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●結局、COVID19禍で苦しむ沖縄の人々の命や安全・安心な生活など、どうでもいい訳だ? 《米国への隷従》しかできない政府・自公お維

2021年10月06日 00時00分28秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


(2021年08月31日[火])
琉球新報の社説を三つ。

   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…プーチン氏に《主権を行使できて
                    いない実例》と指摘されてしまう始末
   『●和泉洋人首相補佐官…《日本の民間企業に建設協力を打診し、
     便宜供与を匂わせていた…徹底的に民意をないがしろにする政権の姿》
    「《これは安全保障政策ではない。日本をぼろぼろにすることと
     引き換えにした米国への隷従であり、「売国的」ですらある》…
     ホシュやウヨクの皆さんの大好きな売国奴という言葉。でも、一体誰が
     《売国》奴なのでしょうか? 皆さんのお嫌いなプーチン氏に
     《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末ですよ?」

   『●PFOSを含む泡消火剤《14万リットル流出 ドラム缶719本分》!!
      沖縄市民に強硬な防衛相は番犬様には何にも吠え付けないとはねぇ…
   『●ポンコツな番犬様…泡消火剤《14万リットル…ドラム缶719本分》
      流出事件の《原因は米兵が格納庫でバーベキューをしたことだった》

 主権はどこに? プーチン氏に嗤われていますが…。《環境汚染を拡散させた上、その費用までわれわれの税金で負担するというのか。理不尽極まりない米軍はPFAS汚染水を本国に回収し、自らの責任と負担で処理すべきだ》。
 【<社説>米軍PFAS放出 下水への接続を切断せよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1382364.html)によると、《日本国内の法令では下水道への排出を想定していない有害物質を、合意もなく公共インフラに流し込む。決して沖縄だけの問題ではない。国家の主権に関わる重大事態だ。治外法権を許してはならない。日本政府は米国に厳しく抗議し、放出を直ちに中止させるべきだ》。

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態アメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想にある》

   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て
             宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろ
               にして、地域の平和を守るといえるの》か?
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
    「《いじめそのもの》。《石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を
     明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、
     実際は安心できない生活環境を押し付けている沖縄戦の記憶から
     弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》」

 《敵の弾薬庫を狙わない作戦などない》。宮古島は〝防波堤〟《標的の島》に。《憲法が掲げる専守防衛を逸脱した敵基地攻撃に転用される可能性がある。軍備を強化する軍拡競争は緊張を高める。そうではなく、紛争の火種を取り除く、粘り強い対話外交こそが解決の道だ》。
 【<社説>宮古弾薬搬入不許可 住民の安全が最優先だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1382978.html)によると、《陸自は、できるだけ早期の弾薬搬入を目指しているが、市による国民保護計画の改定もなされておらず危険だ。部隊の運用より住民の安全確保が最優先である。そもそも弾薬の搬入は「敵」から攻撃される恐れを高め、住民の生命や財産を脅かす。地元が納得できる説明ができないのなら、弾薬搬入を撤回すべきだ》。

   『●《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・
     シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させる…極秘合意》
   『●《沖縄県民の反対を無視して建設が進む辺野古沖の新基地を、米軍と
     自衛隊が共用する…極秘合意》、その行きつく先は《標的の島》……
   『●確実に《人柱》計画断念を! 《助けてぃくみそーれー!》
     頼みの玉城デニーさんが〝折れて〟しまえば、沖縄県にとって致命的

 出来もしない新基地にドブガネ。普天間が返還されることもない。辺野古は単なる破壊「損」。すぐさま中止し、そのお金をCOVID19対策に回せ。原状回復し、辺野古を元の姿に戻せ! 《国民を置き去りにした新基地建設は直ちに終止符を打つべきだ》。
 【<社説>辺野古で新護岸着工 自然、民主主義の破壊だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1383557.html)によると、《そもそも新基地建設を巡っては、2019年の県民投票で投票者の約7割が反対の意思を示している。県知事選など県内の選挙でも反対の民意は明らかで、玉城デニー知事は建設断念を求めている。その中での工事強行は自治や民主主義の破壊だ。政府は直ちに建設を断念し、膨大な建設費用を新型コロナウイルス対策費に回すべきだ》。

 結局、COVID19禍で苦しむ沖縄の人々の命や安全・安心な生活など、どうでもいい訳だ? 《米国への隷従》しかできない政府・自公お維。
 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない。主権を取り戻しましょう。主権者として、必ず選挙に行きましょう。

   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の
     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある

 最後に…。《国場幸之助氏を支持》って、あぁっ~、絶望的な記事…。
 琉球新報の記事【金秀Gが自民候補支持へ 「オール沖縄」から離反 衆院選で経済重視】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1392489.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=carousel)によると、《「基地反対のテーマだけでは沖縄の未来は開けない」と述べ、経済発展や沖縄振興の推進に向けて自民党候補の支持に回る考え…衆院沖縄1区は、自民現職の国場幸之助氏を支持する方向で調整》。

   『●《「辺野古とカネ」…見積りを依頼した13社のうち…
     12社が一斉に辞退》…《単価を5370円》が偶然の一致?
    「沖縄タイムスの記事【辺野古工事の請負業者が献金 衆院選中、
     沖縄の自民3議員側に】…によると、《2017年の衆院選期間中、
     いずれも自民党公認で沖縄選挙区から立候補した国場幸之助
     (九州比例)、宮崎政久氏(同)、西銘恒三郎氏(沖縄4区)が
     代表を務める自民党支部が、名護市辺野古の新基地建設関連工事を
     受注した業者から献金を受けていた…国と請負契約を結んでいる
     企業の国政選挙に関する献金を禁じた公職選挙法(特定寄付の禁止)
     に抵触する恐れ》。《辞職必至》だったはずの方がまだ議員だった
     ことに驚き。さすが自民党」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1382364.html

<社説>米軍PFAS放出 下水への接続を切断せよ
2021年8月27日 05:00

 在沖米海兵隊は26日、普天間飛行場に貯蔵していた有機フッ素化合物PFAS)を含む汚染水について、濃度を低減処理した上で公共下水道への排出を始めた。県や宜野湾市が放出計画に反対する中で、一方的に排出開始を通告した。県民の安全や環境をないがしろにする行為だ。

 日本国内の法令では下水道への排出を想定していない有害物質を、合意もなく公共インフラに流し込む。決して沖縄だけの問題ではない。国家の主権に関わる重大事態だ。治外法権を許してはならない。日本政府は米国に厳しく抗議し、放出を直ちに中止させるべきだ

 下水道法では水質保全の観点から、管理者は排出の一時停止を命じることができる。米軍が排出を止めて日本側との協議に応じないのならば、県民の命と健康を守るため下水への接続を切断することも念頭に置いて対処すべきだ。

 本来は、PFASを含む汚染水は廃棄物として焼却処分する。環境省や消防庁は、PFASを含む泡消火剤は廃棄物処理法に基づき処理するよう事業者に呼び掛けている。

 ところが海兵隊は焼却処分には費用と時間がかかるとして、米本国で使用している処理装置で汚染水の濃度を下げた上で、処理後の水を公共下水道で基地外に流す計画を日本側に打診してきた。コストという米軍の都合を優先し、日本の環境法令の例外を認めさせようという態度だ。

 PFASは発がん性など健康への悪影響があり、自然の中でほとんど分解されず蓄積していく宜野湾市議会は7月、公共下水道や河川への放出を認めない意見書と決議を全会一致で可決している。日本政府内にも慎重論が強くある中で、米軍、政府、沖縄県で処分方法の協議が続いていた。今回の放出は日本側との合意が一切ない状況での強行であり、常軌を逸している

 米軍は、PFASの一種であるPFOSPFOAの処理後の含有量は、日本の飲用水の目標値(1リットル当たり50ナノグラム)を下回っているとしている。しかし、基準値の設定以前に、米軍の処理が適切かどうかを国や県が放出前に確認する手段が担保されていないことが問題なのである。

 そもそも、貯蔵している汚染水の量という基本的な情報さえ、放出まで日本側に伝えられていなかった。1リットル当たりの濃度を下げたとしても、放出量が多ければ大量の物質が蓄積することになる。米軍がいくら安全性を強調しようと、肝心の情報がブラックボックスでは排水を認めることなどできるはずがない。

 米軍基地の光熱水費は在日米軍駐留経費負担思いやり予算)で日本政府が肩代わりしている。環境汚染を拡散させた上、その費用までわれわれの税金で負担するというのか。理不尽極まりない

 米軍はPFAS汚染水を本国に回収し、自らの責任と負担で処理すべきだ
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1382978.html

<社説>宮古弾薬搬入不許可 住民の安全が最優先だ
2021年8月28日 05:00

 陸上自衛隊が宮古島市城辺陸自保良訓練場にミサイルなどの弾薬を搬入することに対し、座喜味一幸宮古島市長は、平良港使用を不許可とした。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言中であることが理由だ。

 沖縄防衛局は、輸送する隊員のPCR検査やワクチン接種などの対策を徹底する旨を回答したが、市長は来島自粛を強く呼び掛けている状況下では「市民感情として受け入れがたい」と判断した。陸自は搬入時期を再検討する。

 陸自は、できるだけ早期の弾薬搬入を目指しているが、市による国民保護計画の改定もなされておらず危険だ。部隊の運用より住民の安全確保が最優先である。そもそも弾薬の搬入は「敵」から攻撃される恐れを高め、住民の生命や財産を脅かす。地元が納得できる説明ができないのなら、弾薬搬入を撤回すべきだ。

 宮古島への弾薬搬入は曲折をたどった。陸自駐屯地が開設された2019年、ミサイル弾薬は置かないと地元に説明していた「保管庫」に、迫撃砲の砲弾や中距離多目的ミサイルの弾薬が持ち込まれていたことが判明。当時の岩屋毅防衛相が「(説明が)不十分だった」と謝罪し、島外へ運び出した経緯がある。

 今年、防衛省が弾薬の搬入時期を検討していたさなか、下地敏彦前市長らが駐屯地の土地選定を巡る贈収賄の疑いで逮捕された。5月中旬にも運び込む計画だったが、事件や天候の影響で6月2日にヘリで一部の弾薬を搬入するにとどまっている。

 その際、防衛局は市側が求めた具体的な搬入の日程やルートの開示を拒んだ。今回の海上輸送も経路や日時を公表しない国の対応を見て海運大手の複数社が弾薬を運ばない旨を国に伝えた経緯がある。

 火災時など、周辺住民が爆発に巻き込まれる恐れがない距離を保っているかも定かではない。住民から懸念の声があるが、防衛省は弾薬の量など詳細を明示していない情報公開は極めて不十分だ

 防衛省は宮古島を含む南西諸島へのミサイル配備を加速させている。2023年度をめどに、うるま市の陸自勝連分屯地に本島初となる地対艦ミサイル(SSM)部隊を配備する方針だ。既に奄美大島にも配備され、石垣島を加えた計4島に部隊が置かれる。

 こうした「南西シフト」は中国の海洋進出を封じ込める狙いがある。台湾海峡で米中が衝突すれば、自衛隊も武力を行使する可能性が高い。その場合、県民が戦争に巻き込まれる恐れがある。

 防衛省は12式地対艦ミサイルの飛距離を伸ばし、相手の脅威圏外から攻撃できる長射程ミサイルの開発を進めている。憲法が掲げる専守防衛を逸脱した「敵基地攻撃に転用される可能性がある。軍備を強化する軍拡競争は緊張を高める。そうではなく、紛争の火種を取り除く、粘り強い対話外交こそが解決の道だ
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1383557.html

<社説>辺野古で新護岸着工 自然、民主主義の破壊だ
2021年8月29日 05:00

 自然環境保護や自治、民主主義の観点から見ると、暴走と言うほかない米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設で、沖縄防衛局は、大浦湾側「N2」護岸の工事に新たに着手した。建設予定地周辺には大型サンゴやショウガサンゴなどが生息しているが、移植をせずに工事を強行している。自然環境を破壊しかねない行為だ。

 そもそも新基地建設を巡っては、2019年の県民投票で投票者の約7割が反対の意思を示している。県知事選など県内の選挙でも反対の民意は明らかで、玉城デニー知事は建設断念を求めている。その中での工事強行は自治や民主主義の破壊だ。政府は直ちに建設を断念し、膨大な建設費用を新型コロナウイルス対策費に回すべきだ

 今回の護岸着工に至る過程で、政府は自然を守る意思があるのか疑いたくなる手法が次々と明らかになった。

 防衛局は護岸の建設予定海域に生息していたサンゴ830群体を、生残率が低くなる夏場に移植した。この時期は移植を避けるよう県が求めていたにもかかわらず、無視して強行した。一方で、県から許可を得られるめどが立っていない別のサンゴ類は、護岸に重なっていないことを理由に、移植しなくても問題ないと判断。石材の投入を始めた。

 辺野古沖は世界自然遺産と連続する貴重な海域だ。水産資源保護の観点からも、国の手法は乱暴に映る。

 直視すべきは大浦湾に広がる軟弱地盤の存在である。防衛局は地盤改良工事を追加するために設計を変え、県に変更を認めるよう申請している。これに対し県は不承認とする方針を固めている。その判断を政府が強制的に覆さない限り、新基地建設は頓挫する。そうなれば、サンゴの移植だけでなく、これまで進めてきた護岸や埋め立て工事などは全て無駄になる。

 農林水産相が県にサンゴの移植を許可するよう指示したのは違法だとして県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁の裁判官5人のうち2人が県側の主張を認めた。その判断は、軟弱地盤の存在が大きい。

 裁判官の一人が「護岸工事という特定の工事のみに着目」して是非を判断することは「『木を見て森を見ず』の弊に陥る」と指摘したことを、政府は重く受け止めるべきだ。

 防衛省の試算では新基地完成には12年を要する。予算も約9300億円が見積もられている。新型コロナの大流行で国全体が未曽有の危機に陥っている中、完成の見通しが立たない建設工事にこれだけ膨大な血税をつぎ込むことを多くの国民は望まない。

 日本世論調査会が6~7月に実施した全国世論調査では、普天間飛行場の辺野古移設を進める政府の姿勢について不支持が57%に上り、支持38%を大きく上回った。全国でも「ノー」である。国民を置き去りにした新基地建設は直ちに終止符を打つべきだ
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●《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させる…極秘合意》

2021年02月04日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


 (2021年01月31日[日])
琉球新報の【<社説>シュワブ共同使用合意 文民統制逸脱する暴挙だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1261432.html)。
沖縄タイムスの【社説[辺野古に陸自部隊]軍事要塞化を拒否する】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/697914)。

 《陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年に極秘合意していたことが判明した。防衛省全体の決定を経ておらず、政治が軍事に優越するという民主主義国家の大原則文民統制」(シビリアンコントロールを逸脱する大問題だ》。
 《当時の岩田清文陸幕長と在日米海兵隊のニコルソン司令官(在沖米四軍調整官)が常駐に合意した。報告を受けた安倍政権の中枢から計画の存在が広まったら、沖縄の反発は抑えられなくなると待ったがかかり、凍結されている状態だという。加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、「合意や計画があるとは承知していない」と否定した。この種の政府説明後になって覆されるケースを県民は過去何度も味わってきた政府が否定しても、疑念は晴れない》。

 琉球新報の記事【玉城知事「県民感情としても認められない」 陸自が辺野古に離島部隊 米海兵隊と極秘合意】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1261522.html)によると、《玉城デニー知事は25日午前、報道陣の取材に対し「海兵隊が退いていく代わりに陸自が入ってきて海兵隊と基地を共同使用するということは、県民感情としても認められない」と語った。「SACO日米特別行動委員会)そのものを再点検する必要が出てくる」と指摘…日本政府が造っている名護市辺野古の新基地と一体運用が想定されることから「そもそも辺野古に基地は造らせないというのがわれわれの明確な意志だ。その点も踏まえて対応を検討したい」と強調した》。
 《政治が軍事に優越するという民主主義国家の大原則文民統制」(シビリアンコントロールを逸脱する大問題だ》というのに、「本土」はとても静か。《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》問題についても、漸く最近報じられるようになってきた。

   『●《思いやり予算日本要請…必死に米軍を引き留めつつ、沖縄に負担を
     押し付け続ける日本政府の手法はかつての植民地主義をほうふつさせる》
   『●《埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から
      採取することが新たに盛り込まれた…「戦没者に対する冒とくです」》
   『●《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地
      建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか?

 これも裏で暗躍していたのは、元・最低の官房長官なのでは? 《安倍政権の中枢》とは、元・最低の官房長官、陰湿悪質陰険強権的な利権漁りカースーオジサンではないのか?

   『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
     そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン

 ニッポン政府が〝防波堤〟《標的の島》を意図した、デタラメな沖縄イジメ。一体どこが、《安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くす》なのか?

   『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、 
          「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!
   『●映画タイトルは、稲嶺進さんが「我々は、
      また命を救う《風かたか》になれなかった」という嘆きの言葉」から
    《三上智恵監督の新作映画『標的の島 風かたか』の試写に行ってきました。
     前作の『戦場ぬ止み』から2年近く。その2年の沖縄の状況が、
     あますことなく描かれた映画》。
    「《稲嶺進・名護市長が口にした「我々は、また命を救う風かたか
     なれなかったという嘆きの言葉から》映画のタイトルは採られたそうだ。
     《沖縄のことばで「風よけ」のこと》だそうです。
      番犬様には何も言えないアベ様ら。一方で、番犬様にシッポを
      振るために沖縄でやっていることは、「沖縄イジメ」そのもの」

   『●「なぜ巨大な権力にあらがえるのか。
      人々は「世代の責任」を語る」「子を守る「風かたか」になる」
   『●中学生を「青田買い」する自衛隊: 
     「体験入隊や防衛・防災講話」という「総合的な学習の時間」も
   『●自衛隊配備で「住民分断」: 
     「自衛隊の配備計画…いずれの島でも人々は分断されている」
    「東京新聞の半田滋さんによるコラム【【私説・論説室から】
     島を分断する自衛隊配備】…。《「賛成派が新たな職を得て
     優遇される一方、反対した人は干され、島を出ている」という。
     …自衛隊の配備計画は与那国に続き、奄美大島、宮古島、
     石垣島でも急速に進む。いずれの島でも人々は分断されている》」

   『●「しかし、沖縄にはいまだ“戦後”は 
     一度たりとも訪れていない」…安倍昭恵氏には理解できたのだろうか?
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                     「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
    《島中央部では、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の隊舎などの工事も始まり、
     近い将来、警備部隊やミサイル部隊などが配備される。
     「島では軍隊と『カジノ』がやってくるとささやかれています」。駐屯地前で
     毎朝、抗議活動をしている上里清美さん(62)が皮肉交じりに語る》

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くす」と述べた。嘘だ
     政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。
     石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の
     配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に
     陸自配備受け入れの方針を正式に表明した》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
    「《石垣島宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
     「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
     沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
     市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
       沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
     日本国憲法の精神米軍基地のない平和を求める沖縄の心
     大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
     にも肯ける」

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
     います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
     七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
     配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
     …有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
     声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
     大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
     ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
     大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
     攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「子どもさへSLAPPSLAPP)する国・ニッポン。こんな国でいいのですか?
     宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。
     答えは一つだけではない」

   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《進む米軍との一体化、つけは子どもたちの世代へ…弾一発1.6億円する
     巡航ミサイルの導入、護衛艦いずもの「空母化」など、専守防衛を
     逸脱する動きは加速し、沖縄本島には新たにミサイル部隊が配備され、
     宮古島には巨大な弾薬庫をつくることが決まりました》

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた
                    国防のために政府に翻弄されている》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、
     陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろ
               にして、地域の平和を守るといえるの》か?


