Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●「将来の子や孫の世代が、あの時、つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ」、と…

2018年10月06日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌/第83回:ぬちかじり~命の限り抵抗した翁長知事が逝く~】(http://maga9.jp/180822-5/)。

 《私も報道畑が長く、物事を冷静につい斜めにみる癖のついた人間だ。それでも、「辺野古だけはやめてという沖縄県民の想いの先頭に立って体を張っている大きなリーダーのもとで、いつの間にか勇気づけられながら、撮影をしたり発言をしたりしていたのだ。そのことにやっと気づいた。私でさえ、守られていたのだ。過去も現在も未来も沖縄を踏みつけてはばからない能面のように冷たい日本政府に対し、堂々と正論を言い、私たちの人権、生活環境を守るために、誰より先に矢面に立ってくれるリーダー、それを外側から描きだす仕事をしているつもりだった。けれども私は、大きな盾を失った当事者としてうろたえるような悲しさに襲われていた。ようやくわかった。私は紛れもなく一県民として、あなたしかいないと期待し、お願い、頼む! とすがるように応援していた人間だったのだ。ほかの県民と全く同じように》。

 翁長雄志さんの御言葉の一つ、「いま、国と対峙する厳しい局面を迎えているけれども、私たちのうやふぁーふじ(先祖)が味わった辛酸に比べれば大したことはない。ましてや、将来の子や孫の世代が、あの時、つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ、と言われることを想像してみたら、こんな苦労なんて苦労のうちには入らない」。そして、《沖縄のおじいたちは教えてくれた。「勝ったかどうかじゃない。闘ったか、闘ってないか。それが大事なんだ。それこそが、子や孫へ贈る財産なんだ」》と。
 映像の中で、山城博治さんは「いばらの道の只中にいます」と仰っています。
 2018年9月沖縄県知事選、大変に厳しい状況。でも、《将来の子や孫の世代が、あの時、つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ》と言ってもらえるかどうかの瀬戸際。
 鈴木耕さんのご意見、《さまざまな意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ一丸となって闘うことを、ぼくは切望している》…に賛成。
 《翁長知事は、奇しくも、最後は自らの「死」をもって目前に迫った土砂の投入を止めた形になった》なんて、せつな過ぎる。翁長雄志さんの遺志を継ぐのはどちらか、それは明白。「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補は、名護市長選同様、「辺野古の「へ」の字も出さない戦術」。アベ様や最低の官房長官の最たるデマ「辺野古が唯一の解決策」に騙されてはいけない。「普天間撤退≠辺野古破壊」です。
 …そして、大変に嬉しいことに「#美ら海の色の候補者玉城デニーさんが選挙に勝ち、新たな沖縄県知事に選ばれました。もし負けていたら、沖縄は大変なことになっていたことでしょう。

   『●宜野湾市長選: 直近の沖縄主要選挙で5連敗目をアベ様に
   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
           翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

   『●翁長雄志さん「那覇市長として…東京のど真ん中で体感した
                 むき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という」
    「アベ様の取巻き連中による様々な沖縄イジメ・沖縄ヘイトを含め、
     《安倍政権が陰湿ないじめ、報復》に対しても、《折れない、
     言うことをきかない翁長知事》は、真の意味での沖縄の市民の立場に立つ、
     真の保守政治家だった」

   『●翁長雄志さん「保守は保守でも自分は沖縄の保守。
       本土の保守政権に対して言うべきことは言う」が口癖
   『●沖縄を分断・破壊し尽すような日本会議系・  
      自公系候補者では絶対にダメ! 玉城デニーさんを沖縄知事に!
   『●日本会議系バリタカ派知事など絶対にダメ!…
       「死してなお曲げられない正義というものを教えてもらった」
   『●《やまと社会への同化…
       「同化は差別する側に移るだけで、差別自体はなくならない」》
   『●《琉球アイデンティティー》が失われる危機… 
       日本会議系バリタカ派自公お維候補に投票しては絶対にダメ!
   『●「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」が誕生すれば、
               翁長さんの遺志は踏みにじられ、辺野古破壊…
   『●辺野古破壊「新基地建設容認の“安倍政権傀儡知事”が誕生」ならば
                         …沖縄の未来は閉ざされてしまいます
   『●沖縄県知事選、両候補の「選挙の色」がくっきりと見えてきた 
                    …「#美ら海の色の候補者」はどちらか?
   『●「…意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ
                一丸となって闘うことを、ぼくは切望している」

   『●「#美ら海の色の候補者」…「辺野古に普天間の代わりの
            新基地をつくるという根本的な理由」が存在しない
   『●鈴木耕さんの言う《「期日前投票制度」の落とし穴》が気になる…
                    血判状・恫喝な瓶三親分らは何でもやる…
   『●「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」
       「#カネ色の候補者」はアベ様の御得意の政治手法を導入済み
   『●カネ色の「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補者の
                      デタラメが横行、コレに勝てというのかょ
   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…

                   「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
   『●鈴木耕さんの言う《「期日前投票制度」の落とし穴》が気になる
                 …血判状・恫喝な瓶三親分らは何でもやる…
   『●沖縄県知事選「象とアリの戦い」…
      「象」は最大の争点で旗幟不鮮明、「辺野古が唯一の解決策」を強制
   『●玉城デニーさん勝利…でも、アベ様や最低の官房長官らは
            すぐにでも辺野古破壊を再開しても不思議ではない

==================================================================================
http://maga9.jp/180822-5/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第83回: ぬちかじり~命の限り抵抗した翁長知事が逝く~
By 三上智恵  2018年8月22日



https://youtu.be/5nNBg61TINg


 「なまからどー! ぬちかじり、ちばらなやーさい!
 (これからですよ。 命の限り頑張りましょう!)

