Ⅰ.中国に媚びて失笑を買ったマクロン仏大統領
:230508情報
今、フランスが世界中から大バッシングを受けていることをご存知の方も多いと思います。
フランスでは年金改革問題で大規模なデモが各地で発生し英国王の訪仏が延期になるなど外交にも影響が出ていますが、それが原因ではありません。きっかけになったのは、4月7日のマクロン大統領の中国訪問です。
3年半ぶりの訪中で国賓として招待され、大変な厚遇を受けました。そこで気分がよくなってしまったのか、ある爆弾発言をしてしまいました。
今日は、最新のアジアを巡る外交情勢について、台湾独立運動家の解説をお届けします。
■マクロン大統領のインタビュー
人間は良いことをしてもあまり注目されませんが、悪いことをすると注目されやすいということがあります。最近の例では、中国に訪問したフランスのマクロン大統領です。今回、国賓として招待された仏大統領ですが、単独ではなく、財界人50人を引き連れて行ったのでした。
そして、
・エアバス160機受注
・海上風力発電分野での協力に合意など
大型の契約に成功しました。
国賓の厚遇の上に経済協力まで取り付け、気分が良くなってしまったのか、中国から帰国時にフランスの新聞社レゼコーのインタビューを受け、フランス大統領は、「台湾問題でヨーロッパは対立する米中両国のどちらにも追随すべきではない」と言ってしまいました。
'Strategic Autonomy'
つまり、
①米中と距離を置く
②台湾危機に関わらない
フランスは自主戦略と取り、アメリカには追随しない。と言ったのです。
よりによって、アメリカが台湾との連携を強化しようとしている最中に飛び出たこの発言で、西側陣営そしてフランス国内内部からも多くの批判が上がりました。
■西側諸国から批判されるマクロン大統領
4月9日には、ウォールストリートジャーナルの社説でマクロン大統領の発言が批判されます。
「中国に対する侵略の抑止力をこの発言によってわざわざ弱めた。またアメリカのヨーロッパ支援を発言によって弱体化させている」というものです。今回のマクロン大統領ほど自己中心的な発言をした西側陣営の指導者はいません。
4月10日には、フィナンシャルタイムズが「なぜ台湾は世界にとって重要か」という論評を出しました。この論評の中で強調された内容は、
①台湾は民主国家だから守る重要性があるということ。
民主国家を見捨てるのであれば いずれ自分の身に降りかかってくる。正義のために立ち上がなければ、誰も私たちのために立ち上がらない。
②台湾が中国の拡張を抑えてくれているということ。
中国の目的は人類運命共同体を構築することで、これは何を意味するかというと、すべての人類を中国がコントロールするという意味です。つまりは世界制覇。その中国の侵略に対抗する第一線に台湾がいる。台湾が中国の侵略を食い止めている。
③世界の最先端の半導体は92%は台湾が製造しているということ。
また台湾海峡は重要なシーレーンで、 世界の半分のコンテナがこのシーレーンを通っている。このシーレーンが全部中国に握られることになる。
という内容でした。
このフィナンシャルタイムズの論評は、マクロン大統領の発言によって非常に注目されることになりました。
4月10日には、米上院議員マルコ・ルビオ氏がツイッターで散々マクロン大統領を批判しました。
4月11日には、米FOXニュースにて、マイク・ギャラガー米下院議員(米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会委員長)が、「ゴミ箱に火をつけた。これは災難だ」と、マクロン大統領を軽蔑した発言をしました。
(つづく)
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