goo blog サービス終了のお知らせ 

アグリコ日記

岩手の山里で自給自足的な暮らしをしています。

山波

2004-11-13 15:42:27 | 暮らし
月も雲の端に隠れている
冷え切った空にはひと粒の光もないこの夜。
私はムラの寄り合いの帰り道
明るければ田んぼを見下ろす黒い道を
今はひたすら夜空を見上げて
足の裏でアスファストを探りながら
家路についていた。


風がさわさわと電柱をかすめる
竹林の陰が首を振り
ケヤキがざわめくよ
月も星も
真っ暗闇に隠されて
流れる雲さえわからない
目にはただ
前を後ろを行き来する
犬のスヌーピーの白い影だけ

こんな夜には
足の裏の感触と勘だけが
旅の道案内

山おろしの風を受けて
雑木林がうねるよ
ざわざわ、ざわざわ、大騒ぎで
何か言っている
そういえばこの夏から
奥の山が伐られている
朝からチェンソーの遠吠えと
大木の倒れるうめき声とを
聞き慣れてから久しい
山々は連なり
うねりを起こして
里にまで
その声を伝えてくる

人と生き
人と暮らしたこの山里が
今山から寄せるざわ波に
すっぽりと包まれ、呑まれていくよ




最新の画像もっと見る

4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (take)
2004-11-14 10:20:42
木は、ざわざわ、何を言っているんでしょうね。

あぐりこさん、通訳してください。
返信する
たけさん、 (あぐりこ)
2004-11-14 12:34:55
この詩をアップしてから今まで、

校正、校正のし通しです。

推敲はいつも限りがないので、

ある程度で思い切って投稿してしまうのですが、

それから、場合によっては何度も何度も、

校正を重ねたりします。

これもそのひとつで、

なかなか最終稿ができません。



ここでは木のざわめきと森の伐採を関連付けたのですが、

もちろん現実には奥で木が伐られているからといって、

麓で林が騒いでいることはないのかもしれません。

でも、林が何か言ってる、

山が何か騒いでる、と思う時はあるんですよ。

それが何なのかは、私にもわからないんですけどね。
返信する
Unknown (take)
2004-11-14 12:45:30
>うねるよ

>呑まれていくよ



の「よ」が好きです!
返信する
わたしは「よ」っぱらい (agrico)
2004-11-14 14:54:33
各人が話し言葉に、書き言葉に、

自然に出て来る言葉がありますね。

だから同じ情景でも千差万別の表現になるんでしょう。



私もたけさんや、いろいろな人の影響を受けて

書くもの、書く表現が変わってきてます。

形は私の著作でも、

実は関わるみんなの共同制作なんですよね。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。