 集会のたびにそう呼びかけ、県民の喝さいを浴びていた翁長知事。その翁長知事が、逝った。

 政府が何が何でも辺野古の埋め立てを開始すると宣言していたXデー、8月17日を10日後に控え、翁長知事は突然旅立ってしまった。すい臓ガンが相当体を痛めつけていることは誰の目にも明らかだった。しかし「たとえ倒れることになっても」11月の知事選に立つのだと周囲に見せている気迫はこれまで以上だと聞いて、悪性リンパ腫から生還した山城博治さんのように驚異的な精神力で病を克服してくれるものと信じた。が、8月8日、翁長雄志知事は天に召された。私は神を恨む。なぜこのタイミングで、彼を連れ去ったのか。

 新作の映画『沖縄スパイ戦史』が各劇場で順次公開され、各地で舞台あいさつに回っているときに訃報に接した。広島の横川シネマで詩人のアーサー・ビナードさんとトークに入るとき、映画が始まる直前に知事が亡くなったことを伝えた。会場はどよめいた。アーサーさんの大きな目にも涙が溜まっていた。

 「たぶん、他府県の知事という存在とは…違うと思うんですね」。私は地方自治法も適用されなかった米軍統治下の沖縄で、沖縄の人々がどれだけ、自分たちの手で自分たちの知事を選ぶことができたらと悔しい思いをしたのかを説明しようと試みた。移住者である私でも何かをえぐり取られたように感じているこの喪失感の説明をしようとした。

 「だから、知事というよりは国王? かな? まあそれも違うけど(笑)、損ばっかりしている沖縄のために、家族を守るためにいつも闘ってくれる人。それはお父さんですよね。だからお父さんを失ったような。最後まで気を張って、楽にしてあげることもできなくて・・・」

 そこまで言ったら顔がくしゃくしゃになってしまった。自分でもそこまで翁長ファンだった自覚はないのだが、失ったものの大きさに急激に打ちのめされつつあった。

 私も報道畑が長く、物事を冷静につい斜めにみる癖のついた人間だ。それでも、「辺野古だけはやめてという沖縄県民の想いの先頭に立って体を張っている大きなリーダーのもとで、いつの間にか勇気づけられながら、撮影をしたり発言をしたりしていたのだ。そのことにやっと気づいた。私でさえ、守られていたのだ。過去も現在も未来も沖縄を踏みつけてはばからない能面のように冷たい日本政府に対し、堂々と正論を言い、私たちの人権、生活環境を守るために、誰より先に矢面に立ってくれるリーダー、それを外側から描きだす仕事をしているつもりだった。けれども私は、大きな盾を失った当事者としてうろたえるような悲しさに襲われていた。ようやくわかった。私は紛れもなく一県民として、あなたしかいないと期待し、お願い、頼む! とすがるように応援していた人間だったのだ。ほかの県民と全く同じように。

 「うちなーんちゅ、うしぇーてないびらんど!(沖縄の人間をみくびるな!)

 オスプレイを強行配備するならば普天間基地を封鎖するぞ、と市町村長や議員らも座り込んだ2012年の9月末、当時那覇市長だった翁長さんがゲート前でこう叫んだ。このセリフは「頂き!」と思った。以後私は事あるごとにこのシーンを取り上げた。「標的の村」の番組、映画にもあえて何度も使った。こういうリーダーを待っていたんだ、という熱気と共にこの言葉と翁長さん知事待望論は広がっていった。

 『戦場ぬ止み』という映画は2014年、翁長知事を誕生させる島ぐるみの大きなうねり、激動の沖縄を捉えている。辺野古には基地を造らせないと訴える翁長さんを取り巻く観衆が、数百人が数千人になり、1万人を超えたセルラースタジアムで菅原文太さんが駆け付けたときの熱狂はまさに地鳴りのよう。島を揺るがすほどのエネルギーで、保革を超えて沖縄を束ねる初めての存在「翁長知事」を押し上げていった。

 『標的の島 風かたか』では、国に訴えられた翁長知事が法廷に立つときに、裁判所前に詰めかけた大勢の県民から声援を受けるシーンがある。そこで知事はこう言った。

   「いま、国と対峙する厳しい局面を迎えているけれども、
    私たちのうやふぁーふじ(先祖)が味わった辛酸に比べれば大したことはない。
    ましてや、将来の子や孫の世代が、あの時、
    つまり今の我々が頑張ったおかげで、平和な島になったんだよ
    と言われることを想像してみたら、こんな苦労なんて苦労のうちには入らない」

 そして翁長コールを背に裁判所に入っていく姿。これは映画には入っていないが、裁判所の道向かいで群衆から離れて一人そわそわとしているおばあさんがいた。どうしたんですか? と話しかけると「ここから応援してるんですよ。たった一人で国に立ち向かって。少しでも気を送って、と思ってね。かわいそうに、私たちのために、一人でね」と目を真っ赤にして裁判所の建物を見つめていた。彼女にとっては、自分より若い沖縄の青年が全部被って大きな敵と闘ってくれていると映るのだろう。だからかわいそうに、という言葉になるのだろう。上の世代からも下の世代からも惜しみない応援のエネルギーが注がれていた。こんな知事が他府県にいるだろうか

 そして就任以来、「埋め立て承認の取り消し」「国が知事を被告にした裁判」「和解勧告」そして作業中断後の工事再開、そして「承認の撤回表明」と、ありとあらゆる民主主義の手続きの中で可能な手段を駆使し作業を遅らせてきた知事だったが、安倍政権は、ある時は面会を拒否し、ある時は勝手にルールを変えるなどあからさまな沖縄冷遇に徹して、粛々と工事を進めてきた。そして宣告された8月17日を前に、いつ撤回のカードを切るか、今日か、明日かという政府との神経戦に入って間もなく、翁長さんの命の灯は尽きてしまった。