 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/有志による座り込みと日米共用が策される辺野古新基地】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/8603c35604e92ff992a8003124578b9b)によると、《今朝の県内紙に、キャンプ・シュワブに陸上自衛隊の水陸機動団を常駐させることが、2015年の段階で陸自と米海兵隊との間で極秘に合意されていた、という記事が載っている。辺野古新基地を自衛隊も共同使用することはかねてから言われていた。日本政府が辺野古新基地建設にこだわる主な理由は自衛隊使用にある、ということもだ。それが明確になったことで、沖縄の「負担軽減」どころか、中国に対抗する日米の軍事拠点として、沖縄の軍事負担がさらに増大していくことが明らかとなった…昨年12月25日発行の『越境広場』8号に、「米軍基地問題に関する万国津梁会議」の提言に対する批判を書いた。その最後のところと注釈で、自衛隊についても触れた。その部分を引用して紹介したい。…〈※4 鹿児島県の馬毛島や奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島、与那国島における自衛隊強化、基地建設に対して、故翁長前知事や玉城知事は明確に反対せず、黙認の姿勢をとってきた。中国の海洋覇権拡大を阻止する拠点として、米軍と自衛隊の強化が沖縄全体でなされている現状に対し、万国津梁会議の「提言」や玉城知事の認識は楽観的過ぎる米海兵隊の「移設」に問題を矮小化するのではなく自衛隊の強化と米軍の一体化を含めて、沖縄、日本の軍事強化に反対していかなければ、沖縄県民はこれまで以上に軍事的脅威にさらされる〉》。

 相変わらず、番犬様はやりたい放題ではないか? トンだ《基地負担軽減》。
 琉球新報の記事【高江にヘリ発着場新設か 北部訓練場内に看板 東村】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1261978.html)によると、《東村高江の米軍北部訓練場内の空き地に、25日までに「LZ17A」と表示された看板が設置された。「LZ」は米軍基地内のヘリ発着場を示す略称で、沖縄防衛局は米軍に事実関係を確認している。空き地をヘリ発着場として整備する準備作業の可能性もある。看板が設置されたのは県道70号沿いの空き地の前。ここ数日中に設置されたとみられ、空き地の入り口も幅数メートルにわたって木が伐採されていた。空き地は以前からあったが、木々に覆われ、県道からは見えない状態だった。これまで空き地で米軍ヘリコプターの離着陸などは確認されていないという。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備前の2012年4月に、米海兵隊が公表した環境レビューには、北部訓練場内のヘリ発着場一覧が示されているが「LZ17A」の表記はない。16年の北部訓練場過半返還に伴い新設された発着場にも同地点は含まれていない。當山全伸村長も25日、現場を確認した。當山村長は「全く知らなかった。沖縄防衛局などを通して確認していきたい」と話した。伊佐真次村議は「新設の発着場なのか明らかにしてほしい」と述べた。同訓練場返還地の米軍廃棄物問題などを調査しているチョウ類研究者の宮城秋乃さんは「仮にヘリパッドとして使うのであれば、高江の負担はより重くなる」と訴えた》。

 沖縄タイムスの記事【岸防衛相、検討認める 辺野古の自衛隊常駐 菅首相は将来的な可能性も否定】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/699010)によると、《岸信夫防衛相は陸自内での検討を事実上認めた。施設の計画図案を作成したか問われ、「共同使用についてきちっとした計画があったわけではないが、そういう形での図があったという話はある」と述べた。これに対し立憲民主党の白眞勲氏が「やっと認めていただいた」と返したが、岸氏は、否定しなかった。部隊配備については「今考えていない」と繰り返し強調した》。
 琉球新報の記事【陸自施設の図面認める 岸防衛相 辺野古新基地への常駐計画】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1263158.html)によると、《岸信夫防衛相は27日、同基地への常駐が計画されていた陸自離島防衛部隊「水陸機動団」の関連施設の設計図案について、「そういう形での図があった」と述べた。陸自と海兵隊が調整し作成していたとされる設計図案の存在を認めた。計画について「政府としての合意はない」としたが、陸自と米海兵隊のトップ間で合意が交わされた可能性については否定しなかった》。

 最後に、日刊ゲンダイのコラム【高野孟 永田町の裏を読む/辺野古新基地を造りたいのは米軍よりもむしろ陸上自衛隊】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284435)によると、《米海兵隊のためにと称して日本政府がしゃにむに建設を強行してきた辺野古新基地に、陸上自衛隊の「水陸機動団」を常駐させることで陸自と米海兵隊の間で密約が交わされていたことが発覚した(沖縄タイムス1月25日付)。これは前々から言われていたことで、例えば私自身、昨年9月に那覇で開かれた講演会で「辺野古は、完成した暁には『日米共同管理』の名で自衛隊が入り込み、19年に創設された『水陸機動部隊』もオスプレイを伴って佐世保から移駐するでしょう。辺野古を何が何でも造りたがっているのは米軍よりもむしろ自衛隊」と語っていた。…これに先立って、陸自はすでに与那国、石垣、宮古、奄美などに着々と基地を建設し、それを「南西諸島戦略」と呼んでいるが、その行き着く先が陸自の辺野古移駐である》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1261432.html

<社説>シュワブ共同使用合意 文民統制逸脱する暴挙だ
2021年1月25日 06:01

 陸上自衛隊と米海兵隊が、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに、陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させることで2015年に極秘合意していたことが判明した。防衛省全体の決定を経ておらず、政治が軍事に優越するという民主主義国家の大原則「文民統制」(シビリアンコントロール)を逸脱する大問題だ。

 当時、陸自と在沖米海兵隊のトップ同士が合意し、双方で調整して陸自施設計画案などを関係先に提示していた。

 「日本版海兵隊」といわれている水陸機動団の常駐は明らかに基地機能の強化であり、基地の永久固定化につながる。中国との緊張を高め、沖縄が標的として狙われる恐れも一層増す。

 そんな大きな負担を強いる重要な安全保障上の問題を、主権者である国民、その代表で構成される国会が預かり知らないところで、決めていいはずがない。明らかに文民統制から逸脱し、平和国家として再出発した国家の成り立ちを破壊する暴挙である。

 在沖米海兵隊約9千人が20年代にグアムなど国外に移転する。その後に水陸機動団が配備されれば、沖縄の負担軽減策の一つとされる海兵隊グアム移転の意味がなくなる。

 水陸機動団は18年に長崎県に配備された。現在、長崎に二つの連隊があるが、23年度に三つ目を九州に置き、将来はいずれかの連隊を辺野古に移転する考えだという。

 背景には米軍と自衛隊の一体化がある。昨年1~2月に金武町の米軍ブルービーチ訓練場や沖縄近海で行われた日米共同訓練に、水陸機動団が初参加した。今月下旬にもブルービーチで共同訓練を予定する。水陸機動団の沖縄配備に向けた地ならしと言える。

 共同使用は、全国の約7割が沖縄に集中する米軍専用施設を専用から外し、数字の上で沖縄の負担を軽く見せる狙いもあるのではないか。まやかしである。

 そもそも南西諸島への自衛隊配備強化は沖縄にとって新たな基地負担となっている。県内の自衛隊施設面積は18年現在で、沖縄の日本復帰時の約4.3倍に上っており、先島などへの陸自配備が進めば、さらに拡大する。

 政府が言う「沖縄の基地負担軽減」はもはや絵空事である。キャンプ・シュワブでは、政府が新基地建設を強行している。県民投票で投票者の7割が埋め立てに反対し、軟弱地盤のある大浦湾側で着工の見通しも立っていないにもかかわらずにだ。

 辺野古新基地は将来、陸自基地になると陸自幹部は見込む。文民統制を逸脱した合意によって、先の大戦のように沖縄に犠牲を強いることは決して許されない。軍部の暴走を許した昭和史が沖縄戦の悲劇を招いたことを忘れてはならない。沖縄が戦後76年間も過重な基地負担を押し付けられ、危険と隣り合わせの環境に置かれることを拒否する。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/697914

社説[辺野古に陸自部隊]軍事要塞化を拒否する
2021年1月26日 06:29

 政府は例によって否定するが、火のないところに煙は立たない、という。思い当たることがいくつも浮かぶ。

 陸上自衛隊と米海兵隊が2015年、陸自の水陸機動団を辺野古新基地に常駐させると、極秘に合意していたことが日米両政府関係者の証言で明らかになった。

 当時の岩田清文陸幕長と在日米海兵隊のニコルソン司令官(在沖米四軍調整官)が常駐に合意した。

 報告を受けた安倍政権の中枢から「計画の存在が広まったら、沖縄の反発は抑えられなくなる」と待ったがかかり、凍結されている状態だという。

 加藤勝信官房長官は25日の記者会見で、「合意や計画があるとは承知していない」と否定した。

 この種の政府説明が、後になって覆されるケースを県民は過去何度も味わってきた。政府が否定しても、疑念は晴れない。

 ニコルソン司令官は17年11月の記者会見で、水陸機動団について「沖縄に配備されるのが望ましい」「非常に期待している」と述べた。

 在沖米海兵隊トップのエリック・スミス司令官も19年3月、朝日新聞のインタビューに答え「我々にとってすばらしいことだ」と答えている。

 陸自にとって米軍演習場の共同使用は沖縄配備以来の念願だった。

 辺野古新基地とキャンプ・シュワブは、普天間飛行場の代替施設としての機能を超えて、日米の軍事一体化を象徴する多角的拠点、として建設されようとしている。

■    ■

 自衛隊は部隊編成、装備、訓練など、いずれの面でも、中国の動きをにらんで「南西シフト」を鮮明に打ち出している。

 離島防衛を主な任務とする水陸機動団が創設されたのは18年3月。部隊の拠点は長崎県佐世保市の相浦(あいのうら)駐屯地に置かれた。

 水陸機動団はこれまで、沖縄の海兵隊と鹿児島県・種子島で離島奪還の共同訓練を行った。フィリピンや米カリフォルニアなどでも共同訓練を重ねている。

 負担軽減の掛け声とは裏腹に、宮古・八重山、沖縄本島、奄美に至るまで軍事化が急速に進む。

 懸念されるのは沖縄が戦場になることを前提にした作戦計画が立てられ、訓練が重ねられていることだ。

 昨年11月、徳之島で行われた大規模な訓練は、同島の防災センターを「野戦病院」と位置付けた戦時の医療訓練だった。

■    ■

 離島が戦場になったとき、住民にどのような事態が起きるか。戦傷者の発生を想定した何とも生々しい訓練は、沖縄戦の女子学徒隊を想起させるものがある。

 沖縄戦で起きたことを沖縄の人々は戦後76年たっても忘れていない。私たちは沖縄が戦場となることを前提にした軍事要塞化に反対する。

 軍事力偏重の安全保障政策は他国との緊張を高め、思わぬ事態を招きかねない。

 沖縄の歴史経験を真に生かすことができるかどうかが、切実に問われている。
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●《署名活動を担ったのは、島の将来を担う若者たち…石垣市の4割近い有権者の権利救済の役割を放棄…あまりに不当な判決》(琉球新報)

2020年09月13日 00時00分14秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]



沖縄タイムスの【社説[石垣住民投票訴訟]門前払い納得できない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/623074)。
琉球新報の【<社説>石垣住民投票却下 権利救済を放棄するのか】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1180866.html)。

 《石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施義務付けを、市民らが市に求めた訴訟の判決で、那覇地裁は実施するかどうかは行政処分に当たらないとして、原告の訴えを却下した》。
 《署名活動を担ったのは、島の将来を担う若者たちだ次世代の政治参加の意欲を失望に終わらせてはいけない。住民自治の到達点である市自治基本条例を空文化させてもいけない。1万4263筆の思いに向き合う政治、司法の実現をあきらめてはいけない》。

 市民を分断、地域を分断…そして、どこまで司法も腐敗すればいいのか、特に沖縄では…。沖縄では「司法判断」が下されることはなく、アベ様や最低の官房長官の方を向いた「行政判断」ばかり。裁判長や裁判官は、正義無き自身の判決を省みて、恥ずかしいと思わないのだろうか? 今回の裁判長は、那覇地裁・平山馨裁判長(目取真俊さんの件では、アベ様らに忖度した政治判断乱発な裁判所には珍しく、《捜査当局による人権侵害に一定の歯止めをかける司法判断が示された》と思っていたのですが…)。《人権救済の最後の砦》と言えるのか? 《住民の権利を巡る対立に、毅然(きぜん)と法的見解を示すことが司法の果たすべき役割》ではないのか?
 《「憲法上も極めて重要な政治的意思を表明する権利の実現を図るために、司法権をつかさどる裁判所に救済を求めるものであって、いわば最後の手段」(原告団・弁護団声明)として提訴に踏み切った原告の思いは切実だ》。しかし、《前段の議論で原告の訴えを退け、肝心の中身の判断を投げだした。さらに「救済は、実施の義務付け以外の方法により図られるべきものというほかない」と言い放つに至っては、司法権の放棄以外の何物でもない》。

 《南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか》。
 日本軍から解き放たれ、今度は、米軍と一体化。《沖縄戦は、軍隊は住民を守らない、という事実》からすれば、自衛隊は、特に沖縄の市民を《守ろ》うとしているか? 市民は分断されゆき、自衛隊と米軍が相まって、《アメリカが中国の軍事的脅威に対抗》するための〝防波堤〟としての役割を押し付けてはいないか。《標的の島》を押し付けていないか。
 《石垣市の中山義隆市長は陸自配備を「国防や安全保障は国の専権事項」と容認する》が、これは本当に市民のことを考えての発言か? 《市民の安全や生命を守る責務がある自治体の長として、生活に影響を及ぼしかねない配備について住民の声を吸い上げ、判断するのがその役割ではないか》?

   『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
       もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態アメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                     「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
    《島中央部では、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の隊舎などの工事も始まり、
     近い将来、警備部隊やミサイル部隊などが配備される。
     「島では軍隊と『カジノ』がやってくるとささやかれています」。駐屯地前で
     毎朝、抗議活動をしている上里清美さん(62)が皮肉交じりに語る》

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くすと述べた。嘘だ
     政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。
     石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の
     配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に
     陸自配備受け入れの方針を正式に表明した》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
    「《石垣島宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
     「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
     沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
     市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
       沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
     日本国憲法の精神米軍基地のない平和を求める沖縄の心
     大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
     にも肯ける」

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
     います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
     七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
     配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
     …有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
     声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
     大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
     ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
     大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
     攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「子どもさへSLAPPSLAPP)する国・ニッポン。こんな国でいいのですか?
     宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。
     答えは一つだけではない」

   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《進む米軍との一体化、つけは子どもたちの世代へ…弾一発1.6億円する
     巡航ミサイルの導入、護衛艦いずもの「空母化」など、専守防衛を
     逸脱する動きは加速し、沖縄本島には新たにミサイル部隊が配備され、
     宮古島には巨大な弾薬庫をつくることが決まりました》

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた
                    国防のために政府に翻弄されている》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、
     陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろ
               にして、地域の平和を守るといえるの》か?
    《南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応
     目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心を
     ないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか。防衛省への
     住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/623074

社説[石垣住民投票訴訟]門前払い納得できない
2020年8月28日 06:50

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施義務付けを、市民らが市に求めた訴訟の判決で、那覇地裁は実施するかどうかは行政処分に当たらないとして、原告の訴えを却下した。

 住民投票の実施義務の有無を問わず、訴えの内容が訴訟の対象ではないとして判断を避ける門前払いである。

 原告・弁護団は「人権救済の最後の砦(とりで)としての役割を放棄するもので、あり得ない判決」と声明を出した。結果的に市自治基本条例を軽視する市の姿勢を容認する判決で、納得できるものではない。

 住民投票を巡っては、2018年に「市住民投票を求める会」が有権者の約4割に当たる1万4千筆の署名を集めて住民投票条例の制定を請求した。だが、市議会が否決した経緯がある。

 市自治基本条例には住民投票の請求が明記されている。

 原告は条例を根拠に、市議会で否決されても市長は有権者の4分の1以上の署名があれば住民投票を実施する義務があると訴えた。

 これに対し、市側は自治基本条例ではなく地方自治法に基づく請求で市議会が否決した時点で、手続きは終了したと主張してきた。

 判決は「(条例に)規則が制定されていない段階で実現しようとするには無理がある」との内容だ。救済については「住民投票の実施の義務付け以外の方法で図られるべきもの」と指摘した。

 訴えの却下は約1万4千人もの民意を切り捨てるようなものだ

■    ■

 今回の訴訟は、住民投票条例案が2度市議会で否決されたことを受け、昨年9月に市民らが提起したものだ。

 だが、同年12月には、市自治基本条例の廃止案を与党系議員らが市議会に提案する動きもあった。

 条例は「主権者の市民が地域のことを考え、市民自治によるまちづくりを行う」とうたい、市民の権利や責務、住民投票制度などを規定しているにもかかわらずだ。

 最終的に、廃止案は否決されたが、市民らが条例を基に住民投票の実施を求める訴訟を起こしたことで「投票つぶし」との見方もあった。

 石垣市の中山義隆市長は陸自配備を国防や安全保障は国の専権事項」と容認する。

 市民の安全や生命を守る責務がある自治体の長として、生活に影響を及ぼしかねない配備について住民の声を吸い上げ、判断するのがその役割ではないか

■    ■

 原告・弁護団は判決後の会見で「政治的意思を表明する権利の実現のため、引き続き全力で取り組む」と決意を述べた。石垣市からオンラインで参加した若者たちは「訴えそのものが認められなかった訳ではない。諦めないで考えていく」と語った。

 司法は門戸を閉ざしたが、有権者の約4割もの民意を市や市議会は無視することはできないはずだ

 「自分たちのことは自分たちで決めたい」という市民らの訴えに、正面から向き合い、救済のための別の道を探る必要がある。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1180866.html

<社説>石垣住民投票却下 権利救済を放棄するのか
2020年8月28日 06:01

 石垣市の4割近い有権者の権利救済の役割を放棄した、あまりに不当な判決だ

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡る義務付け訴訟で那覇地裁は27日、石垣市長に投票実施を求めた原告の訴えを却下した。市長に住民投票の実施義務があるのかといった重要な争点への判断は一切示さず、「入り口」論で逃げたとしか言いようがない。

 裁判は、住民投票の実施などを独自に規定した「石垣市自治基本条例」を巡る解釈が大きな争点だった。

 条例28条は、有権者の4分の1以上の署名があれば市民が直接、市長に住民投票の実施を請求できるとする。同条4項は、直接請求を受けた市長は「所定の手続きを経て、住民投票を実施しなければならない」と規定している。

 平得大俣への陸自配備を巡る住民投票については、市の有権者の36・7%にあたる1万4263筆が集まり、条例が求める条件を達成した。一方で、住民の請求を受けて市議会に投票条例案が提案されたが、議会が2度にわたって条例案を否決し、住民投票はいまだ実現していない。

 間接民主制の欠陥を補完し、住民自治や民主主義をよりよくする制度として住民投票を位置付けたのが、自治基本条例の精神だ。投票のテーマにかかわらず、直接請求の権利が認められた住民投票の実施をしっかり担保することこそ、民主的な議会政治の本来あるべき姿だ

 市議会では自治基本条例そのものを廃止しようという提案まで起きており議会自らが住民の権利や自治を後退させかねない危うさがある

 将来に関わる特定の問題に有権者が直接意思を示したいという市民の思いの前に、住民の代表で構成するはずの市議会が立ちふさがっている。住民の権利を巡る対立に、毅然(きぜん)と法的見解を示すことが司法の果たすべき役割だ。

 「憲法上も極めて重要な政治的意思を表明する権利の実現を図るために、司法権をつかさどる裁判所に救済を求めるものであって、いわば最後の手段」(原告団・弁護団声明)として提訴に踏み切った原告の思いは切実だ。

 だが、那覇地裁は訴訟の要件があるかという前段の議論で原告の訴えを退け、肝心の中身の判断を投げだした。さらに「救済は、実施の義務付け以外の方法により図られるべきものというほかない」と言い放つに至っては、司法権の放棄以外の何物でもない

 本質の議論を避け、権利の救済を求める声に向き合わない今回の決定は、決して受け入れられるものではない。

 署名活動を担ったのは、島の将来を担う若者たちだ次世代の政治参加の意欲を失望に終わらせてはいけない。住民自治の到達点である市自治基本条例を空文化させてもいけない。1万4263筆の思いに向き合う政治、司法の実現をあきらめてはいけない。
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●《沖縄が切り捨てられた日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている》

2020年05月03日 00時00分05秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



琉球新報の【<社説>4・28「屈辱の日」 自己決定権の確立急務だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1114148.html)。

 《68年前のきょう、日本が独立した一方で、沖縄、奄美、小笠原は切り離された日本の独立と引き換えに沖縄を米国に差し出した屈辱の日」である。1952年4月28日発効のサンフランシスコ講和条約第3条が分離の根拠となった。これにより米国は日本の同意の下で、他国に介入されることなく軍事基地を自由に使うようになった。米軍は「銃剣とブルドーザー」で農地を奪うなど、沖縄住民の基本的人権を無視した統治を敷いた》。

   『●沖縄の「屈辱の日」を祝う神経
   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…
      プーチン氏に《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末
   『●前那覇市長・翁長雄志氏「(安倍首相の言う)
      『日本を取り戻す』の中に間違いなく沖縄は入っていない」
    《沖縄にとっては、祖国から切り離された屈辱の日」なのだから
     ▼「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。保守系の
     翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の耳には
     聞こえない
ようだ》

 《米国は日本の同意の下で、他国に介入されることなく軍事基地を自由に使うようになった。米軍は「銃剣とブルドーザー」で農地を奪うなど、沖縄住民の基本的人権を無視した統治を敷いた》…この《差別的な構造は…今なお続く》。

   『●前那覇市長・翁長雄志氏「(安倍首相の言う)『日本を取り戻す』
                  の中に間違いなく沖縄は入っていない」
    《「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。保守系の
      翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の耳には
      聞こえない
ようだ▼講和条約と同時に結ばれた日米安保条約の下で
      沖縄の人々が強いられてきた犠牲は、本土のメディアや国民の無関心
      よって一層強められた。「屈辱の日に立ち上る声に耳を澄ませたい

 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]4.28】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/565368)によると、《▼68年前のきょうも、記憶に刻まなければならない。サンフランシスコ講和条約の発効で沖縄が日本から切り離され、米国の施政権下に置かれた憲法は適用されず、「銃剣とブルドーザーで土地を奪われた。基地の過重負担の原点 ▼差別的な構造は戦後75年、復帰48年の今なお続く。普天間飛行場から大量の泡消火剤が漏れた事故で、米軍は基地内の土壌採取を拒んだ。有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)を含むのに、汚染の状況が調べられない異常さ》。

 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/羽地内海のランプウェイ台船/沖縄県議会議員選挙と工事再開のタイミング】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/3cfdebe50cbc0784da9d1dd63ab34173)によると、《予定では、5月29日(金)告示、6月7日(日)投開票となっている。5月6日からわずか1か月で投開票日を迎える。予定通りに行われるなら、選挙のあり方、運動方法がこれまでにない形となる。日本政府・沖縄防衛局は4月21日に、大浦湾の軟弱地盤に関して設計変更の申請を沖縄県に行った。それを含めて、辺野古新基地建設問題今回の選挙でも大きな争点となる。日本政府にとって、県議会で与野党逆転を実現できれば、玉城県政を追いつめ、新基地建設を進める弾みとなる。…今日4月28日はサンフランシスコ講和条約が発効し、沖縄が切り捨てられて日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている。日米の支配という屈辱が1日も早く、それを晴らしたい》。
 沖縄県議会議員選挙…「本土」では、無為無策な内閣の支持率が未だ4割という意味不明な政治状況。そして、米軍属女性暴行殺人から4年…何が変わった? むしろ後退? 折角、玉城県政に代わっても、アベ様独裁政権・人事主義王国が続く限り、沖縄では《「屈辱の日」は続いている。日米の支配という屈辱》が。さらに、《県内の主要選挙や県民投票で反対の意思を示しても建設工事が強行される辺野古新基地は、沖縄の人々の自己決定権を侵害する植民地主義の象徴である》。

   『●「沖縄の施政権を日本から分断した4・28」から66年、
           米軍属女性暴行殺人から2年…何が変わった?

