾政府外交部は「我々はこの発言に留意している」と言っています。

僕は実は6つの理由から、マクロン大統領の発言に感謝しています。
その理由は、
①台湾を宣伝してくれたこと。台湾の外交上の勝利であると言えます。台湾の重要性を宣伝してくれるのは 台湾以外の世界の国々であること。
②マクロン大統領の発言が、逆にヨーロッパの台湾重視に繋がったこと。
③Macroningという軽蔑用語を代表するように、台湾軽視する発言はタブーになったこと。
④中国の分断戦略に 更に世界が警戒するようになること。
⑤中国の買収の手口が明らかになったこと。
⑥利益よりも国家安全が重要になるという世界の流れが更に鮮明になること。

これからの流れは独裁主義につくか、民主主義につくかこの二択となりました。
「マクロン大統領、ありがとう」


(了)