 しかしその結果、あれだけ政府が喧伝した「辺野古の息の根を止める日・8月17日」に、作業は行われなかった。政府は表向きは台風の影響だとしたが、強行すれば、知事を失った悲しみに暮れる沖縄県民の怒りにふれて知事選に不利になると判断したのだろう。あらゆる政治手続のカードを苦心して切ってきた翁長知事は、奇しくも、最後は自らの「死」をもって目前に迫った土砂の投入を止めた形になった。なんて壮絶な幕引きなのだろう。

 なんとしても辺野古への埋め立て土砂の投入を止めたいと、政府の決めたXデー直前の11日にはずっと前から大規模な県民大会が組まれていたが、知事逝去を受けて辺野古阻止の県民大会は翁長知事の追悼式の様相を呈していた。当初予想した倍以上の7万人が台風の雨風をものともせず結集した。今回の動画は、できるだけ多くの県民の思いや表情を見てほしくて、20人のインタビューを入れて大会の様子を12分にまとめている。沖縄県民の、世代や立場を超えたこの悲しみと怒りをぜひ見てほしい。そして当日会場に行けなかった私や大矢英代さんへの博治さんからのメッセージも、個人向けではあるが今回はあえて入れた。マガジン9のために編集するこの動画は、私自身も過去を思い出すために繰り返し見るのだが、どんな時も、いい時も悪い時も記録してほしいとおっしゃった博治さんのこの表情を一生忘れないで、肝に銘じるために。

 前にもここに書いたが、沖縄のおじいたちは教えてくれた。「勝ったかどうかじゃない。闘ったか、闘ってないか。それが大事なんだ。それこそが、子や孫へ贈る財産なんだ」。

 父や祖父があきらめずに闘ってくれていたことに、子の世代はいつか気づく。誰のためにそうしていたのか。どんなに辛く、でも誇らしいことだったのか。そしていつの間にか、自暴自棄になったり逃げたりするより立ち向かうことを選べる自分、いくつもの抵抗の仕方を見て知ってる自分を発見するだろう。それこそが、他人が奪うことができない本当の財産だ

 翁長知事は県民すべてに、まんべんなく、泥棒も権力者も奪うことができない宝物を与えてくれた命限り(ぬちかじり)大事な人たちのために闘う姿を、最後の最後まで見せ続けてくれた。そして彼のマブイ(魂)は140万個の光る宝玉となりすべての県民の心にそっと宿ったのだ。私はこの時代に沖縄に生きていることを幸いに思う。観察者や撮影者としてではなく一県民としてあなたを選び、思いを託し、あなたを支え、一喜一憂しながらも民の力を信じ、民主主義を実践で学びながら激動の時代を共に過ごせたことを誇りに思う。

 翁長さん、翁長さんはいいチャンスをくれましたね。沖縄県民が心をひとつにしたら想像もつかないことが起きる。その予言は本当かもしれませんし、今なのかもしれません。あなたが命がけで守ろうとした辺野古の海を、「守り切りましたよ」、と報告できるように、心をひとつに結んで頑張る県民の姿を、どうか大勢のご先祖たちとともに見守っていてください。間もなく旧盆が来ますね。御馳走とエイサーで一息ついて、心安らかに祖霊となって私たちを導いてください。


三上智恵大矢英代 共同監督
ドキュメント『沖縄スパイ戦史
製作協力金カンパのお願い
今まで沖縄戦の報道に取り組んできた三上智恵・大矢英代の2人の女性監督が、封印されてきた沖縄戦の「裏」に迫り、戦後72年経って初めて語られ始めた事実を描き出すドキュメント『沖縄スパイ戦史』。2018年夏から全国で順次公開予定です。製作費確保のため、引き続き皆さまのお力を貸してください。
詳しくはこちらをご確認下さい。

……。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「#美ら海の色の候補者」…「辺野古に普天間の代わりの新基地をつくるという根本的な理由」が存在しない

2018年09月20日 00時00分05秒 | Weblog


日刊ゲンダイの小幡元太氏によるインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/沖縄県知事選 玉城デニー氏「ひとつになって前進すべき」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237467)。

 《辺野古に普天間の代わりの新基地をつくるという根本的な理由がもう存在しないわけです。「辺野古が唯一という考え方いったんやめて、米国としっかりと協議するべきですが、安倍政権は「辺野古ありき」。移転の是非をめぐって、沖縄の振興予算を増やしたり減らしたり、政争の具に使っているのです。これが民主主義国家のあるべき姿なのか予算増減という圧力で、県民の生活に不安と負担をかけることが、本当に法治国家なのかと翁長知事は強く訴えていましたし、私も同感です》。

 鈴木耕さんのご意見、《さまざまな意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ一丸となって闘うことを、ぼくは切望している》…に賛成。「#美ら海の色の候補者玉城デニーさんは《辺野古に普天間の代わりの新基地をつくるという根本的な理由がもう存在しない》と言います。翁長雄志さんの遺志を継ぐのはどちらか、それは明白。「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補は、名護市長選同様、「辺野古の「へ」の字も出さない戦術」。アベ様や最低の官房長官の最たるデマ「辺野古が唯一の解決策」に騙されてはいけない。「普天間撤退≠辺野古破壊」です。