 さらに、大変に恐ろしいことに、《メディアコントロール》の完成形は近い。
 アベ様を批判することもできなくなっている。給付・休業補償もなく自粛だけが押し付けられ、一方、報道統制・メディア統制の惨状。…
 稲垣太郎記者による、東京新聞による記事【「バリバラ『桜を見る会』」再放送差し替え NHKは圧力に屈したか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020042902100028.html)によると、《差し替えられたのは「桜を見る会」の痛烈なパロディーで、二十三日の初回放送時から安倍政権支持者らが猛反発していた。NHKは「圧力はまったくなかった」としているが、本当か。(稲垣太郎)…現在、大阪日日新聞記者の相沢さんは「放送する番組を差し替えるなら、とっくの昔に判断して周知していなければならない。疑念を招かないようにしなければならない」と指摘した上で、「NHKは報道機関として取材相手に説明責任を求めるのだから、視聴者にも納得する説明責任を果たす義務がある」と話した。市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表で、東京大名誉教授(会計学)の醍醐聡氏は「これまで番組を改ざんしたり、取材や制作したのに放送してこなかったこともある。大災害が起きたわけでもないのに直前に番組を差し替えるのは不自然。政権の圧力に屈した可能性は十分ある」とした》。
 斎藤美奈子さんは、《行動は自粛しても批判は自粛しちゃだめだ緊急事態宣言の発令を歓迎している場合じゃないひるまずマジか!を続けよう》と。

   『●《行動は自粛しても批判は自粛しちゃだめだ。緊急事態宣言の発令を
         歓迎している場合じゃない。ひるまず「マジか!」を続けよう》
   『●《新型コロナウイルス禍の対応に尽力している政府は絶対の正義で、
      社会防衛の前には人一人の命ごとき取るに足らないとでも言いたげ…》
   『●ドサクサ壊憲…《殺し合いを強いられる側が狂った火事場泥棒のシナリオ
       に乗ってしまったら、取り返しのつかないことに》(斎藤貴男さん)

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1114148.html

<社説>4・28「屈辱の日」 自己決定権の確立急務だ
2020年4月28日 06:01

 68年前のきょう、日本が独立した一方で、沖縄、奄美、小笠原は切り離された日本の独立と引き換えに沖縄を米国に差し出した屈辱の日である。

 1952年4月28日発効のサンフランシスコ講和条約第3条が分離の根拠となった。これにより米国は日本の同意の下で、他国に介入されることなく軍事基地を自由に使うようになった。米軍は「銃剣とブルドーザー」で農地を奪うなど、沖縄住民の基本的人権を無視した統治を敷いた

 沖縄の地位は植民地よりひどかった。3条は、国連に信託統治を提案し承認されるまで、米国は奄美以南の南西諸島で全権を行使できるとした。信託統治は、旧植民地などの地域の自治や独立に向け、国連の信託を受けた国が施政を行う制度で、人権や基本的自由の尊重も奨励している。

 しかし沖縄は適用されなかった。このため米国は国連の定期視察を受けることなく軍事基地を拡大し、住民の人権より軍事を優先する施策を展開した。日本国憲法も適用されなかった沖縄では、住民の権利は大きく制限された。

 その背景には、ダレス米国務長官が53年に宣言したブルースカイ・ポリシーがある。「東アジアの空に雲一つなく、平和と安全にいかなる脅威もなくなるまで沖縄は返還されない」という内容だ。

 その後、国連が60年に植民地独立付与宣言を採択したことで状況が変わる。滅び行く信託統治制度の沖縄適用を前提とする3条は死文化したとの議論が起きる。米国が沖縄を支配する国際法上の根拠は失われ、この宣言を基に沖縄を無条件で解放すべきだという主張だ。

 しかし65年、当時の佐藤栄作首相は、3条は暫定的なものではなく、米国は国際法上、沖縄を無期限に支配できるとの見解を示した。米国のブルーススカイ・ポリシーを事実上支持した姿勢で沖縄返還交渉に臨んだ結果、返還後も基地の自由使用は貫かれた

 72年の日本復帰後も沖縄の人々は基地の自由使用に抵抗し、抜本的な整理縮小や日米地位協定の改定を求めてきた。その意思を尊重せず国益や国策の名の下で沖縄を国防の道具にする日米政府の手法は植民地主義だ。県内の主要選挙や県民投票で反対の意思を示しても建設工事が強行される辺野古新基地は、沖縄の人々の自己決定権を侵害する植民地主義の象徴である。

 近年の書籍などでは、沖縄は復帰まで米国の信託統治下に置かれていたという誤った記述も散見される。「屈辱の日にはどんな意味がありそれが今も続いていることを、もっと県外へ発信する必要がある。

 基地があるため有事の際には標的になり命が脅かされ平時は事件事故などで人権が侵害されている沖縄の今を方向付けた4・28を忘れてはならない。この状態を脱するには自己決定権の確立が急務だ。
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●《核弾頭が搭載可能な中距離ミサイル》配備…《ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す》

2019年10月09日 00時00分04秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



琉球新報の【<社説>米国の新型中距離弾 沖縄配備許してはならぬ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1001081.html)。

 《核弾頭が搭載可能中距離ミサイルを、米国が沖縄をはじめとする日本に配備しようと計画していることが明らかになった。米中ロによる新たな冷戦構造の中で、沖縄が恒久的なミサイル基地に位置付けられかねない危険な計画だ。何としても阻止しなければならない》。

 琉球新報の記事【米、沖縄に新型中距離弾道ミサイル配備計画 ロシア側に伝達、2年内にも 基地負担大幅増恐れ】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1000469.html)によると、《中距離核戦力(INF)廃棄条約が8月2日に破棄されたことで、条約が製造を禁じていた中距離弾道ミサイルの新型基を、米国が今後2年以内に沖縄はじめ北海道を含む日本本土に大量配備する計画があることが2日までに分かった》。

   『●西山太吉さん: 「特定秘密保護法制の実施機関に
        メディアが入っている」非民主国
   『●密約破棄
   『●『沖縄密約』文書破棄という歴史の冒涜
         ~「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国~

   『●沖縄密約文書:
      「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁

    《それ以外にも「秘密枠」が存在し、莫大(ばくだい)な金を日本が
     積んでいた。核兵器の持ち込みなど「核密約」も含まれていた。
     このような重要情報が米国からもたらされても、日本側は「ない
     と言い張ってきた状況は異様である》

   『●情報公開法と公文書管理法: 「「何が秘密かすら秘密」
          という特定秘密保護法が施行」、そして共謀罪へ

 《核弾頭が搭載可能な中距離ミサイル》配備…《ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す》ということだ。しかも、《核弾頭》って、正気なのか?

   『●中村敦夫さん、《経済的に弱い地域が犠牲になって危険を
             引き受ける構図は、原発も基地も同じだ》

 核発電所を《経済的に弱い地域に押し付け、《標的の島》を沖縄本島与那国島石垣島宮古島などに押し付けて…。《誰かの犠牲の上でしか成り立たない社会》でいいのでしょうか?
 《標的の島》化を加速することを、ニッポン政府は《断固拒否する姿勢を早期に打ち出す》ことは……ないでしょうねぇ。

   『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、
           「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの
     「風かたか」」…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの
     「風かたか」」…米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●辺野古破壊という大愚を続行…民意無視、
     《地方自治や民主主義、県民の尊厳をどう考えるか…自身の見解を》
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…
      「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て
                 宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●「沖縄は米国の植民地ではない。私たち沖縄県民は、
        米国民との友好は望むが、服従は望んでいない」――。
   『●《支持者と反対者が排他的に対立》…
     排他的に対立させているのは、与党自公や癒党お維の側ではないのか?
   『●辺野古破壊《移設方針は揺るがないとの政府の姿勢》…
        アベ様や最低の官房長官らの無為無策・無能ぶりの表れ
   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心を
      ないがしろにして、地域の平和を守るといえるの》か?

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1001081.html

<社説>米国の新型中距離弾 沖縄配備許してはならぬ
2019年10月4日 06:01

 核弾頭が搭載可能中距離ミサイルを、米国が沖縄をはじめとする日本に配備しようと計画していることが明らかになった。米中ロによる新たな冷戦構造の中で、沖縄が恒久的なミサイル基地に位置付けられかねない危険な計画だ。何としても阻止しなければならない。

 東西冷戦時代の米国とソ連の軍拡競争は、世界中を核戦争の恐怖に陥れた。

 1962年のいわゆるキューバ危機では、ソ連がキューバでミサイル基地建設に動き、米国がその撤去を求めて艦船と航空機で海上を封鎖した。全面核戦争の一歩手前まで緊迫した。

 米施政権下にあった当時の沖縄も無縁ではなかった。ソ連極東地域などを標的とする在沖米軍基地には、核搭載の巡航ミサイルが配備されていた。米軍内で沖縄のミサイル部隊に核攻撃命令が誤って出され、現場の指揮官の判断で回避されたこともある。

 欧州では、77年にソ連が弾道ミサイルSS―20を東欧に配備し、米・NATO側は対抗措置として地上発射型トマホーク巡航ミサイルとパーシングⅡ弾道ミサイルを英、西独、伊などに持ち込んだ。

 軍拡競争を恐れた市民による反核運動が欧州全土に広がり、87年の「中距離核戦力(INF)廃棄条約」調印へ米ソを動かした。両国は地上配備の中・短距離核ミサイルの全廃に合意し、東西冷戦は終結に向かっていった。

 しかし、トランプ米大統領はINF廃棄条約の破棄を表明し、8月に条約が失効した。30年以上も禁止されていた中距離ミサイルの発射実験に踏み切り、対抗してロシアのプーチン大統領もミサイル開発の再開を表明した。

 米国には、条約に縛られずミサイル増強を続ける中国への危機感がある。だが、ひとたび大国間の軍拡競争が始まれば制御不能というのが冷戦の教訓だった。核戦力廃棄の枠組みに中国を引き込むことこそが米国の責務だ。

 日本に配備される場合の候補地として、PAC3が配備される米軍嘉手納基地や、イージス・アショア配備候補地の秋田市と山口県萩市も可能性があるとの見方がある。

 ミサイル防衛の名の下に進められてきた装備は、容易に攻撃用に転用できる。既に米国のミサイル戦略の最前線として日本、沖縄が着々と組み込まれてしまっている

 東アジアには朝鮮半島の南北分断や中台問題など、冷戦時代に生じた紛争の火種が今も残る。さらに米中対立が強まる中での中距離ミサイルの配備は、新たな「火薬庫」を持ち込むようなものだ

 ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す。基地機能の強化という以上の、壊滅的な被害をもたらしかねない。

 県は情報収集を急ぎ、日米両政府に対してミサイル配備を断固拒否する姿勢を早期に打ち出すべきだ。
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●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるの》か?

2019年05月26日 00時00分47秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の社説【陸自離島配備 住民の理解なしでは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050602000186.html)。
沖縄タイムスの吉田央記者によるコラム【[大弦小弦]負担を沖縄に封じ込める構図は、脈々と続いている】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417117)。
東京新聞の社説【沖縄復帰47年 真に憲法の仲間として】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019051302000145.html)。

 《南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか。防衛省への住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ》。
 《米国務省の元幹部が、1993年に在沖米海兵隊の本土移転を望んだが、日本政府がまったく耳を傾けなかったと本紙に証言…▼当時は社会党も参加した8党連立政権。今の自公政権、「最低でも県外」を掲げた民主党政権を含め、歴代政権がことごとく沖縄駐留に固執する。なぜか ▼…。最も核心的だと思った説明は「要するに、沖縄にいま海兵隊がいるからだ」》。
 《沖縄は十五日、本土復帰四十七年を迎える。しかし、沖縄の人権や自治は今なお、日本国憲法のにある状況ではないか。復帰の意味を問い直すときだ…憲法九条の碑。「日本國(こく)民は正義と秩序を基調とする國際平和を…」。旧字体で条文を刻んだ金属板が埋め込まれ、柱の上には植物の萌芽(ほうが)のごとく九条の精神が世界に満ちるように、との願いを込めた彫刻が掲げられている》。

   『●辺野古破壊という大愚を続行…民意無視、
     《地方自治や民主主義、県民の尊厳をどう考えるか…自身の見解を》
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…
      「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て
                 宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●「沖縄は米国の植民地ではない。私たち沖縄県民は、
        米国民との友好は望むが、服従は望んでいない」――。
   『●《支持者と反対者が排他的に対立》…
     排他的に対立させているのは、与党自公や癒党お維の側ではないのか?
   『●辺野古破壊《移設方針は揺るがないとの政府の姿勢》…
        アベ様や最低の官房長官らの無為無策・無能ぶりの表れ

 地域を分断し、「標的の島」となることを押し付ける。
 辺野古破壊と壊憲…アベ様という独裁者が種々のクダラナイ理由を持ち出して壊憲を叫ぶ今ごろになって、《保守系の翁長雄志那覇市長》のこの言葉の意味を痛感させられる…「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」……『●沖縄の「屈辱の日」を祝う神経』。

 《漁師達が知らずに漁をしていた》…無茶苦茶である。沖縄では、《こんな風に、住民はあっけなく危険にさらされるのか》。 
 沖縄タイムスの記事【米空軍、被ばく恐れ沖縄の離島未調査 1995~96年鳥島での劣化ウラン弾誤射 2010年9月まで実施せず】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417133)によると、《1995~96年に米軍機が鳥島射爆撃場(沖縄県久米島町)で劣化ウラン含有弾を誤射した事故の後、米空軍が兵士の被ばく懸念から少なくとも2010年9月まで鳥島での動植物の生息状況や水質などを調べる通常の環境調査を実施していなかったことが分かった》。
 《劣化ウラン含有弾を誤射》《兵士の被ばく懸念》…沖縄の市民の命は?

 東京新聞の記事【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019050802000146.html)によると、《小林一茶の<痩蛙(やせがえる)まけるな一茶是(これ)に有(あり)>…▼そのカエルの両生類は40%超が絶滅の危機にあるらしい。国連の科学者組織が六日に公表したショッキングな報告書である。これによると世界で百万種の動植物が絶滅の危機にひんしており、その速度は過去一千万年の平均と比較し数十倍から数百倍に上るそうだ▼百万種類の動植物を絶滅に追いやろうとする犯人はだれかといえば、もちろん、人間である。人間の活動が森を消し、陸地を変え、海に影響を与えた結果である。世界の陸地の75%が人間によって、改変された》…。
 《生物多様性の生きた教科書》や美ら海を破壊する愚かな国である。

 そして、森や海に加えて、《次代に残すのは「不戦」》でしょうに、この国は…。

   『●「対馬丸」生存者…「あの戦争が頭から離れない。
       もう二度とごめんだ」…「九条の碑」早期建立を呼び掛け
    「「対馬丸」…《あの戦争が頭から離れない。もう二度とごめんだ》、と。
     そして、沖縄県7ヵ所目、大宜味村内での「九条の碑」早期建立を
     呼び掛けておられます。《「戦争の前にまず教育がおかしくなる」と指摘し、
     教育の戦前回帰」を懸念する》、本当にそうです。ハタやウタを子供たちに
     強制し、教師の内心をかき乱す…。洗脳するが如く、幼児や幼子に
     「教育勅語」を暗唱させる…。
      壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」といった
     こを許していいのか? その先にある、緊急事態条項創設をも。
     《沖縄は全国の半数を占める。住民を巻き込んだ地上戦を経験し、
     平和憲法への思いは強い。「未来ある子孫への贈り物」。大宜味村の碑は、
     そう刻む予定だ。次代に残すのは「不戦。メッセージは明確だ》。
     《不戦を誇る国であれ》と願う」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050602000186.html

【社説】
陸自離島配備 住民の理解なしでは
2019年5月6日

 南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか

 防衛省への住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ。

 三月下旬、陸自駐屯地が開設され約三百八十人の警備隊が発足した。ところがないはずの弾薬庫が敷地内に造られ多目的誘導弾(ミサイル)迫撃砲が搬入されていたことが判明した。弾薬保管なしを条件に、反対から容認に転じた周辺住民にとっては「だまし討ち」だろう。

 四月、隊旗授与式に訪れた岩屋毅防衛相は「説明不十分だった」と謝罪。陸自は誘導弾などを島外に搬出した。駐屯地には来年以降ミサイル部隊も加わる。同部隊のミサイルなども含め、島内の別の地区に造る弾薬庫が完成次第集約する計画だが、その現地でも地区が弾薬庫整備に反対している。

 防衛省は住民軽視を猛省し抜本的に対応を見直さねばならない。

 沖縄県石垣市では、島の中央部に地対艦・地対空誘導弾部隊など五百~六百人の駐屯地を設けるための用地造成が三月に始まった。

 地元四地区が、軍事標的化や希少動植物の生態系への影響を懸念し反対する中での着工だ。住民側は、四月以降なら義務付けられる環境影響評価避けるため着工を急いだのではとも指摘している。

 事実上容認の姿勢だった中山義隆市長は三選後の昨年七月、受け入れを正式表明した。しかし、反発する住民は民意は定かではないとし、有権者の四割の署名を集めて住民投票を請求。投票実施のための条例案は今年二月の市議会で賛否同数の末、議長裁決で否決されるも、際どい結果に論争は収まらない。市側はもう一度慎重に住民の意思を見極める必要がある。

 政府は二〇一三年の防衛大綱で南西地域の防衛体制強化を打ち出し、沖縄本島のみの配備だった陸自を他の沖縄三島と鹿児島県奄美大島へ展開する方針を決めた。ただ、離島を結ぶ軍事拠点化が地域の安全保障に役立つのか

 沖縄では中国人観光客の増加が著しい。政治的にも日中関係は改善の兆しが見える。そんな一帯の融和感に水を差すことにならないか。冷戦終結で北方対処の任を終えた陸自が、組織維持のため南西地域に役割を求めたとも読める状況である。何より、狭い島内での自衛隊活動は住民の理解抜きに成り立たないと心得るべきだ。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417117

[大弦小弦]負担を沖縄に封じ込める構図は、脈々と続いている
2019年5月8日 07:21

 負担を沖縄に封じ込める構図は、脈々と続いている。米国務省の元幹部が、1993年に在沖米海兵隊の本土移転を望んだが、日本政府がまったく耳を傾けなかったと本紙に証言した

▼当時は社会党も参加した8党連立政権。今の自公政権、「最低でも県外」を掲げた民主党政権を含め、歴代政権がことごとく沖縄駐留に固執する。なぜか

▼東京支社で外務省、防衛庁を担当した2005年から数年間、政治家や官僚に聞いて回った。最も核心的だと思った説明は「要するに、沖縄にいま海兵隊がいるからだ

▼本土に移転しようと思ったら地元の同意が必要だが、難しい。だから、いま海兵隊がいる沖縄に我慢してもらう-という趣旨だ。「海兵隊を受け入れてくれ」と言われ「それは結構なお話ですな」と言う首長などいない

▼沖縄では名護市の住民投票で政府職員を選挙運動に送り込んだり、知事の埋め立て承認を得るため3千億円台の予算を10年保証したり、ありとあらゆる手を使う。この熱意を、県外移転に傾注してはどうか

▼新基地建設は大浦湾側に軟弱地盤が見つかり、難航が必至だ。建設後も地盤沈下のおそれがある。施設の安定使用を望む米側、海兵隊の駐留を望む日本側、建設に反対する県民。だれの利益にもならない計画突き進んでいないだろうか。(吉田央)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019051302000145.html

【社説】
沖縄復帰47年 真に憲法の仲間として
2019年5月13日

 沖縄は十五日、本土復帰四十七年を迎える。しかし、沖縄の人権や自治は今なお、日本国憲法の外にある状況ではないか。復帰の意味を問い直すときだ。

 沖縄県読谷村(よみたんそん)。太平洋戦争末期、米軍が沖縄本島で最初に上陸した村の役場前に高さ三メートルほどのコンクリート柱が立っている。

 憲法九条の碑。「日本國(こく)民は正義と秩序を基調とする國際平和を…」。旧字体で条文を刻んだ金属板が埋め込まれ、柱の上には植物の萌芽(ほうが)のごとく九条の精神が世界に満ちるように、との願いを込めた彫刻が掲げられている。


◆輝かしい命

 建立は戦後五十年に当たる一九九五年。「沖縄の人々にとって日本国憲法は輝かしい命そのものだった人間が大事にされ、戦争をしない国になるという希望を与えてくれた。戦後の米国統治下の沖縄の復帰運動は、日本国憲法の下への復帰を目指すものもありました」。当時読谷村長だった山内徳信(とくしん)さん(84)=元社民党参院議員=は、建立の背景を振り返る。

 五二年発効のサンフランシスコ講和条約で、沖縄は正式に米国の施政権下に置かれた。米側は沖縄に日本の「潜在主権」を残すことは認めたが、日本側は六五年、政府統一見解で日本国憲法の適用はないと宣言した。

 沖縄には米国憲法も適用されない。軍人の高等弁務官を頂点とする米国民政府が軍事的必要性を最優先に行政、立法、司法上の権力を行使。基地拡大のための土地の強制収用をはじめ政治家の弾圧、表現の自由の規制、事件事故を起こした米兵の無罪放免-などが繰り返された。

 人々が、基本的人権の尊重国民主権平和主義を基本原理とする憲法下での生活を求めたのは言うまでもない。山内さんによると、若者たちは鉛筆で条文を書き写しながらその日を夢見ていた


◆戦争と隣り合わせ

 七二年五月、沖縄の復帰は実現する。しかし「日本国憲法への復帰は決してかなえられたとはいえない。悲運の発端は、広大な基地の継続・維持が盛り込まれた日米間の沖縄返還協定である。

 返還交渉中、日本政府は基地の扱いについて「核抜き本土並み」と表明し縮小に期待を持たせたものの、復帰前に沖縄本島面積の20%を占めた米軍基地は今なお14・6%と取り組みは進んでいない

 基地は復帰まで、共産圏をにらむ最前線として最大約千三百発もの核が配備され、ベトナム戦争の出撃拠点となった。冷戦終結後も湾岸戦争、イラク戦争などに空軍や海兵隊を送り出してきた

 日本は戦後一度も他国と戦火を交えていないのに、沖縄は米国の戦争と隣り合わせの状態に置かれ米軍機の事故や米兵、米軍属による事件が繰り返される。在日米軍の特権を定め、翁長雄志(おながたけし)前沖縄県知事が「憲法の上にある」と嘆いた日米地位協定もそのままだ。

 沖縄県や県警のまとめでは、復帰後二〇一七年末までに、県内で発生した米軍航空機関連の事故は七百三十八件(うち墜落は四十七件)、米軍人などによる刑法犯罪は五千九百六十七件(うち凶悪事件は五百八十件)生命、生活、財産が脅かされる日常は法の下の平等に大きく反する

 その上で、名護市辺野古で進められる新基地建設に県民が重ねて反対の意思を示すのは、当然すぎる行動だ。政府は米軍普天間飛行場の移設・返還のためというが新基地完成のめどは立っていない。その矛盾をどう解消するのか。

 新基地建設を巡ってはことし一月、国内の主な憲法研究者の約四分の一に当たる百三十一人が連名で「憲法の重要原理を侵害、空洞化する」との声明を発表した。解決には「何よりもまず沖縄の人々の人権問題」を考え工事を即時中止すべきだとする。

