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アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

自己治癒

2006-11-29 08:49:28 | 暮らし
断食3日目。外は雨が降り続く。

瞑想したり布団に横になって脱力してるときに、特に痛めてもいないはずの箇所が突然痛くなることがある。または痺れたり疼いたり筋肉が痙攣したり。そのようなことに思い当たる人は結構いるだろう。またそれは人によって起こる箇所や症状、度合いなどはまちまちだと思う。
私の場合その症状の最たるものはいつもこめかみを中心に起こる。そしてまた、断食をすると必ず同じ状態になる。
今回も断食を決意したその日のうちからそれは始まった。まずこめかみがジンジンとする。継いで痺れは周辺に広がっていき、側頭部、額、目の回り、そして頭と上顎から上の全顔面に広がる。時々筋肉がピクピクと小さな痙攣を起こしたりもする。
私の場合このような症状は、仕事をしたり何かに没頭していたりする時にはまったく起こらない。外部に気を留めず、自分の体を静かに見つめている時にのみ出てくるのだ。どうしてこうなるのか、はっきりしたことはわからない。多分子どもの頃から強度の近視と乱視だったので、今でも無意識に目を酷使しているのかもしれない。または脳の一部とかも。そして瞑想や断食の間必ずこれが起こるのは、間違いなく体の一種の治癒行動なのだろう。

前回の断食では数日後に目がとても良くなった。同じ道を散歩していて風景の見え方が違う。ものの細部が見えるということは、日頃そうでない人にとってとても素晴らしいことだ。すべてが美しく、すべてが神妙に見える。もしかしたら私が今まで女性に縁がなかったのは、実はこの目の悪さが原因ではなかったのかとつい疑いたくなってしまう。
今回はまだその自覚は起こらないのだが、いずれまた視力を取り戻すのではないかととても楽しみにしている。

もちろん断食時に自己治癒される箇所は目だけではない。その時に痛めていた所、無理がかかっていた所、そんな箇所がみんななにかの症状を呈する。中にはこんな所に負担がかかっていたのかと意外に思ったりもする。でもそれらはみな、時間の長短はあってもしばらくするうちに完全に治癒されてしまう。
してみると私たちは日頃いかに自分の体に注意を払っていなかったか、ということだろう。これだけ体や神経のあちこちを痛めていながら、それに気づきもしなかった。そのことを断食はまざまざと思い知らせてくれる。

馬舎の壁板のカンナがけをした。雨が上がったら作業がはかどるように、こんな時に準備しておく。なんとか雪が本格的に降る前に外壁を終えてしまいたいところだ。腰に来る。持久力も落ちているので、一坪分くらい仕上げたら家に入って横になるの繰り返し。
一日で緑茶を急須に一杯。
夜に仕事がらみの電話があった。大仕事だ。もしかしたら大きな収入になるかもしれないと思う反面、果たして自分の暮らしの中でそれに対処できるのかどうかが悩むところだった。気が付いたら体に力が漲ってまったく断食をしているような状態ではなくなっていた。大量のアドレナリンが体内を駆け巡っているのだろう。でもそれやこれや考えていたら全然寝付けない。
金になるかもしれないという「欲」は体に力を与えてくれる。でもその反面こんなにも心を波立たせるのかと思った。

夜中に遠くで猫の声が聞こえた。いつまでも鳴き続ける。もしかしてと起きだし、懐中電灯を持って外に出たら案の定、裏庭に設置した野犬捕獲用の箱罠にアポロが捕まっている。
「おまえ、また入ったのか・・・」
「ニャウ~」
雨が降りしきる。彼を見つけられてよかったと思った。いつものように酒を飲んでいては目が覚めなかっただろう。

夜明け前にストーブを焚いていたら今度は遠くでタインの声がする。玄関で呼んでも来ない。さては、と思ったら・・・
今度はタインが箱罠に引っかかっていた。こんな雨の中でこいつらはこんなところでも活動してるんだなと可笑しくなった。
雨は一晩中降り続いた。


【写真はアポロ】




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