 いま相当に厳しい選挙状況だと思います。是非、「#美ら海の色の候補者玉城デニーさんを #新時代沖縄 の知事にしてほしい。「#カネ色の候補者」らによる札束攻勢や恫喝に負けないでほしい。その一票が、選挙後に大きな後悔に変わります。名護市長選新潟県知事選のような悲劇を繰り返さないで下さい。

 「#美ら海の色の候補者玉城デニーさんの〆のメッセージは、《沖縄は地理的に見てアジアの国と非常に近い環境にあるんですね。大胆な経済政策について知ってもらいたいことに加え、やはり辺野古の是非についても注目していただきたい耐用年数200年といわれる基地をつくって将来世代に負担を背負わせてはいけないと思っています。明確に反対し、皆で一緒に成長していける沖縄を、選挙戦を通じ感じ取っていただけるように、しっかりと訴えていきます。キーワードは「新時代沖縄」です》。

   『●宜野湾市長選: 直近の沖縄主要選挙で5連敗目をアベ様に
   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
           翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

   『●翁長雄志さん「那覇市長として…東京のど真ん中で体感した
            むき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という」
    「アベ様の取巻き連中による様々な沖縄イジメ・沖縄ヘイトを含め、
     《安倍政権が陰湿ないじめ、報復》に対しても、《折れない、
     言うことをきかない翁長知事》は、真の意味での沖縄の市民の立場に立つ、
     真の保守政治家だった」

   『●翁長雄志さん「保守は保守でも自分は沖縄の保守。
       本土の保守政権に対して言うべきことは言う」が口癖
   『●沖縄を分断・破壊し尽すような日本会議系・  
      自公系候補者では絶対にダメ! 玉城デニーさんを沖縄知事に!
   『●日本会議系バリタカ派知事など絶対にダメ!…
       「死してなお曲げられない正義というものを教えてもらった」
   『●《やまと社会への同化…
       「同化は差別する側に移るだけで、差別自体はなくならない」》
   『●《琉球アイデンティティー》が失われる危機… 
       日本会議系バリタカ派自公お維候補に投票しては絶対にダメ!
   『●「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」が誕生すれば、
               翁長さんの遺志は踏みにじられ、辺野古破壊…
   『●辺野古破壊「新基地建設容認の“安倍政権傀儡知事”が誕生」ならば
                  …沖縄の未来は閉ざされてしまいます
   『●沖縄県知事選、両候補の「選挙の色」がくっきりと見えてきた 
              …「#美ら海の色の候補者」はどちらか?
   『●「…意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ
                一丸となって闘うことを、ぼくは切望している」

==================================================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237467

注目の人 直撃インタビュー
沖縄県知事選 玉城デニー氏「ひとつになって前進すべき」
2018年9月18日

     (玉城デニー氏(C)日刊ゲンダイ)

 総裁3選確実と目される安倍首相に、最初に立ちはだかる「壁」として注目を集める沖縄県知事選挙が13日に告示され、激しい選挙戦を繰り広げている。米軍の辺野古新基地建設に反対する沖縄県民の思いを背負った翁長雄志知事の急逝で「弔い選挙」の様相を呈するが、翁長知事に後継者として指名されたのが玉城デニー氏(58)。常に柔らかな笑みを絶やさないものの、基地問題や経済政策について語る時のまなざしは鋭かった。沖縄の未来について語ってもらった。


■辺野古に新基地をつくる理由はもはや存在しない

  ――翁長知事は死去直前、後継者として玉城さんの名を挙げた。音声も残っているとされるが、この話を最初に聞いた時、どう感じましたか。

 本当にびっくりしました。「どうして僕が」という思いでしたが、翁長知事が僕に期待を寄せてくださったなら、非常に光栄であると感じ、出馬を決意しました。


  ――翁長知事の遺志をどう継承していくのでしょうか。

 翁長知事は4年前の知事選以後、「イデオロギー(思想)よりもアイデンティティー(自分らしさ)」という考え方を重視していた。イデオロギーにこだわり、まるで誰かが沖縄県民を分断させていたかのような政治環境はもうなしにして、皆で腹六分、腹八分で納得し合い、結集。ひとつになって沖縄をしっかり前進させていくこと――これが翁長知事の方針でした。これからの時代は右も左もなく、沖縄が皆、力を合わせて進んでいくことが重要。それが翁長知事の遺志であり、私もしっかりと受け継ぎたいと思っています。


  ――選挙の最大の争点は基地問題。政府は、普天間飛行場の移転先、辺野古の沿岸部の埋め立て工事を強行しようとしましたが、県は埋め立て承認を撤回。政府は今後は、執行停止の法的措置をとる方針です。

 承認の撤回については、公有水面埋立法にのっとった手続きとして正式に行政判断したということ。私はその判断を支持する立場です。翁長知事は戦後70年以上、本土面積のわずか0.5%の面積の沖縄に、米軍専用施設の70%以上がずっと押し付けられたままだと憂慮し、本当にこれでいいのかと訴えてきました。これは沖縄だけの問題ではなく、日本全体の安全保障の問題です。本来なら、国民全体が等しく負うべき負担を、いつまで沖縄に背負わせるのかと政府に問いかけ、国民の皆さんにも理解していただけるよう努力をしたい。


  ――安倍政権はこれまでも、“沖縄イジメ”を繰り返してきた。この4年間で沖縄関連予算は約500億円も削減されました。

 2010年には、沖縄に駐留する海兵隊の多くを、ハワイやグアム、オーストラリアに移動させることを米国が発表しました。つまり、普天間の辺野古移設とは切り離して、海兵隊は外に移っていくということ。辺野古に普天間の代わりの新基地をつくるという根本的な理由がもう存在しないわけです。辺野古が唯一という考え方いったんやめて、米国としっかりと協議するべきですが、安倍政権は「辺野古ありき」。移転の是非をめぐって、沖縄の振興予算を増やしたり減らしたり、政争の具に使っているのです。これが民主主義国家のあるべき姿なのか予算増減という圧力で、県民の生活に不安と負担をかけることが、本当に法治国家なのかと翁長知事は強く訴えていましたし、私も同感です。