 「民主主義や地方自治の在り方が問われている点で、日本国民全体の問題」ととらえようとの提起は極めて重要だ。

 沖縄の地元紙琉球新報が、本土復帰に関して五年ごとに行っている県民世論調査がある。復帰して「とても良かった」「どちらかと言えば良かった」との回答の合計は、復帰から三十五年の〇七年には82・3%だった。四十周年の一二年にはちょうど80%。さらに五年後の一七年には75・5%と幅を広げながら低下している。


◆「自己決定権」を希求

 一方、同紙の別の県民意識調査では、今後の沖縄の立場について自治州や連邦制への移行、または「独立」を望む声が一一~一六年の五年間に二割から三割超に急増した。自己決定権」の希求。裏を返せば、復帰の本意をかなえないままの「日本」不信の表れだ。

 沖縄を真に憲法の下の仲間とする-。中央の政治はもちろん本土側の国民も、あらためて当たり前のことを行いたい。
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●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》

2019年04月10日 00時00分02秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第90回:島の色が変わった日 ~宮古島に陸上自衛隊がやってきた~】(https://maga9.jp/190403/)。

 《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない。だが軍事基地の島になることを望まない住民らのあらゆる抵抗も状況を止めることはできず、ついに陸上自衛隊始動の日が来てしまった》。

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
    「《いじめそのもの》。《石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を
     明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、
     実際は安心できない生活環境を押し付けている沖縄戦の記憶から
     弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》」

 琉球新報の【<社説>宮古島ミサイル配備 同意なき建設計画撤回を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-898848.html)によると、《陸上自衛隊の警備隊が配備された宮古島市上野野原の宮古島駐屯地に、住民に説明のないまま中距離多目的誘導弾(ミサイル)や迫撃砲が保管されていた。ミサイルを置かないよう求めていた地域住民を欺くだまし討ちであり、決して許されるものではない》。

 《虚偽説明》《だまし討ち》。《軍服》を着た集団が島民を分断、市民の内心をかき乱す。《石嶺香織さん…「…憲法に戦力は持たないと掲げているのに、こんな矛盾を子どもに説明できない。矛盾の最前線に立たされてしまった」》。宮古島に「標的の島」を押し付け。《石嶺香織さん…「…沖縄戦の記憶から弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》。《敵の弾薬庫を狙わない作戦などない》…標的。《火器がある場所は必ず標的になる》。

   『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
       もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
   『●米中戦争の「防波堤」:  
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                      「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:  
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》

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https://maga9.jp/190403/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第90回:島の色が変わった日 ~宮古島に陸上自衛隊がやってきた~


https://youtu.be/I3fePYc0WOk

 宮古島には地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊、警備隊、合わせて800人規模になる陸上自衛隊駐屯地が開設される計画だが、3月26日、先発部隊の宮古警備隊380人による「編成完結式」なるものが行われた。この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない。だが軍事基地の島になることを望まない住民らのあらゆる抵抗も状況を止めることはできず、ついに陸上自衛隊始動の日が来てしまった。

 沖縄本島に住んでいると、米兵はもちろん、自衛隊駐屯地のある那覇空港周辺や南部などで、自衛隊員の姿は目に入る。軍服を着た集団を見ることへの免疫はあるほうだと思う。でも、軍事基地と無縁だった宮古島や石垣島の人にとって「迷彩服に軍帽」のいでたちというのは、身じろぐ対象だというのも、これは全くそうだと思う。親戚に自衛隊員がいるご家庭も多い。でも他府県の駐屯地にいるので視覚的にはあまり馴染みはない。島の活性化や災害救助も考えれば、受け入れてもいいのではないかと考えた島民も少なくはないと思うが、いずれにしても3月に港から軍事車両が続々と島に上陸してきたときに、宮古島の人々は度肝を抜かれたという。それらが島の道を走り、迷彩服の青年たちがコンビニにいる風景がいきなり出現してしまった。自衛隊の是非など考えてもいなかった人にも、ついに日常を塗り替える光景が目の前に展開され始めた。島の色が、変わったのだ

 私は意を決して、この前までグリーンのネットに囲まれた「千代田ゴルククラブ」だった敷地に入った。「陸上自衛隊宮古島駐屯地」という立派な看板が掲げられ、入り口付近にはいくつかの監視カメラが目に入る。パリッとした緑色の迷彩服をつけた広報担当の方が「三上さん…ですね?」と迎えてくれた。市ヶ谷から応援できているそうで、物腰も柔らかく頭脳明晰な印象だった。北海道ではヘリのパイロットもしていたというので、陸自に配備されるオスプレイはここにも飛んでくるんですよね? といきなり聞いてみたが、「宮古島に配備される計画はありません」と規定通りの回答。

 「沖縄本島にいるとオスプレイ、嫌いになっちゃうんですけど…。陸自でヘリのパイロットをされているなら、そのうちオスプレイ搭乗ってこともあるんですか?」と聞くと「はい、可能性はあります」と即答した。「シミュレーターで操縦したことはあるんですが…。優秀ないい機材ですよ」と屈託のない笑顔で答えた。

 やがて報道陣はできたての体育館に案内された。そこには「編成完結式」を待つ380人の隊員とゲストがすでに整列していた。式典の目的は、発足する宮古警備隊と諸部隊の士気高揚・団結強化、島民との一体感の醸成だそうだ。そういう割に、島から式典に招待されたのは下地宮古島市長と野津自衛隊協力会会長くらいしか見つけられなかった。たった20分の短い式だったが、独特の号令が叫ばれ、君が代が歌われ、撮影している体の軸が一瞬崩れそうになる。軍ではない、自衛隊だ。軍服ではない、隊服だというかもしれない。でも目の前に広がる光景はどう言い換えたって、日の丸に向かって敬礼し、君が代を歌う数百人の軍服集団。この島で展開される太平洋戦争以来の光景であり、そして彼らは今後、これからずっとこの島に駐留するのだ。眩暈がする。でもそれが現実なら、しっかり伝えなければならない。そのためにプレスの腕章つけてここにいるのだ、個人の感傷などどうでもいい、と自分を叱咤してカメラモニターに集中する。

 お祝いに駆け付けた下地市長が登壇。日の丸にお辞儀をした後、隊員に向かってアドリブだったのか、いきなり敬礼をした。返礼はなく、何となく会場が凍り付いたように感じた。下地市長は「災害に強い、安心・安全な宮古島…」などと祝辞を述べていたが、実はこの日重大な事実が分かった。市長は祝福ではなく怒り狂うべき日だったのだ。この千代田地区に駐屯地が選定され、受け入れるときの条件に「ヘリパッドや弾薬庫など、住民が不安を抱くものここにはおかないという約束があった。2016年9月2日、宮古島市役所を訪れた若宮防衛副大臣のその言葉を受け、「弾薬庫がない、隊員の宿舎や福利厚生施設がメインと聞いて安心しました」と言って受入れたのは下地市長本人だ。しかしこの日、なんと宮古島駐屯地にミサイルを置くということが分かったのだった。

 弾薬庫は置かないと言った2016年の動画を短く再編したので見てほしい。その後、弾薬庫と覆土式の射場は島の南東の端に当たる保良地区に作るということになり、住民が反対しているわけだが、平良市街地に近いこの場所には「弾薬庫は作らない約束は生きていた。



https://youtu.be/1HNNOSYheFM


 ところが、今回の動画にもあるとおり、ピラミッド型の、どう見ても弾薬庫という建造物ができてきて、いやミサイルは置かないが警備隊の所持する89式小銃などを保管する「保管庫」はつくるのだ、と説明は一転した。敵の弾薬庫を狙わない作戦などない火器がある場所は必ず標的になるのだから、弾薬庫の有無に住民はとことんこだわってきたのだ。ところが小銃の保管どころではなかった。この式典の前後に私と数人の記者で担当者にいろいろ聞いている中で、小銃のどんな弾を置くのか? ほかには何か置くのか?と聞いたところ「中距離多目的誘導弾は警備隊が運用するので、その誘導弾は保管します」という。「え? この敷地内ですか?」と思わず聞き返した。今年度中に設置される地対艦・地対空ミサイル部隊の「ミサイル」は保良の弾薬庫に置かれる予定だという。しかし、そのミサイル部隊というのは西部方面隊直轄の大砲も備えた勇ましい部隊で、我々第15旅団配下の、地域密着型の警備隊とは種類がだいぶ違うのです、ということだった。だから彼らの弾は保良に。でも我々の誘導弾はここに置くと。もちろん誘導弾とは、ミサイル

 第15旅団のHPを見ると真っ先に飛び込んでくる「県民のために」というキャッチコピー。そして緊急患者空輸の数、不発弾処理の数が大きく掲示され、沖縄県民の安心と安全に寄与していることが強調されている。確かに離島を抱える沖縄県でドクターヘリがカバーできないところを自衛隊が担ってくれていることに感謝しない県民はいない。不発弾だってまだ莫大な量が地中に眠る中で、自衛隊の皆さんの専門知識があって初めて安全に処理されている。自然災害にとどまらず、自衛隊の沖縄県内での活動に期待される部分は大きい。しかしそれと、南西諸島の軍事要塞化ははっきり分けて考えなければならない。かたや完全に県民の安全のため、しかしミサイル部隊を新たに島々に配置していく今の戦略構想が誰の安心のためなのか は大いに疑問が出ているからだ。

 つまり、今回ミサイル部隊に先駆けて一足早く発足した「宮古警備隊」は、第15旅団の配下であるから地域密着型で、あとから来るミサイル部隊とは性格も役割もかなり違うということらしい。島民の安全を支える、地域と連携する、住民と向き合ってくれる部隊のようだ。そして小銃、機関銃・多目的誘導弾という装備は何に使うのか? と聞いたところ、近接戦闘に対応する部隊なのだと説明があった。不審者、島へのテロ部隊の侵入などあれば接近戦をするのはミサイル部隊ではなく警備隊の仕事。そして最悪の事態、つまり敵が上陸してきたときには接近戦で真っ先に対処するのもこの警備隊だという。

 「ちょっと言い方は悪いけれどこういうことですか?」と私は前置きをして聞いてみた。

 「地対艦ミサイルや地対空ミサイルが抑止力としてもはや機能せず、敵が砲弾を降らせ接近し上陸してきたら、皆さん警備隊が島の上で闘う。せん滅されたら、水陸機動団が島を奪還しに来るわけですね。皆さんは、最初に犠牲になっちゃう部隊ということですか」

 「まあ、そうならないように事前にあらゆる手は打つわけですけれどね」と苦笑した。

 私はいよいよ彼らが気の毒になってきた。私はこの2年、改めて映画製作のために沖縄戦のことばかり考える日々を送ってきたせいか、米兵の上陸と、貧弱な火器で対処させられた日本軍の哀れな陸戦の映像が脳裏に叩き込まれている。山にこもってゲリラ戦をするしかなかった少年兵や、最後まで援軍が来ると信じて住民に協力を強いた無頼漢たちや、あらゆるイメージがあふれ出す。パリッとした迷彩服を着たこの隊員たちには、私の頭に広がる沖縄戦の悲惨な具体的なイメージはほぼないだろう。自衛隊と旧日本軍を一緒にするなとまず言われるだろう。作戦も装備も全く違う、お話にならないと。

 でも、そうだろうか。上陸される事態というのはもう、制空権も制海権もない状態だ。孤立した軍隊は奪還部隊を待つわけだが、食糧は? 水は? どこか安全な場所に住民が隔離されて充分な食糧と水が与えられるという想像は、今の私には全くできない。そもそもこの島がミサイル攻撃の拠点でさえなければ、攻撃対象にもならないだろう。制圧すべき敵の軍隊がいない島なら上陸する必要がない。よもや上陸されても戦闘がなければ犠牲者はでない。沖縄戦では軍隊が駐留していなかった島には死人は出ていない。だから、ミサイル部隊はどんなに「安心のため」と言われても「誰のための安心ですか?」と反問せざるを得ないのだ。

 そんな、不安に胸が張り裂けそうな住民たちが、早朝から駐屯地のゲートの前に集まっていた。宮古島駐屯地の田中広明司令官に直接抗議文を手渡したいと、前日から広報担当者に申し入れをし、9時半くらいに式典が終わった後に対応するという話だったようだが、その場所を巡って押し問答になっていた。ここまで出てきて受け取るということはできない規則だという。代表者数名が中に入って記者も入れずに…という広報官の提示に、集まった人たちは納得できない。なぜここに顔を見せて、みんなが抱えている不安に正面から受け止めてくれないのか。なぜ代表者だけと制限をつけるのか。口惜しさが募って声を荒らげる場面もある。対応した自衛官の困惑の表情を見たら、誰でも気の毒に思うだろう。けれども、自衛隊が来ると決まってから、この4年間に島の人々が味わってきた驚きと不安と怒りと屈辱は並大抵ではなかった。それはこの連載で過去の経緯を振り返っていただければわかってもらえると思う。決して今回の動画だけで、反対運動が過激などと判断しないでいただきたい。

 住民の不満は弾薬庫の件だけではない。軟弱地盤や活断層の存在が指摘されているのに調査もされないこと、地下水の汚染が命取りになる島なのに防衛省の対応はこれまではぐらかしやごまかしだらけだったこと、島に入ってきたと同時に弾薬庫の上から住民を監視していること、迷彩服のまま市街地に出てきて住民が怖がっていること…。そんな住民の切実な訴えに警備隊隊長であり駐屯地司令官である田中隊長がどう向き合ってくれるのか。しかし早朝から待っていた住民に姿を現したのは児玉副隊長だった。

 そのやり取りは動画を見てほしい。つらくなる場面も多かった。私は両方の気持ちがわかるなんて安易なことは絶対に言うつもりはない。ここにあるのは住民VS自衛隊員という二項対立では決してないから、「両方」とか「どっちの見方もできる」とかいう言葉は不用意に使うべきではない。そういう「中立」があるかのような架空の地点から発話するのは問題の所在を見えにくくする有害な行為だ。自分の畑の目の前が駐屯地の正面ゲートになってしまった野原の農業・仲里盛繁さんも繰り返していたように、「自衛隊員に対して怒りも憎しみもない。ミサイル基地を持ってこられることに抗議している」のであって、対峙している相手は住民不在で推し進めてきた防衛省や現政権だ。

 しかし、いざ目の前で職務についている隊員たちに向き合った時に、怒りの拳は行き先を失い宙を泳ぐ。矛先は彼らではないとわかってはいる。隊員たちは家族も連れて、新しい環境で、海がきれいだけど歓迎されていないという話も聞いている南の島で、恐る恐る生活を始める妻や子どもを抱えているのだ。幕僚たちが米軍とどんな戦略を練っているのか、そんな話は知る由もない隊員たちは、島の役に立ちたい、溶け込みたい、島を守りたいし誤解は(誤解であるかどうかはさておき)解きたいと願っているだろう。そのためにこの後あらゆる努力を重ねるのだろう。

 宮古に限らず沖縄の島々では、一緒に生活をする覚悟で島外からきた人に対してどこより温かい歓迎を示してきたし、職業によって差別するつもりなど毛頭ない。だから来てくれたのなら分け隔てなく受け入れたいのだ。けれど。人間対人間として地域に受け入れようと実践しながら、基地の存在や内実については抗議の声を上げ続けるという技は、とてつもなく難しい。追い返せなかった以上、望まずとも「共存」は始まった。毎日心に棘を出していたら自分も傷つけてしまう。だからその棘をしまう。和らげる。地域行事を率先して手伝ってくれる隊員に感謝もしたい。ママ友になり、「自衛隊の子」なんて意識もせず一緒に遊ぶ子どもを世話する。いがみ合う相手ではない。もちろんそうだ。そして「反対運動」も「運用の監視」・「情報収集や抗議」もやる気持ちは萎えていく。

 4人の子供を抱えて反対の先頭に立ってきた石嶺香織さんはこの日、いつもの元気はなかった。「これから一緒に暮らす人たち。うちの子の友達のお父さんになる人たち。この人たちが敵ではないのはもちろんだけど…。今の反対運動のやり方では島の人たちの気持ちは離れて行ってしまうかもしれない」と肩を落とした。

 「迷彩服とか軍事車両とかそういうものを子どもに見せたくないから、反対運動をしてきたのに。だから子どもを連れて現場に来るのが辛くなってきた。憲法に戦力は持たないと掲げているのに、こんな矛盾を子どもに説明できない。矛盾の最前線に立たされてしまった

 「出来てしまった施設に声を上げ続けるのはしんどいね」と、野原出身の上里清美さんは苦しそうに言う。メガホンを持つときには強い口調で気丈に抵抗の言葉をぶつけていた彼女だったが、一対一で話す声は細く、心はかなり痛手を負っていることが伝わってきて苦しくなった。

 「だから私、伊江島に行ってきたの。あそこが(軍事基地と県民が対峙する)原点だと思ってさ」

 「もう配備されてしまった軍隊と、このあとどうやって闘えばいいのか知りたくて。きっとこの闘いは長く続くでしょ。住民が分断されないためにはどうしたらいいか。これから自衛隊ももっとたくさん来て、米軍も来て、となったときに自分の感情をどうコントロールできるのかわからなくて。ちゃんと精神を保ちながら戦うのはどうしたらいいの? と伊江島に教わりたくて行ってきたんだけどね」

 「もう、人間らしく闘うということしかないね。人間らしーく。人として生きながら。相手にも接しながら。それしかないのかなっていうことを思いますね」

 阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんに象徴される伊江島の闘い。沖縄戦の後、真っ先に土地も畑も米軍に取り上げられた伊江島の住民たちはその惨状を県民全体に訴えるために沖縄本島でムシロ旗を掲げて「乞食行進」をした。そして島では完全非暴力で、農民の誇りを失うことなく堂々と抵抗を続け、そのあと次々に勃発する沖縄基地闘争の手本となった。この闘いとて「勝った」わけではない。伊江島は今現在も米軍基地だらけだ。しかし「負けてもいない抵抗の旗を降ろしてもいないし、辺野古に、高江に、宮古に、石垣に、その精神は確実に受け継がれているから。

 2019年、平成だ令和だと騒いでいる今現在、1955年の伊江島の闘いを振り返って、力を振り絞って野原に立つ女性がいる。彼女が草を摘んで遊んだ野原が、彼女を潤した井戸が、彼女が拝む神さまが住む森は、自衛隊基地になり、奪われ、踏みにじられてしまった。沖縄本島に戻ってこの情景を見ないで大半の時間を過ごす私には、彼女の味わう悲しみの百分の一も背負ってなどいない。私の憤り、悔しさの数千倍の中に野原の人たちはあるのだろう。そして、それは1955年に伊江島の人たちが味わった屈辱や絶望と大差ないことに愕然とする。沖縄県民のささやかな生活は、64年経ってもかくも見事に脆く、米軍統治下でなくなってもなお、民主主義も司法の救いも届かない。なんなんだ、これは!

 「平成が、その名の通り平和の裡に終わってよかったです」という女性タレントの言葉で我慢も限界、テレビを切った。しかし怒っている場合ではない。出来てしまった基地に対して抵抗を続けるという苦しい技を、伊江島も、辺野古も、高江もやっている。あきらめてしまったら、じゃあ、とどんどん負担を増やされるだろう。だから宮古島も今年度やってくるミサイル部隊に抵抗し、保良の弾薬庫を造らせない闘いをし、ここは使えない基地だと国にあきらめて作戦を変更してもらう。それを目指すしかない。一部工事が始まった石垣島にも繋がる、島人が望まない軍事化を止める行動を構築していかなくては。

 今回、宮古島に駐留する自衛隊員たちと直に接して一番驚いたことは、予想よりずっと人間として、誠意をもって私たちに向き合う姿勢を持ってくれていると知ったことだ。これまで説明会などで接してきた防衛省の役人とは大違いだった。私は数年来、講演会で公言しているが、自衛隊員や、機動隊員や海上保安庁の海猿たちや、基地建設を巡って対峙してしまう職業の人たちについて、彼らの仕事の尊厳も命も守りたいと思う。彼らは自ら誇りに思い、国民から感謝される仕事をするべきであり、そのために日々の鍛錬をしてくれているはずなのだ。そうでないなら私たち有権者が、「お互いを苦しめる間違った仕事を命じる狂ったシステム」を変えるべきなのだ。そのためにも、住民の側から見えにくい自衛隊の仕事や隊員の置かれている状況についても取材して知らせていく仕事をしようと思う。私にできることはあまりに小さい。でも宮古島の嘆きに向き合い続けたい。決して逃げたくはない。
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●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担はますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》

2019年04月07日 00時00分09秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の望月衣塑子記者の記事【防衛省、設計図と異なる説明 宮古島に弾薬庫】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019040102000126.html)。
沖縄タイムスの【社説[宮古島駐屯地に弾薬庫]住民愚弄する虚偽説明】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/404799)。

 《島民に事前説明のなかった弾薬庫が設置されていたことが発覚した。中距離多目的誘導弾などの弾薬が配備されるのにもかかわらず、防衛省は「保管庫」と繰り返し、島民に示した「施設整備概要図」では、弾薬庫を実際よりも小さく描いていた…「政府は何度も『沖縄の基地負担軽減』を繰り返すが、宮古島では、島民の基地負担はますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのものだ」と非難》。
 《陸上自衛隊宮古島駐屯地(千代田地区)に弾薬庫が整備され、中距離多目的誘導弾(ミサイル)や迫撃砲を保管していたことがわかった。防衛省はこれまで駐屯地には「小銃弾等」しか保管せず、弾薬庫は造らないと明言してきた。虚偽説明であり、弾薬庫を撤去すべきだ》。

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
         宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》

 表ではこんなくだらないことでバカ騒ぎ。その裏では、またしてもお沖縄イジメ。アベ帝の《政治腐敗》の極みへのオマージュな元号。
 リテラの記事【安倍首相「令和は国書典拠」自慢の間抜け! 大元は中国古典で作者の張衡は安倍政権そっくりの忖度政治を批判】(https://lite-ra.com/2019/04/post-4640.html)によると、《「初めて国書を典拠とした」と触れ回っている姿は、この宰相の中身がどれほど阿呆かを満天下に知らしめている。…安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していた! …「張衡の『帰田賦』は安帝の政治腐敗に嫌気がさして田舎に帰ろうとしている役人の心情を綴ったもの」「安の字を持つ帝の腐敗に役人が嫌気をさす、というのは安倍政権で起きている構図そのものじゃないか」といったツッコミ…ただし、相手は、ネットで言われているような「安」の字を持つ安帝ではなさそうだ…安倍首相のために平気で法や文書をねじ曲げる官僚だけが出世する、いまの安倍政権の姿と重なる》。

   『●「だが我が国は成熟国家になってから粉飾を始めた
       相当情けない国家」(阿部岳さん)だなんて、哀し過ぎる

 裏で、もう一つの重大事が。戦争法。「停戦監視が形骸化しつつある」なか、アベ様らがまず行ってみては如何か?
 東京新聞の記事【シナイ自衛官派遣 閣議決定 国会承認不要と判断】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201904/CK2019040302000131.html)によると、「エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両国軍の停戦を監視」について、《安全保障関連法に基づく新任務で、国連が統括しない平和維持活動「国際連携平和安全活動」を初適用。国会に承認を求める必要はないと判断した。政府の裁量を幅広く認める安保法の特徴が浮き彫りになった…政府は派遣に際し、国会に承認を求めない。安保法は「自衛隊の部隊等」が行う国際連携平和安全活動は「国会の承認を得なければならない」と定めるが、政府は、司令部要員は「部隊等」に該当しないと説明している。「等」に何が含まれ、含まれないかを政府の裁量で決めたことになる…政府はMFOからの派遣要請についても、二〇一五年秋以降にあったと説明するにとどめ、詳細を明らかにしていない》。

   『●アベ様という「私人」の暴挙…平和の党と共に
      辺野古破壊が目的化し、「目的達成」のためには手段選ばず
    《行政の不当行為に対して国民が不服を申し立てる行政不服審査法」に
     基づく不服審査請求を石井啓一国交大臣(公明党)に行い、裁決が
     出るまで効力を一時的に失わせる執行停止も求めたのだ》

 そして、辺野古破壊。茶番なドロナワ。無茶苦茶、滅茶苦茶。
 東京新聞の記事【辺野古埋め立て 国が容認 県の承認撤回取り消し】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201904/CK2019040502000284.html)によると、《石井啓一国土交通相は五日、審査を申し立てた防衛省沖縄防衛局の主張を認め、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回を取り消す裁決を下した。昨年十月に撤回の効力を一時停止したのに続く判断。今回は「県の撤回は違法」とし、国が進めている工事の正当性を認めた》。
 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/ゲートからの資材搬入と不当逮捕に抗議/埋め立てと護岸工事はなし】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/e4e8414107efab8d90f266a3a40c1284によると、《石井国交大臣が、沖縄県の埋め立て承認撤回の取り消しを表明している。まさに自作自演の茶番としか言いようがない。腐りきった日本(ヤマトゥ)のために、沖縄がこれ以上犠牲になる必要はない。ヤマトゥやどぅなーぬたみなかいウチナー利用すーぬくとぅしか考げーらん。ウチナーンチューやヤマトゥぬ政府んかい、うしぇーらってぃやないびらんどー》。

 辺野古や宮古島、戦争法から目を逸らすための策略としか思えない。
 【<金口木舌>時代の流れに翻弄されて】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-898271.html)によると、《▼79年の元号法制化で全都道府県議会のうち沖縄県議会だけは推進決議をしなかった。天皇制と不可分の元号、「一体」となれない複雑な感情が交錯した歴史を踏まえれば、政権主導の「改元フィーバー」には違和感をぬぐえない》。

   『●沖縄の皆さんのお願いは何時叶えてくれるの?
       《憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復》
    「《「ひょっとして何らかのプロパガンダなの!?」――。「新元号」発表まで
     残り1カ月となったタイミングで放送されたNHKの先週1日の
     ニュース内容に、驚かれた方も多いのではないか。夜7時の
     「ニュース7」では、静岡・沼津市の水族館で
     筆を口にくわえて文字を書くアシカを紹介》。
     もはや、アベ様の独裁政権広報。救いようのない酷さ」


 さて、本題の宮古島イジメ。《いじめそのもの》。《石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、実際は安心できない生活環境を押し付けている沖縄戦の記憶から弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える》。

   『●【政界地獄耳/問答無用の自治破壊実行する政府の怖さ】
            《民意も海に埋める》…民主主義国家がやること?
     《琉球新報「辺野古へ土砂投入 第4の『琉球処分』強行だ」。
      沖縄タイムス「辺野古 土砂投入強行 自治破壊の非常事態だ」
      としたが、本土の新聞はどうだろうか》

 今も続く〝処分〟。
 東京新聞の社説【琉球処分140年 苦難を振り返りつつ前に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019040102000161.html)によると、《明治政府が琉球王国を強権的に解体し、沖縄県を設置した「琉球処分」から百四十年。今も構造的差別が続く沖縄の状況に心を配り、未来を応援したい… ◆繰り返される理不尽 明治政府が自ら「処分」の言葉を使ったように、この廃藩置県は一方的に強権をもって行われた。忘れてはならないのは、沖縄を隷属させるかのような理不尽がその後も繰り返されていることだ》。

 謝罪にも、問題の解決にもなっとらんし…。
 【宮古島 弾薬庫問題 防衛相謝罪 一時島外…その後、島内新設庫へ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019040302000132.html)によると、《駐屯地の弾薬は一時的に島外に搬出するが、最終的には約十四キロ先の採石場「保良(ぼら)鉱山」に新設予定の弾薬庫へ保管すると説明。島内で保管することは変わらず、住民は「弾薬を持ち込むな」と強く反発している。 (望月衣塑子、写真も)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019040102000126.html

防衛省、設計図と異なる説明 宮古島に弾薬庫
2019年4月1日 朝刊

     (弾薬庫そのものは盛り土で覆われて見えず、上には監視用の
      テントがある。右端の白い建物は保管庫=清水早子さん提供)

 三月に開設したばかりの沖縄県・宮古島の陸上自衛隊駐屯地。島民に事前説明のなかった弾薬庫が設置されていたことが発覚した。中距離多目的誘導弾などの弾薬が配備されるのにもかかわらず、防衛省は「保管庫」と繰り返し、島民に示した「施設整備概要図」では、弾薬庫を実際よりも小さく描いていた。 (望月衣塑子

 「保管庫にしてはあまりにも大きい。弾薬庫なのではないか」。島民有志が沖縄防衛局に開催を要求した那覇市でのヒアリングを翌日に控えた昨年十二月二日、「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子(はやこ)事務局長(70)は、資料を分析しながらハッと気付いた。

     (富士総合火力演習で発射される中距離多目的誘導弾=
      静岡県御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場で)

 防衛局が住民説明会で配布した「施設整備概要図」には、「保管庫」と記された建物が二つあった。いずれも、隣接する「事務所」とほぼ同じサイズだった。

 ところが、清水さんらが昨秋に独自ルートで入手した工事業者の設計図では、二つの「保管庫」の面積が異なっていた。一つは四メートル四方だったが、もう一つは五十四メートル×五十三メートルと約百八十倍もあった。

 「施設整備概要図」の完成イメージ図を改めて見ると、「保管庫」の場所には四角すい状のものが確認された。韓国や沖縄本島の米軍基地で見た弾薬庫とそっくりだった。実際、工事が進むと、弾薬庫を覆ったとみられる盛り土が現れ、入り口らしき場所の外には、爆発した際に被害を食い止める土堤も築かれた。

 清水さんらは那覇市でのヒアリングでも、その二日後の東京・参院議員会館での防衛省職員からのヒアリングでも「弾薬庫でないのか」と追及したが、防衛省側は「自動小銃などの小火器を入れる保管庫で弾薬庫とは違うと言い張った

 しかし、駐屯地の発足式から三日後の三月二十九日、防衛省は取材に「小さい方は発炎筒や導火線などを入れる保管庫だが、もう一つは誘導弾などの弾薬を詰め、周りをコンクリートで覆い、盛り土をする弾薬庫だと明確に認めた

 清水さんは「事実を隠し、虚偽説明を続けたのは許せない。弾薬庫のすぐ横には給油所があり、百メートルほど離れた場所には民家がある。非常に危険だ」と憤る。

 地元の市民グループ「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」共同代表の石嶺香織さん(38)は「防衛省は、住民に事実を明らかにして説明する義務がある。『住民を守る』と言いながら、実際は安心できない生活環境を押し付けている沖縄戦の記憶から弾薬庫が真っ先に攻撃されるのは明らか再び島が標的にされる」と訴える。

 駐屯地周辺の野原(のばる)自治会が配備反対から事実上の容認に転じた際の会長だった平良信男さん(57)は「防衛局は発射装置だけで弾薬は一切置かないと説明し、自治会も容認に転じたが、話が全然違う防衛局は島民にうそをつき続けた」と悔しがる。

 同自治会の仲里千江美さん(68)は「政府は何度も『沖縄の基地負担軽減』を繰り返すが、宮古島では、島民の基地負担はますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのものだ」と非難した。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/404799

社説[宮古島駐屯地に弾薬庫]住民愚弄する虚偽説明
2019年4月4日 05:00

 陸上自衛隊宮古島駐屯地(千代田地区)に弾薬庫が整備され、中距離多目的誘導弾(ミサイル)や迫撃砲を保管していたことがわかった。

 防衛省はこれまで駐屯地には「小銃弾等」しか保管せず、弾薬庫は造らないと明言してきた。虚偽説明であり、弾薬庫を撤去すべきだ。

 宮古島駐屯地では宮古警備隊(380人)が新設されたばかりである。

 岩屋毅防衛相は記者会見やその後の衆院安全保障委員会で「(配備部隊の)標準装備だったので説明が必ずしもしっかり行われていなかった」などと陳謝した。

 岩屋氏の釈明を額面通りに受け取るわけにはいかない。

 2016年に当時の防衛副大臣が来島し、下地敏彦市長に、千代田地区への弾薬庫の整備を否定した。

 地元の市民団体が昨年12月に提出した「千代田に弾薬は置くのか」との質問に対し、防衛省は今年1月、「誘導弾を保管する弾薬庫は整備しない。警備等に必要な小銃弾等の保管庫を整備する計画」と文書で明確に否定している。

 意図的な隠蔽(いんぺい)というほかなく、住民に対する裏切り行為」である。

 岩屋氏はこれら弾薬をいったん宮古島の島外に搬出すると言っている。当然である。防衛省の隠蔽体質をみれば住民らの立ち会いが必要だ。

 うその説明を続け、秘密裏に弾薬を持ち込む防衛省の姿勢は住民を愚弄(ぐろう)するものである。自衛隊の受け入れを容認している下地市長も毅然(きぜん)と説明を求めるべきだ。

    ■    ■

 19年度以降、地対空・地対艦ミサイル部隊が配備され、隊員は最終的に700~800人になる見通しだ。

 当初、駐屯地に反対していた野原(のばる)、千代田両部落会は駐屯地の整備が始まっていたことから、自衛隊員の部落会への加入や公民館の建て替えなどを要望し、事実上容認に転じた経緯がある。両部落会はミサイルを保管する弾薬庫を整備しないことや、ヘリパッド(着陸帯)を設置しないことを求め、防衛省もその姿勢を示していた。着陸帯はオスプレイ飛来の懸念からだ。だが駐屯地グラウンドが緊急時に着陸帯機能を担うことが判明。今回弾薬庫の存在が明らかになり、両部落会の約束は反古(ほご)にされた。

 宮古島は飲料水のすべてを地下水に頼る。洗浄剤や薬剤が地下水を汚染する不安が拭えない。神的なよりどころとなる御(ウ)嶽(タキ)も大幅に削られている。島で生活する住民に与える影響は計り知れない。

    ■    ■

 防衛省は弾薬庫を城辺の採石場「保良鉱山」に計画し用地取得に向けて調査している。弾薬を集約する考えだが、完成時期は見通せない。隣接する保良、七又両部落会は、生命に関わり「危険極まりない」と反対決議をしている。

 自衛隊の配備には、地元の理解と協力が欠かせないはずである。防衛省は説明責任を尽くし、住民の疑問に真摯(しんし)に答えるのが最低限の務めである。それなのに逆に情報を隠蔽し、約束を破って弾薬庫を整備す。「だまし討ち」のようなやり方は、住民の反発を招くだけである。
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●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》

2019年04月04日 00時00分59秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



AERAの桐島瞬氏による記事【宮古島の軍事要塞化に募る懸念 有事に「島中が敵の標的」リスクも】(https://dot.asahi.com/aera/2019031900089.html)。

 《宮古島への陸上自衛隊配備が3月中に始まる。だが島が軍事要塞化していくことへの島民の懸念は消えない》。

 宮古島や石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。《アメリカが中国の軍事的脅威に対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想》…宮古島など南西諸島を番犬様らのために差し出し、「防波堤」にしようとしています。与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた国防のため政府に翻弄されている》。
 記事によると、宮古島の隊庁舎の現場でも《地盤の硬さを示すN値がゼロでマヨネーズ状だ》そうですよ。辺野古破壊の現場と同じ。防衛省は正気なのでしょうかね?

   『●言いすぎを謝罪・撤回した石嶺香織宮古島市議…
       もはや「見せしめ」、「卑劣」なイジメ、あざとい「狙い」
   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

   『●米中戦争の「防波堤」: 
     与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?
   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
       「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                      「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
    《島中央部では、陸上自衛隊宮古島駐屯地(仮称)の隊舎などの工事も始まり、
     近い将来、警備部隊やミサイル部隊などが配備される。
     「島では軍隊と『カジノ』がやってくるとささやかれています」。駐屯地前で毎朝、
     抗議活動をしている上里清美さん(62)が皮肉交じりに語る》

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督
               …「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
    《一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くすと述べた。嘘だ
     政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。
     石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の
     配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に
     陸自配備受け入れの方針を正式に表明した》

   『●「武力によって平和を創造することはできない」…
         「真の平和をつくっていく…「憲法宣言」を採択」
    「《石垣島宮古島への陸上自衛隊配備などを念頭に
     「沖縄の基地負担への影響が大きい」》…壊憲が及ぼす影響は、
     沖縄では計り知れない。「森」を殺し、「美ら海」を殺し続け、沖縄の
     市民を分断、基地から出撃する番犬様は「人」を…。
       沖縄の地で、《「武力によって平和を創造することはできない」とし、
     日本国憲法の精神米軍基地のない平和を求める沖縄の心
     大切にし、真の平和をつくっていくことを掲げた「憲法宣言」を採択》
     にも肯ける」

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《先島諸島と呼ばれる沖縄県南西部の島々が自衛隊配備で揺れて
     います。蘇るのは戦争による悲劇の記憶です…宮古島には
     七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と警備部隊を
     配備する計画です。地元では…住民の意見は割れているのが実情です。
     …有事には自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する
     声が聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
     大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患して亡くなり
     ました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。同じく
     大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、船が米軍に
     攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 
       《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?
    「子どもさへSLAPPSLAPP)する国・ニッポン。こんな国でいいのですか?
     宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。
     答えは一つだけではない」

   『●事実誤認の常習犯…《聞きたくない質問、
      都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視…》
    《進む米軍との一体化、つけは子どもたちの世代へ…弾一発1.6億円する
     巡航ミサイルの導入、護衛艦いずもの「空母化」など、専守防衛を
     逸脱する動きは加速し、沖縄本島には新たにミサイル部隊が配備され、
     宮古島には巨大な弾薬庫をつくることが決まりました》

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https://dot.asahi.com/aera/2019031900089.html

宮古島の軍事要塞化に募る懸念 有事に「島中が敵の標的」リスクも
桐島瞬 2019.3.21 17:00 AERA #沖縄問題

 宮古島への陸上自衛隊配備が3月中に始まる。だが島が軍事要塞化していくことへの島民の懸念は消えない。

【弾薬庫が置かれる保良の射撃訓練場は、集落の目の前】

*  *  *

「3月2日、平良港に100台ほどの陸上自衛隊車両と50人ほどの隊員を乗せた船が入ってきました。いよいよ来たかという感じです」

 宮古島への陸自配備に反対する市民で作る「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子事務局長は、怒りを含んだ声でそう話した。

 沖縄は名護市辺野古だけでなく、宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている。宮古島など南西諸島への陸自部隊配備は、2013年12月に閣議決定された防衛計画の大綱中期防衛力整備計画で打ち出された。中国の海洋活動の強化や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の動きを念頭に、空白地域となっている南西諸島に部隊やミサイル配備を進めるのが狙いだ

 計画では、奄美大島宮古島石垣島に、警備部隊、地対艦(空)誘導弾部隊を合わせて合計2千人規模で配備を進める。このほか与那国島には、すでに16年3月から160人規模の沿岸監視隊が置かれている。

 宮古島に造られるのは2カ所の施設だ。島の中央部に近い上野野原に隊庁舎、東側の保良鉱山跡地に弾薬庫や射撃訓練場を置く。このうちの隊庁舎がほぼ完成し、今月26日には開所式が開かれる予定だ。

 だが、問題も多い。防衛省が調べた建設現場の土質調査結果を琉球大学工学部の複数の研究者などが分析したところ、地盤の硬さを示すN値がゼロでマヨネーズ状だと分かった。同じ軟弱地盤は、米軍普天間飛行場の移設先となる名護市辺野古の建設現場でも表面化し、改良工事を行うことが決まったばかり。

 土質調査資料を分析した土木技術者の奥間政則氏が説明する。

「700トンの燃料保管施設が置かれる地下部分に、軟弱地盤と空洞が見つかりました。島には活断層が走り地震が多いため、揺れで施設が傾くなどのリスクがある。島の水源は地下ダムですが、地震で燃料タンクが損傷して油漏れが起これば、深刻な影響を及ぼすことになります」

 また、これから工事が始まる保良地区では、防衛省の住民説明会が行われるより前の17年12月に部落会が建設に反対する決議を出している。昨年11月には防衛省との間で交渉が行われたが、納得できる説明は得られなかった。保良地区で基地に反対する住民の会の活動をする下地博盛氏が言う。

「基地から保良の集落まではわずか200メートルほど。弾薬が暴発したら住民が身の危険にさらされます。ところが、防衛省に弾薬の保管量や集落との安全が保たれる保安距離を尋ねても『機密に触れるから具体的な内容は言えない』の一点張り。建設容認など到底できません」

 さらに清水氏は、島の軍事要塞化に危機感を募らせる。

「内閣府は平良港を大型クルーズ船が接岸できるよう整備することにしましたが、これは米軍の護衛艦が接岸できるようにするためだとも言われています。上野野原の隊庁舎には弾薬を保管することも最近分かりました。軍事施設が広がれば有事の際に島中が敵の標的になる。建設容認派は声を上げても変わらない現状に諦めただけで、本音は反対の人が多いのです」

 一方、防衛省は軟弱地盤について、「関係法令に基づいて適切な建設工事をしている」と安全性を強調。隊庁舎の弾薬庫は「警備に必要な小銃弾などを安全に保管するための保管庫。誘導弾を保管する弾薬庫は整備しない」(報道室)と話す。

 沖縄県議で宮古島の自衛隊配備の問題に取り組む亀浜玲子議員が言う。

「防衛省は当初、造成工事だけ進めると話していたが、納得いくような住民説明もしないまま結局は基地を造ってしまった建設ありきのこうした姿勢を許すことはできません」

(ジャーナリスト・桐島瞬

※AERA 2019年3月25日号
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●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備: 《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?

2018年12月20日 00時00分19秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古高江〉撮影日誌 第85回:地図の上から島人の宝は見えない~市民投票に立ち上がる石垣の若者たち~】(https://maga9.jp/181121-1/)。

 《もう一つはまだ条例制定の署名が始まったばかりだが、石垣島への陸上自衛隊ミサイル部隊の配備の賛否を問う石垣市民だけの住民投票…。…つましい生活を守りたいだけの、人々のささやかな暮らし削るショベルカーは、ずっとこの地域で唸り声をあげている。なんて無力なんだ…魅力や可能性を感じる新しい力が結集してきたことに希望を感じた。それは、今回石垣市民投票の立ち上がりを目の当たりにして、なおさらはっきりと感じた》。

   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ
    「マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第71回:
     高江から宮古島へ~雪音さんと育子さんからのエール~】(…)」
    《『標的の村』の主人公、高江の安次嶺雪音さんと伊佐育子さんだ。
     …そう思って特集を連打し、放送用ドキュメンタリーの限界を超えよう
     と映画にまでして突っ走ってきた私は、「結局は止められなかった
     という現実に、正直に言ってまだ向き合えていない。…でも、
     ひしゃげている私にもわかることがある。これから自衛隊の
     ミサイル基地建設着手、という局面を迎える宮古島石垣島で、
     何とかそれを止めようともがく人々にとって、
     高江の人たちは大事な存在になるということだ》

 アベ様らの何が何でも破壊する愚行を、何とか止めたい。
 《辺野古の基地建設の是非を問うもの…その前段に沖縄全体でこれから取り組む県民投票について触れないわけにはいかない。しかし、この話題になると私は筆が進まない》…「本土」からではありますが、ブログ主も《県民投票》に対してどうしても前向きになれなかったのですが…このコラムを読んでみて、少し気が変わってきました。何とか良い方向に向かってほしいと思います。

   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
    「米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリの窓が落下…
     しかも、子供たちの居た小学校の校庭に。沖縄の人々、特に、
     子を持つ親としての願いは、《子どもを園庭で遊ばせたい
     《当然の日常がほしいだけ》。そんなささやかな願いさへ、
     いつまでたっても叶わない、沖縄」

 平気で、幼き娘さんの愛する《菩提樹》を切り倒すのか? とても、とてもささやかな願いさへも打ち砕き、人々を分断してゆく…。子どもさへSLAPPSLAPPする国・ニッポン。こんな国でいいのですか? 宮古島石垣島に《標的の島》を押し付けて恥じぬ「本土」…。答えは一つだけではない。

   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督
     ・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』


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https://maga9.jp/181121-1/

第85回:地図の上から島人の宝は見えない~市民投票に立ち上がる石垣の若者たち~三上智恵
By 三上智恵  2018年11月21日



《石垣島住民投票へ》(https://youtu.be/XvwN9PRLP1s

 今、沖縄では二つの住民投票の手続きが進んでいる。いずれも軍事基地の建設に絡むものだが、一つは、辺野古の基地建設の是非を問うもので、すでに10月30日に公布された県民投票条例に基づいて来年2月に実施予定。そして、もう一つはまだ条例制定の署名が始まったばかりだが、石垣島への陸上自衛隊ミサイル部隊の配備の賛否を問う石垣市民だけの住民投票だ。

 今回は、たぶん全国にはほとんど伝わっていないけれど、とても面白いことになっている石垣の住民投票のことを書くつもりなのだが、その前段に沖縄全体でこれから取り組む県民投票について触れないわけにはいかない。しかし、この話題になると私は筆が進まない。だからマガジン9の読者の皆さんにも、今年5月から署名が始まっているのにその動きを全くお伝えできていない。それはなぜなのか。少し書いてみる。