  ――対立候補の佐喜真淳前宜野湾市長は、辺野古移設について言及せず、経済政策を前面に打ち出しています。玉城さんは経済政策について、どう考えているのでしょう。

 経済政策については、既に県庁でさまざまなプランが作られています。実際、この4年間で沖縄経済は、観光産業をはじめとして目覚ましい発展を遂げている。入域観光客は13年の658万人から17年に958万人となり、ハワイの入域観光客を超えました。完全失業率も大きく低下し、就業者数や有効求人倍率も復帰後、最高の値となっています。


  ――とはいえ、沖縄では子供の貧困などが問題視されています。

 さまざまな数値が改善したとはいえ、沖縄では本土に比べ、まだまだ非正規雇用率が高い状況。教育や福祉を充実させて、正規雇用に転換させていくための仕組みを整備することで、改善することは可能です。子供や女性、若者と経済的に厳しい状況にある人たちへのセーフティーネットをつくって、「誰ひとりも取り残していかないということを県政運営の柱にし、豊かな沖縄をつくっていきたいと考えています。


■幼少期に見た「コザ騒動」は本当に戦争だと思った

  ――玉城さんの生い立ちについて伺います。米国施政下の1959年に生まれ、戦後の沖縄を見つめてきました。

 私の父は沖縄に駐留していた米国人で、母は生まれも育ちも沖縄のウチナーンチュです。私が母のお腹の中にいる時に、父に「本国に帰れ」と通知が来て、当初は母も付いていくつもりだったそうです。出産して落ち着いてから米国に渡ろうと決め、父だけ先に帰ったのですが、僕が1、2歳くらいになってから、母は周りの皆さんと相談。これから米国に渡っても苦労するのではないかと考え、父に「私は沖縄でこの子を育てます。米国には行きません」と自ら連絡したそうです。母はその際、過去を振り返らずに前を向こうと決め、父の写真や手紙も全部燃やしました。僕は思春期の頃に父の話を聞いたことがあるんですが、母は「忘れたから、もういいよ」と一言。前向きな気持ちになりたかったのだろうと思いますね。


  ――バンド活動やラジオパーソナリティーも務めました。

 小さい頃から音楽が好きで、家の近所には米兵が飲みに来るバーがいっぱいあった。24時間営業の店のドアはいつも開いていて、店内からノリノリの音楽が聞こえてくるんですよ。米兵向けのラジオでもいろんな曲が流れていましたから、昔から音楽に触れやすい環境にありました。特にロックが好きで、中学生になると小遣いをためてレコードを買ったり、友達と貸し借りしたりしていました。高校生になってからは他校の友達とバンドを組みボーカルを務め、ロックに没頭した高校生活でしたね。


■キーワードは「新時代沖縄

  ―――米軍基地に絡んで、沖縄ではさまざまな事件が起きています。

 特に記憶に残っているのが1970年に起きた米軍施設への焼き打ち事件「コザ騒動」で、あれは土曜の夜から日曜の朝にかけてのことでした。現場を見に行ったら、車はひっくり返されて焼けただれ、オイルやタイヤの焦げたにおいが漂っていた。嘉手納基地ゲート前で起こった暴動ですから、本当に戦争じゃないかと思いましたね。非常に衝撃的でした。


  ――米国と沖縄の関係について、どう感じましたか。

 あの時は沖縄は日本ではなかったんですね。米国が治めていると学校で習っていたので、ウチナーンチュが何か言っても、最後は米国が決めるからしょうがないかなという空気がありました。ところが、72年に沖縄が日本に返還された時、これでやっと日本人になれると本気で思い、もう米国の言いなりにならないで済む、というおぼろげな期待がありました。


  ――実際は、期待通りになっていないように見えます。

 復帰以降、不要になった米軍基地は確かにかなりの数が返還されました。しかし、今の嘉手納基地や那覇空港など、基地の運用に必要な場所、機能を維持するための基地は相変わらず残ったままです。戦後73年たった今でも、小さな面積の沖縄に多くの米軍基地が置かれているのは、戦争当時の占領された時の姿のまま2022年には復帰から50年になりますが現在でも県民の痛みや苦しみも残されたままです。


  ――県知事選は全国的に注目度が高くなっています。本土の人にどういったことを見せていこうと考えていますか。

 沖縄は地理的に見てアジアの国と非常に近い環境にあるんですね。大胆な経済政策について知ってもらいたいことに加え、やはり辺野古の是非についても注目していただきたい耐用年数200年といわれる基地をつくって将来世代に負担を背負わせてはいけないと思っています。明確に反対し、皆で一緒に成長していける沖縄を、選挙戦を通じ感じ取っていただけるように、しっかりと訴えていきます。キーワードは「新時代沖縄」です。

(聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)


たまき・でにー 1959年、沖縄県与那城村(現うるま市)生まれ。本名は康裕(やすひろ)。上智社会福祉専門学校卒業後、福祉関係施設の職員、インテリア内装業、音響関係の会社などを経て、地元ラジオのパーソナリティーを務める。02年に沖縄市議選へ出馬し、史上最多得票でトップ当選。09年の衆院選で沖縄3区から初当選後、連続4選を果たした。
==================================================================================

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「…意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ一丸となって闘うことを、ぼくは切望している」