 この4年の流れを思い出してほしい。何があっても辺野古は造らせないと公約した翁長雄志知事が当選し、国政選挙では辺野古容認の議員がゼロになるほどはっきり民意を示しても政府は全く態度を変えなかった。次の手段は埋め立て承認の取り消しだったが、その効力を国に取り消され、県と国の対立構造は深まり、法廷闘争になっていく。並行して取り組まれたあらゆる行政、市民運動各レベルの抵抗。国内外の学者文化人からの応援も、全国から辺野古基金へのカンパも集まった。しかし、国はさらに圧力を強めて高江ヘリパッド工事の強行リーダーらの不当逮捕に長期拘留と抵抗する人々を弾圧した。

 そして、じりじりと護岸工事が加速し辺野古の海が灰色になっていく中で、「県民投票をしてはどうか」という提案がオール沖縄をけん引する側から出てきたときに、現場に歓迎する声はほぼなかった。私も、とてもじゃないが飛びつける話じゃないと思った。両刃の剣になりかねない。リスクも小さくはない。知事がいつ、「撤回」のカードを切ってくれるのか、と疲労困憊の体に鞭打って工事現場で抵抗する人々からすれば、知事や県が動かないで、県民投票という下からの運動をさらに盛り上げていけと言われても、もう余力などない、と泣きたい気持ちだったと思う。そして辺野古に反対する者同士なのに「県民投票」をめぐる意見の対立で有力者が離れていくなど、「県民投票」は心労の種ですらあった。

 私は個人的に「住民投票」へのアレルギーがある。1996年の県民投票と97年の名護市民投票をがっつり取材して報道して、「住民投票」という新たな民主主義の手法に大いに期待し、法的拘束力がないという欠点を超えていく可能性を信じてエネルギーを注いだものの、「基地はたくさんだ」という民意を示したところで、それが何の役にも立たなかったと認めざるを得ないその後の展開を一つひとつ、何年もかけてまた自分で報じていくことになった。その苦さを忘れることができない。「あの住民投票は、いったい何だったのですか!」と泣きながら叫んだ名護市民たちの修羅場をいくつも取材しながら、私も一緒に悔し涙を流してきたのだ。あの時は今より若くて、すぐに希望を持ったり信じ込んだりした。だから落胆も並じゃなかった。もちろん、私以上に傷ついた人たちが大勢いた

 住民投票の中心人物だった男性で、東海岸の自然を生かした開発の絵図を描いていた方を私は取材していた。名護市民が住民投票で堂々と辺野古基地建設にNOを突きつけたとき、一緒に歓喜した。これで苦しみは終わる。ジュゴンの見える丘を中心にハングライダーやエコツアーでみんなが笑顔になる地域づくりも夢ではないと思った。しかし当時の名護市長が住民投票の結果を完全に無視してその直後に基地受け入れを表明し、事態は急展開した。その男性が自殺を図ったと聞いた時には凍り付いた。幸い命はとりとめたものの、すっかり無口になり、もとの元気な姿をみることはなく、早逝された。

 私は仏壇に手を合わせながら、その時は歯ぎしりしながら耐えて、奥さんに挨拶して車に戻ってから号泣した。彼の人生を削り取った犯人は誰だ。それを突き止めて、謝らせて土下座させて、二度と同じことをするなと言いたい。でも犯人を挙げることは私になかなかできなくて、つましい生活を守りたいだけの、人々のささやかな暮らし削るショベルカーは、ずっとこの地域で唸り声をあげているなんて無力なんだ。彼の家の前を通るたびに、今も私は息を止め、一通りここに書いたような荒れ狂う記憶をやり過ごす。わたしにとって「住民投票」はその体験の中にある。

 そんな後ろ向きな私の話はこの辺にして、今の勢いのある話をしよう。県民投票を求める市民団体の中心に元シールズの元山仁士郎君をはじめ若い人たちが入って、疲れた大人たちをしり目に今年の春から独自に動き出したのだ。県内大手スーパーが賛同して各店舗の前で署名活動ができ、これまで既存の辺野古反対運動の輪には入っていなかった市民たちが一票を投じ始めた。新聞の投書にも、私たち一人ひとりの意見を表明する機会を歓迎したいという声が増えてきた。過去の傷とか、疲弊した大人たちとか、どうせ……なんて言ってみたくなる私のような弱虫が足踏みしてる間にも、彼らは実に頑張って10万もの署名を提出するに至った(有効署名数は9万余り)。

 この間に現職知事の病死、玉城デニーさんの当選など予測不能の激動があって、県民投票の位置づけも当初とはずいぶん変わった。でも何より、私にとってはシミがついて擦り切れて見える住民投票という手法に対し、魅力や可能性を感じる新しい力が結集してきたことに希望を感じた。それは、今回石垣市民投票の立ち上がりを目の当たりにして、なおさらはっきりと感じた。負の歴史を見すぎた濁った水晶体では見えてこない世界を見せてもらった。

 「住民投票なんて、危険よ。相手にこっちの手の内を教えるようなもの」

 石垣島の自衛隊ミサイル基地建設に早くから反対の声を上げてきた山里節子さんは、以前から住民投票否定派だった。白保の海を守る運動の中心にいた節子さんは、安易に署名活動に手を出すと命とりだと警戒していた。実際、自衛隊配備問題をめぐってはすでに一度、石垣市議会に必要数をはるかに上回る1万以上の署名が提出され、6月に条例制定の審議が行われたが、誘致派の与党会派が優勢のため13対7で否決されている。今の議会構成の中ではいくら署名を集めても否決されるのに、反対する人たちの名前と住所など個人情報を相手に教えてあげたようなものだと節子さんは冷ややかだった。

 しかし先月末、「石垣島の自衛隊基地 年度内着工」の記事が一面を飾った。来年度から環境アセスの条件が変わり、基地建設もアセスが義務付けられることから、駆け込みで着工するだろうと予測はしていたものの、中山市長の受け入れ表明に続きいよいよ動きが慌ただしくなってきた。しかし同じ頃、石垣の自衛隊配備予定地に近い於茂登、嵩田の農家の息子たちを含む20代の若者が中心になって「石垣市住民投票を求める会」が立ち上がったというニュースも入ってきた。代表を務める金城龍太郎さんのことはよく知っていた。署名開始の大集会をやるというので、私は早速石垣に飛んだ。

 空港まで迎えてくれた山里節子さんは、その前日に起きた出来事に憤懣やるかたない様子だった。配備予定地に隣接する4つの字は反対しているにもかかわらず、人目を盗むように測量が進められていた。その印があちらこちらに出現して包囲網が狭まっていく中で、予定地のど真ん中なのに用地提供を拒否している「ダハズ農園」の草木が勝手に伐採され、測量に入られていたことがわかった。農園主の木方さんは激怒して防衛局に説明を求めたところ、担当の業者が分からないなどと1ケ月放置されて、その日ようやく防衛局の担当者が農園にやってきたという。木方さんを一人にしてはいけないと、節子さんや周りの農家の人たちなどが急遽立ち会う中、説明を聞いたが「測量はしていないという認識だ」など、のらりくらりとかわすだけで、文書による謝罪を要求したものの誠意のない対応だったという。

   「オン・アラートで、いざ! という時にぱっと集まれる人を増やさないと
    だめね。おばあたちは何人かは行けるけれど……。こんなやり方じゃ、
    辺野古で闘っている方々には呆れられちゃうわ。お行儀が良すぎる、
    石垣の人は」

 業者が来たら、ガンガンガン! と銅鑼を鳴らして村人を結集させ、白保空港建設の阻止行動を闘い抜いた経験があるだけに、80歳を数えても節子さんには熱量がある。自らも戦争マラリアで苦しみ、家族を失った節子さんは「南西諸島防衛」の名のもとに自分たちに降りかかった辛酸の正体をずっと睨みつけて生きてきたのだ。生まれ島がまた毒牙にかけられてたまるか! という覚悟がある。

   「ダハズ農園の木方さんはおとなしい方。でも三上さん。
    彼の大事な、娘さんの誕生を祝って植えた木があるの。それを見てきて。
    彼は絶対その木を切らせたくないのよ

 節子さんと農園を訪ねると、木方さんは快く案内してくださった。そして昨日、ここで行われた防衛局とのやり取りを悔しそうに再現してくれた。自分の農園が自衛隊基地のど真ん中に来ることが分かった3年前から、心労は絶えない。土地は絶対に提供しない、と伝えてからずいぶん音沙汰なかったので、計画が変わって予定地から外れたのだろうと思いかけていた。ところが9月に、無断で伐採やマーキングが行われていたことが発覚した。6歳になる娘は、農園に来たら真っ先にその菩提樹に向かって走り、これ私の木よね? と抱き寄せるそうだ。ここで撮る家族写真の蓄積は、木方さんたち家族が生きている証でもある。いったい誰に、大事な家族の営みをぶった切る権利があるというのだろうか?

   「まるで僕たちは透明人間のように、いないもののように扱われている
    防衛局の人たちは痛みはないのか。娘に、なんでこの木を切るの?
    と聞かれて答えられるのか。ここに、繊細な感情を持った人間が普通に
    生きているんだということをわかってほしい」

 そう言って涙を落とす父親の姿を私のカメラがとらえる。ごく普通に家族で娘の成長を祝う幸せを誰かが奪うそれは表面上は無断で敷地に入った業者であり、知っててそれを指示した防衛局員である。この動画を見る人は木方さんに同情し、防衛局のやり方を憎むだろう。しかし、石垣島がどこかも知らない日本の多くの国民が、政府の考える国防を肯定し、南西諸島に実力部隊を置くことは自分たちの安心だと思っている。アメリカ軍でもいい、自衛隊でもいい。中国も怖いし北朝鮮もまだまだ怖いってテレビで言ってたし、備えあれば、ね……。と漠然と思っている。

 菩提樹を見て泣く父親の映像は、できれば見たくないだろう。誰が悪いのか、周りまわって自分だなんて話は全く聞きたくもない。というわけで、私が石垣島のことを書くと、その記事のアクセス数はいつも割と低い。でも、娘を思う父の想いを踏みにじってまでも安全保障という果実を貪り食いたいとは思わない! と言ってくれる読者もいるだろう、そう信じて動画を編集する。だからこの動画はぜひ見てほしい。

 そして今回のハイライトは、市長も市議会も自衛隊容認という逆境の中で、大事なことはみんなで考えよう、島の未来は自分たちで決めよう、と立ち上がった20代の若者たちの姿である。それは、動画の後半をじっくり見てもらいたい。代表の金城龍太郎さんは、実は3年前から取材している嵩田のマンゴー農家、金城哲浩の息子さんで、彼が留学先のアメリカから戻って農業を手伝い始めた25歳の時に長々とインタビューをさせてもらった。穏やかで口数は少ないけれども、笑顔が印象的な青年だった。世界の国々から戦争の恐怖をなくしたいと国連の職員になりたいと思ったこともあったという。でも生まれた島と農業に正面から向き合っていきたいと、石垣に戻ってきたと話してくれた。ハウスの中で柔らかい光を浴びながら両親と3人でマンゴーの世話をする姿が何か美しい絵のようだった。それでも、自衛隊の話になると彼の顔は曇った。

   「同級生にも入隊した人が何人かいて。その話は同年代でもなかなか……」

 もう一人、『標的の島 風かたか』の中に登場する青年がいる。当時、於茂登の公民館長だった嶺井善さんがウコンの畑で若者に指導する場面だ。嶺井さんは、地域の若者が農業を覚えてここで暮らし、結婚し、子どもを育てる。そうならないと僕たちの地域がなくなってしまうからと、後輩の育成に余念がなかった。そこでトラクターを持っていたのが、伊良皆高虎さん、当時25歳だった。その時に高虎さんは、たまたま同級生の龍太郎さんの話をしてくれた。とても優しくて人格者で、英語もできて、将来は島を背負う男になるというような話だった。私は、ずいぶん仲よしで、お互いに農家の跡取りとして助け合ってるいい関係の二人なんだなあとしか思っていなかった。でも今回、住民投票を求める会の代表になった龍太郎さんを見て、どこにこんな力があったのかと目を見張った。

 ♬
 話そうよ 話そうよ    今日の出来事 未来の夢
 咲かそうよ 咲かそうよ  色とりどりの花 みんなの心に
 話そうよ 話そうよ    大切なこと 島のこと


 「市民大署名運動会」と題したイベントは歌から始まった。ハルサー(畑人)ズ、というバンドを、金城龍太郎さん、伊良皆高虎さん、そして白保の宮良央さんという農家の3青年で組んでいて、この歌は龍太郎さん作だとか。運動会に見立てた署名開始セレモニー、生演奏に、オリジナルビデオでは笑いも取りながら署名集めのルールを会場に伝えるなど、若手の手作り感あふれる集会は終始笑い声に包まれた。この種のイベントには足が向かない人たちも覗いてみたくなる、まつりのような明るさで、住民投票にネガティブな私の心も晴れてきた。法的拘束力はないけど? 市議会で否決されたら? とか意地悪な質問をしてはみたけど、それが場違いだと思えるほど肯定的な空間だった。そのパワーは、眉間にしわを寄せていた節子さんの表情の変化を見ても明らかだろう。頑張ってきた島のお年寄りたちもどんなに救われたことか。

 元気をもらって沖縄本島に帰ろうとした翌日、地域の雑誌に投稿した龍太郎さんの文章を読んで私は頭を殴られたような気がした。「闘う農民のバラッド」というタイトルで彼が島の未来を思って書いた長文。その中にこんな一文があった。

   「もし僕が死んだら、この世の権力によって殺されたんだと思ってください。
    一応冗談です」

 父親の哲浩さんは、「表に立つな」と彼を止めたという。狭い社会の中で顔と名前を出して国家権力と対峙する。お父さんも自衛隊問題が勃発した時の公民館長としてずっと表に出てきただけに、国からだけでなく島内からも飛んでくる矢の痛みをよく知っている。それは傍で見ていた龍太郎さんこそ誰よりわかっているだろう。この明るい運動会の背景にはどれほどの覚悟があるのか。彼らはこの3年でそこまで追い込まれたのだ。結局、私たちの世代は、基地の島の苦しみを次の世代に引き渡したに過ぎないのか。この3年、先島の軍事基地化を全国に知ってほしいと頑張ってきたことも、次世代の防波堤にはならなかったのか

 実は、今回は女の子たちの声も取材しているが出さなかった。すべて覚悟して名前も顔も出す、と決めた3人までにしてほしいという声があったからだ。賛成でもいい、反対でもいい、中立でもいい。でも、島の未来を考えようぜ? と問いかけることが、なぜ「すべてを覚悟」するほど悲壮なことになってしまうのか。しかし前半に書いたように、悲壮なのだ国策に盾をつくこと折れていく周りを見ること無関心という暴力に打ちのめされ、人を信じられなくなること。「基地を造らないで」という闘いは、尋常な神経で長期間向き合い続けられるものじゃない。だからこそ、例えば辺野古の闘いの20年が、石垣や宮古の軍事化に抵抗する人たちの土台になり、身体を投げ出して頑張ってきた大先輩たちの築き上げた台地の上から、次世代の若者たちにはずっとましな闘い方をしてほしいと願う。せめて汗と涙の蓄積は彼らをいくぶん楽にしたと思いたい。しかしそんなことも老兵の部類に入った私レベルの、安っぽい自己肯定願望なのかもしれない。

 でも、今回分かったことは、彼らは本気で何もかも受け止めるつもりで、なおかつ明るく楽しくやろうと決めたということだ。「ビギン」や「きいやま商店」を生んだ石垣島はほかの島とは違う。ハルサーズが音楽でこれをやれるのは、それこそ島人の宝を受け取った島の若者だからこそ。芸と情けの島の本領を、まだ私などは知っちゃあいないのだ。

 「ちょうどよい。盾になるからこの島々にミサイルを置きなさい」と言ったのは、遠い安全な大陸から太平洋を牛耳りたいと思う権力者たちなんだろう。「となりの国が怖いし、この島なら回りも海だから我慢してくれ」と同意したのは、73年前の出来事を反省する力もないこの国のトップなのだろう。「とにかく警備員が多い方が、安心じゃない?」と思考停止した多くの国民がそれを可能にしている。しかし、みんな地図の上に浮かぶ小島のことを、何にも知らないこの島の宝を知るはずがない。それを知っている島人で島の未来を決めよう。彼らの主張はどこまでも正しく、真理であり、最大限に尊重されるべきだし、何の心配もなく最後までやり遂げる環境を作る手伝いを、せめてやらせてくれまいか、と思っている。

 ………。
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コメント (2)
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●「将来の子や孫の世代が、あの時、つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ」、と…

2018年10月06日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌/第83回:ぬちかじり~命の限り抵抗した翁長知事が逝く~】(http://maga9.jp/180822-5/)。

 《私も報道畑が長く、物事を冷静につい斜めにみる癖のついた人間だ。それでも、「辺野古だけはやめてという沖縄県民の想いの先頭に立って体を張っている大きなリーダーのもとで、いつの間にか勇気づけられながら、撮影をしたり発言をしたりしていたのだ。そのことにやっと気づいた。私でさえ、守られていたのだ。過去も現在も未来も沖縄を踏みつけてはばからない能面のように冷たい日本政府に対し、堂々と正論を言い、私たちの人権、生活環境を守るために、誰より先に矢面に立ってくれるリーダー、それを外側から描きだす仕事をしているつもりだった。けれども私は、大きな盾を失った当事者としてうろたえるような悲しさに襲われていた。ようやくわかった。私は紛れもなく一県民として、あなたしかいないと期待し、お願い、頼む! とすがるように応援していた人間だったのだ。ほかの県民と全く同じように》。

 翁長雄志さんの御言葉の一つ、「いま、国と対峙する厳しい局面を迎えているけれども、私たちのうやふぁーふじ(先祖)が味わった辛酸に比べれば大したことはない。ましてや、将来の子や孫の世代が、あの時、つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ、と言われることを想像してみたら、こんな苦労なんて苦労のうちには入らない」。そして、《沖縄のおじいたちは教えてくれた。「勝ったかどうかじゃない。闘ったか、闘ってないか。それが大事なんだ。それこそが、子や孫へ贈る財産なんだ」》と。
 映像の中で、山城博治さんは「いばらの道の只中にいます」と仰っています。
 2018年9月沖縄県知事選、大変に厳しい状況。でも、《将来の子や孫の世代が、あの時、つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ》と言ってもらえるかどうかの瀬戸際。
 鈴木耕さんのご意見、《さまざまな意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ一丸となって闘うことを、ぼくは切望している》…に賛成。
 《翁長知事は、奇しくも、最後は自らの「死」をもって目前に迫った土砂の投入を止めた形になった》なんて、せつな過ぎる。翁長雄志さんの遺志を継ぐのはどちらか、それは明白。「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補は、名護市長選同様、「辺野古の「へ」の字も出さない戦術」。アベ様や最低の官房長官の最たるデマ「辺野古が唯一の解決策」に騙されてはいけない。「普天間撤退≠辺野古破壊」です。
 …そして、大変に嬉しいことに「#美ら海の色の候補者玉城デニーさんが選挙に勝ち、新たな沖縄県知事に選ばれました。もし負けていたら、沖縄は大変なことになっていたことでしょう。

   『●宜野湾市長選: 直近の沖縄主要選挙で5連敗目をアベ様に
   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
           翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

   『●翁長雄志さん「那覇市長として…東京のど真ん中で体感した
                 むき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という」
    「アベ様の取巻き連中による様々な沖縄イジメ・沖縄ヘイトを含め、
     《安倍政権が陰湿ないじめ、報復》に対しても、《折れない、
     言うことをきかない翁長知事》は、真の意味での沖縄の市民の立場に立つ、
     真の保守政治家だった」

   『●翁長雄志さん「保守は保守でも自分は沖縄の保守。
       本土の保守政権に対して言うべきことは言う」が口癖
   『●沖縄を分断・破壊し尽すような日本会議系・  
      自公系候補者では絶対にダメ! 玉城デニーさんを沖縄知事に!
   『●日本会議系バリタカ派知事など絶対にダメ!…
       「死してなお曲げられない正義というものを教えてもらった」
   『●《やまと社会への同化…
       「同化は差別する側に移るだけで、差別自体はなくならない」》
   『●《琉球アイデンティティー》が失われる危機… 
       日本会議系バリタカ派自公お維候補に投票しては絶対にダメ!
   『●「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」が誕生すれば、
               翁長さんの遺志は踏みにじられ、辺野古破壊…
   『●辺野古破壊「新基地建設容認の“安倍政権傀儡知事”が誕生」ならば
                         …沖縄の未来は閉ざされてしまいます
   『●沖縄県知事選、両候補の「選挙の色」がくっきりと見えてきた 
                    …「#美ら海の色の候補者」はどちらか?
   『●「…意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ
                一丸となって闘うことを、ぼくは切望している」

   『●「#美ら海の色の候補者」…「辺野古に普天間の代わりの
            新基地をつくるという根本的な理由」が存在しない
   『●鈴木耕さんの言う《「期日前投票制度」の落とし穴》が気になる…
                    血判状・恫喝な瓶三親分らは何でもやる…
   『●「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」
       「#カネ色の候補者」はアベ様の御得意の政治手法を導入済み
   『●カネ色の「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補者の
                      デタラメが横行、コレに勝てというのかょ
   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…

                   「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
   『●鈴木耕さんの言う《「期日前投票制度」の落とし穴》が気になる
                 …血判状・恫喝な瓶三親分らは何でもやる…
   『●沖縄県知事選「象とアリの戦い」…
      「象」は最大の争点で旗幟不鮮明、「辺野古が唯一の解決策」を強制
   『●玉城デニーさん勝利…でも、アベ様や最低の官房長官らは
            すぐにでも辺野古破壊を再開しても不思議ではない

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http://maga9.jp/180822-5/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第83回: ぬちかじり~命の限り抵抗した翁長知事が逝く~
By 三上智恵  2018年8月22日



https://youtu.be/5nNBg61TINg


 「なまからどー! ぬちかじり、ちばらなやーさい!
 (これからですよ。 命の限り頑張りましょう!)

 集会のたびにそう呼びかけ、県民の喝さいを浴びていた翁長知事。その翁長知事が、逝った。

 政府が何が何でも辺野古の埋め立てを開始すると宣言していたXデー、8月17日を10日後に控え、翁長知事は突然旅立ってしまった。すい臓ガンが相当体を痛めつけていることは誰の目にも明らかだった。しかし「たとえ倒れることになっても」11月の知事選に立つのだと周囲に見せている気迫はこれまで以上だと聞いて、悪性リンパ腫から生還した山城博治さんのように驚異的な精神力で病を克服してくれるものと信じた。が、8月8日、翁長雄志知事は天に召された。私は神を恨む。なぜこのタイミングで、彼を連れ去ったのか。

 新作の映画『沖縄スパイ戦史』が各劇場で順次公開され、各地で舞台あいさつに回っているときに訃報に接した。広島の横川シネマで詩人のアーサー・ビナードさんとトークに入るとき、映画が始まる直前に知事が亡くなったことを伝えた。会場はどよめいた。アーサーさんの大きな目にも涙が溜まっていた。

 「たぶん、他府県の知事という存在とは…違うと思うんですね」。私は地方自治法も適用されなかった米軍統治下の沖縄で、沖縄の人々がどれだけ、自分たちの手で自分たちの知事を選ぶことができたらと悔しい思いをしたのかを説明しようと試みた。移住者である私でも何かをえぐり取られたように感じているこの喪失感の説明をしようとした。

 「だから、知事というよりは国王? かな? まあそれも違うけど(笑)、損ばっかりしている沖縄のために、家族を守るためにいつも闘ってくれる人。それはお父さんですよね。だからお父さんを失ったような。最後まで気を張って、楽にしてあげることもできなくて・・・」

 そこまで言ったら顔がくしゃくしゃになってしまった。自分でもそこまで翁長ファンだった自覚はないのだが、失ったものの大きさに急激に打ちのめされつつあった。

 私も報道畑が長く、物事を冷静につい斜めにみる癖のついた人間だ。それでも、「辺野古だけはやめてという沖縄県民の想いの先頭に立って体を張っている大きなリーダーのもとで、いつの間にか勇気づけられながら、撮影をしたり発言をしたりしていたのだ。そのことにやっと気づいた。私でさえ、守られていたのだ。過去も現在も未来も沖縄を踏みつけてはばからない能面のように冷たい日本政府に対し、堂々と正論を言い、私たちの人権、生活環境を守るために、誰より先に矢面に立ってくれるリーダー、それを外側から描きだす仕事をしているつもりだった。けれども私は、大きな盾を失った当事者としてうろたえるような悲しさに襲われていた。ようやくわかった。私は紛れもなく一県民として、あなたしかいないと期待し、お願い、頼む! とすがるように応援していた人間だったのだ。ほかの県民と全く同じように。

 「うちなーんちゅ、うしぇーてないびらんど!(沖縄の人間をみくびるな!)

 オスプレイを強行配備するならば普天間基地を封鎖するぞ、と市町村長や議員らも座り込んだ2012年の9月末、当時那覇市長だった翁長さんがゲート前でこう叫んだ。このセリフは「頂き!」と思った。以後私は事あるごとにこのシーンを取り上げた。「標的の村」の番組、映画にもあえて何度も使った。こういうリーダーを待っていたんだ、という熱気と共にこの言葉と翁長さん知事待望論は広がっていった。

 『戦場ぬ止み』という映画は2014年、翁長知事を誕生させる島ぐるみの大きなうねり、激動の沖縄を捉えている。辺野古には基地を造らせないと訴える翁長さんを取り巻く観衆が、数百人が数千人になり、1万人を超えたセルラースタジアムで菅原文太さんが駆け付けたときの熱狂はまさに地鳴りのよう。島を揺るがすほどのエネルギーで、保革を超えて沖縄を束ねる初めての存在「翁長知事」を押し上げていった。

 『標的の島 風かたか』では、国に訴えられた翁長知事が法廷に立つときに、裁判所前に詰めかけた大勢の県民から声援を受けるシーンがある。そこで知事はこう言った。

   「いま、国と対峙する厳しい局面を迎えているけれども、
    私たちのうやふぁーふじ(先祖)が味わった辛酸に比べれば大したことはない。
    ましてや、将来の子や孫の世代が、あの時、
    つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ
    と言われることを想像してみたら、こんな苦労なんて苦労のうちには入らない」

 そして翁長コールを背に裁判所に入っていく姿。これは映画には入っていないが、裁判所の道向かいで群衆から離れて一人そわそわとしているおばあさんがいた。どうしたんですか? と話しかけると「ここから応援してるんですよ。たった一人で国に立ち向かって。少しでも気を送って、と思ってね。かわいそうに、私たちのために、一人でね」と目を真っ赤にして裁判所の建物を見つめていた。彼女にとっては、自分より若い沖縄の青年が全部被って大きな敵と闘ってくれていると映るのだろう。だからかわいそうに、という言葉になるのだろう。上の世代からも下の世代からも惜しみない応援のエネルギーが注がれていた。こんな知事が他府県にいるだろうか

 そして就任以来、「埋め立て承認の取り消し」「国が知事を被告にした裁判」「和解勧告」そして作業中断後の工事再開、そして「承認の撤回表明」と、ありとあらゆる民主主義の手続きの中で可能な手段を駆使し作業を遅らせてきた知事だったが、安倍政権は、ある時は面会を拒否し、ある時は勝手にルールを変えるなどあからさまな沖縄冷遇に徹して、粛々と工事を進めてきた。そして宣告された8月17日を前に、いつ撤回のカードを切るか、今日か、明日かという政府との神経戦に入って間もなく、翁長さんの命の灯は尽きてしまった。

 しかしその結果、あれだけ政府が喧伝した「辺野古の息の根を止める日・8月17日」に、作業は行われなかった。政府は表向きは台風の影響だとしたが、強行すれば、知事を失った悲しみに暮れる沖縄県民の怒りにふれて知事選に不利になると判断したのだろう。あらゆる政治手続のカードを苦心して切ってきた翁長知事は、奇しくも、最後は自らの「死」をもって目前に迫った土砂の投入を止めた形になった。なんて壮絶な幕引きなのだろう。

 なんとしても辺野古への埋め立て土砂の投入を止めたいと、政府の決めたXデー直前の11日にはずっと前から大規模な県民大会が組まれていたが、知事逝去を受けて辺野古阻止の県民大会は翁長知事の追悼式の様相を呈していた。当初予想した倍以上の7万人が台風の雨風をものともせず結集した。今回の動画は、できるだけ多くの県民の思いや表情を見てほしくて、20人のインタビューを入れて大会の様子を12分にまとめている。沖縄県民の、世代や立場を超えたこの悲しみと怒りをぜひ見てほしい。そして当日会場に行けなかった私や大矢英代さんへの博治さんからのメッセージも、個人向けではあるが今回はあえて入れた。マガジン9のために編集するこの動画は、私自身も過去を思い出すために繰り返し見るのだが、どんな時も、いい時も悪い時も記録してほしいとおっしゃった博治さんのこの表情を一生忘れないで、肝に銘じるために。

 前にもここに書いたが、沖縄のおじいたちは教えてくれた。「勝ったかどうかじゃない。闘ったか、闘ってないか。それが大事なんだ。それこそが、子や孫へ贈る財産なんだ」。

 父や祖父があきらめずに闘ってくれていたことに、子の世代はいつか気づく。誰のためにそうしていたのか。どんなに辛く、でも誇らしいことだったのか。そしていつの間にか、自暴自棄になったり逃げたりするより立ち向かうことを選べる自分、いくつもの抵抗の仕方を見て知ってる自分を発見するだろう。それこそが、他人が奪うことができない本当の財産だ

 翁長知事は県民すべてに、まんべんなく、泥棒も権力者も奪うことができない宝物を与えてくれた命限り(ぬちかじり)大事な人たちのために闘う姿を、最後の最後まで見せ続けてくれた。そして彼のマブイ(魂)は140万個の光る宝玉となりすべての県民の心にそっと宿ったのだ。私はこの時代に沖縄に生きていることを幸いに思う。観察者や撮影者としてではなく一県民としてあなたを選び、思いを託し、あなたを支え、一喜一憂しながらも民の力を信じ、民主主義を実践で学びながら激動の時代を共に過ごせたことを誇りに思う。

 翁長さん、翁長さんはいいチャンスをくれましたね。沖縄県民が心をひとつにしたら想像もつかないことが起きる。その予言は本当かもしれませんし、今なのかもしれません。あなたが命がけで守ろうとした辺野古の海を、「守り切りましたよ」、と報告できるように、心をひとつに結んで頑張る県民の姿を、どうか大勢のご先祖たちとともに見守っていてください。間もなく旧盆が来ますね。御馳走とエイサーで一息ついて、心安らかに祖霊となって私たちを導いてください。


三上智恵大矢英代 共同監督
ドキュメント『沖縄スパイ戦史
製作協力金カンパのお願い
今まで沖縄戦の報道に取り組んできた三上智恵・大矢英代の2人の女性監督が、封印されてきた沖縄戦の「裏」に迫り、戦後72年経って初めて語られ始めた事実を描き出すドキュメント『沖縄スパイ戦史』。2018年夏から全国で順次公開予定です。製作費確保のため、引き続き皆さまのお力を貸してください。
詳しくはこちらをご確認下さい。

……。
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●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根

2018年09月27日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



リテラの記事【『沖縄スパイ戦史三上智恵監督・大矢英代監督インタビュー/「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根だ!『沖縄スパイ戦史』監督が語った”スパイ”という名の分断】(http://lite-ra.com/2018/07/post-4150.html)。

 《“戦争に備える軍隊”は、本当に人々を守るのか。…沖縄戦における少年ゲリラ兵、軍が住民を強制移住させた「戦争マラリア」の問題、本土から送り込まれた陸軍中野学校出身者の暗躍、そして、軍統制下での秘密保持と相互監視のもとで起きた住民虐殺の真相に迫る》。

(『沖縄スパイ戦史』劇場予告編)

http://www.spy-senshi.com
https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY

 《スパイに仕立てられた少年兵を仲間に銃殺させたり》…。《記憶の澱》…《軍隊というものが持つ狂気性》。
 そして、現代の、アベ様の《我が軍》も、自衛隊の配備やミサイル基地建設など、《昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質》を発揮しようてしてはいないか? 「戦争マラリア」…《ゆるやかな集団自決を住民に強制》。(木下昌明さん)《大矢は、波照間島の住民約500人を死に追いやった犯罪を追及している。…米軍は現れず、彼も姿を消した。スパイだったのだ。…今日、沖縄南西諸島自衛隊が配備され、ミサイル基地が建設されつつある。三上と大矢は、自衛隊が当時の法規を踏襲し、昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質を暴いている》。

   『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
      沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ
   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
         裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」宣伝…
     「目的がデマの拡散による沖縄の反基地運動への不信あおりにあった」
    「【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより… 目取真俊東京MXテレビ
     「ニュース女子」の虚偽報道に対する抗議の記者会見。】…
     《殴られた女性はカヌーメンバーでもあるので、二日後に怪我の様子を見た。
     顔に青黒いあざができて痛ましかった。番組の視聴者の大半は
     そういうことを知らないだろう。「反対派の暴力などとよく番組で扱えたものだ
     こういうメンバーをそろえること自体番組の目的がデマの拡散による
     沖縄の反基地運動への不信あおりにあったことを示している》」

   『●確信犯…「ジャーナリストが極右的言動で
      活躍しはじめたことのほうが、より事態の深刻さを物語っている」
   『●放送法「四条の規律を撤廃することは、
     自由の拡大ではなく、自由縮小」…報道へのアベ様の不当な政治介入
   『●「亡命」させられた辛淑玉さんは
      「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、一体ニッポンはどんな国なのか?

    「〝罰〟を受けるべきは、一体どちらなのか? ヘイト屋・デマ屋の醜さ、
     醜態、醜悪さ…《態度・人間性・思考のお粗末さ》、どうにかならないものか」
    《番組「ニュース女子」は辛さんと沖縄の基地反対運動へのデマを並べていた》

 また、いまも止まず。病んだ沖縄デマ、沖縄ヘイトによる市民の分断。ニッポンの保守を自称する人達は、番犬様の在日米軍特権には沈黙し、アベ様の「我が軍」が沖縄や島嶼の人々を「防波堤」代わりにしても、何にも感じないらしい。『沖縄スパイ戦史』の両監督は《「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根!…”スパイ”という名の分断》であることを指摘。

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」

   『●「戦争のためにカメラを回しません。
      戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督): 
           「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」
   『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
       「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」

   『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
       城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」

   『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
      狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖
    《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
     三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
     映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
     「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。

   『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が 
      世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?
   『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
     「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」

    《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
     すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊護郷隊」や八重山
     戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
     6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》

   『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…
     『沖縄スパイ戦史』「自衛隊…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露


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http://lite-ra.com/2018/07/post-4150.html

沖縄スパイ戦史三上智恵監督・大矢英代監督インタビュー
「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根だ!『沖縄スパイ戦史』監督が語った”スパイ”という名の分断
2018.07.27

     (7月28日より東京でも公開されるドキュメンタリー映画
      『沖縄スパイ戦史』を監督した大矢英代氏(左)と三上智恵氏(右))

 県民の約4分の1が死亡した沖縄戦。6月23日の慰霊の日に行われた沖縄全戦没者追悼式で、翁長雄志知事は「辺野古に新基地を造らせないという私の決意は県民とともにあり、みじんも揺らぐことはない」と力を込めた。
 一方、安倍首相は基地負担軽減に全力を尽くす」と述べた。嘘だ。政権に辺野古新米軍基地の建設強行を止める気配は微塵もない。石垣島、宮古島、与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の配備も推し進めており、石垣市では中山義隆市長が7月18日に陸自配備受け入れの方針を正式に表明した。
 安倍政権の建前は防衛強化」だ。過去最大、約5兆3000億円の来年度予算を要求する防衛省の長・小野寺五典防衛相は、沖縄全戦没者追悼式の直後に「我が国の平和と安全は自衛隊が担っている」との訓示を出した。
 しかし、“戦争に備える軍隊本当に人々を守るのか
 7月公開のドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』は、過去と現在の双方からこの問題をえぐった。沖縄米軍基地や自衛隊ミサイル基地配備問題などを追い続ける三上智恵監督と、三上監督の琉球朝日放送時代の後輩にあたる大矢英代監督、ふたりの女性ジャーナリストによる共作だ。
 両監督の丹念な取材で一次証言や資料を集めた本作は、沖縄戦における少年ゲリラ兵軍が住民を強制移住させた戦争マラリアの問題、本土から送り込まれた陸軍中野学校出身者の暗躍、そして、軍統制下での秘密保持と相互監視のもとで起きた住民虐殺の真相に迫る。
 共通するキーワードは、表題にあるとおり「スパイ」。周知の通り、昨今では新基地や自衛隊配備に反対する人々が、右派やネット右翼から「工作員」「回し者」と攻撃され、テレビや新聞などのマスメディアまでもが沖縄をめぐるデマに加担している。両監督はそうした安倍政権下の状況をどう見ているのか、自衛隊の問題にも踏み込んで話を伺った。ぜひ、最後まで読んでもらいたい。

********************

──これまで『標的の村』や『戦場ぬ止み』『標的の島 風かたか』で、高江のヘリパッドや辺野古新基地の建設、先島諸島の自衛隊・ミサイル基地配備の問題を描いた三上監督が、今作では大矢監督とともに沖縄戦を扱いました。なぜいま沖縄戦、それも「スパイ」をテーマに選んだのでしょう。

三上 みなさんそれを聞きますよね(笑)。三作の映画をつくってみて、まだこれではダメだと思ったからです。辺野古や高江の問題は、沖縄が大変だということではない。もう日本自体が壊れていて、民主主義も国民主権も三権分立も手放そうとしている。そのことの警鐘としてやってきました。
 だけれども、その危機感はほとんど浸透していない。たとえば一作前の『標的の島 風かたか』は、具体的に始まっていく宮古・石垣の自衛隊による要塞化が日本の運命をどう変えていくかということを打ち出したのに、ほとんど後追いもされませんでした。だから、基地建設反対運動や沖縄や離島の文化というのを絡めてドキュメンタリーとしていく手法は、もう甘いんだなって思ったというのがひとつ。
 もうひとつは、日本人は「次の戦争はピカっと光って終わりの核戦争だ。いまどき白兵戦をやるわけがない」と決めつける人が多いですけど、いま、世界中で戦われている戦争って、実際には核戦争じゃないですよね。テロであり、ゲリラであり、スパイによる秘密戦なんです。秘密戦というのは恐ろしい世界で、言わば、敵兵の顔も見ずに、弾に当たる前に殺される人が出る。そうしたいま起きている、起ころうとしている恐怖を知ってもらうために、私たちが放送局時代から取材してきた沖縄戦に何を学ぶべきかと考えて、この題材を選びました。

大矢 実は当初のタイトル候補は「沖縄裏戦史」だったんですよ。でも「裏」というよりかは、全編を通して「スパイ」の話なんですね。陸軍中野学校という本土でスパイや秘密戦、ゲリラ戦などの教育を受けた青年将校が沖縄に赴任し、10代の少年たちを集めてゲリラ兵にした「護郷隊」。私が学生時代から取材してきた戦争マラリアの問題もそうです。たとえば、波照間島の住民は日本軍によって悪性マラリアの蔓延する西表島に強制移住させられ、島民の3分の1が命を落としましたが、実は、その前に中野学校出身者が学校の先生として偽名で赴任してきて、住民の生活を秘密裏に監視していました。強制移住は住民を守るためではなく食料確保や情報を漏洩させたくない軍の都合だった。
 つまり「スパイを防止するという名目で住民のスパイをしていたのです。人々を守るためじゃなくて、日本の国体を守るためですよね。軍が住民に住民を監視・密告をさせて作成したスパイ容疑者リスト」の存在と、疑心暗鬼になった住民同しによる虐殺も、背景には機密を保持するという軍の論理がありました。


■「沖縄にスパイが入ってる」というデマがもつ本当の恐ろしさ

──住民たちを疑心暗鬼にさせて「あいつはスパイらしい」みたいな流れをつくることは安倍政権もやっています。一例をあげると、公安調査庁は報告書のなかで、中国の大学やシンクタンクが沖縄独立を求める団体の関係者との交流を深めているとして〈日本国内の分断を図る狙いが潜んでいる〉などと言いふらしています。他にも、基地新設に反対する人たちや翁長知事に対して「スパイ」とか「回し者」みたいな誹謗デマが飛んでいる。たとえば昨年、作家の百田尚樹氏が〈テント村の中には、漢和辞典も。日本語を勉強している人たちなのかも〉とツイートして、あたかも高江に「中国のスパイ」が紛れ込んでいるかのようにほのめかしていました。


三上 えっ、そんなことを言っていたんですか……。低俗すぎて論外ですが、たしかに「沖縄にスパイが入ってる」というようなデマはいま、再燃しています。しかし、そういう話が流布されていくと、本当に、自分たちの所属している社会が根から腐っていく。
 「スパイ」という言葉の怖さがわかっていないんでしょう。それはジェームズ・ボンドの「スパイ」ではなくて、戦争のときは命取りになる言葉。いや、戦争の前から「スパイ」とされて、いじめ殺されたりということが日本中であった。だからこそ、魔女狩りみたいな危険な集団心理として肝に命じておかなくちゃいけないはずなのに……。

──でも、百田氏の言うような話は現状、かなり流通してしまっています。たとえば「基地反対派は金をもらっている」というネトウヨのデマを本当に信じてしまっている人は少なくないです。

大矢
 もちろんネットの恐ろしさはわかります。私が琉球朝日放送に入局したときから、それこそ“沖縄バッシング”と言われるものは始まっていました。日々のニュースのなかで、普天間基地がつくられる前にはもともと村があって、住民の生活があって、それを米軍が接収したのだというニュースを伝えても、「普天間基地」とgoogleで検索したら、「普天間基地の真実」とか「普天間基地の嘘」みたいな話がたくさんでてくるじゃないですか。
 私は伝える側ですが、受け取る側から見たら、普天間の歴史をもっと知りたいなと思っても、ネットで調べたら事実とはまったく違う嘘にたどり着いちゃうわけですよね。そういう恐ろしさをネットは常にはらんでいると思うし、結局はリテラシーを身につけないと状況は変わらない。
 ただ、一方で、映画を作るようになってからは、正直、あんまりネット右翼と言われている人たちの声は、もう無視してもいいんじゃないかと思うようになってきていて(笑)。


■沖縄デマに乗っかれば、自分が加害者であることに向き合わなくていい

     ((C)2018『沖縄スパイ戦史』製作委員会)

──ネトウヨのバッシングはあまり意識しないということですか。

大矢 はい。だって単なる卑怯じゃないですか。こっちが実名で顔までだしてつくっているものに対して、どこの誰かもわからない、ネットがなければ存在すら証明できない人たちが書き込むわけですよね。それって、対等な関係にならない。だからあんまり、ネットでこんなバッシングが……というのは気にしていないし、相手にしなければいいんじゃないか。そうも思うんですよ。
 もちろん、そうした言説がなぜこれほどまでに出てきているのかということについては、社会の闇の部分としてもっと取材しないといけないですが。誰かを攻撃することで安心している、あなたのなかのその気持ちはなんなんですか? そう問いたいですね。

三上 「あいつらは中国のスパイなんだってよ」みたいなデマって、『沖縄スパイ戦史』の「スパイ」にも共通しますが、ものすごく無責任にアドレナリンが出る話なんですよ。それで知ったような気になる。実際、「翁長知事の娘は中国に留学し、中国共産党の幹部と結婚した」というような有名なフェイクに多くの人が飛びついた。念のため言っておきますが、翁長知事の娘さんは中国に留学どころか一度も中国に行ったことがないですからね。
 しかし「翁長はスパイ」と思いたい人は、「娘が中国人と結婚しているらしい」なる話をフェイクだろうとなんだろうと拡散する。いいね!されることが生きている実感になっちゃっている。そんな病んだ社会がありますよね。「辺野古で反対している人たちはお金もらっているんだぜ」みたいなデマもそう。こういうことさえ言っていれば、自分たちは辺野古の人たちに同情することもないし実は加害者だということに向き合う必要もないから。
 沖縄のことを考えたくもないし、政治的な感覚も本当は0点なんだけど、それをどこか恥ずかしいと思ってるからこそ、そこは悟られたくない。どっちかと言えば、楽してかっこはつけたい。そういう人が群れを成してデマやバッシングに向かう。負の連鎖ですよね。


■世の中に政治的じゃないものなんてありますか?