2018年09月19日 00時00分24秒 | Weblog


マガジン9のコラム【鈴木耕 言葉の海へ/第42回:ワジワジーする沖縄の情勢】(http://maga9.jp/180822-4/)。

 《沖縄言葉(ウチナーグチ)で「アキサミヨー」(ひどいっ!)とでも表現するしかない、安倍政権の沖縄に対する非道、無慈悲、酷薄、残虐、冷酷なやり口。それが翁長雄志沖縄県知事を死に追いやった原因のひとつであることは間違いない。病に冒された痩躯の、切なすぎる力を振り絞って安倍政権に対峙せざるを得なかった翁長さんの死期を早めたのは、どう否定しようが安倍政権の沖縄へ対するゴリ押しであったというしかない》。

 翁長雄志さんの遺志を継ぐのはどちらか、それは明白。「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」候補は、名護市長選同様、「辺野古の「へ」の字も出さない戦術」。アベ様や最低の官房長官の最たるデマ「辺野古が唯一の解決策」に騙されてはいけない。「普天間撤退≠辺野古破壊」です。
 「#美ら海の色の候補者玉城デニーさんは、いま、大変に厳しい状況にある。でも、何としても玉城さんに勝ってもらわねば、沖縄は大変なことになる。

   『●宜野湾市長選: 直近の沖縄主要選挙で5連敗目をアベ様に
   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
           翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

   『●翁長雄志さん「那覇市長として…東京のど真ん中で体感した
                 むき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という」
    「アベ様の取巻き連中による様々な沖縄イジメ・沖縄ヘイトを含め、
     《安倍政権が陰湿ないじめ、報復》に対しても、《折れない、
     言うことをきかない翁長知事》は、真の意味での沖縄の市民の立場に立つ、
     真の保守政治家だった」

   『●翁長雄志さん「保守は保守でも自分は沖縄の保守。
       本土の保守政権に対して言うべきことは言う」が口癖
   『●沖縄を分断・破壊し尽すような日本会議系・  
      自公系候補者では絶対にダメ! 玉城デニーさんを沖縄知事に!
   『●日本会議系バリタカ派知事など絶対にダメ!…
       「死してなお曲げられない正義というものを教えてもらった」
   『●《やまと社会への同化…
       「同化は差別する側に移るだけで、差別自体はなくならない」》
   『●《琉球アイデンティティー》が失われる危機… 
       日本会議系バリタカ派自公お維候補に投票しては絶対にダメ!
   『●「#バリタカ日本会議系自公お維沖縄県知事」が誕生すれば、
               翁長さんの遺志は踏みにじられ、辺野古破壊…
   『●辺野古破壊「新基地建設容認の“安倍政権傀儡知事”が誕生」ならば
                         …沖縄の未来は閉ざされてしまいます
   『●沖縄県知事選、両候補の「選挙の色」がくっきりと見えてきた
                    …「#美ら海の色の候補者」はどちらか?

 鈴木耕さんのご意見、《さまざまな意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ一丸となって闘うことを、ぼくは切望している》…に賛成。

 さらに、鈴木耕さんのこのコラムも是非読んでいただきたい。戦争できる国へ、アベ様らの壊憲に向けた策動への警鐘。この時期に湧いてくるアベ様《ヨイショ本》のクズ具合…その先のさらなる狙いは壊憲だ。
 【鈴木耕さん 言葉の海へ/第43回:右翼誌の巨大な新聞広告が「改憲国民投票」にもたらす重大な影響について】(http://maga9.jp/180829-2/)によると、《不気味な巨大広告 8月22日の毎日新聞に、デカデカと巨大な広告が載っていた。吐き気がした。『安倍総理と日本を変える』(花田紀凱責任編集、飛鳥新社)という全5段の派手な広告である。内容は、とにかく“安倍晋三バンザーイ万歳バンバンザイ!!”の不気味なほどのヨイショ本。次の世代のために 安倍晋三 本誌独占」に始まって、櫻井よしこ百田尚樹阿比留瑠比長谷川幸洋金美齢小川栄太郎…とおなじみの“安倍お友だち親衛隊”の総出演…なんでいまどきこんな本の広告が?…抜け穴だらけの改憲国民投票法雑誌書籍広告を装った改憲広告国民投票法の改定こそ急務だ…どうしても改憲のための国民投票を行うというのであれば、まずその前提として国民投票法の抜本的な“改正”が必要である。それこそが国会の急務ではないか》。

   『●質問主意書ゼロ件なのに、あんなに質問したがっていた
            自民党議員の皆さん達、実際に質問したことは?
    「リテラの別の記事【「森友・加計は朝日の捏造」と断定し朝日から抗議を
     受けた小川榮太郎の安倍擁護本を自民党が大量購入!】…
     《フェイクの塊》…トホホな「陰謀論と妄想」、それを自民党が大量購入って、
     まさか、それって税金じゃぁないでしょうね?」

   『●ヨイショ本・礼讃本『安倍晋三の真実』が伝えない、
        「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」という事実
   『●憲法99条無視で、違法に「#選挙妨害を暴力団に発注する
             アベ様」が9条壊憲を口にする資格はあるのか?