──そうしたデマとはまた違った角度のバッシングとして、基地反対や日本軍の戦争犯罪を批判すると「政治的なプロパガンダだ!」みたいな言いがかりも飛んできます。『沖縄スパイ戦史』では、石垣島への自衛隊配備を容認する中山氏が当選した石垣市長選のシーンも出てきますね。選挙も入れようというのは最初から考えていたんですか。


三上 もちろんです。ひょっとして、いま現在の選挙を入れると後から古びてみえるとか、そういう違和感を感じましたか?

──いえ、そうではなくて、「政治的な映画だ!」みたいなことを言い出す連中が出てくるのではないかと……。

大矢 うーん、想定はしていましたね。最初は、石垣市長選をどういう風に扱うかは結構悩んでいて。本編を終えたエンドロールのところに入れるというプランもあったのですが、するとまったく違う印象になりますから。まあ、中山市長が映画をみたら怒るだろうなとは承知の上でつくってますけどね(笑)。
 でも、現在とつなげなければ意味がないなぜ、2018年のいま、この映画をつくっているのか。目の前で起こっている石垣の市長選があって、自衛隊基地をどうするの?というところは撮らなければいけない。そう思っていました。
 だいたい「政治的だ!」というバッシングがあると言いますけど、世の中に政治的じゃないものなんてありますかね?

三上 というか「政治的だ!っていうバッシング自体、実は政治的でしょう。

大矢 そうそう。八重山の選挙に限っていえば、右とか左とか、そういう問題じゃなくて命の問題なんです。自衛隊基地を置くことで、どういう風に自分たちの生活が脅かされていくのかどういう風に作戦に加担させられていくのか。映画で過去を掘り下げたように、戦争では「軍の秘密を握る住民」とされて、住民も子どもたちの生活も一変してしまったから

三上 生活や命が脅かされると心配することを「政治的だ!」とか「プロパガンダだ!」と責めて楽しいですか。自分はこの島にずっと住み続けていくし、そこは先祖の土地だし、未来の子どもたちも守りたい、そういう思いを持つは自然でしょう。あなたがこの島にいたら心配しませんか。右往左往しませんか。自衛隊基地についてのいろんな意見を聞いて、迷ったり、怖くなったりしませんか。
 メディアの問題にも通じますが、「政治的中立」みたいな無重力の場所が仮にあったとして、自分はそこを探してそこに立って、公平に世の中にあるすべてのことを見渡すことができる、なんて考えているとしたらかなり傲慢ですよ。そんな人間がいるはずがない。あなた自身が偏っていないというのならば、その意味のない自信はどこからくるのでしょうか。


旧日本軍と自衛隊が同質であるかどうかは重要な問題

     ((C)2018『沖縄スパイ戦史』製作委員会)

──映画をみれば、自衛隊についてもいやが応にも考えざるをえないです。

大矢 自衛隊のことについて目をつむり、耳を塞ぐのは、罪悪感をとりはらいたいがための自己暗示でしかないと思っています。

三上 たとえば、先の戦争で散々なことをした旧日本軍と自衛隊が同質であるかどうかはとても重要な問題なのですが、みんなそこを検証せずに「まさか同じなわけないじゃないか」と思っている。
 この映画をみて、何が同じで何が変わったのか、考えてみてほしい。少なくとも、旧日本軍が何をやったのかということが知られてなさすぎるし、もっと多くの人の目で検証しないと信用できないはず。だからこそ、私たちは『沖縄スパイ戦史』のようなドキュメンタリーをつくっているんです。

(取材・構成/編集部)


■『沖縄スパイ戦史』
7月21日(土)より那覇・桜坂劇場にて先行公開中、7月28日(土)より東京・ポレポレ東中野にて公開。ほか、全国順次公開(公式サイトhttp://www.spy-senshi.com)。

未曾有の犠牲を出した沖縄戦の裏には、知られざる「秘密戦」があった。本土から沖縄へ送り込まれた、諜報員を養成する陸軍中野学校の出身者。ある者は年端もない1000人もの子どもたちをゲリラ兵にし、スパイ活動をさせた。ある者は教師になりすまして村に潜入し、悪性マラリア地帯の離島へ住民を閉じ込める軍命を実行した。18歳の少女までもがスパイリストなるものに載せられた。軍の監視と密告で疑心暗鬼になる住民たち。そして発生した「スパイ虐殺」。当時を知る証言者たちが、三上智恵・大矢英代両監督の取材で口をひらく。はたして軍隊は住民の命を守るのか、それとも──。沖縄で進められている自衛隊とミサイル基地配備の現実。映画が映すのは、過去の話ではない
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●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊…昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露

2018年08月16日 00時00分22秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



レイバーネット(http://www.labornetjp.org/)のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】(http://www.labornetjp.org/news/2018/0721eiga)。

 


 《市川雷蔵主演の『陸軍中野学校』(1966年)をみて、日本の戦時にスパイ学校があったと知った。印象に残ったのは、主人公が国家に忠実を尽くすために恋人さえも殺す冷血漢となるシーンだった。三上智恵(ちえ)大矢英代(はなよ)の両監督の『沖縄スパイ戦史』は、中野学校を出たスパイが戦地で何をしたか――その実態の一面を見事に切りとっている》。

 《スパイに仕立てられた少年兵を仲間に銃殺させたり》…。《記憶の澱》…《軍隊というものが持つ狂気性》。

   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
    《宮古島には七百人規模、石垣島には六百人規模のミサイル部隊と
     警備部隊を配備する計画です。地元では、過疎化対策や抑止力強化の
     観点から配備を歓迎する人たちもいますが住民の意見は割れている
     のが実情です。
       島の主要産業である観光への影響を懸念する意見のほか、有事には
     自衛隊が標的にされ、周辺住民が巻き込まれると心配する声が
     聞こえてきます。底流にあるのは先の戦争の悲惨な記憶です。
       大戦末期、米軍の攻撃を避けるため、この地域の住民はマラリア発生
     地帯への疎開を軍部によって強制され、多くの人が罹患(りかん)して
     亡くなりました。患者数は当時の人口の約半数とも言われています。
       同じく大戦末期には、軍命により石垣島から台湾に疎開する際、
     船が米軍に攻撃され、多くの犠牲者が出ました。
     自衛隊配備でこうした戦争の記憶が蘇るのです》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」…
                  米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《『標的の島 風かたか三上智恵監督…とくに石垣島の場合は
     地上戦がなく、空襲で178人が亡くなっているのですが、一方で、
     日本軍の命令によって住民たちがマラリアが蔓延する山奥に
     押し込められ、しかも日本軍は特効薬を大量に持っていたにも
     かかわらず住民に使うことはなく、結果3647人も亡くなっています。
     これは米軍が上陸してきたときに住民が捕虜となり、情報が筒抜けに
     なることを避けるため、ゆるやかな集団自決を住民に強制した、
     ということでしょう。じつは沖縄でも、この一件は「たまたま疎開した先に
     マラリア蚊がいて、マラリアが蔓延してしまった」というくらいにしか
     捉えていない人が多い。映画のなかで山奥に押し込められた体験を
     証言してくださった方が出てきますが、この映画での新証言なんです。
     この部分は、どうしても映画のなかに残しておきたかった。
     軍隊がいたから、石垣島ではマラリア地獄が起きた。
     軍隊の論理で死ななきゃいけない人が出てきてしまった、ということですから》


 そして、現代の、アベ様の《我が軍》も、自衛隊の配備やミサイル基地建設など、《昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質》を発揮しようてしてはいないか? 
 《ゆるやかな集団自決を住民に強制》。《一方の大矢は、波照間島の住民約500人を死に追いやった犯罪を追及している。…米軍は現れず、彼も姿を消した。スパイだったのだ。…今日、沖縄南西諸島自衛隊が配備され、ミサイル基地が建設されつつある。三上と大矢は、自衛隊が当時の法規を踏襲し、昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質を暴いている》。

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」

   『●「戦争のためにカメラを回しません。
      戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督): 
           「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」
   『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
       「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」

   『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
       城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」

   『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
      狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖
    《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
     三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
     映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
     「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。

   『●「安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が 
      世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実に」!?
   『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
     「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」

    《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
     すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊護郷隊」や八重山
     戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
     6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》

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http://www.labornetjp.org/news/2018/0721eiga

木下昌明の映画の部屋 : 三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』

木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵大矢英代監督『沖縄スパイ戦史
住民500人を死に追いやった犯罪

 市川雷蔵主演の『陸軍中野学校』(1966年)をみて、日本の戦時にスパイ学校があったと知った。印象に残ったのは、主人公が国家に忠実を尽くすために恋人さえも殺す冷血漢となるシーンだった。  三上智恵(ちえ)大矢英代(はなよ)の両監督の『沖縄スパイ戦史』は、中野学校を出たスパイが戦地で何をしたか――その実態の一面を見事に切りとっている。

 三上は『標的の村』(2012年)など基地反対の住民に焦点を当てたドキュメンタリーでよく知られている。大矢は若きドキュメンタリストで『テロリストは僕だった~沖縄・基地建設反対に立ち上がった元米兵たち~』(2016年)がある。この2人が共同で沖縄戦の埋もれた戦史を掘り起こしている。

 戦時下、42人の中野学校出身者が沖縄全島に派遣された。このうち「護郷隊」という秘密部隊を作り、少年兵らにゲリラ訓練をさせていた2人のスパイに、三上は光を当てる。米軍が撮った少年兵らの写真の数々と生き残った元少年兵の証言を重ねて、戦場の無残さを伝えている。スパイに仕立てられた少年兵を仲間に銃殺させたり、仲間に見捨てられた元少年兵の話などに唖然(あぜん)となる。

 一方の大矢は、波照間島の住民約500人を死に追いやった犯罪を追及している。

 1944年暮れごろ、一人の教師が島にやってくる。彼は住民に優しく慕われた。だが米軍が攻めてくると噂(うわさ)が立つや彼は隠していた軍刀で人々を脅し、隣の西表島に強制疎開させた。2000頭の家畜は処分し、軍隊が食用に持ち去った。着のみ着のままの住民は、マラリアと飢えで亡くなった米軍は現れず、彼も姿を消した。スパイだったのだ。彼は戦後どうしたか。

 今日、沖縄南西諸島自衛隊が配備され、ミサイル基地が建設されつつある。三上と大矢は、自衛隊が当時の法規を踏襲し、昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質を暴いている。必見。

(『サンデー毎日』2018年7月29号)


※7月21日より沖縄・桜坂劇場、28日より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開

〔追記〕この映画をみると、日本兵は中国ばかりでなく沖縄からも食料を現地調達していたことがわかる。
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●「米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される」…「日米地位協定」「日米合同委員会」の異常

2018年02月04日 00時00分50秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018012602000151.html)。

 《▼イタリアでは昼寝にも気配りしているのに、沖縄では学校の安心さえないがしろにされる。何とも、「クレイジー」な話である》。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                     アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる

 「在日米軍特権」な番犬様は沖縄を、どうやら「植民地気分」らしい…それを見て見ぬふりどころか、積極的に沖縄を切り捨てる「日米共犯」ぶりなアベ様ら。あまりの酷さな与党・自公や癒党・お維キト。《沖縄では学校の安心さえないがしろにされる》悲惨な状況。

 琉球新報の記事【独や伊の地位協定を調査へ 沖縄県、「日米」の不平等性を検証】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-629203.html)によると、《米国がイタリアやドイツと結んだ米軍駐留に関する2国間協定では、米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される。またイタリアでは米軍基地の管理権をイタリア軍が持ち、イタリア軍司令官は米軍施設内に制限なく立ち入ることができる。ドイツでも連邦政府や地元自治体による米軍基地への立ち入り権が明記されている。NATO加盟国では米軍の航空機事故などが発生した際には、受け入れ国の軍隊が米軍と合同で調査委員会を立ち上げ、共同で調査を行う仕組みがある。…その上で「わが国の地位協定がいかに他国と比べて不利なのかをつまびらかにすることが重要だ」と説明した。また「法律の条文を比較列挙するだけでは難解になるし、国民にも分かりづらい。事例を比較することでわが国と他国の協定の差を明らかにできるのではないか」とした》。
 《米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される…米軍施設内に制限なく立ち入ることができる米軍基地への立ち入り権が明記…米軍の航空機事故などが発生した際には…米軍と合同で調査委員会を立ち上げ、共同で調査を行う仕組みがある》…「日米地位協定」「日米合同委員会」の異常さ。《事故の検証すらできない日本はむしろ、法的従属を“放置”した国家》。

   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
        そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、 
      アベ様や最低の官房長官らは理解しようとするのか?
    「「住民分断」「沖縄差別」に明確なNo!が示されたわけです。
     辺野古破壊にNo!、「在日米軍特権」問題(これこそまさに存在する、
     番犬様による「在日特権」でしょうに)にNo!、を突き付けました」

   『●室井佑月さん「金をバラまくだけの日本…
      米国の手下ですよ、という世界中へのアピール」…恥ずかしい
    「《県議会当選者の96%が地位協定の改定を求めている
     「在日米軍特権」問題一つとっても、《金をバラまくだけの日本》、
     世界を呆れさせるニッポン、《「性暴力に脅かされないで
     当たり前に生きる権利すら保障できないような政府はもはや
     政府とはいえない》ニッポン。どこを向いて「思いやって」いるのか?、
     「思いやら」されているのか?、《金をバラまくだけの日本》」

   『●「まん延する差別」な、「御持て成し」どころでない
       「うらあり」だったニッポン…「病んだ空気」が蔓延
    「「沖縄差別」については、「在日米軍特権」にはダンマリな《過激団体》。
     ありもしない「在日特権」には大騒ぎし、ヘイトな言動や行いを
     垂れ流すのに、実在する「在日米軍特権」では、アベ様や番犬様
     シッポを振る情けなさ。どうやら真の「右翼」ではないらしい。
     単なる「暴力集団」」

   『●「在日米軍特権」…《事故の検証すらできない日本はむしろ、
                 法的従属を“放置”した国家》<金口木舌>

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018012602000151.html

【コラム】
筆洗
2018年1月26日

 英語の「クレイジー」は、スカンディナビア半島の言葉「クラーサ」に由来するという。クラーサとは「バラバラ、粉々になる」という意味。英語のクレイジーも古くは「砕けた、ひびの入った」という意味で使われていたが、やがて正気を失ったさまを示すようになったそうだ▼今、心配なのは米軍の規律に、ひびが入っていないかということだ。沖縄では今月に入って米軍ヘリの不時着が三回も起きた▼在沖縄米軍トップはこの事態を「クレイジーだ」と評しているが、日本側の飛行停止要請にかかわらず、知らん顔でヘリを飛ばし続けているのだから、信頼関係がバラバラになってもいいのだろう▼琉球新報によれば、日本では政府の管理権は米軍基地内に及ばないが、イタリアでは同国軍が米軍基地の管理権を持つ。緊急時を除き深夜や早朝の飛行を行わないなど周辺住民に配慮し、かの国の人々が大切にする昼寝の時間に、飛行を自粛している米軍基地さえあるという▼沖縄では先月、小学校の校庭に米軍ヘリの部品が落下する事故も起きた。この小学校が校庭で避難訓練をしていたら、学校の上空を避けるはずの米軍ヘリが飛来し、日米で「上空を飛んだ、飛ばない」で議論になっている▼イタリアでは昼寝にも気配りしているのに、沖縄では学校の安心さえないがしろにされる。何とも、「クレイジー」な話である。
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●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる

2018年01月25日 00時00分13秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



リテラの記事【相次ぐ米軍事故に約束反故…それでも国会審議を拒否する安倍政権、安倍首相は「沖縄は我慢して受け入れろ」と暴言!】(http://lite-ra.com/2018/01/post-3744.html)。

 《しかも、この日、普天間第二小では米軍機が学校上空に接近したときを想定して避難訓練をおこなっていた…──まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練だが、しかし、これが沖縄の現実なのだ。そして、米軍によっていとも簡単に約束は破られ、さらには飛行の事実を事実とも認めようとしないのである。…この暴力を許しているのは、言うまでもなく日本政府、安倍政権だ。…なにせ安倍首相は、小学校や保育園での落下事故後にも「沖縄が我慢すればいいこと」という無神経極まりない暴言を吐いているからだ。》

 「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練…沖縄の現実」に加えて、《受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる》とアベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる。《本土決戦の時間稼ぎのために沖縄を捨て石にした、戦時中の発想そのもの》…唖然、アベ様ときたら…「在日米軍特権」「日米共犯」。最早、沖縄イジメ。取巻き連中は、ヘイト・デマを浴びせ、《子どもを園庭で遊ばせたい》《当然の日常がほしいだけ》という望みさへ否定し、《子どもたちの日常にある「異常」を放置》して恥じない。名護市をはじめ、与党・自公のなりふり構わぬ汚い選挙戦…負けるな、沖縄!
 《いかに安倍首相が国民の命を軽視しているか》、あるいは、「沖縄は米軍の植民地」で、アベ様は沖縄の市民は「ニッポンの国民」ではない、とでも思っているのだろう。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』:
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」

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http://lite-ra.com/2018/01/post-3744.html

相次ぐ米軍事故に約束反故…それでも国会審議を拒否する安倍政権、安倍首相は「沖縄は我慢して受け入れろ」と暴言!
2018.01.19

    (首相官邸HPより)

 完全に舐められているとしか思えない。昨日18日、昨年12月13日に米軍海兵隊の大型輸送ヘリCH53Eのコックピットの窓枠が校庭に落下した沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の上空を、米軍ヘリ3機が飛行した問題だ。その飛行した機体には、1月6日にうるま市の伊計島の砂浜に不時着したUH1Yヘリも含まれていた。

 米軍は事故後、「運動場や校舎上空を飛行しないで」という普天間第二小に対して「最大限、飛ばないようにする」と歯切れの悪い回答を寄せていたが、たったの1カ月でこの約束を反故。挙げ句、今回の飛行の事実を否定している。だが、設置されたカメラには同日13時半ごろに小学校上空を米軍ヘリ3機が飛行する模様がおさめられており、防衛省が公開したその映像を見れば米軍の嘘は一目瞭然だ

 しかも、この日、普天間第二小では米軍機が学校上空に接近したときを想定して避難訓練をおこなっていた。琉球新報によれば、沖縄防衛局が配置した監視員も参加し、避難経路などを確認。監視員が米軍機の接近を知らせ、拡声器で生徒たちに「逃げてください」と避難させるという内容だった。

 ──まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練だが、しかし、これが沖縄の現実なのだ。そして、米軍によっていとも簡単に約束は破られ、さらには飛行の事実を事実とも認めようとしないのである。そもそも、昨年12月7日、普天間基地近くの緑ケ丘保育園の屋根に「US」などと書かれたプラスチック製のCH53Eの装置カバーが落下するという事件が起こった際も、米軍は落下の事実を認めていない

 さらに、小学校上空を飛行した昨日、米軍は前述した伊計島に不時着したUH1Yヘリを使って津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施。地元市議会がこれまでも訓練の中止を求めてきたにもかかわらず、だ。その上、ハリス米太平洋軍司令官小野寺五典防衛相との会談で、この事故について「いちばん近い安全な場所に降ろす措置に満足している」と発言している。

 頻発するヘリの墜落に、突如、凶器と化した落下物が子どもたちの頭上に降って落ちてくる恐怖。2016年には米軍属による強かん殺人事件も起こった。それでも平然と、自分たちの植民地であるかのように横柄な態度をとりつづける米軍──。この暴力を許しているのは、言うまでもなく日本政府、安倍政権だ


安倍首相は「受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる」

 事実、立憲民主、希望、民進、共産、自由、社民の野党6党は、今月15日に相次ぐ米軍機事故を受けて調査団を沖縄に派遣。これに先立って12日の与野党国対委員長会談で安全保障委員会での閉会中審査をおこなうよう要求したが、与党はこれに応じていなかった。

 だが、それも当然なのだろう。なにせ安倍首相は、小学校や保育園での落下事故後にも沖縄が我慢すればいいことという無神経極まりない暴言を吐いているからだ。

 それは、新年早々の1月5日にネットテレビ「言論テレビ」で放送された『櫻LIVE 新春スペシャル「安倍首相に華やかさくら組が迫る!」』という番組でのこと。本サイトではその醜悪な内容を詳しく伝えたが、この番組は、安倍首相が櫻井よしこと気象予報士の半井小絵、産経新聞の田北真樹子記者、沖縄の活動家でデマを喧伝しつづけている我那覇真子という女性ネトウヨ論客4名を昨年12月25日に首相公邸に招き、収録されたものだ。

 そして、この番組のなかで安倍首相は、こう明言したのである。

   「(在沖米軍の)訓練はときとして迷惑になることもありますが、
    それを受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる」

 米軍の訓練が住民の生活に支障を与えているだけでなく、命の危険さえ生じさせている事実が歴然と沖縄にはあるというのに、“いざのときのために我慢して受け入れろ”と安倍首相は投げつけているのだ。これは、本土決戦の時間稼ぎのために沖縄を捨て石にした、戦時中の発想そのものではないか。

 さらに、この安倍首相と同じ考えをネトウヨ論客たちが振りまき、拡散させている。たとえば、竹田恒泰は、『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)11日放送で、米軍事故についてこのように米軍をかばい立てた。

   「ちゃんと不時着させてるわけですから、これは拍手喝采ものなんですよね」


「米軍は称賛されるべき!」と叫ぶ自称愛国者の実態

   「たしかにヘリのトラブル多いですけども、でもこれは朝鮮有事に
    向けて、これまで以上に練習のステージ段階が上がっている
    ということなんですよ。(中略)いざとなっても迷惑をかけないように
    という彼ら(米軍)の姿勢は、称賛されるべきだと思いますよ」

 普段から、憲法は「GHQに押しつけられたものだ!」と言って改憲を主張するくせに日本の主権が奪われている日米地位協定には文句もつけない。その上、「日本の領土」である沖縄が米軍に植民地のような扱いを受けているにもかかわらず、「称賛されるべき」などと言う。……これが安倍首相を筆頭とする自称愛国者似非右翼の実態だ。

 ともかく、安倍首相は、22日に召集される通常国会において、ネットテレビで述べたように、国会ではっきりと「沖縄は米軍事故を我慢して受け入れろ」と言えばいい。そうすれば、いかに安倍首相が国民の命を軽視しているか、その正体が多くの人に伝わるだろう

(編集部)
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