==================================================================================
http://maga9.jp/180822-4/

言葉の海へ
第42回:ワジワジーする沖縄の情勢
By 鈴木耕  2018年8月22日


翁長知事の通夜に現れた菅官房長官の
恥を知らない鉄面皮ぶり


 沖縄の言葉に「ワジワジー」というのがある。

 最近のぼくの愛読書『沖縄おもしろ方言事典』(沖縄雑学倶楽部編、創光出版、1989年第1刷。かなり古いので、もう入手不可能かもしれない)では、意味と用法は次のように解説されている。

   ワジワジー: しゃくにさわるようす。怒って頭にくるさま。
            「もう、お茶くみばかりさせて、ワジワジーするサー」

 たしかに最近の世の中、ワジワジーすることばかり。それも“お茶くみ”というような日常茶飯の出来事を超えて、デタラメ、メチャクチャ、ウソ、サイテー、ゴマカシ、いい加減なことばかりが目について仕方がない。
 沖縄言葉(ウチナーグチ)で「アキサミヨー」(ひどいっ!)とでも表現するしかない、安倍政権の沖縄に対する非道、無慈悲、酷薄、残虐、冷酷なやり口。それが翁長雄志沖縄県知事を死に追いやった原因のひとつであることは間違いない。病に冒された痩躯の、切なすぎる力を振り絞って安倍政権に対峙せざるを得なかった翁長さんの死期を早めたのは、どう否定しようが安倍政権の沖縄へ対するゴリ押しであったというしかない。
 あれだけ冷たい仕打ちをしておきながら、翁長さんの通夜に参列して「翁長さんとは沖縄の発展のために話し合った…どと白々しく述べることのできる菅義偉官房長官などは、まさに鉄面皮重い病に多大なストレスをかけた張本人が菅官房長官であり、安倍晋三首相だったではないか。よくも恥ずかしげもなく…と、ぼくのはらわたが煮えくり返る


辺野古の賛否を徹底的に隠す自民党の戦略と、
またもコウモリぶりをさらけ出した公明党

 「翁長さんの喪に服す」などといって、辺野古の美ら海への土砂投入を少しだけ遅らせようとしている安倍政権。なにが「喪に服す」だっ! そんなものは、9月30日に投開票が決まった沖縄知事選挙に向けての、小手先だけの見せかけに過ぎない
 知事選の直前に、反対する人たちを官憲の暴力で蹴散らして土砂投入を強行するような映像が流れれば、安倍政権のイメージが悪化する。それは自民党が擁立した佐喜真淳候補(宜野湾市長)に不利に働くから、少しだけ延期するということ。まったく手前勝手な理由でしかない
 自民党と佐喜真氏の選挙戦略は、今年2月の名護市長選まったく同じだ。つまり、辺野古米軍新基地建設の賛否に関しては絶対に態度を明らかにせず、ひたすら「普天間飛行場の早期移転と、沖縄の基地負担の軽減を目指す」と曖昧な態度で逃げまくる作戦なのだ。
 その上で佐喜真氏は、「国との関係において争いが絶えず、対立と分断が生まれてしまった」などと述べている。なんとふざけたことを言うのだろう。「対立と分断煽ってきたのは、翁長県政ではなく、県民の意志を踏みにじって来た安倍政権だったではないか。
 さらに許せぬことに、またも公明党はコウモリぶりを発揮した。毎日新聞(8月21日)が報じている。

~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
 沖縄県知事選(9月30日投開票)で、公明党県本部は20日、自民党が擁立した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)と政策協定を結んだ。これを受け、公明党本部は21日、佐喜真氏の推薦を決定する。政策協定では米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題には触れていない。(略)
 県本部は県内移設反対の立場だが、辺野古移設を推進する安倍政権が全面支援する佐喜真氏を推すことになった
 県本部代表の金城勉県議は記者会見で「(辺野古移設賛成の)党本部と県本部の認識の違いも現実にある。それを踏まえ、負担軽減を早期に実現してもらう」と説明した。
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~

 この金城県議は、記者会見で話していることに、なんの疑問も感じなかったのだろうか? 今回の知事選では「辺野古米軍基地建設の是非を問うが、最大の焦点になるのは明らかだ。その最大の焦点をひたすら隠して負担軽減などと、いったいどの口で言えるのか
 「県内移設には反対」という公明党沖縄県本部は真っ赤なウソつきである。むろん、そんなウソをつかせているのが公明党の中央本部なのだけれど。


暴力での基地反対派排除の次は
カネで脅しにかかる安倍政権

 しかもそれだけでは飽き足らず、今度は沖縄県へ凄まじい脅しもかけてきた。毎日新聞(8月20日)によれば、こうだ。

~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
 政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、県が名護市辺野古の埋め立て承認を撤回した場合、工事の遅延損害金が1日約2000万円発生するとの見積もりをまとめた。撤回処分の是非を巡る行政訴訟で政府が勝訴した場合に、県に損害賠償請求することを検討している。(略)
 県が承認を撤回すれば工事は中断され、工期が延びるため、施工業者の人件費や機材費が膨らむ。(略)撤回が違法と認定された場合、賠償請求額は数億円に上る可能性がある。
 ただ、知事だった翁長雄志氏の死去に伴い県知事選が9月30日投開票に前倒しされたため、政府は土砂投入を10月まで自重することも視野に入れている。(略)
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~

 もう、どう表現していいのか分からない言うことを聞かないヤツには暴力だけではなく、今度はカネを払えと脅しにかかる。まるで“ミカジメ料を取り立てるヤクザも驚くような手口だ
 国が地方自治体へカネを払えと訴えるなど御法度だろう。御法度だろうが何だろうが、使える手はすべて使って、言うことを聞かない者を圧し潰す。これが安倍晋三氏の言う民主国家のやることだろうか


国政選挙で繰り返し示されたのは、
基地建設反対という沖縄の民意だった

 沖縄県民の意志は、選挙のたびごとに何度も何度もこれ以上の基地負担は拒否。辺野古の米軍新基地建設反対を示してきたのだ。4年前の知事選では、辺野古基地反対を唱えた翁長さんの圧勝だった。ぼくもこのときは現地で取材をしていたのだが、開票開始の午後8時には「翁長氏圧勝」の新聞号外が出るほど、県民の意志は圧倒的だった
 現在の沖縄選挙区選出の国会議員は衆参合わせて6名(衆院4名、参院2名)だが、これまではすべての選挙区で基地反対を掲げる候補が勝ってきた。昨年の衆院選で、ようやく自民党が1議席を取り返したに過ぎない。基地容認の候補は軒並み敗れ、自民系候補は比例でかろうじて残っただけだった。
 つまり、基地問題が争点になった選挙では、ほぼ基地反対の立場に立つ候補が勝っているのだ。最近の沖縄の首長選挙では自民系が勝っているけれど、それはほとんどの場合、基地問題が争点にはなっていない(もしくは、自民系が基地問題に触れることを徹底的に避けている)からだともいえる。
 今年2月の名護市長選においても、自民公明推薦で当選した渡具知武豊氏に投票した有権者たちの中でさえ「基地建設には反対だが、渡具知さんは基地賛成とは言わなかったし、基地問題よりも地元の経済活性化を優先」との声が大きかったのは、選挙後のさまざまな調査でも明らかだ。つまり、基地問題に頬かむりし、土建選挙を徹底した自民系が競り勝ったのだ。決して、辺野古基地容認派が勝ったわけではない

 また9月20日には、自民党総裁選挙があることから、もし土砂投入を強行すれば、安倍3選の戦略にも狂いが生じかねない。
 なにしろ岸信介じいちゃんの悲願であり、たったひとつの安倍目標9条改憲のかかった自民党総裁選である。そのために、本来は2期6年と決められていた自民党党則を、これまた数の力で勝手に3期9年まで延長してしまったという強権総裁だ。沖縄を踏みにじることなど、屁とも思っていないだろう。屁臭、いや、腐臭漂う安倍政権だ。


「オール沖縄」態勢の再構築こそが
翁長さんの遺志を生かす道

 こんなワジワジーする状況へ、だが、一条の光が射し始めた。
 翁長さんが生前に遺しておいた音声データに、「後継者」として、衆院議員の玉城デニーさんと金秀グループを率いる呉屋守将さんの名が挙げられていたというのだ。呉屋さんが固辞したことから、辺野古基地反対の統一候補として玉城デニーさんが有力になった。
 沖縄のジャーナリストからの情報によれば、多分、これで玉城デニー氏vs.佐喜真淳氏の一騎打ちということになるだろうという。保守系でいち早く立候補を表明していた安里繁信氏は、自民党中央からの強力な締め付けで立候補断念に追い込まれた。なりふり構わぬ安倍政権である。
 実は、翁長さんが玉城さんに託したのは、玉城さんの出自にも関わる理由があってのことだったという。琉球新報(8月20日配信)に、こんな記事があった。

~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
 翁長雄志知事の後継候補として知事選出馬の方向となった玉城デニー衆院議員について、翁長氏が生前に「戦後沖縄の歴史を背負った政治家なので、今後沖縄を象徴する政治家になっていくのではないか」と語っていたことが19日、分かった。翁長雄志講演会の国吉真太郎会長が琉球新報の取材に明らかにした。
 膵臓がんの療養中の翁長知事を知事公舎で見舞った際に玉城氏の話題となり、沖縄の戦後史と重なる玉城氏の生い立ちなどを踏まえて「デニーさんは立派な政治家だ」と評したという。
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~

 「戦後沖縄の歴史を背負った政治家」とは、どういうことか。
 玉城さんは、沖縄の駐留米兵と日本女性の間に生まれた。父親はアメリカへ帰国、その後、一度も会ってはいないという。いわゆる「アメラジアン」と呼ばれるひとりである。玉城さんは、戦後沖縄の基地問題をその身に背負った存在であるといってもいいのだ。
 長じてラジオのパーソナリティなどタレント活動を経て、やがて市議から国会議員へと転身。現在は自由党幹事長の職にある。自分の信念を通すことには頑固で、2012年には、当時所属していた民主党野田政権の消費増税法に反対除名処分を受けたこともある硬骨漢でもある。
 これが、沖縄に射し始めた一条の光である。

 ただし、玉城氏一本化がすんなりいくとも限らない。県政与党の一部から「音声データを公表せよ」との強い要求があがっているからだ。
 沖縄タイムス(8月21日配信)には、次のような記事もある。

~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
 沖縄県の翁長雄志知事が生前残した音声で、後継候補に期待する人物として玉城デニー衆院議員の名前を挙げていた件で、会派おきなわ(瑞慶覧功会派長)は20日、新里米吉議長に音声の開示を求めたが認められなかった。同会派は「直接音声を聞かなければ言葉のニュアンスが分からない」として、開示されない限り、候補者選考作業を進めている「調整会議」への参加を見送る方針。
 新里氏は19日の会見で、音声を渡した遺族関係者の「広めたくない」との意向に沿い非開示とし、聞いたのは調整会議の中では自分一人だと説明していた。(略)
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~

 悲しい内部分裂の芽がここに出てきたのか。
 この選挙のもっとも大きな争点は、翁長さんが命を賭けた辺野古米軍新基地建設阻止を受け継ぐのかそれとも「辺野古容認」へ舵を切るのかの闘いである。その重大事は、たった1か月後に迫っている。
 翁長さんの闘いを支えた「オール沖縄」態勢の再構築ができなければ、今度の知事選は基地建設阻止派にとって、そうとう厳しいものになるだろう
 さまざまな意見の相違を捨ててでも、辺野古米軍基地建設阻止へ一丸となって闘うことを、ぼくは切望している。
==================================================================================

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする